あらすじ
関西の瀟洒な家で、車椅子の夫、老母、パート夫人、ミド嬢、数数のぬいぐるみと共に忙しく暮らす田辺さん。ある日、夫に新たな病が発覚。別れの時を予感しながら、看護と介護と作家仕事を切り盛りしていく。毎日の食卓、原稿執筆、夫の憎まれ口、お葬式、納骨――。作家のありふれた一日から主婦の一大事まで、日々の思いをユーモラスに書き留めた人生日記。発表時、感動の声が続々届いた話題の書。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ご主人、かもかのおっちゃんの看病と別れ、
「かわいそに。ワシはあんたの。味方やで。」と言う言葉が
清古さんを支えていく、壮絶で愛がいっぱいの看病と最後の日々、涙流れて困ります。すばらしい。
なつかしい
なんだか、懐かしさが込み上げてきた。
昭和、平成のころは、今と大分違っているなと感慨深い。芋たこなんきんを見てから読んだので、ドラマの登場人物を思い浮かべたりしながら、今ではおっちゃんのそばに行った聖子先生を思った。
源氏物語の講演を聞きたかったな、なども思った。
Posted by ブクログ
ぶさいくな田辺聖子がなぜあんなにみんなに愛されていたかが漠然と理解できる一冊。
彼女は休まない、働く、動く、笑う、飲む、
そして善きものをみな愛する。
根っからの物書きだから、だいたいが観察眼で
ウェットにならない、女々しさがない
冷静に物事を理解しようとして批判がない、
そして悲しみすらも笑いで包もうとする。
田辺聖子をもう一度よく読みたくなった
Posted by ブクログ
田辺聖子さんの日記というので、たいへん興味深く
読んでいったのだが、パートナーのおっちゃんの
容体がどんどん悪くなってしまうという、読んでいて
ツラくなる日記だった。聖子さんはおっちゃんに対して
ずっと恋愛感情を持っていたんだなと思った。せつない。
Posted by ブクログ
執筆に講演に取材にと多忙な日々を送りながら、アシスタントや家政婦さん介護人の派遣をフル活用して、年老いた母親と病を負った良人とともに暮らす日々を日記として綴ったもの。近しい人を病で亡くした体験のある人は、必読です。思い出して涙が出そうになりながら、田辺さんの言葉に救われたり、こういう風に思うのは自分だけではないんだと思ったり。とてもいい本でした。
Posted by ブクログ
結婚について色々いわれているけれど、このエッセイを読むと、憧れます。
雑誌で結婚とかおひとりさま特集とかするよりも、こういった読み物を世の中に広めていけば、イイ気がする。今は、ただでさえ「絆」とか「家族」がスローガンになっているご時世ですし。
男性、あと銀婚式を迎えるくらいの夫婦、などにも読んでほしい。
Posted by ブクログ
ちょっと読んだだけで、著者の賢さが伝わってくる。
思うこと、感じることをこんなふうに表現できたらどんなにいいだろう。
語彙の豊かさにも驚かされる。
Posted by ブクログ
TVで何年一緒に暮らしていても、毎日しゃべることに尽きなかったとおっしゃっていたのを思い出した。話すために夜更かしすることもあると。江藤淳さんの「妻と私」を読んだときも思ったけれど、仲のいい夫婦というのは、笑いやささいなこと、二人だけの決まりごとや思い出を大切にするものだなあと思った。そして、作者の多忙ぶりにも驚かされた。講演に執筆、対談、お見舞いなど大忙しだ。私は作者の半分ぐらいの年齢だがとてもつとまりそうにない。やりたいことを思い切りやって、笑って、飲む。大切なものは大切にする。そういう姿勢を見習いたい。
Posted by ブクログ
どちらかが死の淵にいて苦しそうに悶えるだけのとき、逃げずに「しんどいね」と側に居続けることができるかな。
亡くなったときに、悲しいけど晴れやかな気持ちでいれるのかな。
「作り笑いやお愛想笑いではない、こんな笑顔になるために他人は歳を重ね、人生はあるのだ…と思わされる顔。人生の後半生をそんな環境においてやることができて、つくづくよかったなと思う。」
こう言えるのすごい。
そういえる夫婦関係にならなきゃなと思う。
今の私の場合「ごめんね」になっちゃいそうだなと。