田辺聖子のレビュー一覧
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あなたとめぐり合うことができて、よかった。同じ時間を過ごすことができて、よかった。今ではすべてがもう夢のように思われるけれど……。
心の奥にそっとしまわれた、甘苦い恋の記憶を、柔らかに描いた12篇。恋の温もりと儚さ、男の可愛げと女の優しさを、こまやかな言葉の網で掬いあげ、世代を超えて心に沁みわたる、田辺聖子の恋愛小説。
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時代背景や状況は現代と違っても、恋する気持ちって、昭和も平成も令和も変わらないんだなと実感。
夢中になる楽しさや苦しさ、リアルでほろ苦い感情が蘇って胸がキュッとなる。
忘れられない気持ちを包み込んでくれる大人の短編集。 -
Posted by ブクログ
愛すべき人間界、という感じ。世代がかなり離れているというのもあるのだろうけれど、ちょっと受け入れられない設定がちらほらあってところどころ集中が妨げられてしまった。それもそれでその時代の本が持つ大切な味なんだろうけど、味わい慣れていない味にまごついてしまったというか。
「うちの会社は男の長髪と女の染髪は禁止で〜」とか、「うちの会社は共働きを認めていなくて〜」とか、ごはんの用意をしているところに今から屋台で飲もうと夫が電話をかけてきたから「もう用意してるよ」と言うと「そんなんどうでもいいから来いよ」と言われたのにいそいそと夫の待つ屋台へ向かう描写とか。作品や時代そのものを否定するのではないが、びっくりしてどうしても止まってしまう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ関西弁が独特だ、、、
そして、なんでこんなに乃里子は
大モテしてるんや、、すげぇ
でも、1番好きな人は手に入らない。
はああ、そうだよなぁ。
そんなことしてるからなのか、、?果たして
本当に剛のことを好きだったのか、、?!
感情ってさ、凄いよね、ずっとなんて
絶対にないんだから。
最初は読みにくかったけど、次第に
なんか友達の話を聞いてるかのような
感覚に陥って、ほんで??それから??
みたいに、ページを捲ってた。
私も、乃里子みたいにしたいことをして
ときめく人には素直にときめいて
思ったことはある程度は口にして
人間味のある可愛らしい女性になりたいな。
まあ、暴力振るうやつとは一生さよならだけど。
なーんて、少し今の私には
辛くなってしまう箇所もあって、、って
思ったけど、楽しませてくれる本でした。 -
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作『感傷旅行』(1964年)を読んで以来の、数十年ぶりの田辺聖子さん。田辺さんはその後歴史・大衆寄りに軸足を移していきます。本作は9編を収録した1985年発表の短編集です。
どの短編も身近な設定で、女性の恋愛を中心に時代背景を感じさせない魅力があります。様々な立場の女性たちの感情がリアルで、今も昔も女性たちの欲や恋心の機微は普遍的と思え、田辺さんの女性の生き方への愛情が滲み出ている気がしました。
表題作だけが異質な印象で、このわずか26ページの短編が、2003年の実写映画、2020年の劇場アニメ版の公開、さらに漫画化へ続きます。2020年には韓国でもリメイク映画化!
確かにこの表題作、短い物語の中に「喪失」や「幸福」などのテーマがかなり深く潜み、だからこそ表題になり映画になる(想像が膨らむ)秘めた力を感じさせます。普段、原作の映画化作品は観ない派なのですが、これはたまらなく観たくなりました。
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2003年実写版(116分)は、犬堂一心監督、妻夫木聡・池脇千鶴主演作品。結末の設定(ジョゼの重要な脳内思考と扱い)が脚色されていました。
2020年韓国リメイク版『ジョゼ』(117分)は、日本では翌年、原題と同タイトルで公開。日本版から17年後の製作で大筋は同じも、細部が韓流に…。
2020年長編アニメーション(98分)は、タムラコータロー監督、中川大志・清原果那主演作品。2人が共に夢を追うキラキラ純愛物語に大変身でした。
失われた自分の回復、再生への方向性など、原作と映画の表現の違いを楽しめました。どっちがよいかは愚問ですね。表現の幅が広まるのも「原作のもつ力」所以かもしれません。 -
Posted by ブクログ
10話からなる短編集。
私のお気に入りはこちらの3作品。
『シーソー夫婦』
→共働きの新婚さん。
すれ違いが多いから一緒に過ごせる時は2人の時間を楽しみたい旦那さんと、家事を終わらせないと寛げない奥様。だったら旦那さんが家事を手伝って早く終わらせたら良いのにって、夫婦どちらも思いつかないあたりも新鮮。
『火気厳禁』
→20代後半のOLさんが主人公。未婚。
投資用物件を3棟持っているから将来への不安はないけど、なんだか物足りなくて。
『帽子と求婚』
→きちんとしたイケメンと縁談がまとまりかけてるけど、どうしても気になっちゃう人がいて、、、。
多分、私の祖母や母の世代の女性達の生き方や心情が丁寧に描かれていて興味深いし、大阪弁で語られてるのも面白い。
今回面白かった言葉。
素寒貧(すかんぴん)
BG(ビジネスガール)
美事(みごと)