花房観音のレビュー一覧

  • 時代まつり

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    京都の祭りを舞台に描かれた6つの官能短編集。著者が女性だからか、露骨ないやらしさはない。どの話も女性には芯の強さがあり、男性優位に立たせているように見せかけながら、女性の方が一枚も二枚も上手である。女性である私は読後感スッキリといった感じだけど、男性はどのような感想を持つんだろう。

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    2023年02月04日
  • 愛の宿

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    タイトルそのまんまですが、なぜか愛を感じないのがいい。女性目線だからこそ成り立つ一冊なのか。ワケありもいろいろ。最終話でキッチリ締めくくられるとは思わなかった。

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    2023年01月15日
  • 京都三無常殺人事件

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    花房さんのミステリー。京都の三無常の地、蓮台野・化野・鳥辺野で起こった殺人事件。30代の若手刑事と、二年坂で土産物屋をする松葉が、事件を解決していく。あまりにすんなり解決していくので物足りなかったが、終盤そういう事かと納得した。観光では何度も行ってる所だけど、この本を読んでまた京都へ行ってみたくなった。

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    2023年01月04日
  • どうしてあんな女に私が

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    木嶋佳苗の事件で、彼女の容姿ばかり取り沙汰されてたいた記憶はあるけど、あまり興味はなかった。少し前に柚月麻子さんの「BUTTER」を読んで、改めて事件の事を調べたけど、なぜここまで多くの人が彼女に執着するのか、本著を読みわかった気がした。著者の着眼点が面白く、劣等感や嫉妬という感情をうまく表現されていると思う。

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    2023年01月04日
  • 愛の宿

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    もし、あの夜、あのホテルに泊まらなければ。ラブホテルで女の死体が発見され、捜査のため足止めされる不倫関係の男女、大学生どうし、同窓会で再会したかつての恋人どうしなど。それぞれの関係、人間模様がラブホテル(愛の宿)を通し描かれている。愛とは、セックスとは、一体何なんだろう。

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    2023年01月03日
  • 紫の女

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    「源氏物語」をモチーフにした現代版源氏物語といった感じの短編集。 この作品は、そんなに過激な描写はないけど、やはり京都という土地の持つ淫靡、妖艶、魅惑的というような感じが、花房さんらしくていい。 最後の光る君、鈴音からの言われようは少し気の毒な気がしないでもないけど、ここで心を入れ替えられれば、それはそれで素敵な男性になれるのかもしれない。

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    2023年01月03日
  • 京都 恋地獄

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    一緒になれなくても、永遠の別れがあっても、本気で愛した男はその男ひとりだけだったと言えるような恋をすることは幸せなんだろうか。 長年一緒に暮らし、馴れ合いになってしまうような夫婦だったら、前者の方が女としては幸せなんだろう。 でも、女として、母として、人としてと、一人の人間でもいろんな側面があり、いろんな形の幸せがあると思うから、あまり現実的ではないような。 と言っても、身も焦がれるような激しい恋をしてみたい気もする。

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    2023年01月03日
  • 愛欲と情念の京都案内 魔の潜むこわ~い街へようこそ

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    先日の京都ぶらり旅では、この本を手に歩きました。 よくあるガイドブックなんかより、断然興味深く面白い。 またこれと『京都「魔界」探訪』(花房さん監修)を参考にぶらりと京都を歩いてみたいです。

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    2023年01月03日
  • やすらいまつり

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    6編からなる短編集。どれも女の方から誘う。容姿やしぐさなどに魅せられ惹きつけられている男にとっては夢のようなひとときだろう。これまで読んだ花房作品に比べ、心の描写が少ないような。行為までのかけ引きが薄く、行為もどれも同じような感じだったのが物足りなかった。ただ女に翻弄される男達というのは健在。

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    2023年01月02日
  • 半乳捕物帳

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    『半七捕物帳』からアイデアが浮かんだという「半乳捕物帳』は、乳を半分出して十手を持って、エロ…江戸の悪と戦う女の子・お七の話。花房さんは冗談のつもりだったとの事。これまで読んできた花房作品とは異なり、女の情念や官能というものはなく、ちょっと笑えるドタバタ劇のような感じでした。私としては、これはこれでアリかなと思いますが、賛否が分かれそうな作品だと思いました。

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    2023年01月02日
  • 京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男

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    山村美紗さんの本を読んだことはないのですが、テレビドラマの原作になっているのは知っていたし観たこともありました。この本を読んで何か読んでみようかなという気持ちになりました。山村美紗さんにとって不利な評判などもきちんと書かれていて、そこが興味深い部分でもあります。

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    2023年01月01日
  • 鳥辺野心中

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    中学教師の樋口は、母を亡くした女生徒に同情から特別な感情を抱きながら、教頭の紹介で見合いをした女性と結婚をする。周りに流されふらふらする樋口にイライラしながらも、なぜか憎めない。角田龍平氏は解説で「樋口に引き寄せられた人間は、作中の登場人物だけではない。」と。その言葉にドキッとした。私も樋口のような男性を欲しているのかもしれないと…。

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    2022年12月25日
  • くちびる遊び(新潮文庫)

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    こういうのを初めて読んだ。女性作家さんとは知らなかった。
    どこか劣等感を抱えている登場人物たちの鬱屈して歪んだ心の描写がいい。「愛しの舞姫」で罵倒されてるところとかがいい。
    背徳感とか破滅の予感とか、そういうのがもっとあるとよかったかなあ。わりと纏まりのよい結末が多い感じ。

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    2022年12月08日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    奪い、奪われ甘い蜜の匂いの毒に侵されて行く

    略奪愛をテーマに5人の女性作家さんが紡ぐ芳しいアンソロジー

    花房観音さんだけ初読み作家さんでしたが一番惹かれる物語だった

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    2022年11月30日
  • 超怖い物件

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    一応、「家」にまつわる怪談、ということになるのかな。(読んでいる最中それが強く意識されるという感じでもないのだけど。)

    全体的にはきちんとそれぞれ「作品」になっているので、素人っぽいノリで集めた聞き書き怪談、みたいな雰囲気ではなく、しっかり読み応えがあるものが多かった。

    ただ、なんというか、「物件」と冠されたタイトルと内容とはちょっとズレがあるように思う。「怖い家」くらいの方が適当なんじゃないだろうか。あんまり、不動産としての物件にまつわる怪という方向性ではないので、いわゆる事故物件怪談みたいなのを期待していると「およ?」となるかも。

    個人的に印象に残ったのは、福澤徹三『旧居の記憶』、黒

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    2022年11月23日
  • 超怖い物件

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    宇佐美まことさんの『氷室』と澤村伊智さんの『笛を吹く家』が好き!お二人の作品がそもそも好きなのもあるけど、最初と読み終わった後のイメージがガラリと変わるのがいい。

    ついついホラーでもオチ的なものを求めてしまいがちなので、理由の分からない恐怖はどこか冷めちゃう感じで読んじゃうところあるけど、全体的にどれも歪感が良かった!

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    2022年11月15日
  • 恋地獄

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    初めて読む構成だった。この作者特有の物語って感じ。最後は「おぉ」となるエンドだった。墓守の婆さんの話はかなり吸い込まれるようにスラスラ読めた。
    可もなく不可もなく、ダークな話を読みたい時に調度良いのかな。

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    2022年10月30日
  • 萌えいづる

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    前の男との営みが忘れられず、一度だけよりを戻し妊娠してしまう女。 深く愛し合った年下男の親に辱めを受け別れさせられる女。仲良く暮らしていると思っていた夫から、他の女と結婚したいと告げられる女。妻子ある男を他の女に奪われ、後に男も亡くなり、行き場のない抱く女。花房さんの作品は、いつも最後には前向きになれるようなのが多い中、今回はやるせなくて悲しくて、どうしようもない。

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    2022年10月22日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    花房さんの「それからのこと」は『花びらめくり』で既読だったけど、流石と言ったところで他からは飛び抜けた熱量を感じた。 彩瀬まるさんの「かわいいごっこ」は、読んでて心の一部がちくちくした。 花房さん以外で気に入ったのは、窪美澄さんの「朧月夜のスーヴェニア」かな。孫に介護されながら、かつての恋を回想する真智子さん…"愛し愛された記憶はいつまでも残るの"と。

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    2022年10月22日
  • ごりょうの森

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    怨霊をモチーフに描かれている短編集。その怨霊にゆかりのある神社仏閣が出てくる。上御霊神社、乙訓寺、長岡天満宮など…花房さんの本を読むと京都へ行きたくなる。 あんなに熱く燃え上がったのに何故なんだろう。一方だけの気持ちが醒めたときの悲しさ、読んでて心苦しくやるせない。 「母が女であることは罪なのだろうか。男なら、父であることと、男であることを誰も天秤になどかけない。どうして、女だけ、女のままでいようとすると、罪を背負わねばならないのか。」

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    2022年10月22日