櫻井祐子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまでで最も感銘を受けたビジネス書は?と問われれば、「イノベーションのジレンマ」と答えることにしている。大きな成功をおさめた企業が、その成功のゆえに、リソース配分を成功事業の維持発展につぎ込むという合理的判断をせざるをえず、破壊的新規サービスには自ら乗り出せない。しかし、技術の進歩による破壊的新規サービスの利便性向上と、同時に成功既存事業に対する顧客の満足度が一定レベル以上増加しないことから、やがては破壊的新規サービスが成功既存事業を逆転し、市場を奪う。
本書はこのイノベーションのジレンマを、新規事業者の立場にたって、既存成功事業者に挑む際の具体的な戦略について解説している。内容はもちろん、イノベーションのジレンマに基づいているので、前作ほどの目新しさは感じないものの、各戦略は具体的で理解しやすく、また、前作に対する理解を深めることができる。 -
Posted by ブクログ
家庭や社会において、我々はどのようなメカニズムで不正に手を染めてしまうのか―――人間の業とも言える「嘘」や「ごまかし」を行動経済学の視点から考察し、効果的な予防方法を様々な実験により検証した貴重なレポート。
罪を罪と認識させる、嘘をつかないことを宣誓させる、前例を作らない、大義名分を与えない、罰則の強化はあまり効果がないなど、興味深い実験データ満載だ。
誰かが自分に向けた不正を見極めるため、あるいは社会に対して無意識に不正を行いたくなる自分を律するため、役立つ書籍になるかもしれない。
ただこの本を読んで最も困難だと感じたのは、自分が自分に対して行う不正についてである。
例えば・・・ダイエット中なんだけど、超人気スイーツが半額で売り出してる・・・とか。
例えば・・・今日は酒飲まないと決心したが、冷蔵庫にお刺身と吟醸酒を見つけた・・・とか。
あなたは誘惑に耐えられますか? 固い決心に対するちょっとした不正を、拒み続けることができますか? -
Posted by ブクログ
世の中には不正をなくすために考えられた仕組みがたくさんある。
多くは、罰則を厳しくするとか、ばれる確率を上げるような、
費用便益的なリスクを増やすことで、不正を抑制しようとするものである。
でも人はそんなに合理的じゃない、
いつもメリットとデメリットを天秤にかけて行動しているわけじゃない、
ということを、面白い実験を通して明らかにしていく。
本書全体を通して論証している仮説は、
人は自分で正当化しやすいほど悪いことをしやすい、
というもの。
だから、
ちょっとした不正はだんだんエスカレートし、
誰のお金か分かりにくくなるほど、金融のモラルハザードは大きくなり、
会社の金庫から1円を持って帰るのはできないけど私用コピーはでき、
世の中を良くするために、政治家は平気で賄賂をもらう。
読むとどれも、ちょっと意外だが、納得するものばかり。
そして、不正についての人の行動心理を知ることは、
不正の防止、抑制に役立つ。
従来の規制、罰則ではなく、行動心理を知らない人には
信じられないほど単純だが、本当に効果のある対策を
講じることができる。
多くの人が、こういう行動傾向を知れば、
不正が起きにくい楽しい世の中になるのに、と思う。 -
Posted by ブクログ
なかなか刺激的だった。
単純な実験で母数に関する記述がないため、非常に少ないようであることが気になるところ。
不正は金額が少ないとか多いとか、ばれる確率が高いとか低いとかがその量を変えるわけではない。
不正を防ぐものは直前に倫理的なものを呼び起こすこと、倫理条項への署名、誓約、意思疎通の持てない監視者がある。
不正を促すのは社会的要員の不正を目撃すること、他人が自分の不正から利益を得ること、前頭前野が消耗した状態であること、ちょっとした不道徳から道を外していくこと、創造的な思考で正当化する能力、利益相反、クライアントとの付き合いの長さ、否定的なイデオロギーなどがある。
一旦不正をすると不正に酔い、実力を過信する。
最後のまとめを見るまでは、内容が多くて思い出せないものも。
時間はかかったし、いまいち今後の役には立ちそうにないが面白かった。 -
Posted by ブクログ
クレイトン・クリステンセン、2003年。
人が生活のなかでやり遂げたいと思うことは、基本的なレベルではそう変わらない。
デジタルカメラがなかった頃、まばたきをしたかもしれないから同じポーズで2度撮り、友人に送るために人数分焼き増しした。デジタルカメラはこれらの用事を効率的にやり遂げることを助けた。一方、デジタルカメラがなかった頃、現像した写真は、98%が引き出しにしまわれ、二度と眺められることはなかった。稀に几帳面な人だけがアルバムに張ってきちんと整理した。オンラインアルバムは、顧客が以前やろうともしていなかった用事を簡単に整理して分類できますよ、という提案だから、顧客の優先的な用事を解決するイノベーションではない。
大学の教科書の電子書籍は、高額で重たい教科書を手軽に持ち運び、検索したりできることを提案するが、おそらく成功しないだろうという。 そもそも大学の学生は、法外な値段でばからしい教科書を全く読まずに単位をとるという用事を片付けようとしているからだ。
顧客がそれまで感心を持っていなかった用事を片付けさせようとするアイデアは、成功の見込みが殆どない。新製品が手に入るようになったからといって、用事のほうを変えることは絶対にない。
ソーラー発電は、先進国より南アジアやアフリカで浸透する可能性が高い。先進国では24時間、安価に利用できる電力が既にある。天候に左右されるソーラー発電がこれに対抗するのは、あまりに厳しい。一方、インドやアフリカでは、電気を大量に食う電化製品があふれているわけではないので、夜間に電灯を灯すだけの電力を日中蓄えられればよいし、従来型の発電・配電設備をこれから建設することに比べれば、太陽エネルギーははるかに安価で、政府承認や汚職に頭を悩ませる必要もない。
太陽エネルギーを先進国の電力減にすることを目指す政府出資のプロジェクトではなく、アフリカの無消費者を標的としてシンプルかつ小規模にはじめ、その後上位市場に移行するイノベーションモデルが成功しそうだ。 -
Posted by ブクログ
タイトル通りの内容です。みなさんはどう思いますか?どこまでリアルに想像ができますか?
この書籍は、タイトルの通りの内容をノンフィクションストーリーと現実に起こっていることの両方の視点でロジカルに迫ってきます。これから先、AIが自律型AIとなり、PDCAサイクルを人間なしに回し始めた時、一気に世界は変わり、私たちは知らず知らずのうちに絶滅に向かうのかもしれないです。※Human out of the roopと言うみたいですね
確かにそうだなーと思ったのは、AIはある程度のランダム生の中で解答を考えたりするので、ハルシネーションが起こる。しかし、今後はランダムに起こるハルシネーションの中でちょっとした成功体験も生まれたりして、そういうことの積み重ねでどんなゴールに辿り着くのかは全然わからないということでした。あ〜これはその通りだし、このランダムなゴールの中に一つでも人類を滅ぼして、生成AIがこの世を支配しようなんていう方向を考えたら大変になるなと思いました。
ただ、人類が滅びることをイメージしたフィクションは面白くはなかったです。リアルに想像できて、よかったんですけれどねぇ。 -
Posted by ブクログ
人はある程度成功すると自信を持つ。自信を持っていると時にはそれが傲慢さに変わる。コーチングを受けることにプライドが許さない、そんなの必要ない、と考える人もいる。
本書に出てくる人物は、誰もが聞いたことのあるサービスを作った会社の創業者だったり役員だったりと、いわゆる大物たち。その大物がコーチングを受けているという事実から目を逸らしてはいけないと思う。どんなに成果を上げても他者からのフィードバックを受ける準備ができている。そういった心構えでいることが大物になることの条件だったりするんだろうか。
1兆ドルコーチと呼ばれたビルは、誠実さや率直さを最も大事にしてそれを表現していた。そんな人からコーチングを受けた人たちが大物になっている事実を知れば、生きる上で何が重要かは少しはわかると思った。