【感想・ネタバレ】〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略のレビュー

あらすじ

経営戦略を学ぶものが避けて通れない、世界的権威マイケル・ポーター教授の競争戦略論。ポーター本人の全面協力により、エッセンシャル版がついに登場! 巻末にポーターとのQ&Aを収録。

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マイケルポーターの競争戦略についてシンプルに学ぶことができる。本本人の書いた本よりも解説や説明がわかりやすいように私は感じた。

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2025年09月19日

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非常に面白かった。

確かに企業の皆が最高を目指してたらぶつかるわな。マイケルポーターは、まず競争とは何か、そこで企業が成長するための戦略とは何かを定義づけしてくれてるのがありがたい。
社会人になって、与えられる業務で日々追われますが、会社が何をするのか、何が目的なのか、ビジョンは何かを意識する良いきっかけになった。

顧客に与えることができる価値は何か。どの顧客のどのニーズに応えるか。
今ちょっと苦しい時期だから非常に刺さった。

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2024年12月23日

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経営に詳しくなくても、かなり理解できる良書。
同じ土俵で戦うな、違い見出してより際立たせろ、ということが全編通して書かれている

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2024年02月03日

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最高を目指す経営は✖
企業が目指すは利益の最大化
顧客創造×適切なバリューチェーン
トレードオフ
一つのコアコンピタンスだけでは成り立たない

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2024年01月25日

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「良い戦略 悪い戦略」の後に競争戦略の古典として読む。味わい深く、簡潔に記載されているため、何度でも読みたい。バリューチェーンやトレードオフ、適合性、継続性に加え、戦略があるからこそイノベーションの導入判断ができる。

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2023年02月25日

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マイケルポーターの戦略論は必須古典でありながら、なかなか手がつけられずにいたが、この本に出会ったことでようやく糸口が見えた。

まず、ポーターは競争の定義をしている。彼は、最高を目指す戦いは消耗戦となる未来しかないため、独自性を目指す戦いこそがあるべき競争としている。

そんな競争において、有名な5 Forces分析で現在地を見極めた上で、ここから説明する戦略を考えるべし、としている。

戦略とは、特別な価値提案(Value Proposition)と、特別に調整されたサプライチェーンがあり、すべての顧客を満足させない、トレードオフを含むものであるべし、としている。

忘れてはならないのはポーターは、利益を目指すことを良しとしており、指標としてはROICを見る事を是としている。

優れた戦略に対して、適合性と継続性が備われば百戦危うからずであるが、意外と継続性が軽視されるケースが多い。

柔軟であることや、すべての顧客を満たそうとすることは一見良さそうな方向性に見えるが、ポーターからすると愚策であり、真の戦略はやらない事を決めると言われる所以はここにある。

総花的にならず、凛と咲く一輪の珍しい花になることが求められている。

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2023年01月29日

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世界に一つだけの花。


ポーターによれば、競争に対する正しい考え方とは、最高ではなく独自性を目指すこと。

・一位ではなく、収益を高める
・市場シェアでなく、利益を重視
・「最高」の製品で顧客をもてなすのではなく、ターゲットを絞り多様なニーズを満たす
・模倣ではなく、イノベーションによる競争
・ゼロサム競争ではなく、プラスサム競争


"NO.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly one"


余談。
時を同じくして、ある有名ブロガー(ニコ生主)の動画を視聴。
偶然にも競争の“降り方”を論じた内容だったが、視点の違いは多少あれど、本質的にはポーターとほぼ同じ内容で思わず息を呑んでしまった。

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2022年08月10日

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【星:5.0】
競争戦略について、その本質をとても分かりやすく説明しているという感想。評判どおりのいい本であった。

まず、競争戦略を「競争」と「戦略」に明確に分けているのだが、この2つを分けるという発想がなかったので新鮮だった。

そして、2つに分けて「競争」については「5つの要因」、「戦略」については「5つの条件」というフレームワークで説明しており、「競争戦略」というものが何なのかということがストンと腹落ちする感じである。

名著に出会った感を久々に味わった。

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2022年03月12日

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具体的な事ではなく、根本的な戦略についての記載がされている良書です。 また、この2回目を読み直したい本でした。

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2021年12月02日

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重要なポイントがコンパクトに整理されていて、分かりやすい。
普遍的な理論が中心で、流行に左右されない内容。最高を目指して同質化するのではなく、戦略により差別化し、高い収益性を実現すべきというメッセージ。
また、読み返す価値あり。

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2020年10月03日

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マイケルポーターの論文の中から最重要ポイントを抽出してまとめたという本。そうは言ってもかなりボリューミーだし、サクサク読み進められる内容ではありませんでした。
しかし、高度に一般化された理論だけあって、企業戦略に対しまた新たな視点を身に着けることができたと感じます。イノベーションのジレンマが流行らせた「破壊的イノベーション」にも言及しており(否定しているわけではない)、その概念に心酔していた自分にとってまさに目を覚まさせてくれる本でした。
就活が楽しみになるような一冊。

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2020年01月27日

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ポーターの競争戦略論をコンパクトに学べるエッセンシャル版。
何百ページにもおよぶ書籍を読むのは時間的にも体力的にもシンドイという人(私)も、これなら読める。

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2018年10月21日

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ネタバレ

まさにこのような本を待っていました。競争戦略の古典とも言われるマイケル・ポーターの「競争の戦略(Competitive Strategy)」ですが、この本(エッセンシャル版)にも何度か記述があるように、僕自身が「競争の戦略」を”誰もが読んでおけばよかったと思うが、誰も読みたいとは思わない”と思っていた一人だからです。

そんな中での[エッセンシャル版]です。私自身、これまでポーターを避けていくつかの戦略本を読んできたという邪道にもほどがある読書歴の持ち主ですが、まさに古典として「戦略」のベースとなる考え方がすべて書かれていると感じました。構成・章立ても、そもそも「競争とは何か?」という導入から戦略の必要性を語り、次に「戦略とは何か?」で我々がやるべきことが書かれるという構成になっており、とても読みやすく、且つ腹落ちしやすいです。さすが[エッセンシャル版]と銘打つだけあります。

また、冒頭で述べられているように、この著書が「やらないこと」を明確にしていることも好感が持てます。すなわち、学術的な本は目指さない、ポーターの研究のすべてを要約しようとしない、ポーターの研究を拡張するものではない、ハウツー本ではない、ということを明確にし、“どのように考えるべきか、その指針を示し、優れた戦略とそうでない戦略を見きわめ、まっとうな戦略と一時的な流行に踊らされた戦略とを区別する方法を示す本”を目指したと宣言しています。

事例紹介も定番のサウスウェスト航空やIKEAなどを筆頭に、ファストフード(In-N-Out Burger)やアパレル(ZARA)、医療(アラビンド)、自動車(BMW)などなど、多岐に渡る最新の事例が盛りだくさんで、読んでいて楽しいです。

戦略に少しでも関りながらも、論文やポーターの原著までは手が出ない、、、という方はたくさんいると思います。そのような方々にも、この本をぜひ読んでいただきたい。オススメの一冊です。

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2017年08月19日

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ビジネスにおける競争と戦略について、マイケルポーターによって定義されたその用語について、丁寧に解説されています。まさにこの分野を勉強する教科書として必読のものではないでしょうか。陥りやすい間違い、戦略に対する、業界に対する、自社の立ち位置。間違ったまま使っているケースがあまりにも多いため、それがその形で広がってしまっているように感じます。どのように考えれば間違わないのか。そのコツを身につけるためにも読む必要のある本だと思います。

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2017年07月06日

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ネタバレ

ポーターの言う「競争戦略」とは何かを学べました。
世にある「コアコンピタンス」「自社の自信のある戦略」と「競争戦略」がいかにかけ離れているかを知りました。
戦略は「価値提案」だけの需要サイドだけで成り立つものではない。それはマーケティングだけ考えている。十分条件だ。
そして、戦略の必要条件は、「供給サイド」にある。
いわゆる「バリューチェーン」の各活動がコストをかけて価値を生み出し、ある活動を行うことで別の活動を毀損するような活動を意図的に選択することで「トレードオフ」を行う。
この「バリューチェーン」内の活動の選択の「トレードオフ」効果により、他社は容易には、自社を模倣できない。つまりハイパーコンペティションや価格競争、「最高の経営」競争に陥らない。「トレードオフ」のおかげで、「バリューチェーン」の活動の1つを模倣できる確率が90%になるとすると、活動が4個あるだけで、模倣できる確率は51%にも下がる。10個あるならなおさらだ。
さらに、バリューチェーンを「適合化(フィット)」することにより活動間の効果を増幅することができる。
これらの戦略を構築する上で必要なのが「(価値提案を変えないで)継続性」を保つこと。バリューチェーンとトレードオフとフィットは、いきなりは構築できない。
そうしているうちに市場の状況は変わる。しかし、基礎的な「価値提案」を自社の顧客に提案したまま、バリューチェーン、トレードオフ、フィットを微調整し続ける継続性が必要だ。この「価値提案」は市況によらず維持する。顧客からの自社のイメージ(認識)がズレないようにするため。しかし、供給サイドは変えていく。こちらは、顧客のイメージとは無関係で、かつ、経済的効果が高いから。
ざっくりいうとこんな感じでした。

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2017年05月31日

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経営学では、スーパーメジャーなマイケル・ポーターの競争戦略のほぼ公認といえるエッセンシャル版。
同質的な競争を好まず、独自性を貫き競合他社との競争回避と何かを捨てるというターゲティングを戦略の本質と捉えている、競争戦略の要諦がコンパクトに理解できると思います。
おそらくですが、経営学の概論本で学んだ方の大半は、ポーターの競争戦略をかなり誤解しているかと思います。
原本がベストかと思いますが、それよりコンパクトで安易な記述の本書がお勧めです。
「競争の戦略」よりも「競争優位の戦略」の方を読んでみたいと思いました。より実践適用の理解を目指して。

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2017年05月07日

Posted by ブクログ

ファイブフォースとバリューチェーンにより、経営に携わる人間で知らない人はいないマイケル・ポーター。ただ、それを知っていることと理解していることはまったく違うことだという重要なことを思い出させてくれる一冊だった。むしろ十分に理解しない人間こそ、それをさも知った顔をするのが虚構の常である。確かにポーターの理論は難しいし、『競争の戦略』も『競争優位の戦略』も軽く手を出すにはハードな論文であるが、このエッセンシャル版はこれら2冊の主張とその後の動きを十分に盛り込んだ現時点で最高のポーター本だと言えるでしょう。この本を読んで自分なりに理解したポーターの理論をまとめる。

■戦略とは
 一言で定義するなら、「好業績を持続的にもたらす優れた競争戦略」のことである。我が社の戦略は優れた人材ですとか、重要なM&Aを行うことですとかいったことは戦略ではない。なお、ポーターが扱う戦略とは事業における競争戦略であり、企業全体の戦略である企業戦略を指すのではない。

■競争優位とは
 一言で定義するなら、「企業が実行する活動の違いから生じる『相対的価格または相対的コストの違い』」である。我が社の競争優位は技術力ですとか、ブランド力ですとか、低コストですとかそういったことは競争優位ではない。ちなみに、ポーターは価格優位とコスト優位を明確に区別するため、差別化(differantiation)を価格優位に限定して定義していて、一般的に経営者がいう差別化(different)とは違う扱いをしている。

ゆえに、彼の述べる競争とは、最高を目指す競争ではなく、他社と異なる道筋を選ぶ相対的なポジションの問題である。つまり、競争の目的はシェアを高めることでも売上を拡大することでもなく、利益を上げることに他ならない。優れた戦略は業界平均を上回る業績をもたらす。このあたりの主張はブルーオーシャン戦略とも関係するし、クリステンセンの破壊的イノベーションとも関係する。

✕最高を目指す競争
 ・一位になる
 ・市場シェア重視
 ・「最高」の製品によって「最高の」顧客に対応する
 ・模倣による競争
 ・ゼロサム競争:誰も勝てない競争
◯独自性を目指す競争
 ・収益を高める
 ・利益重視
 ・ターゲット顧客の多様なニーズを満たす
 ・イノベーションによる競争
 ・プラスサム競争:複数の勝者、多くの土俵

重要なことは業界平均を上回る利益を持続することであり、「利益=価格−コスト」であるという構造から捉えると、競争優位とは「競合他社と比べて相対的に高い価格を要求できるか、相対的に低いコストで運営できるか、もしくはその両方」という結論に行き着く。ここで競争優位を解きほぐす2つのフレームワークが登場する。それがファイブフォースとバリューチェーンであり、前者は業界構造を捉えるものであり、後者は相対的なポジションを探るものである。

■ファイブフォース
 ・業界の収益性の決定要因を分析の焦点とする
 ・業界の平均的な価格とコストが分かる
■バリューチェーン
 ・活動における違いを分析の焦点とする
 ・相対的な価格とコストが分かる

ファイブフォースについては、よく誤解されているような、ただ業界が魅力的か否かを図る静動的なツールではない。業界構造を明らかにして、変化を能動的に予測するものである。なぜ業界構造がそこまで重要なのかというと、主に3つのポイントが挙げられる。
・どんなに異なる業界においても、競争要因は「既存企業同士の競争」「サプライヤーの交渉力」「買い手の交渉力」「新規参入者の脅威」「代替品・代替サービスの脅威」の5つである
・業界の収益性を決定するのは業界構造であり、規制の強さや製造業かサービス業かといった業態の違いではない
・技術や製品の移り変わりは早いが、業界構造とその収益性は非常に硬直的である
なお、同様に構造把握に使われるSWOT分析については、定性要因が大きく結局主観的になり裏付けが薄いことからポーターは否定している

バリューチェーンについては、よく誤解されているような、研究開発から販売・保守までの流れを左から右に並べるだけのものではない。バリューチェーンとは関連しあう活動の集合だということは知っていても、だから何なのかということは理解されていない。戦略を考える上では、マーケティングや物流といった職能で捉えるのは概念として広すぎるため、サプライチェーンの管理・営業部隊の運営・製品開発・配送などなど「活動」で捉える必要がある。バリューチェーンとは企業を戦略的に意味のある活動に分解するツールであり、競争優位の源泉(つまり、価格引き上げかコスト引き下げ)をもたらす特定の活動に焦点を当てる。これにより、一つ一つの活動が単なるコストではなく、最終製品・サービスに何らかの価値を加えるべき段階として捉えられるようになった。


こうした前提をもとに、競争優位を分析していくが、分析の手順は大きく分けて「まず定量化し、次いで分解する」となる。
<定量化>
収益性は一時的な要因に左右されるため、過去5〜10年程度の長期的なスパンで分析する。(業界によって収益構造は異なるため、分析すべき期間も異なる。サービス業の回収は早く、製造業は遅いなど)
これによって、業界の問題と自社の問題かを切り分けることができる。業界構造に影響を及ぼす要因と相対的ポジションを左右する要因はまったくの別物である。
1. 自社の各事業の収益性は経済全体の平均(例えば全企業の株主資本利益率)に比べ高いか低いか
2. 自社の業績は業界平均と比べて高いか低いか
<分解>
自社の問題だと分かった場合、要因に分解する。優れた戦略を持つ企業は、戦略を損益計算書に結びつけることができる。
3. 自社の業績が業界平均を上回る/下回るのはなぜか?相対的価格と相対的コストに分解する
4. 相対的価格と相対的コストをさらに分解する
 ・価格:特定の製品ライン?顧客?地理・地域?値引き?
 ・コスト:業務コスト(損益計算書)?資本運用(貸借対照表?)

では、競争優位を実現するためにはどうすればよいか。そこで出て来るのが「業務効果」であり、一般的に「実行(execution)」や「ベストプラクティス」と呼ばれるものと同じだ。企業が類似の活動を競合他社よりも優れて行う能力のことである。ただし、業務効果と戦略を混同してはいけない。業務効果を高めるだけでは堅牢な競争優位は得られない。業務効果はすぐに模倣され、持続しない。業務効果にかけては日本企業の右に出るものはいないが、業務効果での競争に囚われたせいで、最も優れた日本企業でさえも慢性的に低い収益性に悩まされていることが、ポーターがほとんんどの日本企業には戦略がないという所以である。

✕ライバルと同じ活動をより優れて行う
 ・同じニーズをより低いコストで満たす
 ・コスト優位性、ただし維持するのが困難
 ・最高を目指す競争、実行で勝負する
◯ライバルと異なる活動を行う
 ・異なるニーズを満たすか、同じニーズをより低いコストで満たす、またはその両方
 ・高価格か低コスト、またはその両方を維持
 ・独自性を目指す競争、戦略で勝負する


まとめると、優れた戦略を支えるのは5つの条件である。
1. 独自の価値提案
 自ら選んだ顧客層に特徴ある価値を適切な価格で提供しているか
2. 特別に調整されたバリューチェーン
 独自の価値提案を実現するのに最も適した一連の活動は、ライバル企業の行う活動と異なるか。なお、アウトソースの可否選択は慎重になるべきだ。ただの定型非定型といった作業難易度で分解するものではない。アウトソースすべきは、企業のポジションに合わせて意味のある調整ができない活動であり、戦略に合わせて特別に調整できる活動はアウトソースできない。
3. 競合企業とは異なるトレードオフ
 自社の価値を最も効率的、効果的に実現するために、やらないことをはっきり定めているか
4. バリューチェーン全体に渡る適合性
 自社が行う活動は、互いに価値を高めあっているか。つまり、「一貫性」「補完・補強」「代替」をもってバリューチェーン全体が相互に良好な依存をしているか。なお、優れた戦略がたった1つのコアコンピタンスから成り立つというのは大きな誤解である。業界の全企業がまったく同じコアコンピタンスを求めるのは誤りであるし、戦略がいくつかの独立した選択から生まれることもない。
5. 長期的な継続性
 組織が得意なことに磨きをかけ、活動の調整、トレードオフ、適合性を促すことができる十分な安定性が、戦略の核にあるか。ここでは柔軟性との関係も重要だ。どんな素晴らしい戦略も特に詳しいまたは具体的な将来予測をもとにしていることはまずない。不確実な時代において戦略が将来予測の上に成り立つということは誤りである。といえども、柔軟であればよいというものでもない。柔軟性を戦略の代わりにすげ替えた瞬間、戦略を失ったことと同じである。重要なのは、適切な契機をもって戦略変更を行うことだ。戦略変更が必要なタイミングは大きく3つある。
 ・顧客のニーズが変化するうちに、企業の価値提案が完全に時代遅れになるとき
 ・様々なイノベーションによって、戦略の基盤である重要なトレードオフが効力を失うとき
 ・技術や経営面でのブレークスルーが既存の価値提案を完全にだめにするとき

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2018年02月03日

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戦略の本質を理解するのにとても良い本。
差別化要素を磨き上げると価格アップやコスト削減につながり利益の高いビジネスになる。

優れた戦略の五つの条件
独自の価値提案
特別に調整されたバリューチェーン
競合企業とは異なるトレードオフ
バリューチェーン全体に渡る適合性
長期的な継続性

この観点はフレームワーク的に参考になる。

基本は五つの競争要因とバリューチェーン
これも教訓

価値提案には3つの質問に答える
どの顧客?
どのニーズ?
相対的価格は?

考えるべきポイントが分かりやすく整理されていた。

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2016年08月17日

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戦略とはポジショニング(業界内での居場所を確立する)である。そのために選択と集中、特別に調整されたバリューチェーンなど重視する必要がある。

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2025年10月09日

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楠木建先生の本を一通り読んでから入ったからか、被る部分が多かったこともあり分かりやすかった。原書はなかなか読みづらいのだろうが、エッセンスを凝縮して理解するという意味ではとても良かったと思う。

個人的に面白かったのは、航空会社のイールドマネジメントに対するポーター先生の考察。業界の収益性を破壊した、従って業界構造を変えなくてはならない、それには業界内のすべての企業に追随されなくてはならない。
ホテル業界もまさにこの沼にハマっているのでは?と考えさせられた。

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2025年06月02日

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競争戦略をちゃんと学びたいと思い読みました。内容が難しかったのか、自分が集中していなかったのか分かりませんが、理解できていると思うんだけど、ちょっとぼやけた感じがあります。

内容としては、利益を産むための戦略についてまとめた本でした。ただ、この本で言う戦略は、もちろんマーケティングなどもあるんですが、企業の利益構造や事業構造そのものを指している点が特徴です。また、ナンバー1を目指す競争を全否定し、独自のポジションを作りオンリー1を目指す競争を徹底的に推奨しています。

イケアなどの例は、身近にあるし、特徴的な企業なので分かりやすいなと思いました。ただ、自分の会社に落とし込んで考えた時に、どう活かすのかは結構難しいんだろうなと感じました。

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2025年02月23日

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世の中にはマーケティング手法、考え方が溢れ、洪水が起きている。そんな中、ポーターは「独自性を持ち、他社(者)とは違ったポジションを取りなさい」と勧める。

かの有名な孔子の言葉で「戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。」という名言がある。
まさにこれを体現しているのが、ポーターの競争戦略である。

本書の最後らへんのインタビューの部分で「戦略を定めるからには、対象とする顧客とニーズを定めなくてはならない。それ以外の顧客のニーズについては、期待に添えないという現実を受け入れなければならない。それは、実にいいことなのだ。」とポーターが言っていた。
本書を短く要約するなら、これに尽きると感じた。

以下、競争戦略の具体的な内容。
①最高を目指す競争は価格競争に陥り、競走の収斂という結末が待っている。
②利益を生まない規模拡大(シェア率拡大)は無意味
③競争優位はライバルを打ち負かすためでなく、独自の価値を顧客に提供するためにある
④特別に調整されたバリューチェーンがなければ、それはただの業務改善である
⑤あらゆる顧客を満足させようとしない。一部の顧客が不満足を感じる戦略が、優れた戦略である
⑥トレードオフによって、組織がやらないことをハッキリと誇示する
⑦コアコンピタンスは1つの要因だけではなく、多くの要因が相互補完していることで成り立つ

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2025年01月14日

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モーサテで見て読んだ本。星野リゾートの戦略ベースらしい。No. 1を目指しに行くのとは違う戦い方。流し読みだったがp.251からのまとめを読むとスッキリ理解できると思う。ユニバを成功させた人の話とも似てると思ったので、この考えを取り入れてるのではと思った。

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2023年02月12日

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聞いたことはある、一回は内容も見ている、だけどあまり覚えていないといった人が多いのでは。
ポーターの競争戦略について、体系的にまとめていて、さらに客観視した中で、その意図するところなどの説明もあり、分かりやすい。
一個人の仕事としても、最高を目指すことが重要ではないという点や、やらないことを決めることが重要というトレードオフは、常々の業務でも意識出来る部分がある。
言葉の意味や用語を覚えるというよりは、何が本質かを理解する読み方がオススメです。

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2021年10月05日

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競争とは競合と同じ方法で一位を目指すことではない。同じことをしていたら、価格競争に陥る。独自の価値を生み出し、それに対して適合する独自のバリューチェーンを形成することが、他社の模倣困難性を築き、自社を強くする。

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2020年08月24日

Posted by ブクログ

マイケル・ポーター、久しぶりである。

ポーターは、戦略というか、経営について考えるときに、知っていなければ、話しにならないのだけど、なんか理屈ぽい、というか、市場をいろいろ分析して、知的に自分のポジション、戦略を設定する、という合理主義的・客観主義なフレームの人という印象であった。で、現場力というより、知的なトップによるトップダウン経営というイメージ。

戦略論的には、ポーターより、コアコンピタンスとか、リソース・ベースト・ビューみたいな内部的な「強み」に注目するアプローチのほうが、好きだし、ミンツバーグ的なやっているうちにできてしまう、という創発的な考え方により共感している。

というある種のネガティブイメージをもちつつ、頭の整理のために、コンパクトにまとまっていそうな本書を読んでみた。この本の著者は、ポーターではなくて、近年、一緒に活動することが多いジョアン・マグレッタによるもの。最近のポーターの考え方もアップデートして、ポーターの主要な概念を解説している。

書いてあることは、一応、どこかで読んだ(主に、HBRの論文)ことなんだけど、こうして、ポーターのいっていることを、全体としてまとめると、「そうだったのか!そこがそうつながるのか!」とかなり目から鱗が落ちる感覚があった。

で、ポーターの言っていることと、自分が考えているというか、大事だと考えていることに大きな違いがないことが分かって、驚いた。これまで、食わず嫌いだったことを反省した。

主に共感したところは、
・要するに戦略とはナンバーワンになることでなく、オンリーワンになることである。自社にしかできない価値をお客様に継続的に提供すること
・5フォースとかの環境分析をなんか考えて、うまいポジションを見つければいい、というようなものではなく、一つの正解があるわけではないんだから、経営層がしっかり議論して合意するしかない
・戦略を決めるのに、未来の予測は必要なく、こういう方向に変って行くとか、こういう顧客のニーズが増えて行くという方向感があれば、十分で、それに向かって一種の賭けとして、戦略を決める
・で、議論をつくしたうえで、役員で合意する。そして、その戦略に納得しない役員はやめていただく
・戦略を決めたら、顧客への提供価値を他に模倣されないようなヴァリューチェーンをつくっていく
・戦略は、何をするか、というより何をしないか、ということで、トレードオフが存在する。そうした選択にもとづいて、たくさんの他の会社にできないような選択をヴァリュー・チェインのなかに組み込むこむ。具体的には、様々な活動を一つの戦略に埋め込んで行く
・一旦、戦略を決めたら、ある程度の期間、それを継続して、同じことを何度も何度も言い続けて、従業員に浸透させていく
・といっても、業界全体の効率性の追求というところで、他社に遅れてはいけない。トレードオフの選択に関係のない業務の効率化は徹底すべき
・戦略はむしろオープンにしたほうがいい。外部に対して、こういうポジションで、ここに集中すること、徹底することを宣言すれば、他社がそこに入っていこうという意志を削ぐことができる
・長期に継続的に戦略を維持することは、時代の変化、破壊的なイノベーションに遅れを取るという意見もあるが、本当に本質的な環境変化はあまりなく、戦略を明確にしたほうが、顧客価値をどうしたら変化のなかで維持するか、ということに絞って取り組む。このことによって、逆説的ではあるが、変化への対応力が高くなる
という感じ。

そんなことだったんだ。

と納得するとともに、「まあ、そういうことであれば、とくに異論はありません」というか、「RBVのバーニーとの論争って、結局、なんだったんですか?」とか、「本当に最初からそう思っていたんですか?」「年とって丸くなったんじゃないですか?」、みたいな気持ちになりました。

よくまとまった本だと思います。ポーターを読もうと思う人は、これから始めるといいと思います。

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2021年09月03日

Posted by ブクログ

【所感】
読みやすいとは言い難いが、ポーターの競争戦略論を教科書的には勉強できる

【覚えておきたいポイント】
ライバルを倒して業界のNo.1になることは重要ではなく、顧客のためその会社にしかできない価値を生み出し利益を得続けることが重要である

全ての顧客の要望に応えようと二股をかけると両方で失敗する。トレードオフでどちらかを切り捨てる決断は必須であり、企業が明確な戦略を持っていれば「やらないこと」がはっきりする

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2021年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

基本的なフレームワークである5Fを学ぶために。
オリジナルは、高価である上に、読みにくそうだったので。
こちらを手に取った。まとまっていて読みやすく、全体感を把握するためには良かった。
とはいえ、これの使い方をマスターするにはこれでは不十分。もっとケースを知り、考えていく必要はある。
これを読みながら、「ブルーオーシャン戦略」や「ストーリーとしての競争戦略」をほうふつとする部分が出てきて、
やはり、古典を読むことの重要性を感じた

最高を目指して競争してはいけない。
平均的な人の最高の商品は、万人にとってのベストではない。無駄な機能が搭載されているということになる。
競争の収斂、皆が同じところを目指して争えば、最終的に商品が差別化できずに、価格競争になり、利益が出ない。
他者に勝つとことではなくて、利益を上げることが目的。独自性をp目指す。


5つの競争要因
・市場の強豪との競争
・買い手の交渉力
・サプライヤーの交渉力
・代替品の脅威
・新規参入障壁

境界によって、利益構造は決まっていて、
それは硬直的である。
状況を分析するだけでなく、それが、今後どのように変化していくのか?を予想して、競争戦略に反映させることが大事
(とても大変そうだ)

競争優位
・高い価格を出してもよいと思わせる価値を提供できる
・想定的に低い価格で売り出せるコスト構造を作れるか?
そのどちらかしかない。

戦略とは、他社と異なる道筋をとること
・特徴ある価値提案
・特別に調整されたバリューチェーン
・トレードオフ
・適合性
・継続性

やらないことを決める。ことで、特定のお客様にとって必要な価値提案の質を高めることができる。
トレードオフによって得られたコスト減ををもとに、価値強化に割り振る。
バリューチェーン全体を通じて、その価値提案の向上につなげる。一貫して。全体の適合性が上がることで、
さらにそれぞれの要素の価値が引き上げられる。
一つの要素だけで差別化した場合にはそれを模倣することは容易であるかもしれないが、複数の要素のつながりで差別化できる場合にはそれを模倣することは難しい。
継続することで、自社内にノウハウがたまること、ブランド力の向上などでの優位性ができるほかに、関連会社もその方向性を理解することで、競争優位に貢献できるようになる。
この辺りは、「ブルーオーシャン戦略」「ストーリーとしての競争戦略」をほうふつとさせる。


5Fは、あくまで、ポーターの理論の一部でしかなく、
さらにバリューチェーンの考え方も今となっては、
当たり前だが、それを提唱したのもポーターである

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2020年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マイケルポーターの競争戦略のエッセンス部分をまとめた本
ファイブフォースやポジショニング、価値創造のためのコア・コンピタンス、一貫性など
ポーターで重要となる理論に関して経営的視点でまとめてあり、理解しやすい一冊
読んだだけでは自分の身についているとは言えず
手を動かす、数値を意識する、財務諸表を分析する事の重要性も再認識できる本
ポーターの過去の本を読んでから読むと、おさらいになるので良い
読んでない人は、戦略を生業としないのであれば、これ一冊で十分かもしれない

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2019年05月05日

Posted by ブクログ

・最高を求める活動は競争ではない。
・最高を目指して競争する企業は、模倣を通じて成長する。独自性を目指して競争する企業は、イノベーションを糧にして繁栄する。
・「市場シェアは収益性とは何の関係もない」
・優れた戦略をもつ企業は、戦略を損益計算書に直接結びつけている。
・戦略とは競争においてもトレードオフを行うこと。戦略の本質は何をやらないかを選択することだ
・最悪の、そして最もよくある間違いは、戦略を持たないこと。戦略を持たない企業幹部はたいてい自分には戦略があると思い込んでいる。

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2018年12月09日

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