日下三蔵のレビュー一覧
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30年前の作品。画期的。つぎはぎだし、破綻プロットも多いけれど、シューベルトの未完成ってな感動があるね。連作によるマインド・イーターという架空の存在に対する人類の位置づけを描いている。
「野生の夢」は読みやすいが、あまりインパクトがない。「サック・フル・オブ・ドリームス」は音楽が生命の証であるという印象が新鮮。「夢の浅瀬」ではあまりに強烈なエンディングが続く作品の影を薄くしてしまう。
「おまえのしるし」で一気にマインド・イーターとはってなところに進むが、「緑の記憶」では植物を題材にして新しい局面にトライするものの消化不良に終わり、「憎悪の谷」では新しい試みがあるが不発。「リトル・ジニー -
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ネタバレ年末年始の暇な時期に何か小説でも読もうとおもって池袋のジュンク堂にて購入。新書もちょっとした恋愛小説のようなものも読み進まないなぁと思っていたときにふとSFを読もうと思いついてSFコーナーで目線の高さに表紙を向けて陳列されていたこの本をチョイス。
マインドイーター(M.E)というタイトルの通り、人の精神を喰らうイキモノの話かと思いきや「人の精神に作用して、崩壊させたり遺伝子を書き換えて(本文にそんな記述はなかったかもしれない)壊すもの」のようで、意思をもった彗星や石、砂のような鉱物の形をしていると。そんなM.Eのいくつかの話が1冊収録されているのがこの本で、1つ1つの話のフィールドも地球 -
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とうとう雅楽全集も読み納め。短篇最終巻で、ますます「ちょっといい話」化している。
著者を反映しているという聞き手役の竹野が雅楽の話をきいて、いい話だとしきりに感心するのだが、考えてみれば雅楽の話も戸板が考えているわけで、自分で自分の話をべた褒めしてるってことよね。と思うとちょっとしらける。
といっても、歌舞伎の世界のならわしや、役者たちの微妙な心のあやと芸の話はとってもおもしろい。
「なつかしい旧悪」は、こわーい話であるとともに、嫌い合って別れたわけではない男女の互いの思い遣りと雅楽の羞らいがよい。
「弁当の照焼」も、やはり好きだけど別れた相手への互いの長~い思いの話。
「写真の若武者」は、喜 -
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76年から83年発表の短篇のほか、60年代末に書かれた「かんざしの紋」「淀君の謎」を収録。
「淀君の謎」は謎解きのポイントが空想の産物なので、歴史推理と思って読むと拍子抜け。こういう趣向で芝居を考えてみました、てなもので、しかも、ホントにそうだったらワクワクするのに~、みたいなセンスオブワンダーもない。
だんだん犯罪の話ではなくなっているのだが、日常の謎ものというより、それこそ戸板康二が週刊誌に書いていたちょっといい話、という趣きになっている。雅楽を登場させる必然性もないのかも? という気もするが、古老が語るある世界、ということで、「半七捕物張」の正統な後継だと改めて実感。
養子か実子か、また