日下三蔵のレビュー一覧

  • 團十郎切腹事件

    Posted by ブクログ

    何より登場する人物のキャラクターがいいし、まさに古き良きを感じさせる短編集だった。
    大掛かりなトリックや、目立った驚きは無いものの、一気に謎が解明される様はやっぱり名探偵だ。

    0
    2013年05月18日
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1

    Posted by ブクログ

    「東京南町奉行」 がお気に入り。

    生きざまを貫き通す頑固じいさん、カッコいいです。

    結びもまたいかしてるんだなぁ。

    山田節で描かれる、万札のあの人が妙味。

    0
    2013年05月30日
  • マインド・イーター[完全版]

    Posted by ブクログ

    六割わからないけど好きです!
    いやマジでSF用語以前に、誰の台詞なのか、誰が何してるのかが分からない

    元来『夢の浅瀬』が好きな浅瀬の読者のため、宇宙船は女性人格に限るという浪漫くらいしか語れません

    0
    2013年04月20日
  • 團十郎切腹事件

    Posted by ブクログ

    歌舞伎役者「中村雅楽」が、不可解な事件の《なぞ》を解く人気シリーズ。老優・雅楽のたたずまいがとにもかくにも魅力的で、つい手に取ってしまう。

    この第一巻に収められているのは、江戸川乱歩の後押しで世に出ることになった「車引殺人事件」をはじめ、初期に書かれた18の短編。なかには、第42回直木賞を受賞した表題作「團十郎切腹事件」も含まれる。これは、ナゾの自殺を遂げた八代目市川團十郎の有名な事件を、およそ百年後に「中村雅楽」がなぞ解きするというもの。若い時分に耳にした知人の昔話をきっかけに、次第に切れ味を増してゆく「雅楽」の推理に圧倒されるが、じつはこれ、ジョセフィン・テイの古典『時の娘』への秀逸なト

    0
    2013年01月14日
  • グリーン車の子供

    Posted by ブクログ

    老優「中村雅楽」が、非凡な観察力と推理によって身の回りに起こる「日常の謎」の数々を見事解決してゆく短編集。ひとつひとつの事件よりも、読者は、歌舞伎界の重鎮にして名伯楽である主人公のたたずまいに魅了される。トリック以上に、「芸」の世界に生きるひとびとの「業」を描いた物語の巧みさに感心した。

    0
    2012年11月13日
  • グリーン車の子供

    Posted by ブクログ

    老歌舞伎俳優・中村雅楽の探偵譚全集の第二巻。殺人などの派手目な事件が減り、日常の謎系の事件中心に。個人的にはコッチの作風の方が好み。お気に入りは表題作「グリーン車の子供」かな。

    0
    2012年05月24日
  • 團十郎切腹事件

    Posted by ブクログ

    老歌舞伎俳優・中村雅楽の探偵譚全集の第一巻。オーソドックスなつくりのミステリながら、扱う事件が多種多様でバラエティに富んだ内容。謎解きそのものもよりも、人情味あふれる雅楽のキャラクターや、かいま見える梨園の舞台裏が読みどころかな。江戸川乱歩のコメンタリーや小泉喜美子の解説が併録されているのも嬉しいね。

    0
    2012年05月19日
  • マインド・イーター[完全版]

    Posted by ブクログ

    最終的にM・Eと人はどうなるのだろう。どちらが正しいのだろうということは読者に任せられた気がする。
    面白い作品です。

    0
    2012年02月21日
  • マインド・イーター[完全版]

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一編の長い詩を読んだような気持ち。宇宙と、その中の地球、そして人の物語。美しくてゾクゾクした。何かこう、根源的なものを揺さぶられる感覚が怖くてゾクゾクもした…。連作短編で、「夢の浅瀬」「憎悪の谷」が特にお気に入りだが他も好き

    0
    2012年01月25日
  • マインド・イーター[完全版]

    Posted by ブクログ

    30年前の作品であるにもかかわらず、全く内容及び文章が古びていないことに驚きを隠せない。悪意を持つ謎の小天体M・E(マインドイータ)。それを様々な視点から描いているのだが、実験作という意味合いもあるためか、多彩な趣向が凝らしてあり、読んでいて目が離せない。

    0
    2012年01月25日
  • マインド・イーター[完全版]

    Posted by ブクログ

    内容(「BOOK」データベースより)
    宇宙へ出た人類に襲いかかったもの、それがM・E。ひとつ前の宇宙の残滓であり、人間に悪意をもつ、小天体の姿をした存在。精神を食いちぎり人を異質なものに変える。これを破壊せんと連合はハンターを育成し宇宙へ送るが、戦いは絶望的だ。しかもハンターがM・Eの顎に倒れると、精神的に強く結ばれた恋人や肉親までもが変貌するのだ。日本SFの里程標的傑作を完全版で贈る。

    ----------------------------------------

    SFマガジン連載時からワクワクしながら読んでいて、1984年にハヤカワ文庫から出たときは夢中で「これは未完の大傑作だ!」と

    0
    2012年10月14日
  • マインド・イーター[完全版]

    Posted by ブクログ

    宇宙に進出した人類が遭遇した謎の敵・マインドイーターとの戦いを描いた連作短篇集。外宇宙の、人類とはまったく異質な存在を描こうとする挑戦や、同時にそれを自己の内宇宙の探求へとリンクさせていく思弁的な作品世界が素晴らしい。個々の作品間の実験的な関係性も印象的。それにしても飛浩隆さんの「解説」と日下三蔵さんの「解題」はありがたかったなあ。
    お気に入りは「サックフル・オブ・ドリームス」、「おまえのしるし」かな。

    0
    2011年12月15日
  • 海野十三集 三人の双生児 ―怪奇探偵小説傑作選5

    Posted by ブクログ

    うはぁ、グロかった(笑)。
    海野十三は理科系技術者で、日本SFの元祖と呼ばれた人ですが、
    なんつーか、コレ(^_^;)。
    一言で言ってエログロ・ナンセンス、ですね、月並みですけど。
    江戸川乱歩が好きだったらOKかと思いますが、
    more grotesque ですわなぁ。
    どっちかと言ったら私としては乱歩の方が好みですけど、
    うーん、でもまぁ、面白かったです。
    読み堪えアリでした。
    オムニバス掌編「蝿」がシュールで愉快。
    サブタイトルにもなっている「三人の双生児」も、
    なかなかいい味わいでした。
    やっぱりグロいけど(笑)。

    0
    2012年07月06日
  • 團十郎切腹事件

    Posted by ブクログ

    おもしろい
    ミステリとしては解決部分で読者に提示されていない手がかりが現れるなど、謎解きを主眼としてみた場合はがっかりするかもしれない
    しかし、それは読み手が読み方を間違っているだけで、不可解な事件が起き、それを雅楽が解決するという一連のストーリーを楽しむという読み方をしていけばものすごく面白くなっていく
    読んでいて思ったのは半七捕物帳によく似ているなということ
    実際作者もある程度意識していたようで、読者のあまりなじみのない世界でおきる様々な魅力的な謎を解決していくというあたりに同じ魅力がある
    まだまだ作品はたくさんあるようなので読むのが楽しみ
    読んでいないかたは是非

    0
    2011年10月15日
  • グリーン車の子供

    Posted by ブクログ

    巽昌章の解説に、雅楽の謎解きスタイルはマープル風とあるが、それはホントかもしれない。身近に見聞きしてきた事象からの類推による推理。マープルんいおけるセント・メアリー・ミード村などの人間関係・出来事が、雅楽の場合、歌舞伎狂言の話だったりするのが面白いのだ。
    「グリーン車の子供」、ひかり/こだま問題が生じたらしいが、今のひかりってちまちま停まるのもあるし、それも列車によって停まる駅が違うから、今だったら誰も気にせず、ひかりでいけたのにね、って感じ。
    「美少年の死」や「妹の縁談」など、抑制されたエロが漂うほろ苦い話が印象的。

    0
    2010年09月26日
  • 松風の記憶

    Posted by ブクログ

    全集最終巻には、長編2編と探偵小説にまつわるエッセイを収める。
    表題作は、1959年から1960年にかけて東京新聞に連載された。全集第1巻の最後に収められた「文士劇と蝿の話」に、浅尾当太郎の悲恋への言及があり、それを書いた話があるの? と思っていたら、「松風の記憶」がそれだった。先に解題で、最初に単行本化されたとき「鷺娘殺人事件」の副題がついたということを読んでしまったため、いわばゼロ時間へ向かって読むこととなった。"鷺娘"が殺されるのは、全体の85%を過ぎたところ。そこまで、登場人物の動向と心情を丁寧に記しているのだが、それだけでも面白いのだが、いつどうやって殺されるのか

    0
    2010年08月01日
  • 團十郎切腹事件

    Posted by ブクログ

    中村雅楽(がらく)ものを年代順に編集(長編は別立て)。第1巻は1958年から1960年にかけて発表された、第1作「車引殺人事件」や直木賞受賞作の表題作を含む、18作を収める。
    雅楽ものは昔結構読んだが、単行本だったと思うので、立風書房版だったのか? 中村勘三郎が雅楽を演じた土ワイの2時間ドラマも好きだった。「奈落殺人事件」の、メイントリックではなくメイン錯覚はずっと覚えていたのだが、今回読んでいるうちに、ある人物が土ワイで淡島千景だったことを思い出し、それで犯人も確信(淡島千景が出ていて何でもない役というのはありえないでしょ)。いやあ懐かしい。再放送を見たいものだ。
    TVが出たて、新幹線はまだ

    0
    2010年08月01日
  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1

    Posted by ブクログ

    半七捕物帳で有名な人です。
    怪奇探偵小説って銘打ってますが、どっちかというと怪談話です。
    話の締めくくりのボカシ加減がいい具合に恐さを盛り上げてくれます。
    古いものですが読み憎さは感じません。

    0
    2010年01月19日
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩というビッグネームに構えて読んだら、驚いたことにかなりタッチが軽くて読みやすい。
    よくもまあこれだけ書いたと思うほど短編の中にさまざまな種類の殺人やら事件やらが書かれている。
    この人の書くミステリはなぜか、読み終わると微笑んでしまうような後味がいいものが多い。

    個人的に好きなテーマはプロバビリティの犯罪。完全犯罪があるとすればこれはかなり近いと思う。
    でも好きな話は「二銭銅貨」「断崖」「二癈人」「石榴」かな。
    後者二つはラストがほぼ同じじゃないかということに今気付いたのですが、ストーリーとしてきれいに閉じてると思ったので。

    「二癈人」は、既に扱った夢遊病者というテーマを今度はどう

    0
    2009年10月04日
  • 團十郎切腹事件

    Posted by ブクログ

    古き良き探偵小説。江戸川乱歩に薦められて書いたのが始まり。著者は元々演劇分野の論者+探偵小説ファン。
    主人公の探偵/歌舞伎役者中村雅楽はエラリー・クイーンのドルリー・レーンが模範らしい。ありがちな捜査当局と探偵との確執もなくなんだか妙に和気藹々とした風情。

    0
    2009年10月04日