日下三蔵のレビュー一覧

  • 怪奇小説集 恐怖の窓

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    遠藤周作の「こわい話」を集めた短編集。怖いと言ってもどストレートに幽霊が出てくるものはほとんどなく、好井まさおさん言うところの「ナニソレ」話が多いのだけど、サブタイトルにもなっている「恐怖の窓」をはじめ、めちゃくちゃ怖いと言うわけでもないけど記憶の隅に残ってしまうようなじっとりした話が多くて良かった。
    あと、「戦中派」という人たちがいたことが衝撃だった。簡単に言えば「戦時中の方がよかった」という人たちだと思うんだけど、まあ確かにそういう人もいたかもな…と思わされた。「平和(仮)」の世の中では自分を保てなくなってた人、結構いるのでは。
    私が子供の頃は、祖父をはじめ戦争に行った人たちが5-60代だ

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    2025年05月09日
  • キスギショウジ氏の生活と意見

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    SFの日常系短編集。

    どこかの星の変わったストーリーを紹介している
    感じ。

    ちゃんと各章にオチがついているのが
    素晴らしい。

    草上仁(くさかみじん)の本は初めて読んだが、
    星新一の正当な後継者と言ってもいいくらい
    期待出来る。

    SF初心者にもおすすめの一冊

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    2025年04月28日
  • 丹夫人の化粧台 横溝正史怪奇探偵小説傑作選

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    ネタバレ

    横溝正史、怪奇探偵小説傑作選。

    怪奇要素は薄めでミステリ寄りな短編集。

    言葉や文化に時代を感じるけどあまり気にならずに楽しめた。
    基本話が暗くて個人的には大好き。犯人の自死エンドとか多い。

    地味に双子ネタ2つも入れてきてる。
    犯人が分かって終わりじゃなくて色々パターンある。

    「犯罪を猟る男」と「青い外套を着た女」がすき。

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    2025年04月16日
  • 箱の中のあなた ──山川方夫ショートショート集成

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    純文学作家のショート・ショート集。星新一のような統一された様式のようなものはなく、純文学短編のように読めるものから、SF、ミステリーまで、多岐にわたるジャンルごとに筆致も変化する。
    特に冒頭の「親しい友人たち」シリーズが様々なジャンルのあわいを行く、「奇妙な味」があり好ましかった。

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    2025年03月17日
  • 静かな終末

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    眉村卓先生、初読みと思います。面白かった。
    社会人の悲哀を感じられたとこが印象的でした。
    ゾッとしたり薄ら寒くなったり……表題作が特に好きでした。その瞬間がわからないというのは、救いなのか苦しみなのか。
    「怨霊地帯」「墓地」「錆びた温室」もよかったです。

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    2024年09月18日
  • 箱の中のあなた ──山川方夫ショートショート集成

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     終戦直前の疎開先で起きたある出来事のため、少年だった男は暗い記憶を持ち続けてきたが、長じてその地を再訪してある場面に遭遇し、自らの責任はなかったと解放の感を持ったのも束の間、思いがけない事実を知ってしまうという「夏の葬列」、教科書で読んだその作品が、作者の作品を読んだ初めてだった。どんでん返しの面白さとともに、戦争の悲劇とは言え救いようのない結末に恐ろしさを感じた記憶がある。

     その後、作者は山川方夫という人であり、芥川賞の候補に何度もなったこと、ショートショートと呼ばれる作品を多数書いたこと、若くして交通事故で亡くなってしまったことなどを知った。

     本書は、著者のショートショート全編を

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    2024年07月31日
  • 長くて短い一年 ──山川方夫ショートショート集成

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    山川方夫のショートショート集。山川方夫というと随分昔に代表作?である「夏の葬列」を文庫で読んできりで、イメージとしては純文学の人という認識だったので、文学的なものからミステリやSF仕立てのものまでこれほど多様なショートショートを書いていたとは知らなかったし意外であった。収録されたものではやはり「夏の葬列」の印象が強かったが、「頭の大きな学生」や「僧侶の夢」といったSF風の作品もなかなかのもの。
    巻末には都筑道夫、星新一との鼎談も収録されておりこちらも興味深い。

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    2024年05月15日
  • マインド・イーター[完全版]

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    ネタバレ

    水見稜。1980年代のみに活躍し、作品数も10作に満たない作家でありながら、今でも名前を見ることがある。
    特にこのマインドイーターは良いニュアンスで名前が出されているのを目にし、一度読んでみたいと思っていた。

    読んでみた感想は「これが30年以上前の作品なのか」というもの。
    MEとの壮絶な戦いを期待していた私には肩すかしではあったが、決して期待外れでは無く、人間の内面、特に弱い部分や気持ちの移ろいの描写はすばらしいものがあった。
    近年のSFでは忘れられている感もある「地球を離れて人間は生きられるのか?」というテーマも含まれていて、宇宙から俯瞰して見た「生きる」とはどういう事かを考えさせられる。

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    2024年02月08日
  • 見習い天使 完全版

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    佐野洋さん凄いなあ。良く考えられていて面白い。
    良くこんなに面白い色んなはなしが思い付くなあ。
    なお、天使は狂言回し。話の最初と最後に出てきてお話には直接出てこない。でも、いないとさびしいと思う。そんな感じ。ミステリショートストーリー。
    個人的に表紙イラストは解説読み終わったあとだと宮永さんが良かったなあとちょっとだけ思いました。

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    2024年02月05日
  • 江戸川乱歩全短篇(2)――本格推理(2)

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    本編には長めの短編推理ものが収められており、各話とも表の推理、どんでん返し、裏の推理という展開が無理なく織り込まれているため読んでいて面白い。第一部の短編推理ものより断然良い。

    長編の推理ものはないのだろうか。

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    2023年12月05日
  • 見習い天使 完全版

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    見習い天使というタイトルに惹かれて購入。
    ほんわかした優しい物語とおもいきや、男性にウケそうなショートミステリーでした。
    1話毎にオチがあり、クスッと笑いながら読みました。
    次第に作者の考えていることがわかり、オチが想像できましたが、それも楽しみの一つになっていました。

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    2023年11月09日
  • 平成古書奇談

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    日々の続きのような不思議な話。テンポよく読み進められて面白い。
    古書の知識があれば尚更面白いだろうなぁ。神保町は憧れの地だ。

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    2023年07月29日
  • くらげ色の蜜月

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    ネタバレ

    短編集です。戸川昌子、やはりぶっ飛んでいる。
    「隕石の焔」、「くらげ色の蜜月」、「聖女」がいい。
    特に「聖女」はエグい。読後、呆然とした後、えぐみがせり上ってくる。登場人物への悲哀と同情とそれにも勝る嫌悪感。凄い。

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    2023年07月05日
  • 獏鸚

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    横溝正史を読み、繋がりのある海野十三へ。名前は有名ですが読むのは初めて。

    横溝正史と海野十三について。
    当時雑誌「新青年」の編集者だった横溝正史が、海野十三の原稿を他の人に「校正しておいて」と渡したらその人は原稿をまるっきり書き直してしまったらしい。そのため海野十三っぽさはまるで無くなってしまったんだが、時間もないし、申し訳なく思いながらもその書き換えたものを発表した。しかも当時公務員だった海野十三がペンネームを使っていたのに、うっかりと本名を雑誌に載せてしまったんだそうな。個人情報、著作権ってもんが全くない 笑
    横溝正史は海野十三に対して「大変ご迷惑を…」と大いに反省しているが、海野十三は

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    2023年06月28日
  • くらげ色の蜜月

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    第8回江戸川乱歩賞を受賞した戸川昌子が68年から70年にかけて発表した短編14本を日下三蔵編集によりまとめた短編集です。ミステリーというジャンルに収まりきらない、エロやグロをふんだんに盛り込んだ作品ばかりが収録されています。読んでいても行き先が分からず濃霧の中をさまよっている感覚になります。どの作品もあまりに濃密すぎて、読んでいると胸やけします。怪奇小説や恐怖小説という括りの方があってますね。

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    2023年02月20日
  • 仕事ください

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    作品集「奇妙な妻」をベースに単行本未収録作品三篇を含む四編を加えた作品集。

    奇妙な妻
    ピーや
    人類が大変
    さむい

    セールスマン
    サルがいる
    できすぎた子
    むかで
    酔えば戦場
    風が吹きます
    交代の季節
    仕事ください
    信じていたい

    隣の子
    世界は生きているの?
    機械
    くり返し
    ふくれてくる
    やめたくなった



    その夜
    歴史函数
    文明考

    『奇妙な妻』あとがき
    変化楽しや?

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    2023年01月28日
  • 合作探偵小説コレクション1五階の窓/江川蘭子

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    江戸川乱歩や横溝正史など著名なメンバーがリレー式で書き継いだ合作探偵小説「五階の窓」、「江川蘭子」、「殺人迷路」、「黒い虹」の4編収録。
    前に江戸川乱歩の本で「江川蘭子」の乱歩担当回だけ読んだことがあって続きが気になっていたのだが、今回まとめて読めたのは大変嬉しい。
    「五階の窓」は最後に執筆陣の所感がついており、それによると人物や筋は事前にいっさい決めずにそれぞれ書いたという。それにしては破綻せずまとまっているのはさすがだが、「殺人迷路」と「黒い虹」で最終回を担当した甲賀三郎は伏線回収にかなり苦労したと思われ、「黒い虹」の最終回冒頭がぼやきで始まっているのは笑った。
    あと伝奇の一筋の人だと思っ

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    2022年12月16日
  • 火葬国風景

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    どこか怪しく変態的で幻想的な魅力に満ちた作品集。
    表題作の「火葬国風景」は幻想SFかと思いきやの種明かしにやられる。「十八時の音楽浴」はオチにやられるディストピアもの。「三人の双生児」はこれまた怪しく変態的な不思議なミステリーで予想外の展開にやられる。三人ってそういうことかい。「電気風呂の怪死事件」は著者の電気工学の知識にやられる変態モノ。

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    2022年11月26日
  • アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選

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    時効を扱った「15年は長すぎる」
    誰からも憎まれようのない平凡な男が殺された謎「第三の被害者」
    途中まで話の方向が見えなかった「お嫁にゆけない」「不安な証言」

    どれも一捻りあり話の展開の違いに飽きず、読むほど先読みしづらくなり、それがまた良い。

    中でも「殺してやりたい」が良い。
    もう少し詳しく書くと松本清張さんの短編集を読んだ後なので、タイトルと冒頭から「激情にかられた女性がフラれた恋人を殺す話」という頭で読んだ。…とまでしか言えないけど熱い展開から、読後の余韻まで良かった。

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    2022年10月20日
  • キスギショウジ氏の生活と意見

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    うわあぁ、草上仁を、何十年ぶりかに読んだ!
    うんうん、コレコレ!

    「国境の南」「飛び入りの思い出」「アイウエオ」がベストスリー。

    逆に、読みはじめの数行でネタバレしたのもあり、ありゃりゃ。


    巻末に作品リストが載っているのがありがたい。初期の短編集はたぶん全部読んでるハズ…
    その頃の作品から透かし見た未来が、今の現実にとても近いことに、何やらにやりとしたり、ぐっときたり。
    たとえば、新型ウィルス対策でマスクを手離せず、透明なパーテーションを挟んで黙って飲み食いするなんて、まるっきり「くらげの日」だと思って眺めていた。
    通信障害スマホが使えないと何もできなくなるなんてのも、とっくの昔に見て

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    2022年09月23日