あらすじ
フリーライターをしながら作家を志す25歳の馬場浩一は、街の古書店、野沢書店に出入りしている。店主の野沢勝利と娘の玲子と懇意にしながら、趣味や仕事、執筆の資料として出会う古書を通じて不思議な事件や謎にぶつかる。古書マニアの著者が知る業界の事情を巧みに盛り込み、SF、ホラー、ファンタジーを横断する連作集。平成の隠れた古書ミステリが初書籍化。日下三蔵氏による編者解説も併録。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
横田順彌が無類の古書マニアというのは知らなかった。昭和のハチャメチャ・パロディSF作家というイメージしかなかったので。
横田順彌が平成になってから文芸誌に掲載していた古書ミステリ系の連作短編を、横田順彌の没後、日下三蔵が纏めて書籍化したのが本書。
作家志望のフリーライターの青年と、脱サラして街の古本屋の店主、その娘による、古書にまつわる不思議な出来事は、SF、ホラー、ミステリ、パロディ等色んな要素を盛り込んだ内容でいわゆる横順ワールド満載な作品。
時代設定もタイトルにも平成となってはいるが、キャラクターの思考も会話も、昭和の建てつけ。今読むと昭和レトロを彷彿させる。しかし古書業界や古書店の営業スタイルはネット通販やリユースショップ等の販路の拡大はあるものの、根本的には令和の今でも変わっていないと感じてしまうのがある意味面白い。
Posted by ブクログ
フリーライターの主人公が、古書にまつわる不思議や謎に遭遇する連作短編集。各編ごとに、SF、ミステリー、ホラー、ファンタジーの要素があって、多少の出来不出来はあるものの、古書に関する蘊蓄も勉強になり楽しく読むことができる。
友だち以上恋人未満の彼女との恋の進展も、今の時代ではちょっと感はあるが、それも愛嬌かな。
Posted by ブクログ
古本にまつわる事件に巻き込まれるのは「ビブリア古書堂〜」と同じなんですが、あちらよりも地味で神保町などの古本街にあるお店に近く馴染みがありイメージしやすい。短編集。
各話どういう話で終わるのかわからないのは本と同じ、見た目ではわからない。それが面白い。
ぼんやりとしたまむたいなオチの話も、その方がありそうで好きです。
Posted by ブクログ
横田順彌の単行本未収録だった古書を題材にした連作短編を文庫化したもの。
作家志望の青年と、行きつけの古本屋店主とその娘が主人公の古書を題材にした連作だが、SFだったりホラーだったりミステリだったりとその内容はバラエティに富んでいて全体的に軽めのテイスト。
Posted by ブクログ
古書にまつわる、というよりは古書をきっかけに紡がれる連作集、という感じでしょうか。ファンタジーっぽいのやホラーっぽいのやミステリー風なのやいろいろ。自分に合うのがあったら当たり、という感じで読むのがいいかな。