日下三蔵のレビュー一覧

  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1

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    半七捕物帳で有名な人です。
    怪奇探偵小説って銘打ってますが、どっちかというと怪談話です。
    話の締めくくりのボカシ加減がいい具合に恐さを盛り上げてくれます。
    古いものですが読み憎さは感じません。

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    2010年01月19日
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)

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    江戸川乱歩というビッグネームに構えて読んだら、驚いたことにかなりタッチが軽くて読みやすい。
    よくもまあこれだけ書いたと思うほど短編の中にさまざまな種類の殺人やら事件やらが書かれている。
    この人の書くミステリはなぜか、読み終わると微笑んでしまうような後味がいいものが多い。

    個人的に好きなテーマはプロバビリティの犯罪。完全犯罪があるとすればこれはかなり近いと思う。
    でも好きな話は「二銭銅貨」「断崖」「二癈人」「石榴」かな。
    後者二つはラストがほぼ同じじゃないかということに今気付いたのですが、ストーリーとしてきれいに閉じてると思ったので。

    「二癈人」は、既に扱った夢遊病者というテーマを今度はどう

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    2009年10月04日
  • 團十郎切腹事件

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    古き良き探偵小説。江戸川乱歩に薦められて書いたのが始まり。著者は元々演劇分野の論者+探偵小説ファン。
    主人公の探偵/歌舞伎役者中村雅楽はエラリー・クイーンのドルリー・レーンが模範らしい。ありがちな捜査当局と探偵との確執もなくなんだか妙に和気藹々とした風情。

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    2009年10月04日
  • 横溝正史集 面影双紙 ―怪奇探偵小説傑作選2

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    漢字遣いがいまとは大分違うので、さっと文章に目を通した時やたらと漢字が多く、とっつき難い印象を受けます。
    だから読むまでは少し躊躇してしまうのだけれど、五行、六行でも読んでしまえばもう横溝正史の世界にどっぷりとひきこまれ、どうなるのだと頁をめくってしまう。
    こういった小説のジャンルはどう分けられるのか存じませんが、こういう薄気味の悪く、人間の愛憎たっぷりに描かれる世界観が好きです。
    これくらいの匙加減がわたしにとっては丁度のいい「怪奇さ」でした。

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    2009年10月04日
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3

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    魅力的な短編集。
    とりわけ『母子像』は脳内映像フル稼働・・・!胸の苦しさがかえって心地いいなんて。余韻にしびれます。

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    2009年10月04日
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)

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    これに収録された「二銭銅貨」がきっかけでミステリーにはまることに。
    「人間椅子」「芋虫」など、謎を解き明かされていくドキドキ感と江戸川乱歩作品が持つ独特の妖しい雰囲気は病み付きになる。

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    2009年10月04日
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3

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    久生十蘭の本で現在、手に入れやすい一冊。『黒い手帳』の端正な書き出しから幕を開ける。『海豹島』『墓地展望亭』の浪漫に酔いしれ、『月光と硫酸』の黒いユーモアにニヤリとし、『昆虫図』の最後の一行に戦慄することになるだろう。壮大にして精密な構成を支える文体の魔術師、少女小説から時代物までを書きこなす舞台の広さ。観客はこれから始まるであろう、久生十蘭劇場の開演を待ち望んで欲しい。

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    2009年10月04日
  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選

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     もちろん著者の名前は知っていたものの、これまで一作品も読んだことがなかったが、ミステリも書いていたのかと興味を持ったので読んでみることにした。
     巻頭の『ビショップ氏殺人事件』は雑誌「宝石」の立て直しを図ろうとした江戸川乱歩が探偵小説好きとされる文壇作家に声をかけ、その一人として著者が応じて書いたものとのこと。確かにこれはしっかりした謎解きの本格ミステリー。
     それ以外の収録作はパズラーではなく、登場人物の隠された心理や表には現れない人間関係、人生の綾といったものを描くことに作者の関心はをあったのだろうと思われるが、犯罪や事件を通すことでサスペンスを高め、人間に潜む心の暗部を上手く表現してい

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    2026年02月20日
  • 夜の終る時/熱い死角 ──警察小説傑作選

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    BS-TBS 夜の終わる時、桐谷吾郎
    実直な刑事の徳持が捜査に出たきり行方不明になった。捜査係は総力をあげて事件の解決に乗りだすが、彼とやくざについての噂が同僚のあいだに疑念を呼び起こす。そんな中、徳持はホテルで扼殺死体となって見つかる(『夜の終る時』)。二部構成の鮮やかさと乾いた筆致で描かれる警察組織の歪みのリアルさは今なお色あせない。日本推理作家協会賞を受賞した警察小説の金字塔に4作の傑作短篇を増補。

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    2026年02月10日
  • 夜の終る時/熱い死角 ──警察小説傑作選

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    ネタバレ

    『夜の終る時』は、結城昌治の警察小説。
    第17回日本推理作家協会賞受賞作。
    1979年11月にテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で
    ドラマ化。

    実直な刑事が捜査に出たまま行方不明となる。
    捜査係は総力を挙げて事件解決に乗り出すが、彼と暴力団の関係についての噂が流れ、同僚たちの間に疑念が渦巻く。
    そんな中、行方不明の刑事はホテルで扼殺死体として発見される。

    前半は、事件を追う刑事たちの執念と焦燥を描く追跡劇。
    第二部では視点が転換し、真犯人の男がいかに警察組織の歪みの中で堕ちていったかが語られる。
    二部構成により、前半で提示された謎が後半できちんと回収される構成美。

    描かれる警察組織の歪みが、

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    2026年01月24日
  • 紙の罠

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    ネタバレ

    近藤&土方シリーズ。近藤&土方といってもコンビな訳ではなく競いあい出し抜きあっている感じかな。基本的には悪人(?)ばかりが出てくる話は苦手なんだけどこれは割りとすんなり読めて楽しめた。

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    2026年01月11日
  • 平成古書奇談

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    こういうほぼ会話だけで物語が進行する小説は普段あまり読まないのだが、本作は同じ登場人物(小説家志望の主人公と古本屋父娘)によるシリーズもので、2時間ドラマのような冗長で表層的な会話がある意味心地よい。
    にしても、出久根達郎の小説にしてもおかしくないような古本屋あるある的筋書きがあるかと思えば、かなり猟奇的(?)なものもあったりと振り幅が大きく、ある箇所で物凄い経験をした後に続くパートでは同じ人物達が何事も無かったようにしれっと食卓を囲んでいたりするのは笑ってしまう。

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    2025年12月14日
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿

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    SFの設定をベースにしているけれど、人間が極限状態で発狂していく様子など、どこか滑稽だがリアルでもあり、読んでいて癖になる面白さだった。

    16編の短編が収められているが、どれも60年代に書かれたものとは思えない。
    「ひとの愚かさが変わらないかぎり、筒井康隆の小説は面白い。つまり、筒井康隆の小説は永遠に面白いのである。」という裏表紙の一文にうなずいてしまう。

    ロボットがやたら干渉してきてうるさいとか、10分間を何度も繰り返すタイムリープもので、ただ人々がおかしくなっていく話、大学生VS予備校生の話、長生きできる錠剤の争奪戦‥
    どの作品も、スケールが大きいのか小さいのかわからない感じがツボだっ

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    2025年06月18日
  • 見習い天使 完全版

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    全23話。見習い天使は案内役で、連作短編ではない。
    いずれも軽くセンスのいいミニミステリ。各話15ページほどなので寝る前に最適。
    犯罪にかかわる暗さや懊悩・切迫感のようなものが書き込まれた作品はないが、その種の短編は、今後の編集発行を期待したい。

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    2025年06月09日
  • 影絵の街にて

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    作者の名前はかなり前から知ってはいたが、その作品を読むのは今回が初めて。日下氏の編集ものに興味があって、本書もそれで読んでみることにした。

     本書には、80年代から2000年代の作品のうち、一度も文庫化されていない作品、再編集本ではない個人短編集に収録されたことのない作品、一度も本になっていない作品を、可能な限り集めてみたそうだ(編者解説より)。こうした編集方針を聞くだけでも、随分お得感を感じてしまう。

     第一部は『季節のお話』という連作ショートショート。「雪 一月」では、雪というものがどうしてできることになったのか、「氷 二月」では氷ができるようになったのには奥さん思いの熊さんの思いがあ

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    2025年02月21日
  • 大聖神

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     本作では、『幻綺行』に登場した雨宮志保と石峰省吾の二人も中村春吉の道連れとなり活躍する。時は日露戦争の終わった明治40(1907)年、日露戦争中アフリカ、北欧を旅していた一行は4月ベルリンに到着した。大使館勤務の陸軍中佐から、「露西亜の近衛軍団兵士が考古学者を伴い東蒙古に学術探検に派遣されるのだが、どうも怪しい、露西亜が何を画策しているのか調査してほしい」との依頼を受ける。引き受けた彼らは、シベリアを超え大興安嶺へと向かうこととなったが、果たしてロシアの目的は何なのか。また、向かう先には現地人が立ち入ってはならないと言う聖なる山があり、そこには黄金神像と白い巨大な守護神がいるとの言い伝えがあ

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    2025年01月27日
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿

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     はるか昔の学生のころ、筒井康隆はかなりの人気作家で、回りにも筒井ファンは大勢いたのだが、何となく手を出さず、読んだのは七瀬三部作くらいだった。たまたま書店で本書を見つけ、初期傑作短篇収録というオビの文言に惹かれて読んでみた。

     どれも面白く読んだのだが、特に毒気のある作品が気に入った。「堕地獄仏法」とか、学会の折伏の強引さが問題化されていた頃にここまで書くかという内容だし、「公共伏魔殿」では荒唐無稽な展開の中にNHKのあり方を批判している。また、「やぶれかぶれのオロ氏」では政治家の記者会見の曖昧語法を痛烈に皮肉っているし、「懲戒の部屋」は、痴漢冤罪の恐怖を先取りしたような内容で恐怖感さえ抱

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    2025年01月20日
  • 日露戦争秘話 西郷隆盛を救出せよ

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     西郷隆盛は生きていた!しかしシベリアの奥深くに囚われの身となっている。その報告を受けた明治天皇は西郷救出の勅命を下す。この極秘の任務を全うし得る人物として白羽の矢が立ったのが中村春吉だった。果たして彼は、無事西郷を救出できるのか。

     木の間に脚を挟まれ動けなくなっていた虎を助けたところ、その恩返しか春吉から離れなくなってしまった「猛号」や、ひょんなことから出会った日本人などと行動を共にして、春吉は西郷が囚われているとされる監獄に向かう。”幽霊監獄”とか”骸骨監獄”といった、いかにもの名称も正に冒険小説。 
     どうやって警戒厳しい監獄に侵入し、警備をくぐり抜け西郷を救出するのか、いろいろな機

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    2025年01月20日
  • 法王の牙 病院サスペンス集

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    ★3.5

    令和の時代に読むと舞台設定も古くナゾな展開も多いのですが、そんな些末なことを吹き飛ばす熱量を感じます。

    「さらば星座」を読み返したいです。

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    2024年10月31日
  • 山田風太郎時代小説コレクション 天の巻 元禄おさめの方

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    49年から69年までの作品8編。
    「降倭変」この話を読んで初めて「降倭」というものを知った。
    「家康の幕の中」本多佐渡守正信から薫陶を受ける土井大炊頭利勝の話。権謀術数の恐ろしさよ。

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    2024年09月28日