日下三蔵のレビュー一覧

  • 海野十三集 三人の双生児 ―怪奇探偵小説傑作選5

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    うはぁ、グロかった(笑)。
    海野十三は理科系技術者で、日本SFの元祖と呼ばれた人ですが、
    なんつーか、コレ(^_^;)。
    一言で言ってエログロ・ナンセンス、ですね、月並みですけど。
    江戸川乱歩が好きだったらOKかと思いますが、
    more grotesque ですわなぁ。
    どっちかと言ったら私としては乱歩の方が好みですけど、
    うーん、でもまぁ、面白かったです。
    読み堪えアリでした。
    オムニバス掌編「蝿」がシュールで愉快。
    サブタイトルにもなっている「三人の双生児」も、
    なかなかいい味わいでした。
    やっぱりグロいけど(笑)。

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    2012年07月06日
  • 團十郎切腹事件

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    おもしろい
    ミステリとしては解決部分で読者に提示されていない手がかりが現れるなど、謎解きを主眼としてみた場合はがっかりするかもしれない
    しかし、それは読み手が読み方を間違っているだけで、不可解な事件が起き、それを雅楽が解決するという一連のストーリーを楽しむという読み方をしていけばものすごく面白くなっていく
    読んでいて思ったのは半七捕物帳によく似ているなということ
    実際作者もある程度意識していたようで、読者のあまりなじみのない世界でおきる様々な魅力的な謎を解決していくというあたりに同じ魅力がある
    まだまだ作品はたくさんあるようなので読むのが楽しみ
    読んでいないかたは是非

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    2011年10月15日
  • グリーン車の子供

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    巽昌章の解説に、雅楽の謎解きスタイルはマープル風とあるが、それはホントかもしれない。身近に見聞きしてきた事象からの類推による推理。マープルんいおけるセント・メアリー・ミード村などの人間関係・出来事が、雅楽の場合、歌舞伎狂言の話だったりするのが面白いのだ。
    「グリーン車の子供」、ひかり/こだま問題が生じたらしいが、今のひかりってちまちま停まるのもあるし、それも列車によって停まる駅が違うから、今だったら誰も気にせず、ひかりでいけたのにね、って感じ。
    「美少年の死」や「妹の縁談」など、抑制されたエロが漂うほろ苦い話が印象的。

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    2010年09月26日
  • 松風の記憶

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    全集最終巻には、長編2編と探偵小説にまつわるエッセイを収める。
    表題作は、1959年から1960年にかけて東京新聞に連載された。全集第1巻の最後に収められた「文士劇と蝿の話」に、浅尾当太郎の悲恋への言及があり、それを書いた話があるの? と思っていたら、「松風の記憶」がそれだった。先に解題で、最初に単行本化されたとき「鷺娘殺人事件」の副題がついたということを読んでしまったため、いわばゼロ時間へ向かって読むこととなった。"鷺娘"が殺されるのは、全体の85%を過ぎたところ。そこまで、登場人物の動向と心情を丁寧に記しているのだが、それだけでも面白いのだが、いつどうやって殺されるのか

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    2010年08月01日
  • 團十郎切腹事件

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    中村雅楽(がらく)ものを年代順に編集(長編は別立て)。第1巻は1958年から1960年にかけて発表された、第1作「車引殺人事件」や直木賞受賞作の表題作を含む、18作を収める。
    雅楽ものは昔結構読んだが、単行本だったと思うので、立風書房版だったのか? 中村勘三郎が雅楽を演じた土ワイの2時間ドラマも好きだった。「奈落殺人事件」の、メイントリックではなくメイン錯覚はずっと覚えていたのだが、今回読んでいるうちに、ある人物が土ワイで淡島千景だったことを思い出し、それで犯人も確信(淡島千景が出ていて何でもない役というのはありえないでしょ)。いやあ懐かしい。再放送を見たいものだ。
    TVが出たて、新幹線はまだ

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    2010年08月01日
  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1

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    半七捕物帳で有名な人です。
    怪奇探偵小説って銘打ってますが、どっちかというと怪談話です。
    話の締めくくりのボカシ加減がいい具合に恐さを盛り上げてくれます。
    古いものですが読み憎さは感じません。

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    2010年01月19日
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)

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    江戸川乱歩というビッグネームに構えて読んだら、驚いたことにかなりタッチが軽くて読みやすい。
    よくもまあこれだけ書いたと思うほど短編の中にさまざまな種類の殺人やら事件やらが書かれている。
    この人の書くミステリはなぜか、読み終わると微笑んでしまうような後味がいいものが多い。

    個人的に好きなテーマはプロバビリティの犯罪。完全犯罪があるとすればこれはかなり近いと思う。
    でも好きな話は「二銭銅貨」「断崖」「二癈人」「石榴」かな。
    後者二つはラストがほぼ同じじゃないかということに今気付いたのですが、ストーリーとしてきれいに閉じてると思ったので。

    「二癈人」は、既に扱った夢遊病者というテーマを今度はどう

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    2009年10月04日
  • 團十郎切腹事件

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    古き良き探偵小説。江戸川乱歩に薦められて書いたのが始まり。著者は元々演劇分野の論者+探偵小説ファン。
    主人公の探偵/歌舞伎役者中村雅楽はエラリー・クイーンのドルリー・レーンが模範らしい。ありがちな捜査当局と探偵との確執もなくなんだか妙に和気藹々とした風情。

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    2009年10月04日
  • 横溝正史集 面影双紙 ―怪奇探偵小説傑作選2

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    漢字遣いがいまとは大分違うので、さっと文章に目を通した時やたらと漢字が多く、とっつき難い印象を受けます。
    だから読むまでは少し躊躇してしまうのだけれど、五行、六行でも読んでしまえばもう横溝正史の世界にどっぷりとひきこまれ、どうなるのだと頁をめくってしまう。
    こういった小説のジャンルはどう分けられるのか存じませんが、こういう薄気味の悪く、人間の愛憎たっぷりに描かれる世界観が好きです。
    これくらいの匙加減がわたしにとっては丁度のいい「怪奇さ」でした。

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    2009年10月04日
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3

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    魅力的な短編集。
    とりわけ『母子像』は脳内映像フル稼働・・・!胸の苦しさがかえって心地いいなんて。余韻にしびれます。

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    2009年10月04日
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)

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    これに収録された「二銭銅貨」がきっかけでミステリーにはまることに。
    「人間椅子」「芋虫」など、謎を解き明かされていくドキドキ感と江戸川乱歩作品が持つ独特の妖しい雰囲気は病み付きになる。

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    2009年10月04日
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3

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    久生十蘭の本で現在、手に入れやすい一冊。『黒い手帳』の端正な書き出しから幕を開ける。『海豹島』『墓地展望亭』の浪漫に酔いしれ、『月光と硫酸』の黒いユーモアにニヤリとし、『昆虫図』の最後の一行に戦慄することになるだろう。壮大にして精密な構成を支える文体の魔術師、少女小説から時代物までを書きこなす舞台の広さ。観客はこれから始まるであろう、久生十蘭劇場の開演を待ち望んで欲しい。

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    2009年10月04日
  • 妖婦の宿 名探偵・神津恭介傑作選~探偵くらぶ~

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    原始病患者を目当てに読んでみたけれど、フーではなくホワイに焦点を当てた話。ミステリーというよりもこの時代、ビキニ環礁の水爆実験による世間の恐れ混乱ぶりを読む資料のようにも思える、
    短編で読んでみると、神津恭介のキャラクターがぼんやりしていて像をうまく結ぶことができない、カリスマ性や能力を周りが誉めそやしているのでそこは分かるが、個人というか個性の部分になると作品によって変わってくる。
    好きな作品は生活に鼠が侵食され狂乱に陥る男の話である鼠の贄、妻を殺された男の偽証を何故か証言する女が出てくる罪なき罪人。

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    2026年06月15日
  • 日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空

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    知性の格差を基にして、そのズレから生じる価値観や死生観を描いているかのような物語が多かったという印象の「日本SF傑作選3 眉村卓」。

    その生まれてしまったズレを埋めようとするものもあれば、マウント気味に上の位階に引き上げようとする傲慢さが見えるものもあったなぁ。しっぺ返しがあったり、あちら側がより上の位階に達していたりするのが、オチとなっていましたね。

    「惑星総長」の無為無気力感が酷く陰鬱な気分にさせる。あそこはもう一種の牢獄になってしまっているような気がする。アルカロイド系飲料を飲んでいるのは、緩やかな死を待つ心の表れなんだろうな。
    「正接曲線」「キガテア」も滅亡することが、決定されてし

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    2026年05月26日
  • 長くて短い一年 ──山川方夫ショートショート集成

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    ネタバレ

    長くて短い一年(なかきよの・・・/娼婦/相性はーワタクシ/猿/春の華客/テレビの効用/歪んだ窓/夏期講習/他人の夏/邂逅/月とコンパクト/外套の話/クリスマスの贈物/大人のつきあい)後記/頭上の海/十八才の女/六番目の男/トコという男(動物の秘密/デパートにて/二人の同一人物/アルス・アマトリア/人間の条件/ヘンな日本人/噓八百の真実/健全な心配/行動の理由/恐怖のプレゼント)、弱むしたち/謎/中原弓彦『虚栄の市』跋、親しい友人の「不在」、山川方夫のこと/山川方夫とショート・ショート

    全体的に哲学的で難しい話が多かった。「相性はーワタクシ」、「春の華客」、「デパートにて」、「クリスマスの贈物

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    2026年05月09日
  • 犯罪日誌

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    まさに色と金と復讐の話ばかりが9編。
    昭和の頃の小説なので、現代からみるとオヤ……と思うような言動や、聞いたことのない単語なども出てくるが、当時はこうだったんだろうなぁと思うから気にはならないし逆に初めて知れることもあってよかったのかもしれない。

    話としてはちゃんとしたトリックがあるミステリーというわけではなく、サクッと読めるサスペンスという感じ。

    表題作「犯罪日誌」が一番好きかも。
    「四本目の鍵」も、早々にオチがわかるなぁと思いながら読んでいたら最後にもう一捻りあって、こういうオチは私としては好きなところではあるのだけど、ちょっと無理矢理とってつけた感もあって少し惜しいような気もした。

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    2026年04月23日
  • 赤い猫 ──ミステリ短篇傑作選

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    日本のクリスティーと呼ばれる仁木悦子。

    初めて読みました。

    正直期待していた程ではなかった。
    悪くはないけど。

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    2026年04月08日
  • 法水麟太郎全短篇

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    やっと読み終えた。
    難しい…。
    『後光殺人事件』『人魚謎お岩殺し』と『国なき人々』は楽しめた。とくに『国なき人々』はよかった。
    しかし、難しい…。

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    2026年04月06日
  • あやかしの鼓 ――夢野久作ベストコレクション 夢の巻

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    ネタバレ

    漂っているムードは良さそうだなと思って読んでいるのに、毎回手の中をすり抜けていくような感じに、納得できなかったりよくわからないまま終わる。この中では『空を飛ぶパラソル』と『押絵の奇蹟』が良かったか。前者は、新聞記者の性のせいで間接的に関係者を殺してしまうこと、そしてそれが自分自身の心に重くのしかかっていくというのが良かったが、あまりしっかり納得できたわけではない。後者は世界観が好みだった。歌舞伎役者とピアニストの自分との悲恋?や、彼と自分が彼の父と自分の母の叶わぬ恋の想いによって生まれたということ、押絵をめぐる内容など昔の風俗が分かるので興味深くはあったが、そんなものか。乱歩の所感が最後に書い

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    2026年02月26日
  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選

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     もちろん著者の名前は知っていたものの、これまで一作品も読んだことがなかったが、ミステリも書いていたのかと興味を持ったので読んでみることにした。
     巻頭の『ビショップ氏殺人事件』は雑誌「宝石」の立て直しを図ろうとした江戸川乱歩が探偵小説好きとされる文壇作家に声をかけ、その一人として著者が応じて書いたものとのこと。確かにこれはしっかりした謎解きの本格ミステリー。
     それ以外の収録作はパズラーではなく、登場人物の隠された心理や表には現れない人間関係、人生の綾といったものを描くことに作者の関心はをあったのだろうと思われるが、犯罪や事件を通すことでサスペンスを高め、人間に潜む心の暗部を上手く表現してい

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    2026年02月20日