あらすじ
作家の桜川詩子は、醜い容姿がコンプレックス。それなのに、デブスな春海さくらは男達を手玉に取って、女神扱い。さくらを題材に小説を書くため詩子は、彼女の友人、母親など四人の女を取材するが――。“どうしてあんな女に私が負けるのか”。一人の醜女に人生を狂わされた女達の怒りと焦りが決壊する時、この世で最も醜い女の戦いが始まる。
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Posted by ブクログ
『女が女を悪く言うと、男たちはすぐに「嫉妬」と言うが、そんな単純な話じゃないのだ』…自覚したくはないけれど、どうしても抱かずにはいられない感情をまざまざと見せつけられた作品でした。
木嶋佳苗の事件をモチーフにした話とは知らずに読み始め、比較しまくりドロドロするのかと思いきや…ホラーでした。
女性たちの、「モテ」まで行かずとも、周囲の人間関係に波風立てないくらいな最適レベルの生き方すら否定されてしまう春海さくらの存在は脅威です。
あんな存在もあって、しかもかなり成功している…というのを視界の片隅に置いたり置かなかったりして、自分は自分のやり方を信じて貫くしかない。ないけれど。
それに疲れてしまったときに、隣に桜川詩子のような人がいたら。桜川詩子は春海さくらと違って、女性も喰い物にするので……こわい。
「わたしが可愛くてモテてたから嫉妬されていじめられてた」という言い方する人に接したことあります。いじめられてたのは学生時代のようで話を聞くに、たぶん彼女の距離感がかなりおかしかったのだろうと推測しましたが、嫉妬されてると思ってたのか…ととても驚きました。(付き合いのあった当時も、他者との境界線の引き方が上手くなかったので)
自意識過剰で失敗すると周囲から笑われると思っていたらしく、知り合った時点(お互いに30代)で彼女の方は仕事も恋愛も未経験でした。今はどうだろう?
春海さくらに失敗や羞恥という概念は無さそう。そこも人間離れしてるところです。
Posted by ブクログ
とある実際に起きた事件をモチーフにしつつ、その犯人に焦点を当てずに、女性の嫉妬をにやにやと意地悪くみつめたような物語。とても面白い。
女性はこういうメイクしなさい、こういう服装をしなさい、おいて醜くなると劣化と呼ばれ女扱いではなくなる。社会的な女であることを維持するために、女性はコストを支払っている。そんなことに気づかされた。確かに嫉妬してしまうよね。
Posted by ブクログ
首都圏連続不審死事件をモチーフに嫉妬について抉ってる。嫉妬と簡単に片付けられない感情。心が掻き乱される。女性と違う場面では男性にもあると思う得体の知れないもの。醜い心が表現されていた。解説にあったアンビバレントという言葉。同じ物事に対して相反する感情を持つこと。嫌悪や羨望といった感情が渦巻き、心乱される様を生々しく感じた。
Posted by ブクログ
タイトルがすべて。女は自分より劣ってる女がモテるのが気に食わない生き物。たぶん私を含め世の中の女は皆そうだと思う。それに対する嫉妬が上手く書かれている。
男たちをまどわせ有名になった醜い死刑囚、木嶋○苗をモデルにした女がでてくる。そして最後に第二の木嶋○苗誕生を思わせる終わり方。
Posted by ブクログ
●2025年5月11日、吉祥寺・外口書店で見つけた「不安に克つ思考」をメルカリで300円で出品してる人がほかに出してる本。300円。
あー池●くんのこととかね。
Posted by ブクログ
「ルッキズム」とか「多様性」と言いながらも、美醜にこだわらずにはいられない、そんな女性たちを描いた作品だと感じた。木島佳苗を思わせる人物であるさくら(真樹)は明確には出ず、周りの人間に語らせる衆法は柚木麻子さんの「Butter』とはまた違う面白さがあった。ルポを受ける女性たちがさくらと関わりがあったことを伏せたいと匿名を希望するところも納得できた。しかし、大半の女性登場人物たちの過剰なまでの自己肯定感の低さや女嫌いなとこなど登場人物、見事にだれにも共感できなかった。アキと被害者の関係とか。被害者の姉のルポのとき、感じたことが深堀りしたものが読みたいと感じた。(アミの章で) でも花房さんの構成やストーリーはおもしろいとお持った。特にアミと詩子の内面でのマウントの取り合いとか。終章のさくらでは歌子の不気味さや黄泉醜女は誰しもが持っている女の醜い部分とも感じた。
Posted by ブクログ
木嶋佳苗の事件で、彼女の容姿ばかり取り沙汰されてたいた記憶はあるけど、あまり興味はなかった。少し前に柚月麻子さんの「BUTTER」を読んで、改めて事件の事を調べたけど、なぜここまで多くの人が彼女に執着するのか、本著を読みわかった気がした。著者の着眼点が面白く、劣等感や嫉妬という感情をうまく表現されていると思う。
Posted by ブクログ
花房さんのエッセイや紀行文は前からとても好きだったが、小説は初。木嶋佳苗の事件をモチーフに、作者お得意の女性の悪意ある本音を炙り出す。ちょっと様々な描写がくどく感じた。特に作者本人がモデルであろう小説家。
Posted by ブクログ
少し読みにくいな。って感じる部分はあった。
ただ世の中の女性の大半が心の奥底で持っている"劣等感"だったり"嫉妬心"だったりを、オブラートに包まず、醜くストレートに表現する文章に、自分を照らし合わせて読んでしまった。
私もきっと思っている、抱いているであろう感情を引き摺り出して、晒されているような。そんな感覚になった。
ああ、人は人。自分は自分。なんて言い聞かせているけれど、所詮競争社会。弱肉強食。自分を見つめ返すキッカケに少しなったかも。
Posted by ブクログ
誰にも共感できなかったけど、誰にでもなりうるよな〜〜 女社長はまじで好きになれなかった
女の容姿は商品だ、ってところ、わかる、せっかくなら若いうちに若さを消費したいと思う反面、怖くてパパ活とか手出せない パパ活してる友達羨ましく思う
容姿が良ければ幸せになれるとは限らないけど、容姿でちやほやされたい人生だった