あらすじ
経営戦略を学ぶものが避けて通れない、世界的権威マイケル・ポーター教授の競争戦略論。ポーター本人の全面協力により、エッセンシャル版がついに登場! 巻末にポーターとのQ&Aを収録。
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Posted by ブクログ
まさにこのような本を待っていました。競争戦略の古典とも言われるマイケル・ポーターの「競争の戦略(Competitive Strategy)」ですが、この本(エッセンシャル版)にも何度か記述があるように、僕自身が「競争の戦略」を”誰もが読んでおけばよかったと思うが、誰も読みたいとは思わない”と思っていた一人だからです。
そんな中での[エッセンシャル版]です。私自身、これまでポーターを避けていくつかの戦略本を読んできたという邪道にもほどがある読書歴の持ち主ですが、まさに古典として「戦略」のベースとなる考え方がすべて書かれていると感じました。構成・章立ても、そもそも「競争とは何か?」という導入から戦略の必要性を語り、次に「戦略とは何か?」で我々がやるべきことが書かれるという構成になっており、とても読みやすく、且つ腹落ちしやすいです。さすが[エッセンシャル版]と銘打つだけあります。
また、冒頭で述べられているように、この著書が「やらないこと」を明確にしていることも好感が持てます。すなわち、学術的な本は目指さない、ポーターの研究のすべてを要約しようとしない、ポーターの研究を拡張するものではない、ハウツー本ではない、ということを明確にし、“どのように考えるべきか、その指針を示し、優れた戦略とそうでない戦略を見きわめ、まっとうな戦略と一時的な流行に踊らされた戦略とを区別する方法を示す本”を目指したと宣言しています。
事例紹介も定番のサウスウェスト航空やIKEAなどを筆頭に、ファストフード(In-N-Out Burger)やアパレル(ZARA)、医療(アラビンド)、自動車(BMW)などなど、多岐に渡る最新の事例が盛りだくさんで、読んでいて楽しいです。
戦略に少しでも関りながらも、論文やポーターの原著までは手が出ない、、、という方はたくさんいると思います。そのような方々にも、この本をぜひ読んでいただきたい。オススメの一冊です。
Posted by ブクログ
ポーターの言う「競争戦略」とは何かを学べました。
世にある「コアコンピタンス」「自社の自信のある戦略」と「競争戦略」がいかにかけ離れているかを知りました。
戦略は「価値提案」だけの需要サイドだけで成り立つものではない。それはマーケティングだけ考えている。十分条件だ。
そして、戦略の必要条件は、「供給サイド」にある。
いわゆる「バリューチェーン」の各活動がコストをかけて価値を生み出し、ある活動を行うことで別の活動を毀損するような活動を意図的に選択することで「トレードオフ」を行う。
この「バリューチェーン」内の活動の選択の「トレードオフ」効果により、他社は容易には、自社を模倣できない。つまりハイパーコンペティションや価格競争、「最高の経営」競争に陥らない。「トレードオフ」のおかげで、「バリューチェーン」の活動の1つを模倣できる確率が90%になるとすると、活動が4個あるだけで、模倣できる確率は51%にも下がる。10個あるならなおさらだ。
さらに、バリューチェーンを「適合化(フィット)」することにより活動間の効果を増幅することができる。
これらの戦略を構築する上で必要なのが「(価値提案を変えないで)継続性」を保つこと。バリューチェーンとトレードオフとフィットは、いきなりは構築できない。
そうしているうちに市場の状況は変わる。しかし、基礎的な「価値提案」を自社の顧客に提案したまま、バリューチェーン、トレードオフ、フィットを微調整し続ける継続性が必要だ。この「価値提案」は市況によらず維持する。顧客からの自社のイメージ(認識)がズレないようにするため。しかし、供給サイドは変えていく。こちらは、顧客のイメージとは無関係で、かつ、経済的効果が高いから。
ざっくりいうとこんな感じでした。
Posted by ブクログ
基本的なフレームワークである5Fを学ぶために。
オリジナルは、高価である上に、読みにくそうだったので。
こちらを手に取った。まとまっていて読みやすく、全体感を把握するためには良かった。
とはいえ、これの使い方をマスターするにはこれでは不十分。もっとケースを知り、考えていく必要はある。
これを読みながら、「ブルーオーシャン戦略」や「ストーリーとしての競争戦略」をほうふつとする部分が出てきて、
やはり、古典を読むことの重要性を感じた
最高を目指して競争してはいけない。
平均的な人の最高の商品は、万人にとってのベストではない。無駄な機能が搭載されているということになる。
競争の収斂、皆が同じところを目指して争えば、最終的に商品が差別化できずに、価格競争になり、利益が出ない。
他者に勝つとことではなくて、利益を上げることが目的。独自性をp目指す。
5つの競争要因
・市場の強豪との競争
・買い手の交渉力
・サプライヤーの交渉力
・代替品の脅威
・新規参入障壁
境界によって、利益構造は決まっていて、
それは硬直的である。
状況を分析するだけでなく、それが、今後どのように変化していくのか?を予想して、競争戦略に反映させることが大事
(とても大変そうだ)
競争優位
・高い価格を出してもよいと思わせる価値を提供できる
・想定的に低い価格で売り出せるコスト構造を作れるか?
そのどちらかしかない。
戦略とは、他社と異なる道筋をとること
・特徴ある価値提案
・特別に調整されたバリューチェーン
・トレードオフ
・適合性
・継続性
やらないことを決める。ことで、特定のお客様にとって必要な価値提案の質を高めることができる。
トレードオフによって得られたコスト減ををもとに、価値強化に割り振る。
バリューチェーン全体を通じて、その価値提案の向上につなげる。一貫して。全体の適合性が上がることで、
さらにそれぞれの要素の価値が引き上げられる。
一つの要素だけで差別化した場合にはそれを模倣することは容易であるかもしれないが、複数の要素のつながりで差別化できる場合にはそれを模倣することは難しい。
継続することで、自社内にノウハウがたまること、ブランド力の向上などでの優位性ができるほかに、関連会社もその方向性を理解することで、競争優位に貢献できるようになる。
この辺りは、「ブルーオーシャン戦略」「ストーリーとしての競争戦略」をほうふつとさせる。
5Fは、あくまで、ポーターの理論の一部でしかなく、
さらにバリューチェーンの考え方も今となっては、
当たり前だが、それを提唱したのもポーターである
。