花房観音のレビュー一覧

  • 好色入道

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    花房観音『好色入道』実業之日本社文庫。

    京都市長選挙戦を巡る保守派と革新派の攻防を題材にしたエロ全開の官能小説。美人ジャーナリスト・東院純子があっさり怪僧・秀建に喰われてしまうのはどうかと。

    現代日本の腐敗した政界をエロでデフォルメしたような作品なのだが、腐敗した政界を描きたいのか、どエロな官能小説を描きたいのか、どっち付かず。

    本体価格740円
    ★★★

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    2019年12月23日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    ネタバレ

    窪美澄「朧月夜のスーヴェニア」

    戦地に赴いた許嫁を待つ真智子の許されない恋。
    お婆さんになった主人公の回想という形。

    宮木あや子「蛇瓜とルチル」

    芸能向けの衣装屋に勤める女性とアイドルの話。
    この主人公、ショタなのかな。
    完全にヤバい人だと思う。

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    2019年09月28日
  • ゆびさきたどり(新潮文庫)

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    花房観音『ゆびさきたどり』新潮文庫。

    文豪官能シリーズ第3弾となる短編集。『桜の里』『ボッちゃん』『枯れ菊』『オンナの友情』『残月記』の5編を収録。

    殆どの短編は原作を花房観音なりに解釈し、独自の世界観を創り上げる感性は認めるものの、夏目漱石の名作『坊ちゃん』をパロディにしてしまった罪は大きい。

    本体価格490円
    ★★★

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    2019年06月02日
  • どうしてあんな女に私が

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    花房観音『どうしてあんな女に私が』幻冬舎文庫。

    これが花房観音の作品かと驚く程、これまでとは全く違うテイストの作品。花房観音らしくない。首都圏連続不審死事件を題材にした作品で、雰囲気は真梨幸子の一連のイヤミスにも似ているのだが、花房観音のイメージとは合わないと思った。

    6人の女性の証言により魔性の女、春海さくらの過去が描かれる……

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    2018年08月04日
  • 鬼の家

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    2018年、6冊目は花房観音。

    京都、千本通。そこはかつて千本の桜が餓えられていたといわれる。一方、死者を送る千本の卒塔婆があったともいわれる。そして、そのあたりは、人を喰らう鬼がいた、宴の松原と呼ばれる場所でもあった。
    その千本通の近くに、明治時代に建てられた豪奢な洋館。そこに住まう松ヶ谷家の物語。

    明治の時代から時を繰りながら、語り手を変え、紡がれる、連作短編的、六つの話。今回もタイトルのみ紹介。

    第一話 桜鬼
    第二話 鬼の子
    第三話 鬼人形
    第四話 奥様の鬼
    第五話 守り鬼
    第六話 寂しい鬼

    ホラー、怪談の要素を纏わせつつ、寂しさ、禁忌、性癖、確執……etc。と、背徳と情念絡ませ

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    2018年03月06日
  • 半乳捕物帳

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    2018年、1冊目は、昨年末~隙間読書用としていたヤツ。

    今回、あらすじは省略させていただきますが、痛快娯楽、時代モノといったトコでしょう。

    手練れの言葉遊び極まれり❗ってトコ。SNS系の勘違いした輩でなく、知識ある、キチンと言葉遊びを心得た者が紡ぐ娯楽作。ツッコミ処より、純粋に楽しむのが正解。

    本家同様、連作となれば、また、楽しみも増えると言うモノ。その雰囲気、バリバリだし……。

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    2018年01月04日
  • 鬼の家

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    資産家の夫が愛妻のために建てた、京都の千本通りの側にある豪邸。
    ある夜、行き倒れの美しい男がやってきてから、すべてが狂いだす――。

    闇に蠢く影は、異形の者か人が生み出したものかー?

    6つの恐怖譚・・・というわりには、そこまで怖くもなく。
    いつものエロさもなく。なんがか淡々とした感じで、ちょっと期待外れだったかなー。

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    2017年10月22日
  • 偽りの森

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    京都、姉妹、とくると、思い出されるのはやはり谷崎潤一郎の細雪。
    内容は違うものの、やはりどこか意識して読んでしまう。
    京都に住む四人姉妹。あれだけ距離感が近いと息が詰まりそうだなぁ。
    私自身が四姉妹だということもあり(私は末っ子)
    本書の中の姉妹と共通点を探すも、それも余り無く。
    姉たちを『羨ましい』と羨望する事はあっても、
    あんなにメラメラとした嫉妬心は抱かないな。

    やはりあの四姉妹は一度離れないと。
    心が「家」から離れてみて、初めて知る事の出来る
    「家族」もあると私は思う。

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    2017年07月07日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    ネタバレ

    大好きな窪美澄さん目当てに買った小説集。
    窪さんの話は、介護されている老婆が、戦時中の刹那的な恋愛体験だけを心の糧にして生きてきて、自分を介護する孫を、女の幸せを知らないと憐れみ、自分の方が女としては幸せだと感じる、という話。
    年老いてもなお、女。
    窪美澄さん、千早茜さん以外は初めての作家さんだったけど、読んでて感じたのは、
    私は女だな、ってこと。
    自分の中の「女」をすごく感じた。
    男の人が読んだらどの女の人も嫌な女に感じるかも。

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    2017年04月21日
  • 神さま、お願い

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    2017年、14冊目は、再読月明け。ハズしたくないので、アベレージの高い、フェイバリット作家の一人、花房観音。

    京都、下鴨神社近くにある、小さな神社。その社に血を滴らせることで願いが叶うという。

    その社に、血を流し願いをした女の話が六編。今回は、そのタイトルだけ挙げておきます。

    一、安産祈願
    二、学業成就
    三、商売繁盛
    四、不老長寿
    五、縁結び祈願
    六、家内安全

    どれも、「返(かや)りの風」、「人を呪わば穴二つ」などの言葉を思い起こさせる内容。読後感は、どれもあまりよろしくない。ミステリー要素はほぼないが、イヤミスのソレと近い感覚。しかし、イヤミスでも、官能でも、ホラーでもない、ジャン

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    2017年04月05日
  • 愛欲と情念の京都案内 魔の潜むこわ~い街へようこそ

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    京都のガイドブックを書くことは難しい。既著が山のようにあり、また、半可通がネットの知識を得て、知ったかぶって何かと京都について語りたがるので、何をどう書いても同巧となるのだ。この本の内容も既著である、小松和彦「京都魔界案内」と被るところが多かった。

    また著者の「売り」である男性関係のルサンチマン噺についても、本著においては筆を抑えているのだろうか、弾け方に不完全燃焼の感が残った。著者はそういう芸風だと期待していたのがそもそも間違いという話もあるが…。

    自著を執筆する際に既存の京都ガイドブックは相当量読み込んだし、また著者のコラムもかなり読んでいるので、そういう属性を持つ読者には物足りなく感

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    2016年11月14日
  • まつりのあと

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    京都を舞台にした『まつりシリーズ』の第3作。と言っても3作には繋がりはなく、独立した作品であり、姉妹作と言った方が正しいようだ。本作のテーマは『結婚』。結婚を巡る男女の人間模様が官能のスパイスの中に、連作短編の形式で描かれる。

    6編が収録されているのだが、いずれの短編も男性はエゴと身勝手さの固まりのように描かれ、女性は我慢し、耐え抜くという感じに描かれており、男の立場からすると今一つ納得がいかなかった。ここで疑問に思ったのは、花房観音の読者は男性と女性とでどちらが多いのかということ。やはり、男性が多いのだろうか。

    『帷子ノ辻』『安井金比羅』『随心院』『戻り橋』『高瀬川』『平安神宮』の6編を

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    2016年08月25日
  • 黄泉醜女

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    あの事件をベースに書かれていると思います。
    それほどあの事件は私たち女性に衝撃を与えたのですね。
    どうしてもランク付けし、「自分はあの娘よりマシ」なのに…こういう嫉妬はいくつになっても、誰に対しても抱きたくなるものね。

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    2016年06月08日
  • 偽りの森

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    四姉妹のそれぞれの生き様の物語。それほど妖艶でもない。母四季子の影響されてそれぞれの人生が成り立って行く。物語としては退屈な展開で有る。花房観音の本は今回が二冊目であるが、前作の方が良かった。

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    2016年06月03日
  • 偽りの森

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    京都の老舗料亭の四姉妹が抱える嘘と秘密を連作短編の形式で描いていた小説。オンナたちの性欲、本性に翻弄されるオトコたち。そして、オンナ同士の騙し合い…

    文庫化にあたり書き下ろし短編『糺の森』を収録。

    これまで読んだ花房観音作品の中では今ひとつ面白さを感じなかった。

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    2016年04月23日
  • 偽りの森

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    京都で高級料亭「賀茂の家」を経営していた雪岡家、経営が破綻し料亭は人手に渡っても、雪岡家の四姉妹は下鴨の家に囚われているかのように居心地がいいと居着いている。表面上は仲が良く見えるのに姉妹間には秘密があり、鬱屈を抱え、偽りの顔を見せている。この四姉妹の性や恋愛の描き方が面白かった。結局、四姉妹も母親も自分のことが一番好きなんだなあ……。構成は好きだけど、心理的な描写がくどいと感じた。結末は「ここで終わり?」という場面で終了。余韻が残っているというよりも、読者に丸投げしている感があった。むしろ、そこから先の愛憎劇を見たかったかも?

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    2016年04月18日
  • 黄泉醜女

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    『黄泉醜女』
    木嶋佳苗を題材に、それぞれ社会的に違う立場の女たちの嫉妬を書いたもの。
    語り口調がほとんどだから読みやすい。最後仰々しすぎるのでは?と思いつつも、面白くて一気に読んだ!「人について語るとき自分の色眼鏡を露呈させて、自分を語っている」(大意)と『愚行録』の解説で読んだ通りだ。

    バリキャリの女は木嶋佳苗の男を立てて頼る生き方に注目し、元ブスが努力して綺麗になったあと専業主婦になった女は完璧な自己肯定をする内面に注目する。

    いわゆるキラキラ女子を「何にも考えてなさそう」と腐しながら「でも私はブス時代に精神を鍛えられた」と自負する流れがそっくりそのまま書かれてて怖くなった

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    2015年12月30日
  • 神さま、お願い

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    ネタバレ

    下鴨神社近くの暗い神社に女たちが血を垂らしに通う。女たちの嫉妬・恨み・欲望など、いろんな感情が渦巻く6つの連作短編集。真梨幸子を少しマイルドにした感じのドロドロ感。人間の欲望を上手く描き、読者をゾッとさせる。そんな作品だった。今回は官能小説的な性的描写は無く、ほとんどが恨み辛みがメイン。生きてる人間の恐ろしさ、醜さを思い知らされる事になる。

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    2015年10月03日
  • 恋地獄

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    ネタバレ

    花房観音の作品を読むのは3作品目。男と女のエロスを描くのが上手い。今回はホラー小説にエロスを絡めた感じ。装丁の華やかさとは裏腹に中身はドロドロ。そこがギャップがあって良かった気もする。男に惚れるというのは地獄だと本文中にあるのだが、まさにそうなのかもしれない。惚れた者の負けというか…。どんな姿でも会いたいと願ってしまうのは地獄だ。苦しい。

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    2015年09月24日
  • 恋地獄

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    どろどろした物語。。

    今気がついたけど
    幽booksなんだ。。

    だから、幽霊が出てくるのか。WW

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    2015年06月04日