田辺聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作家 島本理生が編者となり
田辺聖子流の女の一生を存分に味わう一冊として収録作品を選んだのだそう
田辺聖子(1928〜2019)大阪生まれ1964年芥川賞受賞 91歳で永眠した田辺聖子には一生をかけて刊行した約700冊もの作品がある
生涯を通して「楽しさ」を追求し、日常を謳歌することの大切さを人生そのもので表現した
6作からなる短編集
その中のひとつ
感傷旅行(センチメンタルジャーニー)は1964年芥川賞受賞の作品…
昭和39年こんな感じなの?党員って?
私には何だかよくわからなくて斜め読みしてしまいました
それ以外では楽しめました
昔の関西弁?で軽快で、根底ではユーモアを忘れていない、と -
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Posted by ブクログ
以前読んだ「人生はだましだまし」が良かったのでもう一冊何か読んでみようと検索、下ネタに限定したこちらにヒット。
まずタイトルからいい、表紙のイラストもいい。これはと期待して読み始めたものの。。。なんていうんですかね。なんか浮かび上がらないし沈みもしない。海面から5メートルほどをずっと泳ぐ感じ?水面を水飛沫をあげて見苦しく、かつ懸命に泳ぐでもなければ、水深深く読む人の心を抉るようなこともない。太陽の光が降り注ぎ水温も高く視界もきく。いつでも水面に上がれる気楽さ。
最初の50ページくらいは他の本を読み始めたりしてなかなか進まない。下ネタ縛りってことでちょっと淡白というか一本調子になっちゃってあん -
Posted by ブクログ
1976(昭和51)年作。
「乃理子三部作」の、『言い寄る』に続く2作目。
1作目ラストでの失恋のあと、お金持ちで遊び好きのチャラチャラした「剛」と結婚し、それなりに楽しそうに暮らしている。
前作同様に、要所要所で繊細だがかなり「ユルい」文体でどんどん進む。
最後にいたってどうやら剛との結婚生活は破綻に至るようなのだが、離婚を決意する主人公の心理はわかるようでわからないところもある。女性が読んだら共感するのかもしれないが、一般的な男性はやはり首をかしげるかもしれない。
さて再び独身となった乃理子はどうなるのか。そして、彼女は自らの人生のなりゆきにどのような意味と物語を見出していくのだ -
Posted by ブクログ
1974(昭和49)年初発。これは凄く昔、50年も前のことで、私もまだ5歳、テレビでは「ハイジ」「宇宙戦艦ヤマト」が放送開始された年だったようだ。
本作の主人公である30歳くらいの独身女性「乃理子」は、ふわふわと行き、気が向けば出会った男性と簡単に寝たりするのだが、当時はこの作品世界は幾らか衝撃的だったろうか? ほんの5年前の全共闘の時代には、こんな軽々しさは無かったような気がする。急速に国内の世相は「軽さ」へ向けて、80年代のあの様相に向かって邁進していたのだろう。
本作及び、本作を初めとする乃理子三部作は当時ヒットしたそうだ。これも時代の気分と合致していたのだろうと思う。
読んでい -
Posted by ブクログ
おせいさんのお話の女性は、恋愛していて振り回されているように見えていても、心の底は冷静というのが好きです。
トモ代と時枝みたいになりふり構わず、というのができない。それは彩子、町子、美紀がそれぞれバリバリ仕事していて、男にもたれかかる(というと言葉が上手くないけど…)女性ではない、というのが大きいんだろうな。
でもそれは、トモ代や静枝ほど、相手のことが本気じゃないことの裏返しかも。
しょうもな…みたいな男性が相手なのも面白い。しょうもな…とわかっていても離れがたいのが切ないです。
浜野悟が俗物になって退場したのは良かったけど、啓二はちょっと…まぁ、これまでのツケを払ったのかも。。。
それにし -
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。タイトルと可愛らしい表紙に惹かれ、「恋愛小説の名作」という帯の売り文句に釣られて購入。
ハッピーエンドともバッドエンドともとれない、それでも読んだ後にはホッとするような温かい後味が残る12編の短編集だった。今でいえばダメンズとも捉えられるような男性に振り回される女性が多く登場するが、不思議と誰もそれに対して不幸であると感じていなく、むしろ後味が良い結末を迎えているのが面白い。すべてのお話の舞台は関西で繰り広げられているため、登場人物たちの軽快な関西弁もたまに重くなる空気も和らげているようだった。
中でも特に好きだったのは「ひなげしの家」だった。ひなげしの家に暮らす主人公の叔