【感想・ネタバレ】早朝始発の殺風景のレビュー

あらすじ

青春は、気まずさでできた密室だ。今、最注目の若手ミステリー作家が贈る珠玉の短編集。始発の電車で遭遇したのは普段あまり話さない女子。二人は互いに早起きの理由を探り始め……(表題作)。部活の引退日、男同士で観覧車に乗り込んだ先輩と後輩。後輩には何か目的があるようだが(「夢の国には観覧車がない」)。不器用な高校生たちの関係が小さな謎と会話を通じて少しずつ変わってゆく。ワンシチュエーション(場面転換なし)&リアルタイムで進行する五つの青春密室劇。登場人物総出演、読んでのお楽しみのエピローグ付き。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

◯謎解きしてる訳知り顔の主人公は、イライラするけど読みやすくて良かった。
◯早朝の澄んだ空気みたいな小説だった。結構好きだった。

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2025年11月25日

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ネタバレ

青春ミステリ。密室。早朝始発。殺風景。アリバイ作り。友人のため。メロンソーダ。緑色。クラT。
観覧車。夢の国。眺め。猫。3月4日、午後2時半。卒業式の後。学校。逃げ場のない密室。
エピローグがほっこりする。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

はじめて読む作家さんだったし…
本屋で1冊だけ発掘しよう!と決めた日に、ほんとに初めて目に留まり、タイトルに惹かれてお値段も今どきの中では比較的手頃だったことで手に取った。

青春×ミステリの新体験。私的に超大当たりだった。
主に2人のやりとりの中にある小さな小さな違和感が、最後の結末につながる。
その結末がまた、全く予想がつけられないながらも劇的!という訳ではなくて、軽い読み心地が何ともよかった。

1番気に入ったのは、夢の国には観覧車がない。
後輩くん、めっちゃいい、おもろいやつじゃん。
知り合いに雰囲気が近い子がいて、印象に残ったのもあるかもしれない笑。

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2025年09月16日

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ネタバレ

青崎友吾を読むのも3冊目。現状この本が一番好み。

5つの短編に直接の関係性はないけど、同じ時間軸、近隣で起こっている日常(でいいんかな?冒頭作)ミステリー。ミステリーとして謎解きはしっかり構築されているのはさすがだが、その謎が解けた結果、開けて見える光景が素晴らしい。ええなぁ、青春!

筋が通っていくスッキリ感だけではなく、そっから読者の気持ちをどう揺さぶっていくか、まで含めて伏線回収という贅沢を味わってしまったら、そこらのミステリー短編が楽しめなくなるぞ、困った。

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2025年08月31日

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それぞれの話が短くて読みやすかった

全てに謎解き要素が含まれていて、あれが伏線だったのか!と気付いた瞬間は楽しかった
でも謎解きがメインではなくて、人間関係に焦点を当てているところがすごく好き
お気に入りは、「メロンソーダ・ファクトリー」の話

最後のエピローグは今までの色んな人物が出てきたけどゾッとした

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2025年08月30日

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5つの短編とエピローグが入っていてとても読みやすかった。
5つの中で特に好きだった話は①『夢の国には観覧車がない』と②『三月四日、午後二時半の密室』の2つである。

①は途中まで声優さんの朗読があって読みやすかったのと、男2人で観覧車に乗っているという話の中で展開される物語の展開がとても面白かった。
②は卒業式後の女子高生の青春の感じを体感できたような気がして、とても心が温まるお話だった。
エピローグでも少しその後が出てきていたが、この2人のその後のストーリーを是非短編でも長編でも良いので読んでみたいと感じた。

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2025年07月25日

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久々に「これは良い!」となった小説。
オススメです。

面白かったという表現よりも、心地良いというか、綺麗にピースがハマる感覚がたまらない一冊。

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2025年07月23日

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とても良い感じの終わり方をするので、安心する。
日常が垣間見えるところがリアルもあるのかなと思う。
1話ごとスッキリして終わるので安眠です。

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2025年07月15日

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好きだわ…!!

青崎有吾さんは『地雷グリコ』で「うわぁ何だこの人」「おもしろい!キャラクター斗世界観も好き!」となり、
他の作品を…と思って本屋で見つけ購入。(忘れていたけど『11文字の檻』も読んでた)

短編なのにしっかり濃い日常ミステリー。
そしてミステリーとしてだけでなく、キャラクター一人一人とそのやりとりがとにかくいい。いわゆる『エモい』。

このあとどうなるんだろ、
と短編の先を自然と思い描き、
とても明るくて優しい未来が見えてほっこりする。

最近イヤミスばかり読んでいたので気持ちが癒された。


個人的に表題作の『早朝始発の殺風景』が最後の最後まで読んでいて楽しかったし、読み終わって「うわぁ…!!おもしろい!!!」と大満足で本を閉じることができた。

メロンソーダ3人組も、
観覧車の2人もすごく印象的だった。

しかし作者さんの、無駄のない、的確で、それでも情景と場景が見事に浮かんできてその場に立って見ているかのように感じる文章に感動してしまう。短編ミステリってすごいよなぁ。文字数が少ないから情報を絞らないといけない分、どれが伏線がバレやすいから、バレないように忍ばせないといけない。それがうまい。
そして余韻の残る締め方も好き。

他作品も読んでみようと思う。

というか地雷グリコ2も期待してますよ!!

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2025年07月12日

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地雷グリコからの流れで購入。
期待を裏切らない面白さで、気持ち良い読後感の1冊!
本格ミステリを思わせる展開なのに、飛び抜けた設定ではなくて、すぐそばの日常にありそうなお話なのがまた上手い。
表題タイトルの「早朝始発の殺風景」をはじめ、どの短編も面白かったけど、一番好きなのは、「三月四日、午後二時半の密室」。
タイトルにある「密室」というワードに、この日常生活ベースの設定の中でどんな密室があるんだろ、って思いながら読み進めていたら、「密室」=「2人の心の窮屈さ」ということなのか、と分かって大きくうなづいて納得できるストーリーだった。展開のうまさ、描写のうまさもずば抜けていて、また別の作品もたくさん読みたくなった!

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2025年06月13日

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軽快に読める日常の謎系の短編ミステリ小説。
青崎有吾作品は、本当にテンポが良くて心地よい。
そして今作は、なんだか少し甘酸っぱくて懐かしい思い出も蘇ってくる。
高校生だった当時、意味もなくはしゃぎ、意味もなく熱くなり。
そしてすっかり暗くなるまでファミレスでドリンクバーのジュース片手に語り合い。
う二度と戻れない、懐かしいあの頃。

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2025年11月04日

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ネタバレ

ワンシチュエーションの日常の謎を描いた短編集。表題作「早朝始発の殺風景」はたまたま始発に乗り合わせた同じクラスメイトの男女がその目的を互いに探っていく話で、今回の中で個人的には一番お気に入りの短編だった。駅の乗り口や会話の端々のわずかな違和感。そしてLINEのやり取りなど、手掛かりはあくまで電車の車中で手に入るものに限定されており、その真相はどちらも予想外で面白かった。男の方の「部活メンバーの不法侵入という暴走から身を守るためのアリバイ作り」という真相に反して、女の側の「襲われた友人への復讐」という真相の重さがとてもよく、この釣り合いの取れなさと早朝という爽やかな朝に相応しくないビターかつ苦いオチなのが素晴らしい。スマホを覗いた時の料理メモが復讐のメモというオチのブラックさもよく、話の落とし方も含めて傑作だと思う。

「メロンソーダ・ファクトリー」はクラスTシャツのデザインへの賛同を前提としたやり取りが裏切られたことによる女子3人のギクシャクをミステリに落とし込む手腕が面白く、色覚異常という真相自体は読めたものの、日常に上手く謎が紛れ込むと同時に、本来賛同してくれるはずの友人が拒絶するという、思春期にありがちな喧嘩を土台としてるのが青春ミステリっぽくてよかった。

「夢の国には観覧車はない」は観覧車の中という動く密室での先輩後輩という男二人の談義から、先輩の失恋へとシームレスに繋げる手腕が面白く「失恋を気づかせるため」という動機がいい。

「捨て猫と兄妹喧嘩」は青春ミステリに欠かせない離婚家庭という家庭環境の変化と捨てられた猫がダイレクトに結びつき、オチは読みやすいものの捨てられた猫をきっかけに別れた兄妹が再び一緒になるという落とし所はよかった。

「三月四日、午後二時半の密室」は青春そのものが気まずさでできた密室だという名言を残しただけでも価値のある一本であり、クラスに馴染まない、一見超然としてて孤高の女子でも、一皮剥けば他の普通の女子と変わりがないというオチが素晴らしかった。若干百合めいた関係性の短編でもありながら、真相が姉と部屋を交換してカッコつけたかっただけというカワイイ真相なのもとてもいい。

総じてどの短編も読みやすく、日常の謎の入門短編集として優れた一冊であると思う。

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2025年10月28日

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重すぎず軽すぎず、気軽に読めるけどしっかりミステリー。
特に表題作と観覧車が好み。
短編集だけど登場人物でうっすら繋がっているのが現実ぽくて好きだった。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

学生時代の小さな出来事などに関わる話の短篇。読みやすく、一つ一つ面白かった。短編は苦手なのですが、突っかかることもなくスラスラ読めました。

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2025年10月02日

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オムニバス
それぞれの物語の中に秘密があり
それを軽快に解決していく

毎晩1話ずつ
サクサクと読めました〜!!

観覧車の話は青春そのもの甘酸っぱい!
叶わぬ恋だったけれど
この先良いこといっぱいある予感!

早朝始発の殺風景
メロンソーダファクトリー
夢の国には観覧車がない
捨て猫と兄妹喧嘩
月四日、午後二時半の密室
エピローグ

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2025年09月26日

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死人も出ず事件も起きないけど、取り留めのない学生の日常でのミステリーというコンセプト自体が新しく感じた。2つ目の「メロンソーダ・ファクトリー」がお気に入り。主人公のホームズばりの観察眼と、「クラTのデザイン決め」という青春な題材で友情を再確認するストーリーが面白かった。デザインとかは女子任せだった男子としては、裏ではこんな感じだったのかも、とか想像できてよかった。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

とある沿線で繋がる短編集。

それぞれの高校生たちが送る日常の中に、ふと湧いた謎を会話劇で解く。

青春は、気まずさでできた密室だーーー。
とは、言い得て妙である。

その通りどの物語も何処かの中で進む。まるで小劇場の舞台を観ているような、ドキドキ感が迫る。

衝撃だったのは、表題にもなっている『早朝始発の殺風景』。てっきり電車の中から見える景色だと思っていた『殺風景』は、全く違うものだった。思い込みとは本当に恐ろしい。設定1つで、あっという間に心は鷲掴みにされた。

一番好きだったのは『夢の国には観覧車がない』かな。観覧車内で交わされる部活の先輩と後輩の会話劇。観覧車が再び地上に戻るまでの21分という時間制限の中でやり取りされる小さな謎は、全てがわざと明かされない曖昧さが、青春の甘酸っぱさを加速させていた。

描き下ろしのエピローグも、心地いい。
今まで読んだ全ての謎を、スッキリと消化させてくれる一編。これを読んで『さぁ、お終いだよ』と、終止符を打ってくれるような、満足感だけが残った。

一言で表すなら『優等生な短編集』って、感じですかね。

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2025年08月27日

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めちゃくちゃ読みやすかった〜
情景描写とかミステリ的なオチが少し若い子向けなのかなって思ったけど本読まないからわからない
その辺も読書初心者としてはよかった

短編かつ場面が変わらない、登場人物が少ないので混乱なく読めた
わたしはお笑いが好きなのでコントっぽいな、と後から気付きました

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

とても楽しい読書だった。全五篇の短編とエピローグ。特に『メロンソーダ・ファクトリー』が好き。

横槍市にある二つの高校、水薙女子高等学校と啄木高校の生徒たちが繰り広げる日常系のミステリ。時に少し影を落としながらも、爽やかな読後感が味わえる。
ラインナップは『早朝始発の殺風景』『メロンソーダ・ファクトリー』『夢の国には観覧車がない』『捨て猫と兄妹喧嘩』『三月四日、午後二時半の密室』『エピローグ』。メイン・キャラクターは変わっていくが、舞台となる駅や洋菓子店、取り壊し予定のマンションなど重なるところは多い。

ここでの「謎解き」は、相手を知るためのコミュニケーションとして描かれる。たまたま始発に乗り合わせた相手の事情。親友だと思っていた相手の不可解な拒絶。後輩はなぜ観覧車に乗ろうと誘ったのか。謎を解いていくと、相手のことをもう一段深く知ることができる。
すべての物語が未来へ向かって終わっているように感じるのは、そのためじゃないかなと思う。
ああ、楽しかった。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

短編、学生たちの日常風景と思いきや、ちょっとした違和感から繰り出される謎解きもの。青春あり、ミステリーあり、エピローグまで目が離せない。どのお話も高校生の日常を垣間見ている感で楽しかった。それでいて、謎解きが融合してキレイにまとまりお見事です!

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

初めて読んだミステリー作品でした。
ミステリーって難しそうなイメージだったのですが、この作品は初心者にはとても読みやすく、短編なので読んでいるうちに伏線回収されながら謎解きがされいき、作品全体としても各登場人物がどこかで繋がっていたりして、あっという間に読みました!

ミステリー初心者さんはぜひ読んでみては!

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

この人の文章は本当に読みやすい。
短編で視点、登場人物も全て違う中、
1冊の本としてまとめ上げているのは
青春ならではの気まずさが共通してそこにあるから。
日常をミステリに。伏線回収も見事。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

5話短編粒揃い。日常の一コマを切り取ったミステリー。些細な違和感に対して切り込んでいくのだけど、答えは理路整然とされていて読み応えがある。短い中にも伏線がしっかりある。青崎作品は満足度は高い。

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2025年06月19日

ネタバレ 購入済み

高校生たちのありそうでなさそうな空気感が懐かしく、ミステリー要素もあり、おもしろかった!
エピローグで各々のその後が見れたのもよかった!

#エモい

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2023年03月25日

Posted by ブクログ

本書は前回読んだアンソロジーと一緒に借りたのだが、青崎さんの作品ってミステリの切り口の面白さもそうだけど、それ以上に若者の心の中の様々な機微を面白くも繊細に描いている事に、とても好感を持ち(軽く扱わないというか)、これを読んで青春時代の素晴らしさを実感する方もおそらくいるのではないかと思うくらい、表現は現代的なのに、どこか普遍性も感じられました。

本書には5つの短編が収録されていて世界観が共通しているものの、それぞれ単独で読めるような、いずれも若者の瑞々しくも、ちょっと切なくさせる会話のやり取りが印象に残る。


「早朝始発の殺風景」
「殺風景」って凄い苗字だなと思ったが、彼女の凄さは苗字だけでは無かったことが徐々に分かっていく展開も面白いし、偶然一緒に乗り合わせた、「加藤木」とのホワイダニットのやり取りと、彼自身の異性をちょっと意識する(青春!!)葛藤との、ギャップも面白い。

「メロンソーダ・ファクトリー」
真田、詩子(うたこ)、ノギちゃんの、高二三人娘のユーモラスなやり取りの中にキラリと光った大切なものの存在。それも彼女自身なんだよね、ということを心に刻み込む事で、更に彼女たちの友情が厚くなるのだと思うと、こういう謎解きもいいね。

「夢の国には観覧車がない」
私の中ではこれがいちばん好きで、男子二人で観覧車に乗るだけの展開が、まさか殺人とは。
しかも、ここでは殺人の解釈がちょっとほろ苦く、そして温かく切ないという。言葉巧みなんだけど巧みさだけではない、これは相手の気持ちに寄り添わないと分からないであろう、思いやりや優しさを感じられて、似たような経験を持つ方にはグッとくるものもあるのでは。
そして、この話における次から次へと倒れていく論理的ドミノの気持ち良さは必読でして、『平成のエラリー・クイーン』、なるほどと。
また、私は千葉在住なので分かるのだが、地名や建造物に現実とフィクションを取り混ぜていて、実はこれにもちゃんとした意味があった事が分かり、それも合わさる事で、より切なさが増します。

「捨て猫と兄妹喧嘩」
両親の離婚に合わせて別々になってしまった兄妹の微妙な距離感の葛藤に、妹が拾ってきた捨て猫が加わることで、新たな展開が始まりそうな予感には、兄妹2人にとって希望の始まりとも思え、それに謎解きが大きく貢献しているのも心憎いばかり。

「三月四日、午後二時半の密室」
出来れば作品紹介は読まないことをお勧めしたい、密室の解釈の独自性がまず印象的で、これ分かるなあ・・密室って正に閉じられた空間だもんね。だが、そんな苦しみも、ちょっとドジな探偵の手にかかれば、たちまち様変わり! というか、感情の振り幅に驚きだが、こうしたジェットコースターのように、一瞬にして感情が思いっきり両極端に様変わり出来るのって、これも青春ならではの素晴らしさ、素敵さなのではないかと、共感すること間違い無いと思いました。
また、ここでは他の話の人物とのちょっとした繋がりもあって、それを見つける楽しさもあります。

それから、最後のエピローグの内容は、ここまで読んできた読者へのご褒美のようにも思われて、それぞれの物語に愛着を持たれた方なら、きっと満足される内容かと思われますし、あの人物の後日譚も読めて、私はとても嬉しかったです。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

どの短編もはずれなし。少ないページ数なのに、興味を惹かせて、最後きちんと伏線が回収されていって爽快でした。

メロンソーダ・ファクトリーは、女子高生3人の個性的で、明るくまっすぐなキャラクターと、みんなに優しい解決案の提示があって、一番好き。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすい短編集。
どれも会話から謎解きをしていく構成が面白かった。
ただ、どうしても好きじゃない話があって
猫の話で、自分で猫を飼っておいて、お付き合いしてる女性が猫アレルギーという理由で、一年くらい一緒に暮らしていた猫をあっさり捨ててしまう父親。
卒業式の話で、風邪で休んだ仲がいいわけでもないクラスメイトの家にアルバムを届けて、なぜか長居するところ。風邪うつるからすぐ帰るでしょ!と思ったら、もう読む楽しみが激減してしまった。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

「小説すばる」掲載短編5編と
小洒落たエピローグ1編

高校生たちのちょっと気まずい、どこか愛おしい日常の謎がしのび込む短編集。
本格ミステリというよりは、“気になるあの子との気まずい会話劇”や“ちょっとした思い違い”が、ふんわり解けていく感じ。

なかでも『夢の国には観覧車がない』は、ちょっと不思議で優しい後輩男子が可愛くて、その後の関係にうきうき。ちなみに先輩も男子です。
ラストのエピローグで、短編に登場したカレカノ達がふっと再登場するのも粋で、お上手でした。

「体育館の殺人」のシリーズよりも、わたしはこちらのほうが好みでした
青春の気まずさ、眩しくさ、優しさ、そんな5つの青春が、早朝の駅のホームのように静かに並んでいました。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

読後感が最高に気持ちいい。2時間かからずサクッと読めて、爽快感がいかにも高校生を題材にした作品としてぴったりでいいなぁと思った。
群青劇でありながらも、同じ町で起きていることなので、最後それがつながっていくさまがとても楽しかった。ドラマでいえば「モダンラブ」だし、小説としての個人的な入りは伊坂幸太郎さんの「ラッシュライフ」だったので、久々な清涼感を味わえた。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

5編からなる短編集。様々な状況の密室で居合わせた高校生達が、互いの言動の裏を読み、小さな謎をめぐって静かに思考をめぐらせる。謎解きと青春ドラマが交差する、ささやかな密室ミステリー。

特に表題作の「早朝始発の殺風景」が好みでした。
始発列車に乗り合わせた男女の高校生が、互いに始発に乗った理由を探り合う。会話は穏やかながらもどこかスリリングで、手がかりを敢えて悟らせるといった、高度な心理戦が繰り広げられる。そのやり取りは、まるで言葉によるチェスのよう。微笑ましくも緊張感が同居し、この世界へと引きこまれました。

本作の真骨頂は、“謎解き”が単なる知的遊戯に留まらず、ドラマに結びついている点にあります。
気まずさで包まれた密室のなかで、互いの真意を探り合う登場人物達。言葉の応酬を重ね、相手の心を理解する為のやりとりが、登場人物の関係性を変化させてゆく。謎に挑むミステリから、かけがえのない青春ドラマへと切り替わる構造が全編に共通しており、どの物語にも心地よさがあります。
青春とミステリを掛け合わせたハイブリッドな読書体験を味わい、新鮮で魅力的でした。

日常の殺風景の中に潜む、知恵と感情の交差点。真剣な命のやり取りではなく、等身大の高校生たちが織りなす緩やかな謎解きと、そこから生まれる人間関係の機微が楽しめる一冊です。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

日常系ミステリの短編集。登場人物達は学生で、各話の登場人物は2〜3人なのでテンポが良く小難しさもありません。空いた時間に1篇ごと読むのにちょうどいい。

ミステリながらも学生特有の瑞々しさがあって、読後感も爽やかでした。
・・・一番の驚きはこれ名字なんだ、ということ笑

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2025年06月28日

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