日下三蔵のレビュー一覧

  • 長くて短い一年 ──山川方夫ショートショート集成

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    長くて短い一年(なかきよの・・・/娼婦/相性はーワタクシ/猿/春の華客/テレビの効用/歪んだ窓/夏期講習/他人の夏/邂逅/月とコンパクト/外套の話/クリスマスの贈物/大人のつきあい)後記/頭上の海/十八才の女/六番目の男/トコという男(動物の秘密/デパートにて/二人の同一人物/アルス・アマトリア/人間の条件/ヘンな日本人/噓八百の真実/健全な心配/行動の理由/恐怖のプレゼント)、弱むしたち/謎/中原弓彦『虚栄の市』跋、親しい友人の「不在」、山川方夫のこと/山川方夫とショート・ショート

    全体的に哲学的で難しい話が多かった。「相性はーワタクシ」、「春の華客」、「デパートにて」、「クリスマスの贈物3 最高のプレゼント」が良かったか。しかしさっと読んですっと頭に入る感じのストーリーは少なかったので、一度途中で寝かせた上で今回ようやく読破した。「箱の中のあなた」の方がライトで読みやすいショート・ショートだったと思った。しかし山川方夫の話は心が澄みわたるような美しい情景で、余韻のある話が多いと思った。難しいと思った話も、いつか理解できる日が来るのか?月日が経ってからまた読んでみたい。

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    2026年05月09日
  • 犯罪日誌

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    まさに色と金と復讐の話ばかりが9編。
    昭和の頃の小説なので、現代からみるとオヤ……と思うような言動や、聞いたことのない単語なども出てくるが、当時はこうだったんだろうなぁと思うから気にはならないし逆に初めて知れることもあってよかったのかもしれない。

    話としてはちゃんとしたトリックがあるミステリーというわけではなく、サクッと読めるサスペンスという感じ。

    表題作「犯罪日誌」が一番好きかも。
    「四本目の鍵」も、早々にオチがわかるなぁと思いながら読んでいたら最後にもう一捻りあって、こういうオチは私としては好きなところではあるのだけど、ちょっと無理矢理とってつけた感もあって少し惜しいような気もした。

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    2026年04月23日
  • 赤い猫 ──ミステリ短篇傑作選

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    日本のクリスティーと呼ばれる仁木悦子。

    初めて読みました。

    正直期待していた程ではなかった。
    悪くはないけど。

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    2026年04月08日
  • 法水麟太郎全短篇

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    やっと読み終えた。
    難しい…。
    『後光殺人事件』『人魚謎お岩殺し』と『国なき人々』は楽しめた。とくに『国なき人々』はよかった。
    しかし、難しい…。

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    2026年04月06日
  • あやかしの鼓 ――夢野久作ベストコレクション 夢の巻

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    漂っているムードは良さそうだなと思って読んでいるのに、毎回手の中をすり抜けていくような感じに、納得できなかったりよくわからないまま終わる。この中では『空を飛ぶパラソル』と『押絵の奇蹟』が良かったか。前者は、新聞記者の性のせいで間接的に関係者を殺してしまうこと、そしてそれが自分自身の心に重くのしかかっていくというのが良かったが、あまりしっかり納得できたわけではない。後者は世界観が好みだった。歌舞伎役者とピアニストの自分との悲恋?や、彼と自分が彼の父と自分の母の叶わぬ恋の想いによって生まれたということ、押絵をめぐる内容など昔の風俗が分かるので興味深くはあったが、そんなものか。乱歩の所感が最後に書いてあって、やはり同じような感想を抱いているなと思って多少納得した。

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    2026年02月26日
  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選

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     もちろん著者の名前は知っていたものの、これまで一作品も読んだことがなかったが、ミステリも書いていたのかと興味を持ったので読んでみることにした。
     巻頭の『ビショップ氏殺人事件』は雑誌「宝石」の立て直しを図ろうとした江戸川乱歩が探偵小説好きとされる文壇作家に声をかけ、その一人として著者が応じて書いたものとのこと。確かにこれはしっかりした謎解きの本格ミステリー。
     それ以外の収録作はパズラーではなく、登場人物の隠された心理や表には現れない人間関係、人生の綾といったものを描くことに作者の関心はをあったのだろうと思われるが、犯罪や事件を通すことでサスペンスを高め、人間に潜む心の暗部を上手く表現していると思う。

     事故死で亡くなったと思われる夫を実はその妻が殺害したのではないかとの疑惑を持った男が探偵役を務める『人生の定年』が一番好みだったかなあ。

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    2026年02月20日
  • 夜の終る時/熱い死角 ──警察小説傑作選

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    BS-TBS 夜の終わる時、桐谷吾郎
    実直な刑事の徳持が捜査に出たきり行方不明になった。捜査係は総力をあげて事件の解決に乗りだすが、彼とやくざについての噂が同僚のあいだに疑念を呼び起こす。そんな中、徳持はホテルで扼殺死体となって見つかる(『夜の終る時』)。二部構成の鮮やかさと乾いた筆致で描かれる警察組織の歪みのリアルさは今なお色あせない。日本推理作家協会賞を受賞した警察小説の金字塔に4作の傑作短篇を増補。

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    2026年02月10日
  • 夜の終る時/熱い死角 ──警察小説傑作選

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    『夜の終る時』は、結城昌治の警察小説。
    第17回日本推理作家協会賞受賞作。
    1979年11月にテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で
    ドラマ化。

    実直な刑事が捜査に出たまま行方不明となる。
    捜査係は総力を挙げて事件解決に乗り出すが、彼と暴力団の関係についての噂が流れ、同僚たちの間に疑念が渦巻く。
    そんな中、行方不明の刑事はホテルで扼殺死体として発見される。

    前半は、事件を追う刑事たちの執念と焦燥を描く追跡劇。
    第二部では視点が転換し、真犯人の男がいかに警察組織の歪みの中で堕ちていったかが語られる。
    二部構成により、前半で提示された謎が後半できちんと回収される構成美。

    描かれる警察組織の歪みが、昭和という時代特有のものなのか、それとも現代にも形を変えて連続しているものなのか。懐かしさも感じますね。

    『殺意の背景』
    一人の刑事が、夜の飲食の女性に恋に堕ちる。
    当然、上司や同僚からは反対される。
    男は、女の浮気を疑い、信じ直し、また疑う
    不安定な愛情の熱に浮かされていく。
    そして、男が女の家を訪ねた後、彼は殺されてしまう。
    一見、よくある情痴の果ての事件に見えながら、
    当時としては思い切った犯人像には驚かされる。
    愛が引き起こす盲目と破滅、
    その背景にあるものを問いかける作品。

    『熱い死角』
    妻を深く愛する刑事。
    しかし、その妻の浮気を疑いはじめる。
    皮肉にも、その相手は反社会勢力の男――
    しかも幼馴染という因縁までついてくる。

    愛ゆえに、刑事は迷わない。
    男の首を、その手で絞めてしまう。
    そして、妻もまた迷わない。
    夫を警察へ引き渡すことを。
    正義と愛情、私情と職務。
    どれも守ろうとした末に、
    すべてが瓦解していく残酷さ。

    『裏切りの夜』
    裏社会の下位層で生きてきた男が、行方不明になる。残された妻は妊娠中。
    男は、生まれてくる子どものために、
    「まっとうな生活に戻りたい」と願っていた。

    しかし、そのささやかな希望は、
    裏社会のしがらみと、抜けようとする者への報復の中 確実に断ち切られていく。
    未来を守ろうとした男が、
    過去に引きずり戻される悲惨さが胸に残る。

    短編集ですが、
    そして読み進めていくうちに、ふと気づく。
    この文庫に収められた短編は、
    いずれも「似た設定」を共有している

    ・刑事と反社会勢力の人間が闇でつながる構造
    ・夜の店に勤める美しい女性
    ・そして、妊娠や家庭という、逃れられない事情

    選者は、意図的に“同じ闇のテーマ”をもつ作品ばかりを集めたのか?作者の作風なのか?

    今日は忌日でした。

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    2026年01月24日
  • 紙の罠

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    近藤&土方シリーズ。近藤&土方といってもコンビな訳ではなく競いあい出し抜きあっている感じかな。基本的には悪人(?)ばかりが出てくる話は苦手なんだけどこれは割りとすんなり読めて楽しめた。

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    2026年01月11日
  • 平成古書奇談

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    こういうほぼ会話だけで物語が進行する小説は普段あまり読まないのだが、本作は同じ登場人物(小説家志望の主人公と古本屋父娘)によるシリーズもので、2時間ドラマのような冗長で表層的な会話がある意味心地よい。
    にしても、出久根達郎の小説にしてもおかしくないような古本屋あるある的筋書きがあるかと思えば、かなり猟奇的(?)なものもあったりと振り幅が大きく、ある箇所で物凄い経験をした後に続くパートでは同じ人物達が何事も無かったようにしれっと食卓を囲んでいたりするのは笑ってしまう。

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    2025年12月14日
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿

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    SFの設定をベースにしているけれど、人間が極限状態で発狂していく様子など、どこか滑稽だがリアルでもあり、読んでいて癖になる面白さだった。

    16編の短編が収められているが、どれも60年代に書かれたものとは思えない。
    「ひとの愚かさが変わらないかぎり、筒井康隆の小説は面白い。つまり、筒井康隆の小説は永遠に面白いのである。」という裏表紙の一文にうなずいてしまう。

    ロボットがやたら干渉してきてうるさいとか、10分間を何度も繰り返すタイムリープもので、ただ人々がおかしくなっていく話、大学生VS予備校生の話、長生きできる錠剤の争奪戦‥
    どの作品も、スケールが大きいのか小さいのかわからない感じがツボだった。

    グロテスクな皮膚病(?)の描写など、個人的には一部かなり不快な場面もあったけれど、お話自体はさすがの構成力。時々苦笑いしながらも最後まで楽しく読めた。

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    2025年06月18日
  • 見習い天使 完全版

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    全23話。見習い天使は案内役で、連作短編ではない。
    いずれも軽くセンスのいいミニミステリ。各話15ページほどなので寝る前に最適。
    犯罪にかかわる暗さや懊悩・切迫感のようなものが書き込まれた作品はないが、その種の短編は、今後の編集発行を期待したい。

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    2025年06月09日
  • 影絵の街にて

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    作者の名前はかなり前から知ってはいたが、その作品を読むのは今回が初めて。日下氏の編集ものに興味があって、本書もそれで読んでみることにした。

     本書には、80年代から2000年代の作品のうち、一度も文庫化されていない作品、再編集本ではない個人短編集に収録されたことのない作品、一度も本になっていない作品を、可能な限り集めてみたそうだ(編者解説より)。こうした編集方針を聞くだけでも、随分お得感を感じてしまう。

     第一部は『季節のお話』という連作ショートショート。「雪 一月」では、雪というものがどうしてできることになったのか、「氷 二月」では氷ができるようになったのには奥さん思いの熊さんの思いがあったからといったような、ほのぼのとしたりちょっと可笑しかったりする、かわいいお話が12編収録されている。元の単行本ではカラーイラストが付されていたそうで、絵もぜひ見たくなる。

     第二部は『ちいさなおはなし』という、15編のショートショート。ちょっとダーク調の強い作品もあるが、バラエティに富んでいて面白い。

     ちょっと端折るが、最後に収録されているのが、『チグリスとユーフラテス』外伝の二編。今回が初めて読む新井素子の本なので、『チグリスとユーフラテス』という作品自体知らないのだが、日本SF大賞を受賞した作品とのこと。「馬場さゆり」は、心身ともに傷ついた夫婦が ”ナイン” という惑星へ移民することにした事情や葛藤を描いたもの、「あした」は、コールド・スリープという何十年にも及ぶ惑星間移民を可能にするための技術を完成させるために、被験者になることを志願した女性の心情を描く。この二編は外伝とはいっても正にSFで、おそらく本編には直接つながらないのだろうが、本編も読んでみたくなった。

     クスっとしたり、懐かしさを感じたり、人間が生きるとはどういうことなのか少し考えさせられたりと、いろいろな思いを味わうことができる一冊だった。

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    2025年02月21日
  • 大聖神

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     本作では、『幻綺行』に登場した雨宮志保と石峰省吾の二人も中村春吉の道連れとなり活躍する。時は日露戦争の終わった明治40(1907)年、日露戦争中アフリカ、北欧を旅していた一行は4月ベルリンに到着した。大使館勤務の陸軍中佐から、「露西亜の近衛軍団兵士が考古学者を伴い東蒙古に学術探検に派遣されるのだが、どうも怪しい、露西亜が何を画策しているのか調査してほしい」との依頼を受ける。引き受けた彼らは、シベリアを超え大興安嶺へと向かうこととなったが、果たしてロシアの目的は何なのか。また、向かう先には現地人が立ち入ってはならないと言う聖なる山があり、そこには黄金神像と白い巨大な守護神がいるとの言い伝えがあるらしいのだが、それは本当なのか。

     謎の文言が記された書付や図面が出てくるのは、いかにも探検小説であるし、腕には自信のある中村春吉だが、いざというとき危地を脱する知恵を出すのが雨宮志保なのもお約束ではあるが、最後までワクワクしながら読み進めることができた。ラスト、黄金神像の正体は本当にSF。

     中村春吉の生涯について著者が調べて書いた「自転車世界無銭旅行者」が合わせて収録されているのも実にありがたい。

     刊行順ではなかったものの、本書で中村春吉秘境探検記シリーズを読み終わったことになる。秘境だったり不思議な生物が出てきても不自然に感じない、まだまだ世界には未知なことが多かった時代を舞台にした冒険活劇を、実に面白く読んだ。

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    2025年01月27日
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿

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     はるか昔の学生のころ、筒井康隆はかなりの人気作家で、回りにも筒井ファンは大勢いたのだが、何となく手を出さず、読んだのは七瀬三部作くらいだった。たまたま書店で本書を見つけ、初期傑作短篇収録というオビの文言に惹かれて読んでみた。

     どれも面白く読んだのだが、特に毒気のある作品が気に入った。「堕地獄仏法」とか、学会の折伏の強引さが問題化されていた頃にここまで書くかという内容だし、「公共伏魔殿」では荒唐無稽な展開の中にNHKのあり方を批判している。また、「やぶれかぶれのオロ氏」では政治家の記者会見の曖昧語法を痛烈に皮肉っているし、「懲戒の部屋」は、痴漢冤罪の恐怖を先取りしたような内容で恐怖感さえ抱いてしまった。

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    2025年01月20日
  • 日露戦争秘話 西郷隆盛を救出せよ

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     西郷隆盛は生きていた!しかしシベリアの奥深くに囚われの身となっている。その報告を受けた明治天皇は西郷救出の勅命を下す。この極秘の任務を全うし得る人物として白羽の矢が立ったのが中村春吉だった。果たして彼は、無事西郷を救出できるのか。

     木の間に脚を挟まれ動けなくなっていた虎を助けたところ、その恩返しか春吉から離れなくなってしまった「猛号」や、ひょんなことから出会った日本人などと行動を共にして、春吉は西郷が囚われているとされる監獄に向かう。”幽霊監獄”とか”骸骨監獄”といった、いかにもの名称も正に冒険小説。 
     どうやって警戒厳しい監獄に侵入し、警備をくぐり抜け西郷を救出するのか、いろいろな機略だったり、活劇場面は結構面白い。

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    2025年01月20日
  • 法王の牙 病院サスペンス集

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    ★3.5

    令和の時代に読むと舞台設定も古くナゾな展開も多いのですが、そんな些末なことを吹き飛ばす熱量を感じます。

    「さらば星座」を読み返したいです。

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    2024年10月31日
  • 山田風太郎時代小説コレクション 天の巻 元禄おさめの方

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    49年から69年までの作品8編。
    「降倭変」この話を読んで初めて「降倭」というものを知った。
    「家康の幕の中」本多佐渡守正信から薫陶を受ける土井大炊頭利勝の話。権謀術数の恐ろしさよ。

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    2024年09月28日
  • 山田風太郎時代小説コレクション 地の巻 南無殺生三万人

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    71年頃の作品集。匂い立つようなエロスに満ちた話が多い。全7編。
    「姦臣今川状」
    菊池寛の短編に「三浦右衛門の最後」という酸鼻を極める話があって、私はずっとこれを架空の人物と思っていたのだが、この話を読んで実在の人物であったと知り驚愕。
    「売色奴刑」
    実に風太郎らしい作品。男どもが女の美しさにまなこくらんで、勝手にそれぞれ自滅した事件にもかかわらず、奉行のお裁きによって、懸想されただけの女たちがなぜか奴女郎に堕とされて、禽獣の見世物もかくや、倫理も人権もあればこそ、という肉の奴隷に処せられる話。まったくもって理不尽に過ぎる話でどうなってしまうのかと思ったら、そこはさすがに風太郎だけあって、なるほどそうくるか、という結末を迎える。

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    2024年09月29日
  • キスギショウジ氏の生活と意見

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     ミステリを先ず読み始め、SF系にまで手を出すのは止めようと考えてきたので、著者の名も知らなければ、その作品もこれまで全く読んだことがなかった。そうした次第だったが、竹書房文庫から日下三蔵編のちょっと面白そうなアンソロジーが出始めたことを知り、本書を初めて手に取った。

     各編、アイディアがなかなか面白く、文章も読みやすいので、サクサク読めた。
     ある男が飼っている”別れ”の呪いを譲り受けた男に次々と迫る恐怖を描いた「お別れ」、花を出し忘れてしまい、去っててしまった”新聞蝶”を何とか探し出そうとする少年の冒険を描いたファンタジックな「お父さんの新聞」、なぜかいつ見ても一つのトイレの扉がしまっている、その謎を描いた表題作「キスギショウジ氏の生活と意見」、これらが特に気に入った。

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    2024年09月23日