日下三蔵のレビュー一覧

  • 山田風太郎時代小説コレクション 地の巻 南無殺生三万人

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    71年頃の作品集。匂い立つようなエロスに満ちた話が多い。全7編。
    「姦臣今川状」
    菊池寛の短編に「三浦右衛門の最後」という酸鼻を極める話があって、私はずっとこれを架空の人物と思っていたのだが、この話を読んで実在の人物であったと知り驚愕。
    「売色奴刑」
    実に風太郎らしい作品。男どもが女の美しさにまなこくらんで、勝手にそれぞれ自滅した事件にもかかわらず、奉行のお裁きによって、懸想されただけの女たちがなぜか奴女郎に堕とされて、禽獣の見世物もかくや、倫理も人権もあればこそ、という肉の奴隷に処せられる話。まったくもって理不尽に過ぎる話でどうなってしまうのかと思ったら、そこはさすがに風太郎だけあって、なる

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    2024年09月29日
  • キスギショウジ氏の生活と意見

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     ミステリを先ず読み始め、SF系にまで手を出すのは止めようと考えてきたので、著者の名も知らなければ、その作品もこれまで全く読んだことがなかった。そうした次第だったが、竹書房文庫から日下三蔵編のちょっと面白そうなアンソロジーが出始めたことを知り、本書を初めて手に取った。

     各編、アイディアがなかなか面白く、文章も読みやすいので、サクサク読めた。
     ある男が飼っている”別れ”の呪いを譲り受けた男に次々と迫る恐怖を描いた「お別れ」、花を出し忘れてしまい、去っててしまった”新聞蝶”を何とか探し出そうとする少年の冒険を描いたファンタジックな「お父さんの新聞」、なぜかいつ見ても一つのトイレの扉がしまって

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    2024年09月23日
  • 仕事ください

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     作者がSFを書き出した1960年ころから1970年ころまでの初期作品をまとめた短編集。多くの作品はハヤカワ文庫JAの『奇妙な妻』収録のものらしい。
     単行本未収録の巻末に収められた3作品は、その題材からして確かにSFと思われるが、多くの作品は編者も言うとおり ”奇妙な味” といった感じ。

     サラリーマン生活の鬱屈から書かれたと思われる作品が結構あるが、正にその当時の作者の置かれた心象を思わせる。やや時代を感じさせる作品もあるものの、古びたところは少なく、今読んでも楽しく読めた。

     

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    2024年09月01日
  • 長くて短い一年 ──山川方夫ショートショート集成

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     著者のショートショート全編を全2冊に集成するコレクションの二冊目。

     こうしてまとめて作品を読むと、作者がいろいろなタイプ、趣の作品を書こうとした苦心が伝わってくるようだ。短い中にも人物の心理の襞が感じられるものが多い。

     EQMMに連載されていた「トコという男」は、ちょっと変わったミステリ評論風なエッセイなのだが、少し才が走った論の展開で、読むのに少し苦労した。

     ショートショートを二冊にまとめた贅沢な作品集であり、山川方夫という作家の魅力が十分に伝わってくる。
     純文学とされる他の作品も読んでみたくなった。

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    2024年07月30日
  • 箱の中のあなた ──山川方夫ショートショート集成

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    すごく面白いけど、暗いねん。
    何かじとーっと暗い。。。
    ホラー要素が必要とあるけど、ホラー嫌いやねん。。泣

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    2023年12月31日
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)

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    短編の推理物は未完成な感が否めないものが多いように感じた。実際乱歩も巻末の解説の中でいくつかの作品について完成度が低かったことを認めている。犯罪者の側の奇妙な性癖とか人間の根幹にある残虐性に絡めて、犯罪者が犯した事件を探偵なり警察なりが推理をして最後に捕まえる、といったものが僕は好きだ。

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    2023年12月05日
  • フェイス・ゼロ

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    短編集。
    妖しい系、本格SF等、内容はいろいろ。
    でも、理解出来ないのもあった。読み手の頭が付いて行けない、というのが正直なところ。

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    2023年09月17日
  • 法水麟太郎全短篇

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    縦横無尽な知識と推理で事件を解決する超絶探偵の短編集。先に黒死館殺人の方を読んでいるがコチラも十分に難しい。見取り図等あるのは親切。
    作者の中でも黒死館殺人は大きかったのか作中でも結構触れられていた。

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    2023年08月26日
  • 山田風太郎時代小説コレクション 地の巻 南無殺生三万人

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    巻末をみると71年の頃の作品が中心となっている。時代の特徴なのか読者の要望なのか作者の好みなのかは分からないがエロネタが目につく気がする。
    伊藤一刀斎が乳吸い老人と化す話など『バガボンド』を読んだ身としては奇想すぎて引いてしまった。
    盗賊改として江戸の悪党(たぶん冤罪含む)をぶち殺しまくったお役人の話で奥様の方が適応して記録までつけ出すのは不謹慎ながら笑ってしまった。

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    2023年08月04日
  • 山田風太郎時代小説コレクション 天の巻 元禄おさめの方

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    時代小説というと戦国、江戸、幕末が主であるだろうが首を切り落としたは生えてくる中国譚や釈迦が登場するインドの小指斬りの盗賊の話などバラエティに富んでいる。
    短編ながらも関ヶ原以降の豊臣恩顧武将の死の連続の不自然さを解釈するのみならずミステリー要素も入っている作品など風太郎氏の奇想が味わえる。

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    2023年08月03日
  • 法水麟太郎全短篇

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    『黒死館殺人事件』で有名な名探偵・法水麟太郎。法水麟太郎物の短編を発表順にすべて集めた短編集。


    衒学趣味ってどういう事なのかいまいちつかみ切れていなかったのですが、この本を読んで何となく理解できた気がします。
    他の方々も書いている通り内容は難解ですし、トリックや動機もそんな事ある? と驚くものばかり。「そうはならんやろ」「なっとるやろがい」という懐かしのネットミームが頭をよぎりました。
    とはいえ、お寺や礼拝堂、劇団などを舞台にした様々な事件の数々は神秘的でとても心惹かれます。詩的な幻想怪奇の世界に溺れるような雰囲気を楽しむくらいでも良いのかも。

    メインとなるトリックや動機の中に、病気や障

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    2023年05月30日
  • 平成古書奇談

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    横田順彌が無類の古書マニアというのは知らなかった。昭和のハチャメチャ・パロディSF作家というイメージしかなかったので。
    横田順彌が平成になってから文芸誌に掲載していた古書ミステリ系の連作短編を、横田順彌の没後、日下三蔵が纏めて書籍化したのが本書。
    作家志望のフリーライターの青年と、脱サラして街の古本屋の店主、その娘による、古書にまつわる不思議な出来事は、SF、ホラー、ミステリ、パロディ等色んな要素を盛り込んだ内容でいわゆる横順ワールド満載な作品。
    時代設定もタイトルにも平成となってはいるが、キャラクターの思考も会話も、昭和の建てつけ。今読むと昭和レトロを彷彿させる。しかし古書業界や古書店の営業

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    2023年05月27日
  • アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選

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    笹沢左保氏の初期短編の傑作集。古い話なので風俗が違いすぎ、若い世代の読者などほとんど時代劇やファンタジーの世界かも知れない。プロットやオチの付け方などに既視感を感じることが多いが、いやそれは違う。こっちがオリジナルなのだ。

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    2023年05月16日
  • 平成古書奇談

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     フリーライターの主人公が、古書にまつわる不思議や謎に遭遇する連作短編集。各編ごとに、SF、ミステリー、ホラー、ファンタジーの要素があって、多少の出来不出来はあるものの、古書に関する蘊蓄も勉強になり楽しく読むことができる。
     友だち以上恋人未満の彼女との恋の進展も、今の時代ではちょっと感はあるが、それも愛嬌かな。

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    2023年04月05日
  • 仕事ください

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    昭和中期に書かれた眉村卓さんのSF・ホラー短編作品集。日下三蔵編。
    2部構成で、Ⅰ部はショートショート22編を、Ⅱ部は短編3作を収録している。

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     個人的には Ⅰ 部の方がおもしろかったように思います。特に気に入ったのは、「奇妙な妻」「人類が大変」「できすぎた子」ですが、表題作「仕事ください」も悪くないし、その他も概ねまずまずだったと思います。

    けれど Ⅱ 部の作品は首を傾げざるを得ないように感じました。 Ⅰ 部の各作品よりもページ数を割いているのにも関わらず、端折りすぎの感があったからです。まるでダイジェストみたいに説明中心で話を進めているた

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    2023年02月24日
  • 夜のリフレーン

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    ネタバレ

    24編の幻想小説集。
    特にのめり込んだのは『妖瞳』だった。東京で男色研究をしている主人公が、因果な運命を背負った青年を目の前に、心の内で言葉が止まらないシーン。「内心舌なめずりする」のが文章だけで手に取るように分かって身震いした。主人公との対話によって硬く閉ざされた扉が開かれ、覆い隠された青年の心が再びその柔らかさを取り戻すのが切なく美しかった。
    纏足の少女をテーマにした『紅い鞋』や生きたくも死にたくもない女の話『青い扉』も印象的だった。淡々と身の上を語る主人公に共感した。静かだけれどたしかな意思が彼女たちの中に渦巻いている。

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    2023年01月03日
  • 獏鸚

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    戦前の帝都東京を舞台にしたミステリー短編集。
    昔の小説という感じはさすがに否めないが、雀荘の雰囲気、恵比寿や目黒ですらうら寂しい感じ、井戸に旦那を放り込んでしまう感じ、会話のテンポ感など、随所に漂うレトロ感や当時の空気感が何とも言えず味わい深い。

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    2022年12月28日
  • 團十郎切腹事件

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    戸板康二の短篇ミステリ作品集『團十郎切腹事件―中村雅楽探偵全集〈1〉』を読みました。
    戸板康二の作品は、昨年12月に読んだアンソロジー作品『鉄ミス倶楽部 東海道新幹線50』に収録されていた『列車電話』以来なので1年振りですね。

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    ミステリ史に燦然と輝く老歌舞伎役者・中村雅楽の名推理
    第1巻は、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編

    江戸川乱歩に見いだされた「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎俳優・中村雅楽の推理譚。
    美しい立女形の行方を突きとめる「立女形失踪事件」、8代目市川團十郎自刃の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹

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    2022年12月24日
  • 箱の中のあなた ──山川方夫ショートショート集成

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    山川氏は所謂純文学とエンタメの境界領域で活躍した作家さん。教科書に採用されたこともあって、代表作と目される「夏の葬列」も〝オチ〟の後に、主人公の独白が続くという、ショートショートとしては異形なもの。巻末の座談会にもあるようにショートショートに明快な定義なんてないのだけれど。とはいえ、望まない結婚を強いられそうになっている女性の屈折と飼い猫の死を重ね合わせた「猫の死と」や、発表媒体が三田文学だという「昼の花火」が、一般的なショートショートの概念を外れているのは間違いのないところ。他にもショートショートとしては歪さを感じさせる作が多い。むしろ、きちっとまとまっている方の作が、今の眼では古さを感じさ

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    2022年12月20日
  • 平成古書奇談

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    古本にまつわる事件に巻き込まれるのは「ビブリア古書堂〜」と同じなんですが、あちらよりも地味で神保町などの古本街にあるお店に近く馴染みがありイメージしやすい。短編集。

    各話どういう話で終わるのかわからないのは本と同じ、見た目ではわからない。それが面白い。

    ぼんやりとしたまむたいなオチの話も、その方がありそうで好きです。

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    2022年12月09日