花房観音のレビュー一覧
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『やすらいまつり』の続編とも言うべき、京都を舞台にした六編収録の官能短編集。花房観音の小説は単なる官能小説に留まらず、時に文学の香りが漂い、女性の持つ情念、本質、独特の思考を強く映し出した小説に仕立て上げている。女性が読めば共感し、男性が読めば恐怖を感じるだろう、そんな短編集。
『かにかくまつり』。笠野秀人が京都の学生時代に男女の仲になった色街の女性、雪子…笠野は卒業間際に雪子に捨てられるが、二十年後に京都で雪子と再開する。色街に生きる女の強さと、いつまでも夢を見続けている男の滑稽さ…
『七夕まつり』。笹原は独身時代に知り合い、別れた彩音と結婚しても、なお、年に一度の逢瀬を重ねる。彩音との不倫を妻に知られた笹原は再び、彩音に別れを告げるが…女の計算高さと強い情念が伝わる。
『義士まつり』。矢崎の会社の先輩が結婚相手に選んだのは矢崎がかつて淡い恋心を抱いていた同級生の亜里だった。しかし、先輩は亜里を残し、自殺。未亡人になった亜里と再会した矢崎は、亜里に翻弄され…そんな状況を赤穂浪士の討入りに例えるところが滑稽で、男女の仲なんて、こんなものなんだろうなと思う。
『節分まつり』。小説家の田所は、かつて、友人の頼みでラブレターを代筆し、友人の恋愛は成就するのだが…不思議な男女の縁と女の可愛らしいしたたかさ…
『あじさいまつり』。富樫と藍子の夫婦は、富樫の浮気から離婚し、藍子の知人で浮気相手の美波と夫婦になる。それでも、距離を置かずの付き合いを続ける富樫と藍子…どこまでも清楚な姿を演じ続ける小悪魔のような女たちが見せる本性が怖い。
『時代まつり』。友彦は亡くなった父親の自宅を売却するために京都を訪れ、時代祭の行列で偶然見かけた白川女…どこまでも男に深い愛情を注ぎ続ける女の情念… -
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京都のまつりを舞台に描かれた官能短編六編を収録した作品。六編のいずれも、燃え上がるような男女の性愛が描かれているのだが、いずれの女性も怖く、身勝手にも映る。それだけ、女性の情念が強いということなのだろう。一瞬の快楽のために我を忘れる男が愚かに見えるとともに女性とは強かであり、快楽の中でも強い想いを胸に秘めている生き物なのかも知れない。
花房観音の作品は官能小説というジャンルに分類されるのかも知れないが、単なる官能小説で終わらずに男女の深い部分を描かれているのが面白い。
『梅まつり』『ひいなまつり』『祇園まつり』『地蔵まつり』『火まつり』『やすらいまつり』を収録。表題作の『やすらいまつり』が一番良かった。『梅まつり』『火まつり』も良い。 -
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ネタバレ自分の本能のままに動くことや 自分の利益だけを考えて行動することは他の誰かを傷つけ 最後には自分の大切なものも失ってしまう
主人公は騙されたんだけれども それは自分が悪いからと責め続けたが最後は私だけが悪いのではない 騙す方も騙される方も 本能のままに動くのも本能のままに動いている人を受け入れている人たちもどっちもどっちで、どちらかが悪いわけではないと結論付けたように 私は感じた
人は一人では生きられず人に迷惑をかけたり迷惑をかけられたりする存在であるが、恋ほど人を狂わすものはないと本当に思う
そして、 恋ほど 自己責任論を問われるものはないと思われる
人を想う気持ちや人に好かれたいと思う気持ちは人間は誰しも持っていてそれをいかにコントロールするか コントロールされるのではなく コントロールすること -
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51歳で心不全を起こし、救急搬送された筆者のエッセイ。死が目の前に迫ってくる経験を読むのは初めてだ。死後のことはわからないけれど、こうして筆者の死生観や生き方に触れられて良かった。
この作品を読んで気づいたのは、私も作者同様、気づいていないけどセルフネグレクトぎみだということ。まだ30代で更年期障害や生活習慣病とは縁がないかなと思っていたが、ちょっとした不調を放置することは割もあるので気をつけなければいけないなと思った。
いつまでも生きていたいと思う反面、あまり長生きしても大変だとも思う。生きるって面倒くさいことが多くて難しい。それでも、死を目前にした筆者が言うように、生きていることは素晴らしい。
いつ死んでも仕方がないけれど、今を生きていることを喜びたいと思う。 -
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家や土地にまつわるホラーアンソロジー。
事故物件だけでなく住民そのものが怖いヒトコワものまで豪華11話収録。
糸柳寿昭氏『やなぎっ記』軽い雰囲気の日記だと思っていたら最後のメールで鳥肌立っちゃうやつ。
澤村伊智氏『笛を吹く家』この方の描く歪んだ家族っていつも気味が悪いし悲惨…本当にいそうなのがまた怖い。
芦花公園氏『終の棲家』宗教が関わるホラーではやっぱりこの方。得体が知れない信仰の気持ち悪さと逃げられない絶望感。
平山夢明氏『ろろるいの家』ホラー描写が本書で一番怖かったかもしれない。不気味な現象に徐々に侵食されていく感じがゾクゾクした。 -
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産寧坂(さんねいざか)は京都市にある坂。三年坂(さんねんざか)とも呼ばれる。 東山の観光地として有名である。狭義には音羽山清水寺の参道である清水坂から北へ石段で降りる坂道をいうが、公式には北に二年坂までの緩い起伏の石畳の道も含む。
わが恋は松を時雨の染めかねて真葛が原に風騒ぐなり――。
「ほんまやで、一か月ほど前や。転んで足をくじいたって、片足引きずりながら帰ってきたわ。三年以内に私は死ぬんやって、自分で言うとった。そやから、早かったんやな」
わが恋は松を時雨の染めかねて真葛が原に風騒ぐなり――。
「せんせぇ、三年坂はな、産寧坂とも言うんやで」
中学校教師の樋口は、ある女生徒の母の死をきっかけに、
彼女と急接近をし、やがて愛を告白される。
その思いを拒みきれずにいた樋口だったが、
周囲に流されるまま同年代の女性と見合い結婚をする。
女生徒とは関係が途絶えたはずだったが……。
京都・鳥辺野を舞台にあぶり出される男と女の業を描いた傑作長編。 -
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物件ホラーが好きなのと芦花公園先生の短編が入っているので手に取った。他の参加メンツも豪華すぎる、、、バラエティに富んだ様々な物件の嫌な話が入っていて満足度が高い。
福澤先生の話読んだことある、、、?って思ったけど「怪を訊く日々」のエピソードと若干重複してた。「忌み地」のシリーズも好きなので糸柳さんの日記っぽいやつも好き。晩御飯の献立書いてあるのかわいい。
郷内心瞳は拝み屋怪談しか読んだことなかったのでカニバリズム百合姉妹ホラーみたいなのお出しされて新鮮だった。よかった。
芦花公園先生のやつもかなり邪悪だったけどそれに続く最後の平山夢明先生のやつがあまりにも凶悪すぎて最高だった。何この流れ。助からなさすぎて逆に助かる。
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