あらすじ
アンチ・ミステリの金字塔『ドグラ・マグラ』で知られる夢野久作には、バラエティに富んだ中・短篇の傑作が数多くある。編者・日下三蔵はかねてよりこれらを網羅する決定版的作品集を構想してきたが、遂にそれが大ボリュームの文庫全二巻で実現。『ドグラ・マグラ』とともに、夢野久作に溺れるのであれば〈まずはこれから〉。「死後の恋」「瓶詰地獄」「押絵の奇蹟」他、13作を収録する上巻。
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Posted by ブクログ
漂っているムードは良さそうだなと思って読んでいるのに、毎回手の中をすり抜けていくような感じに、納得できなかったりよくわからないまま終わる。この中では『空を飛ぶパラソル』と『押絵の奇蹟』が良かったか。前者は、新聞記者の性のせいで間接的に関係者を殺してしまうこと、そしてそれが自分自身の心に重くのしかかっていくというのが良かったが、あまりしっかり納得できたわけではない。後者は世界観が好みだった。歌舞伎役者とピアニストの自分との悲恋?や、彼と自分が彼の父と自分の母の叶わぬ恋の想いによって生まれたということ、押絵をめぐる内容など昔の風俗が分かるので興味深くはあったが、そんなものか。乱歩の所感が最後に書いてあって、やはり同じような感想を抱いているなと思って多少納得した。