日下三蔵のレビュー一覧
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筒井康隆作品との出会いは、中学生の時のNHK少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」。原作は「時をかける少女」。やはりファーストコンタクトしたテレビドラマの方にイメージが固定されがちで、その後に読んだ文庫本からはあまり感動を得られなかった記憶がある。しかし、他の文庫本を読み進めるに連れて、どんどん筒井ワールドに引き込まれていった。
今回の本では、今まで知らなかった、というよりも読者が知り得なかった情報、つまり制作サイドの貴重な情報が得られた。これまでも制作関連情報は各種雑誌の特集・あとがき等で断片的に公開されてきたが、これだけ多くの内幕が判ると、更に作品の理解度が高まる。
作品リストは、これま -
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実はわたし、筒井康隆って『時をかける少女』しか読んだことがないのに、なぜか手に取って一気読み。面白かった〜。
黎明期のSF話は、たぶん星新一や小松左京のほうからは読んだことがあるけど、筒井康隆視点だといっそうハチャメチャ。筒井が会社をやめて自分のオフィスを持ったとき、その向かいのビルにある会社に偶然、眉村卓が務めていたとか、神話的すぎる(笑)
凄まじい執筆エネルギーと速筆ぶりにも驚かされた。あと、語りの面白さ。何度も声に出して笑ってしまった。これに関しては日下三蔵さんの引き出し方のうまさと、絶妙なまとめ方のおかげでもあるのでしょう。私にとっては、筒井康隆への入り口になりそう。最低限、48億 -
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幻想的な短編集。一応ミステリ、とされているので。ミステリとして読めるものが多いけれど。一概にくくれるものじゃないですね。しかし幻想にしろミステリにしろ、どの作品も素敵なのは確か。
お気に入りは「致死量の夢」「死化粧」。おそらく収録された作品の中でも一番ミステリとして読める作品かな。だけど物語を取り巻くあまりに危うい美しさに呑み込まれて、酔いしれたまま結末まで一気に運ばれた印象。
「はっぴい・えんど」もいいなあ。ある意味最高に素敵なハッピーエンド……?
そしてラストの「塩の娘」がなんともユーモラスで印象的でした。ちょっとした遊び心も見えて、これが最後というのはなんだかすっきりするかも。 -
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小松左京『日本SF傑作選2 小松左京 神への長い道/継ぐのは誰か? 』ハヤカワ文庫。
現代日本SF誕生60周年記念シリーズの第2弾。小松左京のSF中短編と長編傑作8篇を収録。
いずれも既読作品であり、読み返したのは何十年ぶりだろうか。昔は早川文庫をはじめ、角川文庫、集英社文庫などで手軽に小松左京の作品を楽しむことが出来た良い時代だった。作品については今さら語るまでもなく、SFの王道といった面白い作品ばかりであり、恐らく数多くの小松左京作品からのセレクトには大分悩んだことだろう。
中短編『地には平和を』『時の顔』『紙か髪か』『御先祖様万歳』『お召し』『物体O』『神への長い道』に、長編『継ぐ -
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当時歴史ものばかり読んでいた私にSFの面白さを知らしめた一冊。 「前宇宙の残滓」たるマインド・イーター(以下M・E)という鉱物のような得体の知れない小天体とそれが人類にもたらす恐怖を軸に展開される連作短編集。
宇宙艇に搭乗した人間とM・Eのドッグファイトや月面探索、宇宙船の船長とそのコンピュータとの対話など、様々な雰囲気のSFが楽しめる。
かく言う私はいわゆる「ゆとり世代」に属する人間だが、この『マインド・イーター』と神林長平の『戦闘妖精・雪風』の世界観は、幼少より親しんできたファミコンののゼビウス、スターフォース、グラディウスといったSTGの世界観を想起させるものがあり、心が踊る。この手の