花房観音のレビュー一覧
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2018年、6冊目は花房観音。
京都、千本通。そこはかつて千本の桜が餓えられていたといわれる。一方、死者を送る千本の卒塔婆があったともいわれる。そして、そのあたりは、人を喰らう鬼がいた、宴の松原と呼ばれる場所でもあった。
その千本通の近くに、明治時代に建てられた豪奢な洋館。そこに住まう松ヶ谷家の物語。
明治の時代から時を繰りながら、語り手を変え、紡がれる、連作短編的、六つの話。今回もタイトルのみ紹介。
第一話 桜鬼
第二話 鬼の子
第三話 鬼人形
第四話 奥様の鬼
第五話 守り鬼
第六話 寂しい鬼
ホラー、怪談の要素を纏わせつつ、寂しさ、禁忌、性癖、確執……etc。と、背徳と情念絡ませ -
Posted by ブクログ
2017年、14冊目は、再読月明け。ハズしたくないので、アベレージの高い、フェイバリット作家の一人、花房観音。
京都、下鴨神社近くにある、小さな神社。その社に血を滴らせることで願いが叶うという。
その社に、血を流し願いをした女の話が六編。今回は、そのタイトルだけ挙げておきます。
一、安産祈願
二、学業成就
三、商売繁盛
四、不老長寿
五、縁結び祈願
六、家内安全
どれも、「返(かや)りの風」、「人を呪わば穴二つ」などの言葉を思い起こさせる内容。読後感は、どれもあまりよろしくない。ミステリー要素はほぼないが、イヤミスのソレと近い感覚。しかし、イヤミスでも、官能でも、ホラーでもない、ジャン -
- カート
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試し読み
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京都のガイドブックを書くことは難しい。既著が山のようにあり、また、半可通がネットの知識を得て、知ったかぶって何かと京都について語りたがるので、何をどう書いても同巧となるのだ。この本の内容も既著である、小松和彦「京都魔界案内」と被るところが多かった。
また著者の「売り」である男性関係のルサンチマン噺についても、本著においては筆を抑えているのだろうか、弾け方に不完全燃焼の感が残った。著者はそういう芸風だと期待していたのがそもそも間違いという話もあるが…。
自著を執筆する際に既存の京都ガイドブックは相当量読み込んだし、また著者のコラムもかなり読んでいるので、そういう属性を持つ読者には物足りなく感 -
Posted by ブクログ
京都を舞台にした『まつりシリーズ』の第3作。と言っても3作には繋がりはなく、独立した作品であり、姉妹作と言った方が正しいようだ。本作のテーマは『結婚』。結婚を巡る男女の人間模様が官能のスパイスの中に、連作短編の形式で描かれる。
6編が収録されているのだが、いずれの短編も男性はエゴと身勝手さの固まりのように描かれ、女性は我慢し、耐え抜くという感じに描かれており、男の立場からすると今一つ納得がいかなかった。ここで疑問に思ったのは、花房観音の読者は男性と女性とでどちらが多いのかということ。やはり、男性が多いのだろうか。
『帷子ノ辻』『安井金比羅』『随心院』『戻り橋』『高瀬川』『平安神宮』の6編を -
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『黄泉醜女』
木嶋佳苗を題材に、それぞれ社会的に違う立場の女たちの嫉妬を書いたもの。
語り口調がほとんどだから読みやすい。最後仰々しすぎるのでは?と思いつつも、面白くて一気に読んだ!「人について語るとき自分の色眼鏡を露呈させて、自分を語っている」(大意)と『愚行録』の解説で読んだ通りだ。
バリキャリの女は木嶋佳苗の男を立てて頼る生き方に注目し、元ブスが努力して綺麗になったあと専業主婦になった女は完璧な自己肯定をする内面に注目する。
いわゆるキラキラ女子を「何にも考えてなさそう」と腐しながら「でも私はブス時代に精神を鍛えられた」と自負する流れがそっくりそのまま書かれてて怖くなった
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