櫻井祐子のレビュー一覧
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ネタバレイノベーションのジレンマの続編で、ジレンマを解決するための指針をまとめたもの。怖いのは、合理的な計画や判断が自らを破滅させるという前提があるということ。決して間違っていないにも関わらず破滅へ進んでしまう。気になるテーマはいくつもあるが、2点に絞る
1点目は顧客を分析するのではなく「状況」を分析するというもの。顧客で分析すると、同じ属性の顧客をみつけるようになってしまう。本来、顧客が持つ課題を解決するのだが、手段が目的となってしまう。だからクリステンセンは常に顧客の「状況」を分析するように示唆している。実に的確だ
2点目は人材。マネージャを選ぶ際に何を解決してきたではなく、何の問題に取り組んでいたかを取り組むこと、解決できたかどうかよりも、そこで何を得てきたかの方が重要であるということだ。成功者は磨き抜かれた技術を持っているが、次の任務でそれが適応できるかどうかは別問題だからだ。スキルは経験で得なければならない、よって人事役員は重責を負い、それぞれに何を学んでもらうかを考えなければならない・・・とのこと。これが出来ている会社はどれだけいるだろう。ほとんどの会社は短期的視点でしかみていないのではないだろうか
ちなみに、この本は注釈も多いのだが、学生からの服のブランドに対しての意見に対して「我々のしったことか」と切り捨てるなど、クリステンセン先生の独走意見に満ち溢れている。 -
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イノベーションを起こせる企業と起こせない企業、その謎の解明の長い物語の最終解にあたる本書ですが、前2冊を補完するような内容になっています。ので、本書から読むのでしたら、付録に前2冊での主要な概念が載っていますので、そちらを理解してから読まれることをお勧めします。
しかしながら、1冊目「イノベーションのジレンマ」で既存企業は新興の破壊的イノベーションに勝てない理由を明確にされ「じゃあ、どうすれば良いの?」と絶望を感じました。2冊目「イノベーションの解」でその解への希望を持ちそれでもその困難さにぞっとしました。さらに「解」に踏み込んだ3冊目の本書で大分すっきりしたと思います。イノベーションを起こすにはどうすれば良いのか。どんなアンテナを張っていれば良いのか。具体的な例(教育・航空・半導体・医療・通信)の解説と共に身につけることが出来ると思います。 -
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『イノベーションのジレンマ』では大企業がイノベーションを行えない理由、『イノベーションへの解』がイノベーションを起す理論だったのに対して、企業や業界に着目してイノベーションを分析的に見る観察眼の指南書、前半が分析方法を説明し、後半がその分析方法を用いた教育、航空、半導体、通信などの業界の分析の実例、前半がことのほか私には難解でした。
以下メモ的抜書き
RVP理論:資源・プロセス・価値基準が合わさって企業の組織としての強み、弱み、死角を決定。VCE理論:バリューチェーン進化の理論、統合化を進めてほとんどの活動を社内で行うもしくは狭い範囲の活動に特化集中して、それ以外の付加価値活動を他の企業に提供してもらう。統合化アーキテクチャーは柔軟性に欠け、相対的に対応が遅くなる。モジュール型はアーキテクチャーは、分業を容易する反面、製品に要する時間や対応の早さ、利便性という面での性能が犠牲になる。 -
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前作は、なぜイノベーションが起きない(起せない)かについての考察だったのに対して、本作はイノベーションの起し方についての指南を欧米そして日本企業の様々な事例を持ち出して解説する。ソニーのトランジスタラジオがエルビスを聞きたい若者(本書でいうところの無消費者)に売れたとき、販売ルートまで変化していたことに驚きましたが、製品だけではなく販売ルートにもイノベーションがあると納得。
本書を荒っぽく要約すると、無消費者(用件を抱えているものの既存の方法は高すぎる)もしくはローエンドをターゲットとし、現在の事業が十分に収益のあるときから新規事業(イノベーション)を立ち上げる。販売ルートも合わせて既存の方法を見直す。でしょうか、とても勉強になりました。最終解も楽しみです。 -
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前作「イノベーションのジレンマ」の実践編との位置づけ。「ジレンマ」では、合理的な判断を重ねた優良企業が、その合理性ゆえに破壊者に敗北していく様子をドラマチックに描いた非常にユニークな内容であったが、本書では新市場型破壊という陳腐な概念が持ち込まれ、より広い状況に対応する理論となっている。それだけに前作ほどのインパクトが薄れた印象。
独特の用語を用いているので惑わされるが、片付けたい用事=潜在顧客ニーズの解決を優先せよ、製品ライフサイクルの初期には相互依存型アーキテクチャ=内部摺り合わせが有効、など言っていることは至極常識的なことばかりである。
それでも6章以降は経営戦略に必要な考え方が極めて論理的にまとめられており、非常に参考になる。
自社の現在の状況が、悪循環に陥ったかつての優良企業の典型例に恐ろしいくらい合致しているが、経営陣が”経験の学校”で学んでいなかったのが元凶のような気がしてきた。今からでも遅くないので、まずは本書を読んでほしいと切に願う。でも彼らは今さら勉強なんかしないんだろうな。 -
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思ったより面白かった。
21世紀の100年間がどのようになるのかを
地政学的見地(これがよくわかりませんでしたが)
から予測する内容。
21世紀はアメリカの時代。第2次世界大戦やEUまでは
ヨーロッパの時代で、アメリカはまだ若くて粗暴な国。
そのアメリカに挑戦する国。挑戦させられる国が
かわるがわるでてくる。
まずはイスラム、まとまりがなく自壊していく。
その次はロシアと中国。現状の経済や技術に固執し
アメリカの技術にまけてしまう。また民族問題や
それを統制している機能が弱体しロシアと中国は
分裂する。
その分裂した中国とロシアの周辺を力に変えていく
日本とトルコとポーランドがアメリカとの関係の
なかで日本とトルコと(ドイツ)がまたアメリカと
戦争をおこす。その開戦の仕方や結末は第2次世界大戦
とほぼ同じ流れが起こっていて。。
最後には、アメリカのひざ元であるメキシコと
アメリカの対決になる。 -
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クリステンセンのイノベーションシリーズの完結編。
「イノベーションのジレンマ」、「イノベーションへの解」に続く作品です。
解説によれば「イノベーションのジレンマ」は破壊的イノベーションに直面した優良企業は正しい経営を行っていたにもかかわらず敗れ去ってしまうことを解説しています。「イノベーションへの解」はその破壊的イノベーションを起こすためにはどうしたらよいか、それを構築するための戦術指南書といっています。そして本書「イノベーションの最終解」は破壊的イノベーションの兆しを見つけて次に起こることを見通すための兵法書といっています。
本書の前半はその見通すためのツールについて説明されており、後半は実際にさまざまな業界でその未来がどうなのかが語られています。
ツールとしては3つ
変化のシグナル を識別する方法
競争のバトル を評価する方法
戦略的選択 でそれぞれ何ができるか
これらを駆使して、教育、航空、半導体、医療、情報通信、など業界を分析しています。
本作で興味を引かれたのが2つ。
一つ目は変化のシグナルででてくる顧客について。
変化のシグナルを捉えるには、3つの顧客集団を評価する必要があるとして、「無消費者」「満たされていない顧客」「過剰満足の顧客」のそれぞれの兆候を見る必要があるといっています。そして、それぞれの顧客集団からどのようなイノベーションが展開されるかが語られています。
自分たちの業界の顧客はいまどういう状態にあり、新規参入はどの顧客にたいして何を与えようとしているのか?を注意深く見ていく必要があると感じました。
もうひとつが競争のバトルで出てくる非対称性について。
非対称として動機付けの非対称、スキルの非対称を解説しています。
新規参入企業は非対称な動機付けの「盾」に隠れて参入する一方、既存企業はその技術を既存のプロセスと価値基準に詰め込んでしまう。
新規参入企業は成長して改良を進め、既存企業は闘争する。そして、新規参入企業は非対称なスキルという「剣」を利用して、最終的には、破壊的イノベーションで新規参入企業が打ち負かしていくことを解説しています。
それぞれの段階のシグナルを見出すことがとても重要。
そして、その非対称性の剣と盾を持っている企業がいたら要注意となります。
本書の付録として、主要な概念のまとめが載っており、おさらいとしては至れりつくせり。その付録さえ読めば
破壊的イノベーションの理論ってなんだっけ?
とか
資源、プロセス、価値基準の理論ってなんだっけ?
とか
がわかります。これがあれば、前作の2冊は必要ないのでは(笑)
さて、最後にひとこと。
前作同様、読みにくかった。
自分の頭が悪いのもあり、読むのにとても時間がかかりました。
さらに、なんか事例が古いなぁって思っていたら、なんと、本作は2004年に書かれている!!10年も前の作品だったんですね。なぜ、2014年に翻訳して出すんだ!!っと思ったら、いろいろ大人の事情があったようです。(解説に語られています)
しかし、まとめの一冊としてはとても重要な一冊でした。
この一冊だけでたぶん十分(笑)
お勧め!