【感想・ネタバレ】NETFLIXの最強人事戦略~自由と責任の文化を築く~のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月20日

なぜNetflixがここまで成長できたのかわかる。
圧倒的な人材には報酬を出すし、正社員なのに業務委託のような関係で割り切る人事戦略はとても興味深い。

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Posted by ブクログ 2023年06月27日

事業戦略の変化に応じて業界最高水準の報酬を掲げて積極的に人を入れ替えていく人事戦略が賛否ありそうな内容ではありましたが(そんなの日本では、うちの会社ではマネできない!等)、背景にある自由と責任の文化が重要というテーマ自体には共感できる内容でした。
とはいえ、NETFLIXが実践する方法をそのまま真似...続きを読むできないとなった時に、どうやってそのような文化を醸成していくのかは結構な難問な気がします。何事にも言えることですが、ビジョンを明確にした上でのトライ&エラーが必要と思いました。

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Posted by ブクログ 2023年05月04日

類似のストーリーが各章に配置され、やや難解な構成となっているが、一冊を通して一貫したメッセージを受け取ることができた。各章ごとの振り返りや、複数回の査読が必要だが、最終的な満足度は高い。

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Posted by ブクログ 2023年01月23日

メンバー目線で感じた事

『実力主義』
『事業のサイズアップに対応する』

組織開発目線で感じた事

『社員は家族ではない』

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Posted by ブクログ 2022年07月14日

従業員が力を持っていることを認め、不要な制度やルールを廃止して力を解放する。自分はそんな人事に憧れをおぼえた。

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Posted by ブクログ 2022年02月03日

・自由な知性の応酬
・正直で建設的なフィードバック
・人が必要とされている場所でハイパフォーマーと働くチームを形成する

実現すれば素晴らしい場所になると思うが、自分がその場に不適切になった場合の受け入れ先を想定できるか、その心理的安全性が担保できるか、がポイントになる。
人材の流動性と人材交流する...続きを読む文化の社会的な形成が必要。
この方法を取り入れるには
・人と正直に向き合う勇気
・自分の実力と正直に向き合う勇気
・リスクと向き合う勇気
が不可欠だ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月20日

根本として従業員を大人として扱い、物に釣られたりではなく、モチベーションで考えさせる、そしてやる気だけで全て解決するのではなくその人の持っているスキルや相性で判断する
今までHRには興味なかったが、企業にとって本当に大事な要素であるし、それが企業の成長を決めるなと感じた
また自分も市場価値や自分がも...続きを読むたらすことができるものや価値を考え、働きたい
また、周りとの話し合いの際にオープンに話すことをどの立場でも大事にしたい

・正直にあれ 従業員を大人扱いする そのため、制度はいらない
・人は仕事に学びを求める オープンブック・マネジメント 全ての指標を従業員に公開し、同じ方向を向く
・当人同士で話し合う 批判も匿名でなく、直接言われることでより責任感が生じる
・データに基づく意見を持つ データ自体には意味がない
・リクルーターこそ企業の事業を理解し、どこのなんの部分が足りないのかを理解する必要がある
・人事考課はいらない 長い時間がかかる割に直接的でない 他社の面接に行かれることで今の給与水準を意識させる、自分たちの中だけの基準では意味がない
・80対20の法則 上位20%が80%の利益を生み出す
・一対一の面談で10試合ごとのフィードバックをする、そしてその後の戦力を立てる

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Posted by ブクログ 2021年06月12日

特に印象的だった部分は
·正直であること、適切なフィードバック、積極的な解雇
·事実主導とデータ手動、データは神様ではない。データを読み取れるスマートさとデータを無視できる直感力
·最強の実験室を目指したい、そこで働いていたことが誇りとなるステータス

リクルートも先進的なHRシステムを持っている...続きを読むと思っていたが、そこから二周くらい先に進んだ世界であるように感じた

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Posted by ブクログ 2021年05月21日

以下、思い出しての備忘。
・解雇の部分が真骨頂かもですが、ここ以外はずいぶんと考え方は似てるなというのが初見。ただし、ひとりで実践するにはリスクも大きい。
・将来必要となる仕事、いまいるメンバーでできるのか。M&Aと同じように、すべてを内部育成して対応できるほど、時間に余裕があるわけではない...続きを読むとするなら、人の入れ替えこそが最適解。
・これと同じだけど、できない仕事をアサインすることは結構慎重になる。仕事を通じてできるようになるわけでもあるけど、そのストレッチの範囲が重要。
・ごく常識と考えられている人事・労務管理の実務・慣習について、それ、本当に顧客サービスの向上につながってますか?という視点で再検討してみる。それも批判的に。そうすると、人事考課にかける多大な工数とそれに見合う成果が釣り合ってないんじゃないのというのが、ネットフリックスの結論。僕の場合は、どうだろう。日頃のコミュニケーションは置いておいて、人事考課にかける時間はひとり2時間程度か。これに見合う以上の価値を見出してくれてるといいんだけどなあ。
・徹底的に正直であれ。これは本当にそう思う。外部の人間が知ることはないという前提で、もっともらしい、みせたいストーリーを描くのは、僕はやっぱり損をすると信じる。
・現代版のY理論を突き詰めたのがネットフリックスかもしれない。
・適応力こそ企業も人も大事。
・カルチャーデックは必読

ただいま、シャイン先生の先生だったはずのダグラス・マグレガーの本を読んでます。いわゆるX理論・Y理論についての本。これは、経営学の教科書とかでさらっと書かれているのをみて感じることよりもさらに奥深い内容でした。

いまから60年以上前の本なのに、なぜにこうもリアリティがあるのか。
60年経ってもたいして変わっていない現実があるからかな。

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Posted by ブクログ 2021年01月04日

全ては顧客のために
いかに日本の人事制度が凝り固まったものであり抜本的な改革が必要であるかがわかった

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Posted by ブクログ 2020年06月21日

序章に記載があるように、本書は「事業環境の急激な変化に柔軟に適応できる、ハイパフォーマンス文化を育むための方法を、あらゆるレベルのチームリーダー向けに説明する本」である。NETFLIXの企業文化とされる「自由と責任の規律」をベースとした、あるいはそれを育む過程で編み出された人事の戦略や施策が全編に渡...続きを読むって紹介される。

事業を成功させるために、ハイパフォーマンス文化の維持向上を徹底するにあたり、人事考課や休暇制度、従業員特典など企業が当然に揃えている人事制度は、その価値を全面的に否定される。
「従業員は元々力を持っている」「従業員を大人として扱う」ことを前提とするNETFLIXにおいては、従業員が能力を最大限発揮するために必要なのは、ハイパフォーマーな同僚と難題に挑戦できる環境であって、いわゆる一般的な人事制度で管理したり、やる気を引き出すことではないのだ。

とりわけ印象的だったのは、「柔軟なチームづくり」についてである。マネジャーの役割を最高のチームを作ることと位置づけ、最高水準の報酬でトップタレントを集めながら不断にチームを刷新する手法からは、スポーツチームに準えた説明が決して誇張がないことがわかる。例外的かつ慎重に進められることの多い解雇は、NETFLIXにおいては、会社・従業員にとってwin-winのものとして積極的に行われる。会社目線ではハイパフォーマーの比率を高めて事業の目標達成に近付くことができ、従業員目線では能力を活かせない場所で時間を浪費せずに済む。0→1、1→50、50→50、50→100など事業のステージは一つではなく、ステージが変われば必要な能力も変わり、必要な能力が変われば必要な人材も変わるし、解雇となったところで異なる事業ステージにある会社に行けばハイパフォーマーになれる(ので解雇は何ら問題ない)という発想なのだろう。

積極的に解雇を行うというスタンスは、他社に行けばハイパフォーマーになれる人材ばかりで、かつそのような人材を集めるためにトップクラスの報酬を出せるNETFLIXだからこそ為せる業ではないか?一見するとそう思う。
しかし、解雇を手段として人材の濃度を高め、それにより安定的に収益を確保できれば、新たな人材を採用する際にもトップクラスの報酬を提示できる。解雇とトップクラスの報酬は、いわば車の両輪の関係で、事業を成功させる上での人事戦略として、奇異というよりもむしろ合理的で、他社による再現性も高いものなのだろうと思い至った。

最後に、本書の構成として、「まとめ」「考えよう」という項目が各章の終わりに設定されている。「まとめ」はその章の要約、「考えよう」はNETFLIXの考え方や手法を実践するためのヒントである。ここにエッセンスが詰まっており、ここだけでも本書の大意は把握できる(もちろん臨場感ある具体例を交えた本編を読んだ方が面白いし、より理解は深まると思う)。時間に余裕がなければ、ここだけでも読む価値はあるだろう。

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Posted by ブクログ 2019年08月23日

この4月からの「働き方改革」は「働かせ方改革」でしかなくて、チャップリンのモダンタイムスみたいな十年一日、いや百年一日な時間管理の話しかしていないような焦燥感を感じています。一方、リンダ・グラットン「LIFE SHIFT」で指摘されているように人生の幸せと「働く」ってことの関係性はますます高くなって...続きを読むいるのが今、なんだと思います。そんな中、本書にたどり着きました。原題は「Powerful: Building a Culture of Freedom and Responsibility」というらしく表紙でもPOWERFULの文字がドーンと鎮座していましたが、日本語版の「最強」は小っちゃく「人事戦略」の文字の前にレイアウトされているだけなのでまあ、フツーの人事本?みたいな感じでページを開いたのですが、いやホント、シンプルでパワフルな本でした。基本思想はスーパー性善説に彩られているような気がして、だけど「さよならだけが人生だ」的なべたつきのない爽やかさも感じました。この本を読んだ後では自分の組織の人事制度が「上から目線」の「性悪説」で構成されている様な気になってしまいました。確かに「家族」アナロジーではなく「スポーツチーム」アナロジーが「最強」の源なのかな。NETFLIXがエンターティメントという領域でスペシャルを志向していることも仕事を「人間中心主義」にしているのかもしれませんね。この本で言及されているカルチャーデックをネットで探しました。その五原則を備忘としてメモしておきます。
1、従業員による独立した意思決定を奨励している
2、率直に、広範囲に、かつ慎重に情報を共有している
3、お互いが並外れて公平である
4、非常に効果的な人員のみを雇用し続けている
5、規則を避ける

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Posted by ブクログ 2023年06月11日

マネジメントや育成のキャパシティを広げる必要を感じてまして。

Netflixがこれだけ風通しよく、健全なフィードバックを行える社風は、帰属する国の問題なのか、フロンティアならではなのか。

ブレない経営意識で、最も成功している会社の「らしさ」が書かれてありました。

【本文より】
・自由な知性の応...続きを読む酬ほど楽しいものはないと思うようになった。

・経営陣がなぜこの決定を下したのか、全員が目標の達成に最大の貢献をするにはどうしたらよいか、どんな障害が見込まれるか

・徹底的に正直であることは、わたしにとって息をするように自然なことだが、ほかの会社では必ずしもよく思われなかった。

・リーダーは批判的なフィードバックの伝え方を練習し、具体的で、建設的で、善意が伝わるような方法で話そう。

・斬新なのは、それぞれに相手の立場で議論させたことだ。議論するために、双方が相手の考えをしっかり理解する必要があった。

・交渉術のセミナーで一日を過ごすのと、全社ミーティングで-何のとがめも受けずに-厄介だが理にかなった質問を上級幹部にぶつけ、解決すべき問題についてマネージャーと真剣に議論をして過ごすのと、どちらがいいか従業員に選ばせてみよう。

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Posted by ブクログ 2023年03月25日

「NO RULES」と大筋は同じなので「NO RULES」を読んでるなら読まなくてもいいかと思います。先に発売したのがこっちだったので私は読みました。

■よかったフレーズ
・マネージャーは自分のチームだけでなく会社全体がとりくむべき仕事と課題をチームメンバーにオープンにはっきりと継続的に伝える

...続きを読む・多くの企業委が研修に大金をかけ、従業員に仕事から長時間離れることを強いる。こうしたお金と時間、労力の大部分が的外れのことに費やされている。

・専門家の弱点は現状の制約に縛られすぎること。新鮮な目で問題ととらえられる人が、無知ゆえに制約をすり抜ける方法をみつけることがある。

・会社はチームであって家族ではない

・つねに柔軟性をたもち、あたらしいスキルを学び、新しい機会を検討し、折あるごとに新しい課題に挑戦して、新鮮な気持ちで自分をのばしながら働けるようにしよう

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Posted by ブクログ 2023年03月25日

第1章 成功に貢献することが最大のモチベーション
 たしかにネットフリックスは極端な例かもしれない。だがスタートアップから巨大ビジネスまで、どんな企業も優れた適応力を身につけなければ生きていけない。新たな市場需要を先読みし、大きなビジネスチャンスや新しいテクノロジーをものにする能力がなければ、ライバ...続きを読むル企業にイノベーションで先を越されてしまう。私はネットフリックスをやめてから、世界中の企業にコンサルティングを行っている。ジェイ・ウォルター・トンプソンなどの有力企業をはじめ、ワービー・パーカーやハブスポット、インドのハイク・メッセンジャーのような成長著しい新興企業、創業間もないスタートアップなど、多種多様な企業にコンサルティングを提供するうちに、企業をとり巻く競争環境を、より幅広い視点からはっきりととらえられるようになった。

■基本的な行動規範
●マネジャーは自分のチームだけでなく会社全体がとりくむべき仕事と課題を、チームメンバーにオープンにはっきりと継続的に伝える。
●徹底的に正直になる。同僚や上司、経営陣に対して、時を逃さず、できれば面と向かって、ありのままを話す。
●事実に基づくしっかりした意見をもち、徹底的に議論し検証する。
●自分の正しさを証明するためではなく、顧客と会社を第一に考えて行動する。
●採用に関わるマネジャーは、チームが将来成功できるように、適正なスキルを備えハイパフォーマーをすべてのポストに確実に配置する。

 するとリードはいったのだ。「僕らが本当に働きたいと思えるような会社をつくれたらいいと思わない?」
 この言葉に興味をそそられた。私がピュアに参画したのは、人事制度が敷かれたあとだった。今回は構想段階から参加できるという考えに惹かれた。私は聞いた。
「もしそれをやったとして、最高の会社ができたかどうかを、どうやって判断するの?」
「そうだな、この会社の問題をこの会社の同僚と解決したいと思いながら、毎日会社に来たくなる」と彼は答えた。
 その考え方が気に入った。リードはこのひと言で、人が仕事に何を求めるかをズバリ表した。それは、職場にやってきて適正な人材がそろったチームと信頼し尊敬する同僚たちと力を合わせ、一心不乱にすばらしい仕事ができることだ。

 このとき私たちは最初の重要な気づきを得る。それは、最高の結果を出せる人だけが会社に残っていたということだ。したがって経営陣が従業員のためにできる最善のことは、一緒に働く同僚にハイパフォーマーだけを採用することだと学んだ。これはテーブルサッカーの台を設置したり、無料で寿司を提供したり、莫大な契約ボーナスやストックオプションを与えたりするよりずっと優れた従業員特典だ。優秀な同僚と、明確な目的意識、達成すべき成果の周知徹底―この組み合わせが、パワフルな組織の秘訣である。

■まとめ
・チームが最高の成果を挙げられるのは、メンバー全員が最終目標を理解し、その目標に到達するために、思うままに創造性を発揮して問題解決にとりくめるときだ。
・チームのやる気を最大に高めるのは、優れたチームメンバーが、つまり、ともに切磋琢磨しながらすばらしい仕事ができるメンバーがそろっていることだ。
・経営者の最も重要な仕事は、ともに切磋琢磨しながらすばらしい仕事ができるハイパフォーマーだけをチームにとりそろえることだ。
・無駄な方針、手順、ルール、承認をできる限り排除しよう。トップダウンの指揮統制方式はスピードと機動性の妨げになる。
・たえず実験を繰り返し、できる限り無駄ををそぎ落とそう。方針や手順を廃止したあとで必要とわかったら、元に戻せばいい。製品やサービスの改善に努めるのと同様、文化にもたえず磨きをかけよう。


第2章 従業員一人ひとりが事業を理解する
 新入社員大学では、本題に入る前に参加者に念を押した。「今日は自分から働きかけなければ何も学べません。質問をしなければ、答えは得られないわよ」。今から思えば、これがネットフリックスの初期の成功の布石だった。このひと言で、あらゆるレベルの従業員が、自分に期待されている行動についてであれ、経営陣の下した決定についてであれ、誰に対しても遠慮なく説明を求めることを許されたのだ。従業員がよりよい情報や知識を得ただけでなく、やがて社内全体に好奇心の文化が生まれた。そして従業員の鋭い質問が重要な発見につながることも多かった。

■まとめ
・どんなレベルの従業員も、自分とチームの任務だけでなく、事業全体のしくみや会社が抱える課題、競争環境などを大局的に理解することを望み、必要としている。
・事業のしくみを正しく理解することが、何よりも大切な学習だ。それはどんな「従業員の能力開発」研修よりもためになるし、おもしろい。この知識が高い業績と生涯にわたる学習の起爆剤になる。
・経営陣と従業員のコミュニケーションは、本当の意味で双方向でなくてはならない。リーダーが質問や提案を歓迎し、気軽に意見をいい合える雰囲気づくりに努めれば努めるほど、レベルにかかわらずすべての従業員が、驚くようなアイデアやひらめきを与えてくれる。
・部下が何もわかっていないように思えたら、それはたぶん、知るべき情報を知らされていないからだ。必要な情報を与えよう。
・あなたが従業員に事業の現況や問題点を―よかろうが悪かろうが伝えなければ、彼らはほかからその情報を得るだろう。そしてその情報はたいていまちがっている。
・コミュニケーションの仕事に終わりはない。1年、一四半期、1か月、1週に一度行うだけの仕事ではない。円滑なコミュニケーションは競争優位を支える。


第3章 人はうそやごまかしを嫌う
 ネットフリックスの経営陣はあの手この手で、正直な姿勢を率先して示した。その一環として、チームミーティングで「スタート・ストップ・コンティニュー」と呼ばれるエクササイズを行った。各人が誰か一人の同僚に対して、始めてほしいことを1つ、やめてほしいことを1つ、とてもうまくやっていて続けてほしいことを1つ伝えるのだ。私たち経営陣は透明性の価値を固く信じていたから、経営会議でみずからこれを行った。そしてそれぞれが自分のチームに戻り、経営会議の「スタート・ストップ・コンティニュー」で誰がどんなことをいわれたかを全員に話して聞かせた。そうするうちに、オープンな姿勢が大切だという認識が、社内中にさざ波のように広がっていった。

■まとめ
・従業員は事業や自分の業績について、ありのままの真実を告げられても対処できる。彼らが聞く必要があり、聞きたいと強く願っているのは、ありのままの真実なのだ。
・正直に、適切なタイミングで、面と向かって気になる点を伝えることに勝る問題解決法はない。
・徹底的に正直な姿勢は、緊張を和らげ、陰口に歯止めをかけ、理解と尊敬を深める。
・徹底的に正直な姿勢は、胸にしまわれていた反対意見をあぶり出す。そうした意見は重要な発見につながることも多い。
・部下の仕事ぶりに問題があるとき、それを本人に直接ありのままに伝えなければ、マネジャーやほかのチームメンバーがミスをカバーするはめになり、不当な負担を強いられる。
・話し方に気を配ろう。リーダーは批判的なフィードバックの伝え方を練習し、具体的で、建設的で、善意が伝わるような方法で話そう。
・同僚同士でフィードバックを送り合えるシステムをつくろう。ネットフリックスでもシステムをつくり、年に一度のフィードバック・デイを設けて、全員が送りたい相手にコメントを送っている。
・みずから模範を示し、まちがいを率直に認めよう。また、自分が何をもとに決定を下したのか、どこでまちがったのかを説明しよう。そうすれば部下は上司と真っ向から対立する考えや意見であっても率直に話してくれる。


第4章 議論を活発にする
 カルチャーデックでは、ネットフリックスが採用し昇進させる人材に求める重要な資質として、「優れた判断力」を挙げた。曖昧な状況で適切な決定を下し、問題の原因に深く切り込み、戦略的に考え、その考えを明確に表明する能力だ。このスキルを磨くには、こうしたオープンで活発な議論に参加するのが一番だ。また私たちが求めるもう一つの重要な資質、「勇気」を磨く機会にもなる。自分の意見に耳を傾けてもらえ、自分にも貢献ができるとわかれば、思い切って発言できるものだ。
 スティーブ・マクレンドンはオープンな議論の利点について、もう一つすばらしい指摘をしてくれた。多くのマネジャーが扱いに悩む若者たち(あの厄介なミレニアル世代)は、こうした透明性や、自由に質問できる機会を好むのだという。

■まとめ
・経営判断をめぐる白熱したオープンな議論に参加するのは、チームにとってスリリングな体験だ。チムは分析力を最大限に発揮してこれに応えるだろう。
・議論のルールを明確に定めておこう。参加者はしっかりした主張をもち、その根拠を提示できるようにしておく。憶測ではなく事実に基づいた議論を展開すること。
・参加者はお互いの見解や議論されている問題について、憶測するのではなく、直接説明を求めよう。
・議論では私心をもたず、必要とあれば自分の主張を捨て、議論に負けたことを率直に認めよう。
・議論を企画しよう。参加者に人前で意見を表明させる。舞台上で行ってもいい。逆の立場から議論させ、自分の主張の穴を見つけさせるのもいいだろう。十分な準備をしてのぞむフォーマルな議論が、画期的な発見につながることもある。
・事実に見せかけたデータに注意しよう。優れた結論を得られるかどうかは、データの質にかかっている。人は自分の先入観を裏づけるようなデータに目をとめる傾向にある。厳格な科学的基準を満たすデータだけを採用しよう。
・議論は小集団で行うのが一番だ。誰もが遠慮なく発言できるし、黙っているととても目立つからだ。また大人数で行う場合より集団思考に陥りにくい。

 
第5章 未来の理想の会社を今からつくり始める
■まとめ
・敏捷さを保ち、変化にすばやく対応するために、将来必要になる人材をいま雇おう。
・「今から6か月後に高い業績を挙げるために、会社はどう変化していなくてはならないか」を定期的にじっくり考えよう。頭の中で映画をつくり、従業員がどこんな仕事をしていて、どんなツールやスキルをもっているのかを想像する。次に、その未来を実現するために必要な変革を今すぐ実行に移そう。
・人数を増やしても仕事の量や質が高まるとは限らない。人数は少なくても、優れたスキルをもつハイパフォーマーをとりそろえた方がよい場合が多い。
・マネジャーは成功しているスポーツチームを手本にしよう。スポーツチームはたえず新しい人材をスカウトし、布陣を入れ替えている。マネジャーの仕事はチームをつくることであって、家族を養うことではない。
・チームメンバーのなかには、会社がめざす未来に高業績を挙げられるような人材に成長しない人もいる。そうしたメンバーの能力開発に投資するのは会社の仕事ではない。製品と市場の開発が会社の仕事である。
・業績にとってベストだと思えば、社内の人材を開発・登用しよう。社外から採用した方がよければ、迷わずそうしよう。
・従業員一人ひとりが自分の能力開発に責任をもつのが理想的だ。これができれば、従業員と会社の双方に最適な成長が望める。


第6章 どの仕事にも優秀な人材を配置する
 その意味で、従業員定着率はチームづくりや文化のよしあしを測る指標に適さないと、私は考える。たんに会社につなぎとめている従業員の数だけでなく、必要なスキルと経験を備えた人材の数を示す指標が必要だ。そんな人材を何人確保できているか?必要なスキルと経験をそなえた新しい人材を何人採用するつもりか?それに、交代させる必要のある人員を厳しく見きわめているか、その決定を効率的に行動に移しているかどうかも注意深く見守る必要がある。

■まとめ
・採用担当マネジャーの最も重要な仕事は、ハイパフォーマーを採用することだ。採用担当マネジャーは、率先して人材パイプラインを開発し、採用プロセスのあらゆる面で指導力を発揮するべきだ。リクルーターの指揮者は彼らである。
・時代を先取りできるチームや企業は、人材プールをつねに補充している。
・従業員定着率は、チームづくりの成功を測る指標として不適切だ。最もよい指標は、すべての職務に優れた人材を配置できているかどうかだ。
・ときには多大な貢献をした人材であっても解雇して、新しい業務のハイパフォーマーや異なるスキルをもつ人材を採用しなくてはならないことがある。
・ハイパフォーマーを採用するには、ボーナスやストックオプション、高額の給与、昇進の確約でさえ、決め手にならない。ほかのハイパフォーマーとチームを組んで学び合えること、仕事が楽しいと思えることが、最も強力な決め手となる。
・優れた人材を採用するとは、「A級プレーヤー」を採用することではない。チームのニーズに最も合致した人材を探すことだ。あるチームにとってのハイバフォーマーは、ほかのチームにとってはそうでないかもしれない。
・履歴書にとらわれてはいけない。工夫していろいろな場所で人材探しをしよう。職務歴を掘り下げよう。幅広い経験を検討し、基本的な問題解決能力に目を向けよう。
・面接を最初から最後まで、心に強く残る経験にしよう。面接するすべての候補者に、この会社に入りたいと思ってもらえるようにしよう。
・リクルーターは、どんなに専門的な事業であっても、そのしくみを周知しているビジネスパーソンでなくてはならない。採用プロセスに協力する、創意あふれる積極的なパートナーでなければならない。どんな人材が必要かをリクルーターにくわしく説明すれば、すばらしい見返りが得られる。


第7章 会社にもたらす価値をもとに報酬を決める
■まとめ
・どんな職務に必要なスキルや才能も、定型的な職務内容とは一致しない。また定型的な職務の給与データをもとにあらかじめオファーの水準を決めておくべきでない。
・給与調査の情報は現在の市場状況の後追いでしかないから、それだけをもとにオファー金額を決めるべきでない。
・事業の現状から考えて支払える金額だけでなく、その人材が将来もたらすかもしれない収益も考慮に入れよう。
・給与を市場水準の何パーセンタイルと決める代わりに、その分野のトップレベルの給与を支払うことを検討しよう。すべての職務でなくても、会社の成長のカギを握る職務だけでもいい。
・契約ボーナスを与えると、入社の翌年に減給になったかのような印象を与えかねない。それより、トップパフォーマーに見合うだけの給与を支払う方がいい。
・報酬に関する情報を従業員と共有することで、給与に関してよりよい判断を下し、偏見を減らし、さまざまな業務の業績への貢献について正直に話し合うことができる。


第8章 円満な解雇の方法
■まとめ
・従業員は自分の才能と情熱が、会社のめざす将来に合っているかどうかを見きわめ、ほかの会社の方が自分に合っているのかどうかを判断できなくてはならない。
・従業員は自分の仕事ぶりに対する評価を頻繁に受ける必要がある。あなたが人事考課制度を廃止できる立場になかったとしても、従業員の業績について話し合うためのミーティングを頻繁に設けよう。
・人事考課を廃止することが可能であれば、試しにやってみよう!この制度のせいで膨大な時間が無駄になっているうえ、従業員は業績に関するリアルタイム情報が得られないことが多い。
・業績改善計画 (PIP)を、従業員の業務改善を助けるための真摯なとりくみにするか、さもなければ廃止してしまおう。
・解雇された従業員が会社を相手に訴訟を起こす可能性は、とくに業務上の課題について定期的に話し合いをもっていた場合は、ゼロに近い。
・従業員エンゲージメントにとらわれるのは的外れだ。やる気の高さと業績の高さの間に必ずしも相関性はない。また今の職務で高い業績を挙げていても、将来の職務で高い業績を挙げられる保証はない。
・人事決定を下すにあたって、私流のアルゴリズムを使ってほしい。「この従業員が情熱と才能をもっている仕事は、うちの会社が優れた人材を必要とする仕事なのか?」
・すべてのマネジャーは、優れたチームメンバーが他社でよい機会を見つけられるよう、積極的に支援してやれる。解雇はすばらしい結果を生むことがある。
・人事考課とチームづくりに関して、この柔軟な手法をとれば、当事者全員がよりよい結果を得られるだけでなく、チーム全体の業績向上にもつながることは明らかだ。


結論
 重要なのは、段階的に実験を行うこと、そしてバリエーションを許容することだ。同じ手法でも、チームリーダーによってとり入れ方がちがうかもしれない。またチームやときには部全体が、独自の文化を維持しながら、共通の基本原則を導入することもできる。ジェシカがいってくれた言葉で、私のもう一つのお気に入りは、ネットフリックス文化が「社内全体に生きている」というものだ。エンジニアリングの文化は、マーケティングやロサンゼルスのコンテンツクリエーターの文化とはちがうが、つきつめてみれば全員が同じ基本原則をもとに団結しているのだ。

 文化変容を成功させるもう一つのカギは、この先どんな挑戦や変化が待ち受けるのかを正直に伝えることだ。ある全社会議でリードが質問に答えていたとき、誰かが立ち上がっていった。「恐怖の文化にどう対処するかをそろそろ考えるべきだと思う」。これはドットコムブーム後の大不況のときのことで、従業員は解雇を恐れ、私たち経営陣もそれが現実に起こり得ることをはっきり伝えていた。立ち上がった男性は、その日早くに行ったブレゼンテーションで、ネットフリックスはプロダクトに小さな変更を加えるのではなく、大きな山を登るのだと主張した。リードはこの比喩に乗っかって、恐怖も捨てたもんじゃないかもしれないな、といった。K2のような巨大な山に挑むときは、酸素をもっていく必要さえある。だが登山中に嵐が来てベースキャンプに戻ったとしても、失敗者とは呼ばれない。私はこのたとえ話が気に入った。私たちが挫折の避けられない大きな挑戦に立ち向かっていることを、そしてすばらしい冒険をしていることを見事に表していたからだ。
 自由と責任の文化をつくることによって確実に得られるものを一つ挙げるなら、前に踏み出そうとする人たちに勇気をもらえることだ。自分には力があり、自分のキャリアを自分でコントロールしていると感じれば、自信が湧いてくる。彼らが思い切って発言し、リスクをとり、失敗から立ち直り、大きな責任を引き受ける自信にあふれる様子に、あなたも驚かされるはずだ。組織の全員が自分の力を自覚したら、いったいどうなるか想像してほしい。誰もがよりよい判断をし、すばやく行動できるだろう。思いもしなかったアイデアが飛び出すだろう。また全員がお互いにより正直でオープンになったらどんなによい組織になるだろう。
 従業員が力をもっていることを忘れてはいけない。あなたの仕事は、彼らに力を与えることではない。彼らの力を認め、時代遅れの方針、手続き、制度を廃止して、力を解放することだ。それさえ行えば、彼らはパワフルになる。

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Posted by ブクログ 2023年01月28日

面白かったです。
面白かったですが、終始、圧倒されました。苦笑
私は絶対NETFLIXに採用されない。苦笑
ハイパーミラクルで採用されても、
すぐにファイアされる。苦笑

文体もあると思いますが、
著者の語ることの圧倒的、合理的な考え方とスタンスに、
読み進めることに興奮してました。苦笑
変態ですね...続きを読む
自身の職業的にも刺さるんです、この本。苦笑

会社は成長、利益を出すことが目標、
その目標を達成するための人材を活かした考え方です。
複雑な評価制度なんてムダ!と一刀両断。笑

著者は、一対一の小さな対人関係から、
会社としての行動指針まで、
とても広い視野や考えを持っていて、
さらに、芯がブレないから説得力があります。

会社は個人の集合体だからこそ、
ガチガチに固めてもだめだし、緩すぎも良くない。

NETFLIXは健全なフィードバックを行ってて、
きっと意識も高いと思う。
他社から入ってきた人は、攻撃された、批判されたと思って、感情的になる場面がありました。
そういう人多いんじゃないかと思います。
私も含め、私が働いてきた会社でも、たぶん。
文化は人が作り、それに見合った人たちが集まる。
他の本でもそんなこと書いてあった気がするけど、
本書もそれを体現していると思う。

終始一貫していて、
最後は著者も会社を去る日が来るのですが…
その潔さというか、ブレない感じがさらに恰好良いです。

ただ、この急上昇した後は、
なだらかな坂になったり、
競争激化でレッドオーシャン、飽和状態、
NETFLIXも現在はどうなんだろう。
ディズニープラスとか、プライムもだけど。

この本ができた当時と、
今の状況(業界、業績)は変わっていると思うので、
今も変わらないスタンスなのか、
それとも新しいやり方を開拓しているのか、
とても気になります。

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Posted by ブクログ 2022年10月09日

人事関連の仕事をしています。
とてもこんな感じの会社にはなれないけど、
考え方は大賛成です。
人事の本なのに
「エンパワメント」「エンゲージメント」
という言葉が大嫌い!って
痛快でした。

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Posted by ブクログ 2022年09月17日

成長企業、ベンチャー企業には大変参考になると思う。NETFLIXの事業成長と、それに伴って組織がどのように変え、どのようなHRM制度を導入し、「自由と責任の文化」を築いたかがよく書かれている。ケースとして秀逸。変に取り繕ったりもしていない点も評価できる。

【メモ】
・どんなレベルの従業員も、自分と...続きを読むチームの任務だけでなく、事業全体のしくみや会社が抱える課題、競争環境などを大局的に理解することを望み、必要としている。
・給与調査の情報は現在の市場状況の後追いでしかないから、それだけをもとにオファー金額を決めるべきではない。
・事業の現状から考えて支払える金額だけでなく、その人材が将来もたらすかもしれない収益を考慮に入れる。
従業員エンゲージメントにとらわれるのは的外れ。

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Posted by ブクログ 2022年07月29日

硬直化した現代日本の人事諸制度に、疑問を投げかけ、人が働くためには何が本当に必要なのかを問いかける書です。
事業環境の急激な変化に柔軟に対応できる、ハイパフォーマンス文化を育むための方法を、あらゆるレベルのチームリーダ向けに説明する本である。
ハイパフォーマーだけで固められたチームをすぐに作りだすこ...続きを読むと。そのために不適な従業員については、正直に事情をはなして退場してもらう。といっています。

・ネットフリックス文化の柱は、「徹底的に正直であれ」

・20世紀に開発された複雑で面倒な人材管理手法では、21世紀の企業が直面する課題に立ち向かえるはずがない。

・インセンティブをベースとする、ベストプラクティスはかえってやる気と力をそぐ結果になっている。
 人がどうやって、なぜ仕事に打ち込むか に関する一般通念からは、仕事へのやる気を駆り立てる原動力の理解が抜け落ちている。

・優れたチームをつくるのは、インセンティブや管理手法や従業員特典ではない。必要なのは一人前の大人として挑戦に立ち向かうことを切望する有能な人材を採用し、その挑戦が何なのかを、彼らにはっきり継続的に伝えることだ。

・できる限り無駄のないプロセスと規律正しい文化をもつ企業の方が、はるかに優れた成果をだせる。それは迅速に動けるからにほかならない。

・経営陣が従業員のためにできる最善のことは、一緒に働く同僚にハイパフォーマーだけを採用することだ。

・ネットフリックスは、ハイパフォーマーを採用するために、ヘッドハンティング会社から人材を引き抜いて、能力を自前で構築した。

・ネットフリックスではさまざまなプロセスを実験的に廃止しつつ、会社の方向性やめざしている目標、従業員の仕事ぶりについてコミュニケーションをとる方法についても試行錯誤を重ねた。

・敬意と誠意をもって正直な話をするのは残酷なことではない
・問題が起こったら当事者同士でオープンに話しあうこと
・社内政治というものが嫌いだ。陰険だし、非効率きわまりない。
・信頼を成り立たせるのは誠実なコミュニケーションだ
・透明性の高い文化では、起こったことの責任はチーム全体で分かち合う
・相手に対する敬意があるからこそ、必ず意見に賛成できなくても、なぜそう考えるのかを理解したい。
・データに基づいて意思決定を行うではなく、あくまで参考するにとどめる。
・難しい問題は多面的に考える必要がある
・将来こうあってほしいと思うチームをつくる人材を、今から採用しましょう。
・チームづくりで犯しがちなまちがいが、今の人材が成長して将来必要な業務を担えるようになると思い込むことだ。

・従業員を登用できそうなポストに空きが出た時でも、その職務ですでに優れた実績を積んでいる人材を外から迎える方がずっとよいと判断することが多かった。

・働く人たちへの最良のアドバイスは、つねに柔軟性を保ち、新しいスキルを学び、新しい機会を検討し、折あるごとに新しい課題に挑戦して新鮮な気持ちで自分を伸ばしながら働けるようにしようです。

・ネットフリックスにおける人材管理に関する3つの基本方針
 ①優れた人材の採用と従業員の解雇は主にマネージャーの責任である
 ②すべての職務にまずまずの人材でなく、最適な人材を採用するよう努めること
 ③どんなに優れた人材でも、会社が必要とする職務にスキルがあってないと判断すれば進んで解雇すること

・人事管理において、会社はスポーツチームと同じだ。「優れた成績をあげていないプレイヤーを交代させないと、チームやファンをがっかりさせる」から。
・新しく採用した人材が職務に適していないことが判明した場合、問題があるのはその人ではなく、採用プロセスだ。その人の責任ではない。自分に非があると思わせてはいけない。
・ある企業でうまくいかなかった人が、別の企業にとって宝になるかもしれない。
・従業員は自分の将来性について本当のことを、リアルタイムで知る権利がある。ありのままを率直に伝え、新しい機会を探す手助けをするのが一番だ。退場する従業員のために、別の企業へ推薦をおこなっていてアフタフォローを行っています。

結論は、こうです。
従業員が力をもっていることを忘れてはいけない。あなたの仕事は、彼らに力を与えることではない。彼らの力を認め、時代遅れの方針、手続き、制度を廃止して、力を解放することだ。それさえ行えば、彼らはパワフルになるです。

目次は以下です。

序章 新しい働き方
第1章 成功に貢献することが最大のモチベーション
第2章 従業員一人ひとりが事業を理解する
第3章 人はうそやごまかしを嫌う
第4章 議論を活発にする
第5章 未来の理想の会社を今からつくり始める
第6章 どの仕事にも優秀な人材を配置する
第7章 会社にもたらす価値をもとに報酬を決める
第8章 円満な解雇の方法
結論

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Posted by ブクログ 2021年08月09日

優秀な同僚と働けるという環境は、何にも変えがたい労働条件

社外のために手間をかけて作った資料を、社内では一切使わない会社は多い

データは重要だが、多くの人はこれを信用しすぎている。なぜなら、失敗したときの責任転嫁ができるから。

売り上げの8割は2割の人や部門が生み出している。故に、成功の鍵はス...続きを読むター人材をコア事業に集中できるか。スター人材の職務範囲は不平等に広くすべき。

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Posted by ブクログ 2021年03月18日

これまで人事戦略という分野には注目したことがなかったが、チームをつくり、組織マネジメントしていく上では欠かせない。むしろ企業が成長させていくには、こういった採用・組織マネジメントは一番重要なんじゃないかと思うくらい。普段立つことのない視点だったが故に新しい発見が山のようにあった。

採用側の視点を理...続きを読む解することができれば、今後就活やキャリア選択の際に大きく役立ちそうなので、関連書も読んでみたいと思った。

またアメリカの大企業は日系企業のカルチャーとはだいぶ違った印象を受ける。特にコミュニケーションの取り方とか。批判を恐れず誰もが臆することなく意見を言える風潮があり、1人1人が明確な目的やビジョンを持っている。世渡り上手のような人は生き残れない。

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Posted by ブクログ 2020年12月24日

奇抜な制度の裏には
netflixが徹底的にこだわった文化形成、環境作りがベースにあるからこそできることであって

会社が成長していくための最適な手段の一つだなと感じた。
日本企業で丸々は実行できなくても
透明性、直接伝える、フィードバックは丁寧に適切に
いろんなことができる可能性を感じた

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Posted by ブクログ 2020年06月16日

NETFLIX創業時メンバーであり、元NETFLIX最高人事責任者の著書。
巨大企業著伝あるあるの「それ弊社では無理」な内容は少なく、学びが多い。また書き手の実力がたかく、最後まで読みやすいのも特徴。
日本においてはリストラに対しての制約が非常に厳しいが、それ以外は会社に落とし込める記述である。

...続きを読む〇優秀人材にとっての最高の報酬はなにか
・他のハイパフォーマーとチームを組んで学び合えることが、最も強力な決め手となる。
・ハイパフォーマーを採用することは優れた従業員特典である。
・ハイパフォーマーを採用するには、ボーナスやストックオプション、高額な給与、昇進の確約でさえ、決め手にならない。
・ハイパフォーマーに絞ることで離職率も低減する。
・ハイパフォーマーにとってのモチベーションは人材濃度と魅力的な課題
・優秀な同僚と達成すべき成果の周知徹底、この組み合わせが、パワフルな組織の秘訣である。
・エンパワーメントやエンゲージメント、ベストプラクティスなんて効果が薄い。
・ハイパフォーマーな同僚と難題に挑戦できる環境は、ハイパフォーマーにとって最も重要な要素。
→人事制度で管理したり、やる気を引き出す施策は意味がない。

〇従業員に学習させるべきこと
・属する事業のしくみを正しく理解することが何よりも大切な学習。
→どんな従業員の能力開発研修よりもためになる。
・フィードバックは頻繁に行う。

〇事業推進および会社成長のポイント
・マネージャーは成功しているスポーツチームを参考にすべき。優れたスポーツチームは絶えず新しい人材をスカウトして布陣を入れ替える
→マネージャーの仕事は強いチームを作ることであって家族を養うことではない。
・重要でない評価指標に固執しない。絶えず見直して良い。
・今のチームがこの先必要なチームになる事を期待してはいけない。
・6ヶ月後に必要な人材を今雇う
・従業員に一貫してとってほしい行動をとなえつづけ、それを実行させるための規律を定着させる。
・パフォーマンスの高い企業は意図的に不平等主義である。業績にインパクトを与えられる部署に重点的にスター人材を配置すべき。
・従業員の才能と情熱が、会社の目指す将来に合っているかを見極め、他社の方があってれば積極的に解雇する。
・ビジネスリーダーの役割は、すばらしい仕事を期限内にやり遂げる、優れたチームをつくること。これが経営陣のやるべきことだ。
・優れたチームとは、これからどこに向かおうとしているかをメンバー全員が知っていて、どんなことをしてでもそこに到達しようとするチームのことだ。

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Posted by ブクログ 2020年05月03日

急成長の影に、この哲学有り。
確固たる人事戦略により、適切なチームビルディングが継続され、常に適切な人材配置、新陳代謝が促されている。
Netflixがいかにして最新のトレンドを捉え、最短距離で顧客の要望に応え続けているのか?
誰もが興味を持つ疑問に、人事の観点から切り込んだ作品。
会社が従業員に与...続きを読むえる価値と、従業員が期待する価値が、私の常識、というか既成概念とはかけ離れていた。というか、正論で言えば、著書が言っていることは正しい。
以下気になった具体例。

・たとえその人がうちに合わなくても、その人の隣人はうちにぴったりかもしれないでしょう。

会社の価値は面接で決まる。外部者と関わる大事な接点である面接に全力を注ぎ、結果に関わらず会社の魅力を最大化することに全力を注ぐ。


・事業のしくみを正しく理解することが何よりも大切な学習だ。それはどんな「従業員の能力開発」研修よりもためになるし、おもしろい。この知識が、高い業績と生涯にわたる学習の起爆剤になる。

私の周りで人事研修に価値を見出さない社員が多いのは事実。
反面、価値を見出している社員に共通しているのは、自分の業務に応用できないか考えられている人。そういう意味では、全員が上記の思考に導かれる研修が、一番価値のある研修ということになる。


・あなたが従業員に事業の現況や問題点を-良かろうが悪かろうが-伝えなければ、彼らは外からその情報を得るだろう。そしてその情報は大抵間違っている。

当事者が相手のことを考えて伝える場合以外では、必ずバイアスが介在する。ビジネスにおいては、それが致命傷。
聞く相手によって、答えが違い戸惑ったことは、若手に限らずよくある話。責任者が道筋を示す事の重要さが伝わる。

・徹底的に正直な姿勢は、緊張を和らげ、陰口に歯止めをかけ、理解と尊敬を深める。

難しいけどね。
でも私も心掛けてます。これに適した人材を集めていくことが中長期的に、会社価値の最大化を促すことは明確。日本的文化の中にうまくこの文化を、溶け込ます方法は無いのか。
やっぱ、人材を集めることよね。


採用担当マネージャーの最も重要な仕事はハイパフォーマーを採用することだ。採用担当マネージャーは率先して人材パイプラインを開発し、作業プロセスのあらゆる面で指導力を発揮するべきだ。リクルーターの指揮者は彼らである。

面接という手段を目的化しないために、この点は忘れてはならない。人事と採用は誰よりも事業に精通していなくてはならない。
弊社でも問題なところだよね。だから、リクルーター制度で地方の社員も採用したほうがいいと思うんだけどな。勿論、会社の理想の将来像に合致した人。

・ハイパフォーマーを採用するには、ボーナスやストックオプション、高額な給与、昇進の確約でさえ、決め手にならない。他のhigh-performanceチームを組んで学び合えること、仕事が楽しいと思えることが、最も強力な決め手となる。

与えられるものより、獲得したものに人間は愛着を覚える。自分が最も楽しいと感じる環境で理想の収入を得られれば最高なのは自明。
ハイパフォーマーは、人に頼る必要ない人が多い印象。大企業はどうしてもイノベーションのジレンマに陥ってしまうから、過去の成功に貢献した人が評価されがち。それが安定した収入を約束しているし、変化に取り残される原因でもある。
やはり解雇しづらい日本の雇用形態は今後かなり足枷になりそうですね。
10年も経たないうちに、大分変わるでしょうがね。

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Posted by ブクログ 2020年04月30日

Netflixの人事戦略はかなりユニークだなと。
HR系の本を読むときは必ずRと比較するのだが、
Netflixの人事の考え方として組織は事業に従うということで現場のメンバー、人事のリクルーターが顧客のこと、事業のこと、会社の方針、課題を粒度細かく共有して当事者意識を育むことを大事にしてコトに向かえ...続きを読むる人材を採用するという徹底ぶりが伺えた。
また、Out施策がRとは異なる部分が多かった。
Rの場合は、社内で上がるよりも外で活躍する方がかっこいいみたいな意義醸成やOB、OGのアルムナイなどの社外ネットワークの充実により自らの意思を持って出て行く感じだが、Netflixはそもそも入社の段階でジョブディスクリプションにそぐわなくなったときは解雇することを握った上で事業成長のために常に最高な組織を作るため人をOutさせていくという一見ドライだが、Netflixでの職務経験への価値を感じさせて気持ちよく外に出させるという点がうまいと思った。
総じて組織づくりの例としてとても勉強になる。

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Posted by ブクログ 2022年04月03日

Netflixの急成長話を支えた人事論の話。

リーダーの仕事は
・チームをハイパフォーマーだけで揃えること
・お互いを批判できる透明性の高い組織づくり
・少人数で常に議論する社風に
・承認フローや人事考課など無駄を極力省く
・経費も上限を無くした
・莫大な利益をもたらす社員を残し、そこそこ利益を上...続きを読むげる社員は退職費を多めに払って解雇

社員一人一人を分別ある大人として扱い、全員がチームの目標を言える組織にすることが大事。
日本の会社でやるのはかなり難しそうだけど、「少数精鋭こそが正義であり、彼らが仕事で満足できるようハイパフォーマーだけを揃える」っていう指針が明確で良い。「テーブルサッカーや無料の寿司よりも、ハイパフォーマーを集める方が大切」というセリフはなるほどなと思った。

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Posted by ブクログ 2021年12月10日

起業、スタートアップ人事の教科書

採用、配置、チーム作り(フィードバックなどのコミュニケーション)から解雇に至るまで、Netflixの人事の要諦

■概要
・採用と解雇は表裏一体
- 企業のフェーズ、必要なポジションに合う人材を全力で取れ
-企業が変化し、本人が合わなくなったら解雇するのも優し...続きを読むさ(日本企業からすれば信じられない)

・フィードバックは高頻度(小ロット)かつ行動に焦点を当てる。「君はおとなしいね。せっかちだね。」は響かない。鉄は熱いうちに、フィードバックはすぐさまその行動を対象に行う

・人事考課は不要
作業が膨大な割に効果が薄い。給与はスキルに対する需給で決めよ、評価はフィードバックで行うべし

・解雇するのも優しさ
解雇される=無能、ではない
フェーズが変わって別の人材が必要になったら、違う人を採用する。解雇する人には敬意を払いつつ、推薦状を書いてあげよう

■所感
日本のスタートアップもどんどんマネするべき。ただし、今の雇用環境(日本の労働法制)だと難しいため、契約社員や業務委託で対応するのが関の山か。
大企業も成長(大判な事業転換、CX)のためには真似るばきだが、まず無理だろう。特に解雇への悪い印象を何とかしないと、解雇された人=無能とされてはお互いいい別れができないよね。解雇=クビなんだけど、無能だからクビではなく、男女の別れのように(?)悲しくも前向きなスタートができる文化にならないと厳しいか。
(評価)
シリコンバレーならではの話で再現性が高くないと思ってしまう、その中でも学びを見つけられたのは良かった。やや冗長な点とストーリー調なのが気になったので★3つ(3.5くらい)とした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年04月17日

働くモチベーションを高めるのは優れた福利厚生ではなく、熱狂できるほどの仕事があるのか、仲間がいるのか。この辺りにはとても共感しました。給与に対する考え方も旧来のものとはだいぶ異なりがありますね。勉強になる一冊。

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Posted by ブクログ 2020年12月13日

・問題が起こったら当事者同士でオープンに話し合うこと
→「本人とはもう話したの?」
・スタート・ストップ・コンテュニー
→始めて欲しいこと、やめて欲しいこと、とてもうまく行っていて続けて欲しいこと
→経営陣で行い、それを自部署でメンバーに伝える

オープンであることの重要性

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Posted by ブクログ 2020年10月14日


ネットフリックスは3ー4年かけたら充分に長いプロジェクト

できるやつだけとってくる、はさすがに生きていけないな。
透明性のある議論、できるものならやってほしい
10年後に読んだら違うかな

力不足を感じ出すとかなり辛そう。スタートストップコンティニューのストップはいらないかもしれないけどスタート...続きを読むと同義やろな。評価に繋がらない360°フィードバックはやってみたいかも。

会社、チームの方針をみんなで共有できるか、は確かに大事。これは繰り返し言うしかないのか。洗脳ではない。

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