花房観音のレビュー一覧
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ネタバレ寝る前に読むんじゃなかったと後悔しながらこの感想を書いています。
物件怪談アンソロジーということで、色んな怖さを楽しめる贅沢な1冊でした。
勿論怪異の存在はあるのですが、所謂ヒトコワでしたり伝染系に近いお話もあって驚きました。
個人的に終の棲家、ろろるいの家はちょっと怖すぎて数回本を閉じそうになりましたね。続きを読みたいけど、これ以上読んではいけないような、好奇心と恐怖心の狭間ってここかぁと思いながらも結局全部楽しく読んでしまいました。
郷内心瞳先生のトガハラミはあまりにも文体が艶やかで感動しました。果物を食べる様子をあんなにもセクシーに書くことができるなんて…。郷内心瞳先生は今回はじめまして -
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この本読むまで山村美沙さんを知らなかった衝撃の事実w
おかんに「山村美沙って知ってる?」って聞いたら「西村京太郎の奥さんやろ?」って返ってくるくらい世間が誤解している事実も衝撃だった。単にタイトルの『京都に~』って冠があったから地元民としては知らんのはあかんやろって手を出したのがきっかけでしたが、無冠の女王としてとんでもない作家さんだとようやく認識することができたのもこの本のおかげであり、花房さんには感謝しかありません。
10代後半から40過ぎまで読書をしなかった期間が長く、また当時からTV嫌いでドラマや日本映画はみなかったのでドラマ化で有名になったとかいうのもまったく知らなかった。江戸川乱歩 -
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ネタバレ「物件」に関する怪談小説のアンソロジー。おすすめ作品
神永学『妹の部屋』死んだはずの妹の部屋がいつしか復元されている。おかしいのは自分か、家族か。ミステリ要素のあるホラー。
澤村伊智『笛を吹く家』一番おすすめの作品。ラストにどんでん返しがあるホラーミステリー。
郷内心瞳『トガハラミ』人間に取り憑いて人を喰らう物の怪、トガハラミの話。ラストシーンの伏線回収が美しい。語り手は美佐子に憑いたトガハラミで、「姉」はトガハラミが見せていた幻覚ではないか。
芦花公園『終の棲家』最後の一文にゾッとする。怪異は話を聞いた者に取り憑き、伝染する。
平山夢明『ろろるいの家』実話怪談風の作品。短編集の中で一番怖かっ -
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花房観音『京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男』幻冬舎文庫。
かつて『ミステリの女王』と呼ばれたベストセラー作家の山村美紗の人生と秘められた謎に迫った珍しい花房観音のノンフィクション小説。
口絵には山村美紗の夫である山村巍による山村美紗の肖像画が2点収録されている。
最も本が売れた時代に女流作家のトップに君臨した山村美紗の華やかで謎に包まれた私生活と数々の逸話……
なかなか興味深く、面白い。
山村美紗と言うと西村京太郎との長年に亘る親密な交際が噂され、本当の夫が居たことなど全く知らなかった。山村美紗だけでなく西村京太郎作品を原作にしたテレビドラマによく出演した女優の山 -
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花房観音さん。この本とは別のサイン本を一冊はもっているのだが、官能小説のようなジャンルだと知りなかなか読む機会がなかった。だが友人が「俺は好き」と言ってたのでこの機会に読んでみた。
確かに性描写は多いもののそれが不快ではなかった。艶めかしい、潤い、滴る、と言った表現が多いが物語も楽しめる。そしてある程度構えて読んだので性のドロドロさはまずまずだった。ただこの物語には底知れぬ情念が感じられる。音楽で言うと演歌。時代も江戸末期でそんな風に感じた。
近江地方の寺のお堂の軒下に捨て置かれた烏。そこにある観音像に心を奪われたままで女を知らずに今に至る。京都の寺で僧侶になる修業をするのだが、その道を捨 -
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花房観音『わたつみ』コスミック文庫。
海辺の田舎街で繰り広げられる男女の爛れた性関係と人間模様を背景に一度は夢を諦めた女性が再び夢を求めて立ち上がる再生の物語。下衆な男に騙されて、映画製作の夢破れ、東京から故郷の海辺の街に戻って来た田嶋京子が目にする自らの性的な欲望を持て余す様々な女性たち。
映画製作の夢破れて東京から故郷の海辺の街に戻って来た田嶋京子は、かまぼこ工場で働く。そこには、二人の子を持つシングルマザーの青山美津香、夫とナチュラル指向のカフェを営む甲斐くるみ、30歳を過ぎて処女の沼田千里、職場の年下男性と不倫関係を続ける松下真知子、出会い系サイトで男性を漁る大久保幸子と言った様々 -
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5人の女と1人の男目線で描かれる情愛を通した「人の弱さ」の話であったように思う。
単純に1〜10で人の心を強弱つけるとしたら、6から上が強いと言うことになるのだろう。
だとするとこの世界の人たちは1か2だと感じた。でもすべての話を通して見上げるように読んでしまった。
嘘の女も、初の女も、悔の女も、買の男も、母の女も、愛の女も。
明らかに少数派の人たちを眩しいと感じた。それが花房観音氏が描く上品な色気やどこか既視感を覚える描写故なのかはわからない。
6人に共通することは、総じて褒められるような人たちではないということ。人格者でもなければおよそ等身大でもない。が、読み終えたときこの6人を責
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