あらすじ
一九九六年、日本で一番本が売れた年、帝国ホテルで執筆中に山村美紗が亡くなった。二〇〇冊以上の本を出しベストセラー作家と持て囃された〝ミステリの女王〟。華やかな活躍の陰で「文学賞を獲りたい」という強烈な劣等感を抱いていたこと、公然の秘密と噂された作家との関係や夫の存在など、秘められた謎は多い。文壇のタブーに挑むノンフィクション。
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Posted by ブクログ
この本読むまで山村美沙さんを知らなかった衝撃の事実w
おかんに「山村美沙って知ってる?」って聞いたら「西村京太郎の奥さんやろ?」って返ってくるくらい世間が誤解している事実も衝撃だった。単にタイトルの『京都に~』って冠があったから地元民としては知らんのはあかんやろって手を出したのがきっかけでしたが、無冠の女王としてとんでもない作家さんだとようやく認識することができたのもこの本のおかげであり、花房さんには感謝しかありません。
10代後半から40過ぎまで読書をしなかった期間が長く、また当時からTV嫌いでドラマや日本映画はみなかったのでドラマ化で有名になったとかいうのもまったく知らなかった。江戸川乱歩賞を取った作品や作者はなんだかんだで知っていたものの、無冠であったがゆえに、同世代作家さんの本は読んでいたが、山村美沙はノーマークという。改めてこの本を読むことで興味を持ち、何冊かは読んでみたいと思った。そして、西村京太郎さんの作品については何となく食わず嫌いで読んでいなかったが、これを機会にちょっと読んでみたいと思った。巻末にも書かれているが、この本の最も主人公は山村巍さんで、この人なくして女王は生まれてこなかっただろうと思った。多くの資料や人を頼り、タブーに立ち向かいこの本を書かれた花房さんに拍手喝采だ。
一人の作家さんのノンフクションがこれほどにドラマチックに書かれているのは、十分な読み物として評価したい。
Posted by ブクログ
花房観音『京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男』幻冬舎文庫。
かつて『ミステリの女王』と呼ばれたベストセラー作家の山村美紗の人生と秘められた謎に迫った珍しい花房観音のノンフィクション小説。
口絵には山村美紗の夫である山村巍による山村美紗の肖像画が2点収録されている。
最も本が売れた時代に女流作家のトップに君臨した山村美紗の華やかで謎に包まれた私生活と数々の逸話……
なかなか興味深く、面白い。
山村美紗と言うと西村京太郎との長年に亘る親密な交際が噂され、本当の夫が居たことなど全く知らなかった。山村美紗だけでなく西村京太郎作品を原作にしたテレビドラマによく出演した女優の山村紅葉は西村京太郎との間に産まれた娘だと思っていたが……
200冊以上の作品を執筆し、作品の半数以上がテレビドラマの原作にもなった山村美紗が1996年に帝国ホテルで執筆中に亡くなった。
山村巍と結婚し、作家を目指す山村美紗と松本清張との出会い、そして西村京太郎との長年に亘る関係が克明に描かれ、これまで余り表に登場しなかった夫の山村巍に焦点を当てて『ミステリの女王』の素顔に迫る。
本体価格670円
★★★★★
Posted by ブクログ
(失礼ながら)
さすがと思える文体ではないのに
読ませるのは
山村美紗さんという
個性的で強烈な素材や
花房観音さんの
小説にかける情熱かも。
あとがきや文庫本のための解説、
登場人物のその後の消息、
最後に山村魏夫人の文章まで読めて
行き届いていました。
しかし余談めいた
勝谷誠彦さんのお話…!
知らなかった、
こちらの方が心に沁みました。
Posted by ブクログ
フォローしてる方が推していたから読んだ本。結果として失敗だった。私は山村美紗氏も西村京太郎氏も読んだ事がなかったしTVドラマも見た事が無かったから。漠然と京都で隣り同士で暮らす作家さんとしか。受け止める感情が少なかったのは否めない。でも凄く取材して人となりをわかり易く描いた作者に好感がもてた。
Posted by ブクログ
あまりノンフィクションは読まないけれど、
その部類の本の出版には、タブーがあり、とても困難されたんだなと。たくさん取材されて、でも今後も明かすことができないと書かれている箇所がある。そこには、誰かを傷つけることがないようにとか、色々な配慮があるのかもしれないと感じた。作者の真面目さ優しさにもふれた。
あるひとつの時代の裏面が知れて興味深く、面白く読めました。
Posted by ブクログ
山村美紗さんの本を読んだことはないのですが、テレビドラマの原作になっているのは知っていたし観たこともありました。この本を読んで何か読んでみようかなという気持ちになりました。山村美紗さんにとって不利な評判などもきちんと書かれていて、そこが興味深い部分でもあります。
Posted by ブクログ
<目次>
序章
第1章 京都の作家
第2章 出生、結婚
第3章 江戸川乱歩賞
第4章 デビュー、ベストセラー作家へ
第5章 京都組
第6章 戦死、ふたりの男
第7章 京都に女王と呼ばれた作家がいた
あとがき
<内容>
山村美紗。たしかに今は本屋の店頭に彼女の本は並ばず、忘れられているのかもしれない。しかし1990年代前半、彼女の書く本は次から次へと売れたらしい(自分はほとんど読まなかった)。その「京都の女王」の伝記。西村京太郎ととても仲が良かったことも知っていたが、その辺りはややあいまいな描写なのは、本当にプラトニック以上なかったのかが、よくわからない。ただ、ベストセラー作家は、命をすり減らす職業なのだとよくわかった。
内容がなく期待はずれも甚だしい
こんな作品をお金出して買ってしまった自分に腹が立つ。まず、語尾が一定で「〜だった、ーだった」ばかりで読み難い。子供の読書感想文かと思った。この作者の才能が全くわからない。山村美紗に非常に興味があり期待して購入したが、情報量も少なく二度と読まないし、この作者の本は二度と買わないと心に決めた。山村美紗の完全なる太鼓持ち。当人たちに都合の良いことしか書いていない。更に許せないのが、本の半分で小説は終わり、残りは山村美紗の書籍のタイトルをつらつらとあげるだけ。これでよく一冊の本にして出版してお金取ろうと思ったものだ。