日下三蔵のレビュー一覧

  • マインド・イーター[完全版]

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    ネタバレ

     年末年始の暇な時期に何か小説でも読もうとおもって池袋のジュンク堂にて購入。新書もちょっとした恋愛小説のようなものも読み進まないなぁと思っていたときにふとSFを読もうと思いついてSFコーナーで目線の高さに表紙を向けて陳列されていたこの本をチョイス。

     マインドイーター(M.E)というタイトルの通り、人の精神を喰らうイキモノの話かと思いきや「人の精神に作用して、崩壊させたり遺伝子を書き換えて(本文にそんな記述はなかったかもしれない)壊すもの」のようで、意思をもった彗星や石、砂のような鉱物の形をしていると。そんなM.Eのいくつかの話が1冊収録されているのがこの本で、1つ1つの話のフィールドも地球

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    2012年03月19日
  • 江戸川乱歩全短篇(3)――怪奇幻想

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    途中で筆を折られた作品も収録されている。
    人間の狂気と正常の境、快感と汚さといったものを芸術的に表現している。
    有名な『芋虫』や『鏡地獄』など当時のドロドロした世界観と美しさにしびれる。
    ひんやりと寒い日本的な恐怖を味わいたい人にはおススメ。

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    2011年12月25日
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3

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    ひさお・じゅうらん と読みます。
    「新青年」系の小説家。
    夢野久作・小栗虫太郎とか好きな人にはお薦め…
    って↑好きな人は大抵よんでるよな…

    収録:
    「湖畔」
    「墓地展望亭」
    「海豹島」
    「地底獣国」
    「ハムレット」
    「刺客」
     他、全14編

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    2011年09月24日
  • 劇場の迷子

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    とうとう雅楽全集も読み納め。短篇最終巻で、ますます「ちょっといい話」化している。
    著者を反映しているという聞き手役の竹野が雅楽の話をきいて、いい話だとしきりに感心するのだが、考えてみれば雅楽の話も戸板が考えているわけで、自分で自分の話をべた褒めしてるってことよね。と思うとちょっとしらける。
    といっても、歌舞伎の世界のならわしや、役者たちの微妙な心のあやと芸の話はとってもおもしろい。
    「なつかしい旧悪」は、こわーい話であるとともに、嫌い合って別れたわけではない男女の互いの思い遣りと雅楽の羞らいがよい。
    「弁当の照焼」も、やはり好きだけど別れた相手への互いの長~い思いの話。
    「写真の若武者」は、喜

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    2010年09月26日
  • 目黒の狂女

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    76年から83年発表の短篇のほか、60年代末に書かれた「かんざしの紋」「淀君の謎」を収録。
    「淀君の謎」は謎解きのポイントが空想の産物なので、歴史推理と思って読むと拍子抜け。こういう趣向で芝居を考えてみました、てなもので、しかも、ホントにそうだったらワクワクするのに~、みたいなセンスオブワンダーもない。
    だんだん犯罪の話ではなくなっているのだが、日常の謎ものというより、それこそ戸板康二が週刊誌に書いていたちょっといい話、という趣きになっている。雅楽を登場させる必然性もないのかも? という気もするが、古老が語るある世界、ということで、「半七捕物張」の正統な後継だと改めて実感。
    養子か実子か、また

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    2010年09月18日
  • 目黒の狂女

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    初期作と違って、だんだんと所謂「日常の謎」モノへと変化していってる。
    もちろん、雅楽の鋭い推理によって謎が解けていくものもあるんだけど、それよりも歌舞伎の世界とか、人間の感情、情緒といったものを描くことに力点が移っていると感じた。
    というか、むしろそっちのほうが会話文とか心の機微の点で魅力的なようにも感じられるくらい。

    まあ、「ちょっとこれはこじつけがすぎるだろう」ってのもご愛嬌か?

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    2010年01月06日
  • グリーン車の子供

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    「グリーン車の子供」は★×5で。
    無理に不可能犯罪とか殺人事件に結び付けようとしなくなったためか、非常にゆったりとした文章になっていると思った。
    いわゆる「日常の謎」的な趣向が多いけど、他のと違うのは歌舞伎や芸事の世界の日常であるというところか。自分たちにはすぐにピンとくるわけではないけど、絵解きをされると納得できると言う。「美少年の死」とかは顕著かな。
    表題作は、最早一つの芸術品のように感じた。それくらい素晴らしかった。

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    2009年10月04日
  • 團十郎切腹事件

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    ミステリとしては多少牽強付会と言った印象を受ける作品もある。
    が、構成の優雅さや探偵役の中村雅楽の魅力などは素晴らしい。
    作品の背景が50〜60年代であるというのもあるのかもしれないけど。
    中身では、やはり表題作の「時の娘」的な趣向が流石。
    後半に行くにしたがって、だんだんと切れ味が増してきているので、次が楽しみ。

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    2009年10月04日
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)

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    大正14年1月の作品。
    証人が虚偽の証言をしたって、それってありなの?
    明智小五郎初登場の作品だが、髪の毛をモジャモジャするあたりが金田一耕助っぽい。
    若いな……、明智探偵……。

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    2009年10月04日