田辺聖子のレビュー一覧

  • ジョゼと虎と魚たち

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    ネタバレ

    アニメ映画から原作に辿り着き拝読。想像してた爽快さに反して、女性の心情描写を軸に男性との関係性を繊細に官能的に描いた短編集。表題作であるジョゼの「完全無欠な幸福は死そのものだった。」という言葉が鮮烈でした。男性よりは女性におすすめ。

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    2025年11月17日
  • 新源氏物語(中)

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    既に登場人物がこんがらがってきた。この先が大いに不安…。
    が、帖ごとに短編集だと割り切って読んでも楽しめる内容だった。
    近江の君のはっちゃけぶりがおかしくも痛々しい

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    2025年11月16日
  • ブス愚痴録

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    『ブスの愚痴録』という面白そうなタイトルに惹かれて手に取った作品。
    「ブス」や「愚痴」なんてマイナスのイメージが強いけど田辺聖子さんが書くと面白そう。
    どんなブスが登場するのか、外見ブス?中身がブス?読んでみてのお楽しみ。

     ブスなんて今ならハラスメントに触れてしまうような言葉だけど、そこはさすが昭和ならではで不適切でも多少はOK?(連載は昭和)
    読み進めると「あれっ」ちょっと違う、ブスの愚痴ではなくブスへの愚痴だった。
    この作品って男性の視点で描かれているんだけど著者は女性作家なのに男性の心理がリアルで「男の気持ちがなんでそこまでわかるの?」と思わされるほどの筆力が凄い!
    また文章も著者持

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    2025年10月30日
  • うたかた

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    寒い季節に、切ない物語が沁みる。

    「虹」がよかった。イヤな世の中の生きづらさに、読んでいるだけで苦しくなるけれど、生きぬいてやりたいと思うしなやかな精神がうつくしい。タイトルの虹のように。これが処女作なのか……

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    2025年10月26日
  • 残花亭日暦

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    どちらかが死の淵にいて苦しそうに悶えるだけのとき、逃げずに「しんどいね」と側に居続けることができるかな。
    亡くなったときに、悲しいけど晴れやかな気持ちでいれるのかな。

    「作り笑いやお愛想笑いではない、こんな笑顔になるために他人は歳を重ね、人生はあるのだ…と思わされる顔。人生の後半生をそんな環境においてやることができて、つくづくよかったなと思う。」
    こう言えるのすごい。

    そういえる夫婦関係にならなきゃなと思う。
    今の私の場合「ごめんね」になっちゃいそうだなと。

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    2025年10月05日
  • 掌の読書会 島本理生と読む 田辺聖子

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    サクサク読める感じ。芥川賞受賞作は、ちょっと毛色が違って重かったかも。私は好きでした。登場人物の言動が粋で洒落ていて、大人の恋愛小説という感じでした。

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    2025年10月02日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    ポジティブな言葉をこれでもかと浴びるのはいい。

    たのしそうな人が隣にいると、こちらまでたのしくなってくるような、そんな感覚。

    たとえ共感までいかなくとも、そうだなぁ、そんな風に考えられたら素敵だなぁ。そう思うだけで、気持ちが自然と上を向く。

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    2025年09月25日
  • 欲しがりません勝つまでは

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    ネタバレ

    粗筋の最初の一文通り、軍国少女で文学少女の話だった。
    まさか女子ながら玉砕を覚悟していようとは。
    これが当時の女子たちの代表的な姿かと言われると、彼女が作中でも「変わり者」と評されていたところを鑑みるに、極端な例かもしれない。
    彼女の友達にも極論に走る子、冷静に見ている子、様々だったので。

    ともあれ、戦時中を生きた少女の日常として読んだ。
    驚いたのは作中でも実際の文章ごと紹介された小説の数々。
    ツッコミどころはあれど、あの内容を10代の少女が書いたのかと思うと脅威を覚えるほど。

    ただ玉砕を覚悟していたはずの少女が、空襲を経験し、終戦を迎える頃には何事に対しても「ほんまかいな」と思うようにな

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    2025年09月24日
  • 欲しがりません勝つまでは

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     降伏する宣言を聞いたときに、あの時代の人々の心に生まれたのはどんな感情だったろう。
     安堵か、怒りか、喪失か。言葉では言い表せない感情だったに違いないけれど、それでも言葉にして伝えてくれる人たちがいるから、私たちは繋がれるんだろうね。
     私からしたら戦争は過去のことだし実感もあまり湧かないけれど、これからの責任は私たちにあるってことは意識しておかないとだな。

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    2025年09月22日
  • 言い寄る

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    乃里子、不器用すぎるよぉ。器用そうなのに誰よりも不器用。言い寄れないんだよね、どうでもよくないから、大切すぎるから。

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    2025年09月12日
  • 言い寄る

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    ネタバレ

    ずっと読みたかったけど、自分の今の状況と似ている今こそ読む時だ!と思って読み始めた一冊。

    私にも言い寄りたいけど、言い寄れない相手がいる。他の人には言い寄られるのに、この人からは言い寄られない。乃里子みたいに、周りの人に好意があるとバレたくなくて変に冷たくしたり、興味のないフリをしたり、素直になれない。私はこの小説を読む前にきっと最終的にゴロちゃんと上手く行くんだろうな、フラフラしてても結ばれる、王道ストーリーなんだろうなと思っていたけど、そうじゃなかった。ゴロちゃんの戸籍が汚れる前に、乃里子はなんで素直になれなかった?と思うけど、あんなシチュエーションはないけど実際素直になれない気持ちはわ

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    2025年09月11日
  • ブス愚痴録

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    パリのお世話になっている方からいただいた本。1989年出版。すごい。
    そして、中年のおじさんが主人公というニッチな設定の短編集。自分が一番わからない層の視点からの話はなかなかに興味深く、せつなく、なんか新しい世界を知れた感じ。

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    2025年09月01日
  • 作家と犬

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    坂口安吾目当てで読みました。
    知ってる人のお話だけ読んだけど、ワンコとのほっこり話もあまりないし、ちょっと期待外れかな…

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    2025年08月28日
  • 私的生活

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    自由奔放な主人公と思いきや、結婚してみると貞操観念をしっかり守り、旦那の機嫌も取るわ、家族とも上手くやり出すわ……
    でも、フラストレーションの溜まりすぎなのか最終的には。。。

    個人的には序盤に出てきた動物園のボス猿の話が後半に効いてくる感じがたまらなく良くて笑った。

    後、自由奔放な人ほど嫁や婿に入ると家庭的になるっていうのは今も昔も同じように感じた

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    2025年08月25日
  • 言い寄る

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    好きすぎる人ほど言い寄れない。
    だけど、傷心した末に慰めてくれる男と付き合うみたいな所がよく分かるし、今も昔もこういう恋愛観って変わらないのかなと思った

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    2025年08月14日
  • おちくぼ姫

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    千年前の和製シンデレラストーリー。ざまあ展開。スピード感がよくスラスラ読めたが、最後の方は蛇足感だった。最後で急に面白くなくなった感じ。

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    2025年08月14日
  • 作家と犬

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    今の時代だったらアウトな内容の物もあったけれど、その当時はそれが当たり前で通常だった。
    時代と共に在り方が変わって来たけれど、いつから変わったのか明確な境目ってあるのかな…なんて読みながら思った。
    それぞれの家庭でのルールに従い、犬も一緒に生活をすることは人間にとってもかなり良い効果をもたらすと私も実感をしている。
    犬を育てるということは心配な事も度々起こるけれど、存在自体がとっても可愛いし癒しである。
    ずっとこれからも元気に長生きしてほしいと願うばかり。

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    2025年08月09日
  • 掌の読書会 島本理生と読む 田辺聖子

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    田辺聖子先生は
    やっぱり不滅ですね〜。

    戦争と隣り合わせの
    女学生時代だったのに
    勉強もしっかりして知識を沢山つけ
    大阪の人間らしい軽妙さも武器だし
    純情なところもあって。

    島本理生さんは
    不勉強ながら未読ですが
    こういう本を編集されるとは
    人気作家とお見受けしました。

    しかし
    せっかく”島本理生と読む“と
    謳っているなら
    もう少し聖子先生および個々の作品についての
    島本さんなりの深い考察があった方が
    タイトルにつり合うのかなと。

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    2025年07月30日
  • ジョゼと虎と魚たち

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    不倫は文化とか言われていた時代を感じさせる作品(全然イヤな意味でなく)

    不倫のお話って不愉快なものが多いけれど、なぜかちっともそう思わなかった。
    歳を重ねて自分自身の受け皿が大きくなってきたのもあるのかもしれない。

    「ジョゼと虎と魚たち」
    好きな男の人が出来たときに...こういうジョゼの考えかたが好きだなと思った

    「男たちはマフィンが嫌い」より
    遭難救助者のようなセックス
    これすごい表現のしかた!

    あまり好みでなかったのは「恋の棺」
    関係性が私には受けつけなかった

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    2025年07月23日
  • ジョゼと虎と魚たち

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     初めて読む作家さん。どの短編も女性が主人公で、女性の様々な心情を解像度高く描き出す描写力の巧みさが魅力的だった。
     そして、大概においてどうしようもない男が登場するのだが、誰しもが憎もうにも憎めない造形が成されているのが面白い。
     関西弁の会話のテンポが再現された筆致も流石で、失われつつあるコテコテな言い回しが関西人の私にも新鮮で心地良かった。

     印象に残ったのは「うすうす知ってた」と表題作の「ジョゼと虎と魚たち」だ。
     前者は身につまされる話だった。主人公の心情を追いながら、これって私のことなのではないかと共感することしきりで、自分の胸の内を文章化されたようで気恥ずかしい。
     後者は、高

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    2025年07月16日