花房観音のレビュー一覧

  • ゆびさきたどり(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    近代文学を代表する文豪たちの名作を、官能小説にアレンジした短編集。武者小路実篤の「友情」をアレンジした「オンナの友情」などはスマホやLINEが出てきて、かなり現代的なアレンジでビックリでした。林芙美子の「晩菊」をアレンジした「枯れ菊」が結末はうら寂しい感じなんですが、この中では一番好きかなぁ。原作の方も読んでみたいなと思いました。

    0
    2023年01月04日
  • 超怖い物件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み応えのあるホラーオムニバス
    好きだった話抜粋

    「氷室」
    途中でオチは読めたけど更なるオチがついてるとは…読んでくとひんやり感が伝わってくる

    「旧居の記憶」
    昔住んでたとこ変なこと多くて〜心霊現象多かったンスよ〜で済んでいいのか分からない作者の体験記
    かつてのノスタルジックな情景を思い描きながら読んでくとオチに突き落とされる

    「やなぎっ記」
    怖くて((((('Д')))))泣いちゃう(ToT)/~~~

    「笛を吹く家」
    3歳の息子と散歩した時に思いついた創作って始まるのが怖い

    「終の住処」
    この作者結構な確率で読者巻き込む

    「ろろるいの家」
    文章の密度が凄い。他

    0
    2023年01月01日
  • くちびる遊び(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    久々の花房作品。文豪シリーズ第二弾。『女禁高野』神聖な高野山と妖艶な雰囲気を醸し出す宿坊、美しい僧侶と官能的な行為、それらのギャップが何とも言えないエロスを増幅させる。舌を絡めるキスで「口の中でも、感じてしまうなんて初めて知りました」『悦楽椅子』は乱歩の良さに官能増し増しって感じで、理解し難かった変態性欲もありなのかなぁと思わせる。ラストの一言は秀逸。あとがきで「乱歩と谷崎潤一郎の小説は挿入だけがセックスじゃないのだと教えてくれる」と。歳を重ねた今、その通りだと思う。

    0
    2022年12月30日
  • 京都三無常殺人事件

    Posted by ブクログ

    連作3作品
    それぞれに殺人事件を追う(ひとつは自殺か)
    流れであっさり事件は解決していくが
    刑事の力というよりも松葉のおかげな感じ
    でも終盤の展開にはそわそわしました

    0
    2022年12月23日
  • 神さま、お願い

    Posted by ブクログ

    世にも奇妙な物語風で面白かった。ハッピーエンドではなく、ゾワッとする終わり方が多かったが、引き寄せられる様に読み進めた。神社に行くのは女が多いとのこと。それぞれの主人公の想いがリアルで分かる部分もあった。女のあらゆる方面への心情がとてもよく描かれている。もっといろんな女の人生を見てみたいと思った。

    0
    2022年10月18日
  • 超怖い物件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こわかった!
    ほぼほぼ全部怖くて、また新たなホラー小説の楽しみを知られたな!という感じ!他のお話も読んでみたい作家さんも増えて、よかった。

    0
    2022年10月18日
  • ごりょうの森

    Posted by ブクログ

    歴史上の人物の怨霊譚にからむ現代の性愛7短編

    「首塚」(初出2021「特選小説」)
    新聞社の先輩が代議士の秘書になり、議員の不正の責めを負って自殺したが、残された妻を抱いて自殺の真相を聞き出すと、妻は議員の愛人で先輩の行動を議員に伝えていて、先輩に罪を着せる工作もしていた。まるで平将門を裏切っていた愛妾桔梗姫のようで、妻は時々先輩の首だけの亡霊を見るという。

    「雷神」(初出2021「webジェイノベル」)
    レズビアンの関係になった劇団の後輩が映画の主役に抜擢され、嫉妬から後輩の裸の写真を週刊誌に流出させたため、後輩は役を降ろされ、実家に帰って病死した。雷雨の日には後輩が10階のマンションの

    0
    2022年07月06日
  • わたつみ

    Posted by ブクログ

    2022年、4冊目は、積ん読消化の花房観音。そして、今年初の長編作。

    田嶋京子、33歳。映画制作の夢を失い、都堕ち。実家のある日本海沿いの小さな町に戻って来た。彼女は町の海産物加工工場、「株式会社わたつみ」でアルバイトとして働き始める。そこにも、彼女と同じく罪を抱え、秘密を持つ者達が働いていた。

    第一~第四章までは、前半が京子視点。それ以降が工場で働く女の視点で描かれている。そして、第五、六、終章で、それぞれが絡みあいながら展開し、結末を迎える。軸となるのは、東京を離れ、忌むべき町へ戻って来た理由、京子の抱えた罪と秘密である。

    花房観音女史らしい作品で、好みは別にして、女史の作品の中では

    0
    2022年06月24日
  • 情人

    Posted by ブクログ

    愛ってすごいなと単純に思った
    人間から理性を奪っていくしどこまでも人間を壊していく。本当に「恋に溺れる」って言葉が正解だなと思う。
    娘が母親の元不倫相手とも関係を持ってしまうお話で色々複雑だったが面白かった

    0
    2022年04月25日
  • ごりょうの森

    Posted by ブクログ

    2022年、2冊目は花房観音のホラー(?)官能短編集、七編収録。

    今回は、各タイトルのみ紹介

    首塚
    雷神
    ごりょうの森
    ぼたん寺
    われ死なば
    おさかべ姫
    母の罪

    印象はホラー<官能。ホラーと言うか、怨霊にまつわる伝承や寺社縁起等を下敷きにした物語達。

    「首塚」「雷神」で下敷きとしているのは、平将門、菅原道真と言ったメジャーどころだが、個人的にはあまり……。一方、三編目以降は、大筋でかなり好み。並びも順も、かなりしっくり。

    官能作としても、ヴァリエーションに富んでいるのは好感。しかし、一編30p程度の分量は、やはり、物足りなさを感じるものもあり。まぁ、最近、目の衰えがススんでしまった自

    0
    2022年04月21日
  • ごりょうの森

    Posted by ブクログ

    花房観音『ごりょうの森』実業之日本社文庫。

    古くから語り継がれ、恐れられてきた日本の『怨霊』をモチーフにした7編収録の官能短編集。恐怖と官能が隣り合わせの不思議な風合いの短編が並ぶが、官能色の方が強いようだ。

    『首塚』。平将門の怨霊。フリーの記者となった男が少し前に同じ新聞社を退職し、議員秘書となり、議員の罪を被って自殺した先輩のことを調べる。先輩の妻と大手町の将門塚で待ち合わせた男は……

    『雷神』。菅原道真の怨霊。一度だけ愛し合った同じ劇団の同性の後輩への妬み。運良くメジャー女優となった後輩への妬みから、彼女の秘密を公にした主人公。やがて主人公は普通に結婚し、出産を経験し……

    『ごり

    0
    2022年04月19日
  • うかれ女島(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    伊勢田大和の母親 幸子は、娼婦としての仕事にのめり込み大和を置いて"うかれ女島"に行ってしまい、彼は祖父たちに育てられ、会社員となって現在渡谷柚香と付き合っている.彼女に母のことは話していない.幸子は島では真理亜と名乗り女衒として多くの女を扱ってきた.真理亜が死んで4人の女の存在を知った大和は手紙を書いたが、彼女たちは前歴を隠していた.その中で忍と接触でき、島の様子が次第に分かってきた.それぞれの女たちの生き方は打算に満ちたものだが、春日まどかの同僚だった桐口瞳子と忍で島に行った大和らの行動で真理亜を含めた女たちの境遇が明らかになっていく過程が楽しめた.

    0
    2021年10月25日
  • 色仏

    Posted by ブクログ

    2021年、11冊目は、花房観音の文庫化新作。

    北近江出身の「烏」。孤児の彼は寺の住職に育てられる。住職は彼に寺を継がせるよう、京都に修行に出す。しかし、彼は修行に集中出来ずにいた。そして、仏師を目指し寺を出る。彼の心は、地元の十一面観音に奪われていた。

    花房観音、久々のクリーンヒット、長打コース。今作は「人並みの価値観に一石を投じる」女史の一貫したスタイルの変化球。「情欲」と「業」に絞って、幕末の京都を舞台に展開される。

    『官能時代小説』の帯の括りだが、『官能』の男を欲情させる機能は今作も低め。もちろん、それなりに性描写は多いが、すでに女史の足元はそこには、勃っていない。人の裏や、内の

    0
    2021年07月16日
  • 色仏

    Posted by ブクログ

    花房観音『色仏』文春文庫。

    花房観音初の時代官能連作短編集。江戸末期の京都を舞台にいずれもタイトルに『仏』の文字が入る六章で構成されている。

    艶かしい十一面観音像に魅了された男が自らの手で観音像を造ろうとするが、十一面観音の刺青を背中に入れた真砂と出会い、女性の激しい情念と性愛を感じていくという花房観音らしい物語。

    近江の国で親の顔を知らずに育ち、烏と呼ばれた主人公の男は寺の僧侶に育てられる中、地元にある艶かしい十一面観音像に魅了される。烏が17歳になろうとする時、僧侶は京の町の大業寺に向かわせる。やがて27歳を迎えた烏は真砂という女性の背中にな艶かしい十一面観音を見て、仏門を捨てて仏師

    0
    2021年07月14日
  • うかれ女島(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    実在の“売春島”を舞台にしたサスペンス。生々しく女性の性を書いた作者花房さんのポリシーを強く感じる作品。東電OL殺人事件の被害者をモデルにした娼婦も出てくるが、彼女の人生の解釈が斬新。

    0
    2021年04月15日
  • うかれ女島(新潮文庫)

    ネタバレ 購入済み

    この後も繰り返し続く

    大和の将来は貴子の物語と同じ道を辿りそう。その時に偉そうに話をしている大和の姿を想像して腹立たしい!

    自分はどのスタンスなのかは、はっきりしないのだけれども。

    0
    2021年02月23日
  • うかれ女島(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    側から思う恥ずかしさは、不可避な欲望だった?それは誰しもが異なる形で無意識に持っているのかもしれない。恥を知れ!と言う人にも恥ずかしい一面は必ずあるのかな。
    襟をただすべきと言い放つ政治家ほど自分の欲望を抑えられないのと同じような気がする。

    0
    2021年02月11日
  • どうしてあんな女に私が

    Posted by ブクログ

     とある実際に起きた事件をモチーフにしつつ、その犯人に焦点を当てずに、女性の嫉妬をにやにやと意地悪くみつめたような物語。とても面白い。

     女性はこういうメイクしなさい、こういう服装をしなさい、おいて醜くなると劣化と呼ばれ女扱いではなくなる。社会的な女であることを維持するために、女性はコストを支払っている。そんなことに気づかされた。確かに嫉妬してしまうよね。

    0
    2021年02月07日
  • うかれ女島(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2021年、1冊目。

    伊勢田大和。彼の母親が溺死した。場所は売春島と呼ばれる場所。かつては、娼婦として、その後は女衒として島に残った母。母の死を報せるよう、四人の名前が書かれたメモがあった。そして、彼は、四人に連絡をとる。

    基本フォーマットは、花房観音女史の得意とするトコロであり、女史一流の考え方、価値観で成り立っている。その流れで、前半五章までは、かなり好み。そこからどぅ展開して行くのか……、と思ったら……。

    正直、「春日まどか」の件だけちょっと宙ぶらりんなのが残念。

    前半五章までの貯金で、3.7評価、オマケ繰り上げの★★★★☆。

    0
    2021年01月08日
  • 情人

    Posted by ブクログ

    2つの地震の出来事を中心に、ダメ男と、それに溺れる一般に男好きと呼ばれる女性と描いた物語。
    一生会わない。2度と顔も見たくないから、と言う文章が好きだった。
    性行為のことが書いてあるのに、そこまでいやらしくなく、かといってあっさりし過ぎておらず良かった。
    おそらく主人公の女性が、1番前に進めていなかったんだとおもった。

    0
    2020年12月05日