【感想・ネタバレ】山田風太郎時代小説コレクション 地の巻 南無殺生三万人のレビュー

あらすじ

戦後日本を代表する小説家・山田風太郎生誕100周年を記念した、時代小説ベストコレクションです。『慶長大食漢』『死なない剣豪』『嗚呼益羅男』『妖剣林田左文』『姦臣今川状』『南無殺生三万人』『売色奴刑』の7編を収録。

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Posted by ブクログ

71年頃の作品集。匂い立つようなエロスに満ちた話が多い。全7編。
「姦臣今川状」
菊池寛の短編に「三浦右衛門の最後」という酸鼻を極める話があって、私はずっとこれを架空の人物と思っていたのだが、この話を読んで実在の人物であったと知り驚愕。
「売色奴刑」
実に風太郎らしい作品。男どもが女の美しさにまなこくらんで、勝手にそれぞれ自滅した事件にもかかわらず、奉行のお裁きによって、懸想されただけの女たちがなぜか奴女郎に堕とされて、禽獣の見世物もかくや、倫理も人権もあればこそ、という肉の奴隷に処せられる話。まったくもって理不尽に過ぎる話でどうなってしまうのかと思ったら、そこはさすがに風太郎だけあって、なるほどそうくるか、という結末を迎える。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

巻末をみると71年の頃の作品が中心となっている。時代の特徴なのか読者の要望なのか作者の好みなのかは分からないがエロネタが目につく気がする。
伊藤一刀斎が乳吸い老人と化す話など『バガボンド』を読んだ身としては奇想すぎて引いてしまった。
盗賊改として江戸の悪党(たぶん冤罪含む)をぶち殺しまくったお役人の話で奥様の方が適応して記録までつけ出すのは不謹慎ながら笑ってしまった。

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2023年08月04日

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