櫻井祐子のレビュー一覧

  • 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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    マイケル・ポーター、久しぶりである。

    ポーターは、戦略というか、経営について考えるときに、知っていなければ、話しにならないのだけど、なんか理屈ぽい、というか、市場をいろいろ分析して、知的に自分のポジション、戦略を設定する、という合理主義的・客観主義なフレームの人という印象であった。で、現場力というより、知的なトップによるトップダウン経営というイメージ。

    戦略論的には、ポーターより、コアコンピタンスとか、リソース・ベースト・ビューみたいな内部的な「強み」に注目するアプローチのほうが、好きだし、ミンツバーグ的なやっているうちにできてしまう、という創発的な考え方により共感している。

    というある

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    2021年09月03日
  • 最古の文字なのか? 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く

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    ヨーロッパの300か所を超える洞窟に残された様々な模様、記号を調査、データベース化してみると、それはわずか32個に集約された。これらの意味を探るべく著者は調査を重ねる。日本語タイトルは「文字」という言葉を使うが、本文は洞窟に残された様々な記号、模様についての考察が中心であり、本書においてはそれらが文字であるとは結論付けていない。
    とはいえ、このような研究はまだ間発展途上との事なので、今後のさらなる研究に期待している。
    あと、本書のおかげで少し考古学や古人類学に興味が出た。

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    2017年01月16日
  • アリエリー教授の人生相談室 行動経済学で解決する100の不合理

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    合理的に生きるためには、という命題にQ&Aで答えていく本。

    本筋とは関係無いけど、ユーモアのセンスというのは感覚よりむしろ合理的であることに近いのかもしれない。本当に面白い笑いというのは、本質を突く言葉に宿るのかと思わされたほど、アリエリー教授のコメントは面白い。

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    2016年10月28日
  • イノベーションの最終解

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    ネタバレ

    「イノベーションのジレンマ」からはじまり、「イノベーションの解」と続き、それらのシリーズ最終巻となるのが本書。
    「イノベーションのジレンマ」では破壊的イノベーションからどのようにして自身の身を守るか、そして「イノベーションの解」では、逆に破壊的イノベーションを使って、既存企業にいかにして戦いを挑めばいいのかが述べられていた。
    本書では、外から業界全体や、その業界内で何が起きているのかを解析、そして予測するために、理論を用いる方法を詳しく解説しています。

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    2016年09月24日
  • Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

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    マッチメイキングとマーケットデザインのお話。著者はノーベル賞受賞の経済学者。紹介されたシステムは幼稚園とかのマッチングシステムに導入したら、待機児童減りそうだなと。こういう本もたまに読むと面白い。学校選択と腎臓交換の例が多いけど、結構おすすめ。

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    2016年08月31日
  • イノベーションへの解

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    ネタバレ

    「イノベーションのジレンマ」の続編。前作がなぜイノベーションのジレンマがなぜ起きるのかということに書かれていたのに対して、本書ではそのイノベーションのジレンマにどう立ち向かえばいいのか、またはどのように破壊的イノベーション起こせるのかということを理論立てて書かれている。

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    2016年07月25日
  • Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

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    ネタバレ

    マーケットデザインでノーベル賞を受賞した著者自身による本書はかなり具体的な例をたくさんあげており、数学的な話もなくかなり読みやすい。マーケットというものの存在意義自体についても考えさせられる点が多かった。

    例えば小麦なども、もともとは相対での取引であった。そこでは実際に小麦の質を見聞し、農家の素性を調べ、、、ということが必要であったが、市場が「十分に厚みを増す(買い手はどの売り手からも買え、売り手はどの買い手にも売ることができる)」ことによって小麦市場はコモディティ化した。コモディティ化してしまえば品質や種類は格付けされ、買い手は実際に確かめなくても安心して買うことができるようになった。

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    2016年06月30日
  • アリエリー教授の人生相談室 行動経済学で解決する100の不合理

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    この著者の行動経済学の本は面白く、本書も購入。ちょっと毛色が違っていて、WSJの紙面で読者の質問に答える形式。行動経済学に則っている回答と、そうでないものも。これまでの著作を読んでいる読者は、もちろん、きっかけとして、この本から入っても面白いかも。

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    2016年06月29日
  • Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

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    matching は経済学の一部分なの?
    だとすれば,役に立つ経済学があることを初めて知った。

    はるか昔修士の学生の頃に平面上の点群の最小重み完全マッチングの研究も行ったので,マッチングは数理的な概念だと思っていたのである。

    脚注で引用さえている論文を見るとOR関連の論文誌に発表されたものもあるし。

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    2016年06月24日
  • 100年予測

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    ネタバレ

    予測の前提としてアメリカの超大国としての地位が続く、更に強くなるというところから始まっている。太平洋、大西洋二つの大洋に面し、双方を支配しているというのはわかるが、その支配が今後100年続くかというと疑問もある。

    100年の予測は唯一の超大国アメリカに挑む、時代により移り変わる地域覇権国の興亡を通して描かれる。

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    2017年09月01日
  • Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

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    コモディティの市場と、いろいろな差別化されたニッチな市場がうまく使い分けられて世界は動いているし、価格で決まらない市場もある。希少資源をいかに効率的に割り当てるかについて、一般均衡理論だけでは世界は動かないし、ビッグブラザーが完璧な配分計画を作り上げることができるはずもない。そこにゲーム理論と行動経済学を駆使し、マーケットをデザインするという学問がなりたつ、というお話だ。多分。
    後半のオークション関係の細かい話は、やっぱり読みにくいかな。

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    2018年10月19日
  • 英国一家、フランスを食べる

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    料理本のレシピ通りに作っても、上手く作れない。フードジャーナリストとして、これで良いのか???という処が出発点。。食べるだけでは満足しない、新たな境地を開こうとする著者の行動力に脱帽。
    ル・コルドン・ブルーでの修学の様子は、とても興味深い。研修先では、パリの著名なレストラン、キッチンの様子を垣間見ることができ、楽しく読めた。

    久々に「フランス料理用語辞典」を開いたし、フランス料理を食べたくなったぁ。

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    2016年01月22日
  • 100年予測

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    このような本があることを知ってはいたのですが、ある本を読んでいて初めて題名を知りました。あの有名なフリードマン氏が書かれた本の訳本が、2009年に単行本で発行されたものが文庫化されたものです。

    私が興味を持っている「地政学」を駆使して、全世界の今後100年間にわたる予測を行っています。気になった所に付箋を貼りながら読むのですが、本が付箋で一杯になりました。凄い本でした。

    21世紀もアメリカが世界一であり続けるのが結論ですが、それに挑戦する国として、日本がトルコと同盟を組んで挑み敗北するというストーリーが印象的でした。

    つい数年前までは大国化すると騒がれていた、中国、インド、ブラジル、ロシ

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    2016年06月19日
  • 100年予測

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    「影のCIA」と言われる情報機関の創始者が、今後100年の世界情勢の変化を地政学的見地から予測したものである。2009年に単行本で発刊され、今般文庫化された。
    単行本発刊後まもなく本書を読んだときに最も印象に残ったのは、2020年代以降トルコとポーランドが存在感を大きく高め、2060年代にはメキシコが世界有数の大国になるということであった。因みに、米国は今後100年間覇権国であり続けるが、中国とロシアの影響力は大きく低下するという。いずれも、地政学的見地から論理的に予測した結論である。
    単行本発刊後5年が経っており、本書の内容と現在の世界情勢を比較してみると、ロシアのウクライナへの介入は予測さ

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    2016年01月11日
  • イノベーションの最終解

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    実際は「最終章」として書かれた本ではないそうですが、名著の「イノベーションのジレンマ」を読んだ後に読むと、つながりがよくわかります。アンケートを実施することばかりに注力して、稚拙な分析をもとにをエビデンスだと言い張られそうな時、または、理論をベースに未来を見たいと思ったら、おすすめです。
    違う訳の本もありますが、「ジレンマ」から読む方は、こちらの訳を読む方がいいと思います。

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    2015年10月29日
  • ずる 嘘とごまかしの行動経済学

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    署名の位置で不正が減る。
    利益相反。スポンサーの絵を良いと評価する。本人は気付いていない。
    疲れると誘惑に勝てない。不正しやすい。
    偽物を身に付けると不正をしやすい。
    不正は感染する。同じグループの人が不正をするとその人も不正しやすくなる。

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    2015年10月09日
  • 英国一家、フランスを食べる

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    一見ユニークだけど、
    相当の負けず嫌いとみた。
    ここまで料理を極めておいて、
    フードジャーナリストに
    戻るところがすごい。
    いつも家族を大事にしていて
    微笑ましい。

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    2015年07月11日
  • イノベーションへの解

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    「持続」と「破壊」という縦軸に、章ごとに横糸を通す論理展開が分かりやすい。「ジレンマ」より更にパワフルな実践の書。

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    2015年06月08日
  • ずる 嘘とごまかしの行動経済学

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    人は[そこそこ正直で誠実な自分]でいられる範囲でズルをする。


    人間がいかに都合よく考えてるかがよく分かる一冊。

    テストが終わったら、自己採点した後にシュレッダーに答案用紙を入れてから自己申告した点に応じて報酬がもらえる実験。シュレッダーに入れる場合と入れない場合で「ずる」の度合いが変わる。
    また、周りにずるをするサクラを用意すると他の人も「ずる」が増える。ただ、あまりに極端な場合は罪悪感からそこまでずるの度合いは変わらないなど。

    その一方で、自分は立派な人間でありたいという欲求もあるから、自分にとって良い「つじつま合わせ」をする。

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    2017年01月15日
  • イノベーションへの解

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    ネタバレ

    イノベーションのジレンマの続編で、ジレンマを解決するための指針をまとめたもの。怖いのは、合理的な計画や判断が自らを破滅させるという前提があるということ。決して間違っていないにも関わらず破滅へ進んでしまう。気になるテーマはいくつもあるが、2点に絞る

    1点目は顧客を分析するのではなく「状況」を分析するというもの。顧客で分析すると、同じ属性の顧客をみつけるようになってしまう。本来、顧客が持つ課題を解決するのだが、手段が目的となってしまう。だからクリステンセンは常に顧客の「状況」を分析するように示唆している。実に的確だ
    2点目は人材。マネージャを選ぶ際に何を解決してきたではなく、何の問題に取り組んで

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    2015年03月28日