【感想・ネタバレ】ジョゼと虎と魚たちのレビュー

あらすじ

足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。世間から身を隠すように暮らし、ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、管理人として同棲中の、大学をでたばかりの恒夫。どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作「ジョゼと虎と魚たち」のほか、仕事をもったオトナの女を主人公にさまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短篇、八篇を収録した珠玉の作品集。

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Posted by ブクログ

9つの短編集
水色の涼しげな装丁に惹かれて購入したが、
内容は少し危険で甘美だった

いくつも男女間の話を読んできたけど、
作者によってこうも違うのかと
味わい深かった

( )内で心の内や説明を描き、
関西弁が飛び交う自然体の会話劇に
妙な親近感を覚える

時折、鋭利な心理描写で核心を突く表現や、
その後はどうぞご自由に想像してください
という話のスタイルが徹底されてて心地よい

表題作は映画化や漫画化もされてるようで、
確かに設定が面白い(といえば語弊かあるが)
ので凄く映像向きだと思う
話も良かった
他に「恋の棺」も特に気に入った

​田辺聖子さんの作品を初めて読んだ
内に欲望をひた隠しながら生きる、
そんな「二面性」を抱えた女性の描き方が
抜群にうまいとおもった

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

実写映画が好きだから読んだ。
どの話も素敵。女性の魅力、女性に産まれたことの素晴らしさを思い出させてくれる。「恋の棺」が一番好きでした。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

好きだ~~~!短編集だけど全部好き。
文章の手触りも思想も心地よい。

「しかしその楽しさを世間に告白することはないのだ。」という主人公の女性にならって、この共感は胸の内に秘めておこうと思う。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

女性目線の短編集

男だが楽しめた
ハードルは高かったが、やっぱりジョゼの話が一番好き
表現が難しいけど、こういう障がい者の心構えというか生き方はカッコいいと思う

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

初めて田辺聖子を読んだ。

大人の女性、それも手に職があり地に足のついた、賢い女性の恋が、解像度高く美しく描かれていて、ぐいぐい読まされた。
恥ずかしながら著者について何も知らないが、著者自身もとても賢い方だろうと思った。

昭和に書かれた本にも関わらず古いと思うことなく読める。
結婚という形に囚われない恋に漂う空気感をすごくよく捉えている気がして、それが言語化されていることに感動した。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どの話も好きだったけれど、ジョゼと虎と魚たちはタイトルにもなっているとおり、他とは違う 心にずしんとくる余韻があった。田辺聖子さんの表現が好きだ。

山田詠美さんの解説「-そして、時には自分で意識していなかった真実を指摘されてぎくりとさせられる。思わぬところでさらけ出された自分の正直さに少しうろたえることもある。けれど、その感情は決して不快ではない。」にすごく共感した。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

本日は 田辺聖子さんの ご命日でもあります。
最近では おせい忌として認知されつつあるようです。

「お茶が熱くてのめません」
人気が出始めた脚本家の女性のところへ、かつての恋人がきちんとアポを取って七年ぶりに訪ねてくる。
再会した彼は、昔と同じように頼りなさはあるものの、女はまだ情が残っていて、必要ならお金くらい貸してもいい、そう思ってしまう程度には、過去を許している。

しかし、男の“本当の用件” 、自分の人生経験を原作として買い取ってほしいという依頼を聞いた瞬間、女の心は遠のく。
あまりに自然で、あまりにリアルな文章。

「うすうす知ってた」
父の死後、母と娘ふたりだけになった家族。
物語は姉の視点で進み、妹との距離や関係の変化が、説明しすぎることなく、ごく自然に語られていく。
家族というのは、互いの秘密も弱さも、言葉にしなくても “うすうす知っていた” のだと気づく

「恋の棺」
叔母と甥の恋。
惹かれあっていたのはわかっていた。
一度だけの関係を棺に収める。

「それだけのこと」
夫とは、気の置けない“相棒”のような関係。
彼の一人遊びだって許せるし、そこに不安もない。
そんな妻が、趣味を仕事にした先で出会った若い男の子に、ふと心をゆるしてしまう。
デートめいた行動もしてみる。
それは決して生活を揺るがすような恋ではない。
ただ、それだけのこと。

「荷造りはもうすませて」
結婚して10年。
夫は、子どもを実家に残している再婚者。
時おり彼は実家へ戻り、用事をこなして、その日のうちに帰ってくる。
夫との生活は楽しい。
が、離婚した元の妻が “実家に戻った” ことで、
自分の居場所がいつの間にか別宅のように感じられてしまう。
十年の月日を積み重ねても、
子ども、という壁の前では揺らいでしまう女。
うまいなあ、聖子さん。

「いけどられて」
若い女に子どもができ、折り合いの良かった妻と別れてその元へ向かう男。
自分が選んだ道なのに、
最後まで元妻に甘えようとするその未練がましさ。どこか不憫でもあるけれど、
正々と不幸になれ。

「ジョゼと虎と魚たち」
この短編集を選んだのは、表題作を読みたかったから。
2003年に実写映画化、2021年にはアニメ映画化もされ、どちらも観ている。
そして、どちらも名作だと思う。
驚いたのは、普通なら映画化で原作をギュッと凝縮しそうなところ
むしろ“世界を広げて”見せていたことだった。

これだけの短編と知って少し意外に思いました。
けれど、短編だからこその余白と余韻はさすが。

「男たちはマフィンが嫌い」
手作りマフィンは食べない男達。
結局は、女の気持ちをわからんのかな。
待つのをやめて、若い男の子と他の世界へ。

「雪の降るまで」
あくまでひとりで生き抜く力のある女性を
それでも女性であることを基調とした生き方で描く総集編的一作だと思います。

先日の柚木麻子さんの講演でも 田辺聖子さんに触れていました。吉屋信子さんの作品が大好きだった田辺聖子さん。このお三方の小説に出てくる女性たちは 元気という言葉では しっくりこないのだけれど 自分が進みたい方向がわかっているというような。女性であることを否定しないで一人で立っていられるような女性を書いているような気がしてます。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前、映画を観たことがあった作品(日本映画、韓国映画、アニメ)。原作小説があることは知っていて、いつか読みたいと思っていたものをやっと。
これは短編集の一つだったんだね。
妹の恋人に浮ついてしまうとか、
不倫とか、
別れとか、
障害者の恋愛とか、
様々な女の感情のお話たち。
理解できない感情もあったり。でも、どの話も面白かった!
『ジョゼと虎と魚たち』は、小説や映画によってエンディングが違う。個人的には、「これが現実だよな」と思わされる日本映画のエンディングが好き。アニメと韓国映画は忘れちゃった。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

すきだわ〜
中学生の時に読んで25歳の今再読。まじで味わいが違う。記憶も違う。
なんかしみじみしたなー

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

392
【なぜ読もうと思ったのか】
朝活で、SNSのフォロワーさんが「不機嫌の椅子と言うワードが気になり、ネット検索してヒットした本

【何を学んだのか】
1あまり心に響かなかった
2幸せって目の前にあるもの。
3わがままと不機嫌は別なものなのかも?

【いつまでに何をするのか】
いつも機嫌よくいた
目の前にある今を大切にしたい

【最も印象に残った一文】
完全無欠な幸せは、死そのもの

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

「一ばん怖いものを見たかったんや。好きな男の人が出来たときに。怖うてもすがれるから。……そんな人が出来たら虎見たい、と思てた。もし出来へんかったら一生、ほんものの虎は見られへん。それでもしょうない、思うてたんや」

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

ラブロマンスになりきれない男と女の短編集。
田辺さん作品ならではの、さらりと読みやすい大阪弁の文章が心地よい。以前読んだ乃里子三部作にも出てきた、妙ちくりんだけどやさしくて憎めない男たちが今作も盛りだくさん。寄りかかるのは良いけれど依存するのはまっぴらごめん、と地に足つけてどこへでも行ける女たちの生き様が、自分の価値観にぴたっとはまって清々しい気分になる。特に、表題作の『ジョゼと虎と魚たち』と『荷造りはもうすませて』が好きで、後者の「不機嫌というのはひとつきりしかない椅子で、片方が先に座ったらもう片方は立っておかなきゃいけない椅子とり遊びなのよ」という考えは、常に心に留めていたいと思った。

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

確固として存在する現実の生活の中に、柔らかく生々しく自分の内に秘める欲望や哲学が、様々な表情を伴って顔をのぞかせる小説。

現実と欲望を対置することによって、読者は物語世界に引き込まれる。主人公の欲望の正体を見たいと思ってしまう。恐れよりも好奇心が勝って暴きたいと思ってしまう。

曖昧さやぎこちなさや気まずさといったものがたち現れても、最後にやはり「自分」が残る。

それぞれのお話でもちろん「自分」の残り方は違う。逢瀬を経たり、別れの準備をしたり、身体を重ねたり、言葉を交わしたりする中で、「自分」は変わったり変わりそうで変わらなかったりする。

越境や交差。そのぎりぎり、スレスレのところで「自分」は揺らぐ。しかし確かに残る。その心の機微が非常にうまく表現されている。

多様な色彩を帯びて、温い、この本を抱きしめて眠りたい。
そしたら俺も「死んだモン」になれるのかな。

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

ずっと読みたいと思っていた作品、ようやく。

田辺聖子の描く、静かに何かを悟っている大人の女性像が本当に素敵。
男は女が何を悟っているのかに気付けない。
秘すれば花。

この小説に登場するのは男が中心の生活を送る女性では無く、生活や仕事に向き合って手慰みのように男と遊ぶような女性ばかり、その余裕っぷりたるや。
別にあんたが居なくても生きていけるのよ、と男たちに感じさせるような女性たちにやられた。
行間が広くて、文章からも登場人物たちの余裕みたいなのが感じられる、素敵。

解説が山田詠美なのも個人的にめちゃくちゃ嬉しかった。
田辺聖子もっと読んでいきたい。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

あかん男がようさん出てきよった。だらしないっていうか、情けないっていうか、自分本位でわがままっていうか、そんな男がばっかしでもないけど、ほとんどの話はそうやったなぁ。それにひきかえ、女の人はなんか魅力的やった。ちょっと年上っていうのが多かったな。んで、若い子をたぶらかすってまではないけど、ちょっとええ感じにさせるっていうか。オトナの女の人ばっかしやった。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

田辺さんが描く恋愛小説は生々しいと思う。
側から見るとなんだか面倒くさくて、複雑そうな関係なのに本人たちはまぁまぁ幸せそう。最初は不思議だったけど、恋愛ってそういうもんだったなと思い返した。当事者じゃないと分からないことがたくさんある。感情移入せず、まるで恋愛話を聞いているかのように読み進めた。結局、あなたたちが幸せならそれでいいんじゃない?と登場人物たちに声をかけたくなった。

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

10年以上前に映画は観ていて、正直あまり残っていなかったが、
最近読んだエッセイで小川洋子さんが敬愛されている作家さんの本だという事で、俄然に興味が湧き読た

表題のジョゼしか知らなかったけど、
短編集で其々不倫やらなんやらと直球な恋愛話ではなかった
でも1発目から好きだ

とても艶かしい文脈
ジョゼめっちゃ可愛い
虎のとことかキュン死
もっかい映画も観てみよ

所々に出てくる地名が地元の近くなのも嬉しい

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

僕はこのお話、映画が先でした。
2003年の日本映画。池脇千鶴さんと妻夫木聡さん。特に池脇千鶴さんは一世一代の(というとまだまだ活躍中なのに失礼ですが)当たり役、ハマリ役、凄味まで感じる存在感でした。犬童一心さん監督作品。実はこの監督さんは、「ジョゼ」以外、不勉強で知りません…。
映画が素敵なだな、と思ったら「原作 田辺聖子」。
1984年に発表された短編だそうです。
「ジョゼと虎と魚たち」
正直に言うと、田辺聖子さんというと、やたらとエッセイ集ばかりが目についてしまって。
オバサン~オバアサンご用達の雑文屋さん、「かつてちょこっと小説家だった」というタイプかな、と勝手に偏見を持っていました。
その後、たまたま「言い寄る」という小説を読んで。
軽めの風俗小説なんだけど、実にオモシロイ。軽いと思わせてぞっとさせる。
関西弁で、ちょこっと明るいけれど、向田邦子さん真っ青な味わいと切れ味。
という訳で短編集「ジョゼと虎と魚たち」
・お茶が熱くてのめません
・うすうす知ってた
・恋の棺
・それだけのこと
・荷造りはもうすませて
・いけどられて
・ジョゼと虎と魚たち
・男たちはマフィンが嫌い
・雪の降るまで
ほとんどが、1980年代なんだろうなあ、と思われます。
景気は悪くない。女も仕事がある(一部の人だろうけど)。だいたいが、服飾関係の働く女性。だらしないけど憎めない年下の男性。離婚。
なんというか…夫婦善哉、現代版、男の身勝手、女の感じ方。
敢えて、一篇一篇備忘録を付けるのも野暮な気もしますので割愛しますが、どれもぞくっと面白い中で、
●40代で事務職で独身で地味だけど実は資産があって自立しててエロい女性のお話。
なんていうのは、ちょっと変わり種でより印象に残りました。
それから。
何と言っても、「ジョゼ」ですね。
この短編集の中でも、ひときわ、異彩。孤立しています。孤高です。
映画も素晴らしいけど、やっぱり原作も凄かったですね。
なんだかもう、「火垂るの墓」を読んでいるようなグサグサした突き刺され方と、関西弁のスピード感に包み込むどうしようもないユーモア。
そして突き抜ける、ジョゼという女性のキャラクターの水が撥ねるような魅力。
つまりは、生活レベル最底辺の障害者の女に、情夫が出来た。
それだけのことなんです。
それだけのことで、こんなに涙ナミダで笑えて痛くて、あっという間に読み終わる。
でも誰がこれを笑えよう。誰がこれを哀れむ資格があるものか。
たまりませんね。
田辺聖子さん、実はモノスゴい金脈だなあ、と。
楽しみです。
(関西暮しを終えて、どうにも関西弁がなつかしい、というのもありますが)

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2025年01月30日

Posted by ブクログ

 芥川賞受賞作『感傷旅行』(1964年)を読んで以来の、数十年ぶりの田辺聖子さん。田辺さんはその後歴史・大衆寄りに軸足を移していきます。本作は9編を収録した1985年発表の短編集です。

 どの短編も身近な設定で、女性の恋愛を中心に時代背景を感じさせない魅力があります。様々な立場の女性たちの感情がリアルで、今も昔も女性たちの欲や恋心の機微は普遍的と思え、田辺さんの女性の生き方への愛情が滲み出ている気がしました。

 表題作だけが異質な印象で、このわずか26ページの短編が、2003年の実写映画、2020年の劇場アニメ版の公開、さらに漫画化へ続きます。2020年には韓国でもリメイク映画化! 

 確かにこの表題作、短い物語の中に「喪失」や「幸福」などのテーマがかなり深く潜み、だからこそ表題になり映画になる(想像が膨らむ)秘めた力を感じさせます。普段、原作の映画化作品は観ない派なのですが、これはたまらなく観たくなりました。

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 2003年実写版(116分)は、犬堂一心監督、妻夫木聡・池脇千鶴主演作品。結末の設定(ジョゼの重要な脳内思考と扱い)が脚色されていました。
 2020年韓国リメイク版『ジョゼ』(117分)は、日本では翌年、原題と同タイトルで公開。日本版から17年後の製作で大筋は同じも、細部が韓流に…。
 2020年長編アニメーション(98分)は、タムラコータロー監督、中川大志・清原果那主演作品。2人が共に夢を追うキラキラ純愛物語に大変身でした。

 失われた自分の回復、再生への方向性など、原作と映画の表現の違いを楽しめました。どっちがよいかは愚問ですね。表現の幅が広まるのも「原作のもつ力」所以かもしれません。

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2026年04月12日

Posted by ブクログ

1985年刊行とのことで、その時代背景を鑑みれば、この短編に出てくる女性たちは、今と比べて窮屈な社会だと思うのに…何故かみなユーモアを感じるし、自由に生きてるなぁと。
大阪弁だと温かみ感じるなぁ。
そして田辺聖子はファッション関係の仕事に精通しているのかしら。やたらとアパレル関連のエピソードが出てくる気がします。
不倫、年下を弄ぶ女、バツイチ子持ち、略奪愛、金持ち社長、現実逃避の恋…、中年の恋
幸せって人それぞれなんだと、改めて感じます。
タイトルが全部よい。

◾️お茶が熱くてのめません
あぐりがなんやかんや、元カレ吉岡を意識して情を捨てきれない様がおかしい。無邪気な男ってずるいね。ダメだよこんな男。
詐欺で会社を倒産させてしまった吉岡の話を、作品のネタとして買わないか?という、なんともアホなお願いだった。
「茶は熱いうちに飲め」とは言うものの、熱すぎて飲めず、喉も渇いてイライラするあぐり。
お茶を飲むのも、恋焦がれた相手も、タイミングが合わなければならないのですね。


◾️うすうす知っていた
彼氏なしで結婚には程遠い、夢みがちの姉。妹の結婚報告を機に、自分が実は目を逸らしていた問題と向き合う。歳は下でも、いつの間にか大人びてしっかり者になってた妹。気づいていたけど、知らぬふりをしていたけど、うすうす知っていた笑
安物のフリフリの服を好むのは勝手だけどね、でもなんか、いい加減お姉ちゃん現実見なよ!ってなるよね。

◾️恋の棺
禁断の恋は、最初で最後のセックスのみで葬る。
最高の思い出になるだろうし、甥っ子からしても、そりゃ忘れられない経験になるだろうなぁ。
年上女が年下男を弄んでいるようで、実は本気にならぬよう「二重人格」になって、熱い想いを隠しているんだろうな。
そして、元夫に言われた「二重人格」という言葉に、傷ついたんだなと。

◾️それだけのこと
人前では仲良しを演じているが、仕事人間の夫に本当は寂しさを感じている妻。仮面夫婦。
そんな心の寂しさを埋めてくれる堀サン。チキという指人形を介してのコミュニケーションしてる一見バカップルがかわいいよ。
それだけのこと、とタイトルに示すけれど、主人公にしたらそんな小さな事ではないはず。なんだか少し切ない。

◾️荷造りはもうすませて
無い物ねだりとはまさにこういうこと。
夫は元嫁との間に子がいる。
再婚の自分は子無しで、夫婦水入らずな暮らし。
きっと元嫁からみたら、羨ましい暮らしだろうよ。


◾️いけどられて
生け捕られて
って事ですよね。略奪ってことですよね。
この稔って男最低すぎて笑っちゃう。そんなに梨枝からしたら魅力的なのかしら。他所で子供作って出ていく男に弁当作ってあげる梨枝も梨枝だわ!


◾️ジョゼと虎と魚たち
高飛車で素直じゃないけど、
大阪弁で言う「帰ったらいやや」は可愛すぎる。
ジョゼにとって怖い生き物、虎。そんな虎に会うのは、好きな人ができたとき。怖くてもすがれるから。と言うジョゼは、気丈そうに見せてるけど、本当は怖がり。虎が象徴するのは、障がい者のジョゼに向けられる偏見や悪意。
そして「死んだモン」になったと言うジョゼは、幸せ=死と感じており、それは社会から隔離して恒夫と二人きりで過ごす永遠の世界なのだ。
彼女にとって社会で生活すること、すなわち生きること=絶望なのかもしれない。
もともと映画が大好きで、その後にこの原作を読んだわけだけど、原作の儚い世界観はきちんと再現されてて、やはり映画も素晴らしい。

◾️男たちはマフィンが嫌い
恋人の別荘で待ちぼうけをしているミミの元に、恋人の甥の連が来る。空腹がちの若い子にはいいだろうと、簡単な割に見ばよく、美味しそうなレーズンマフィンも作っておくのだが、「そういうの、きらいやねン」と言われてしまう。
見ばよくでき、簡単に作れるマフィン、実はミミ自身もあまり好きではない。ミミの自己満足のために作っていたということに、気づく。
マフィンはぶりっ子、酔い潰れる若い娘、くねくねした女、の象徴なのかしら?

◾️雪の降るまで
51歳大庭、この人ただのエロジジイだと思うんだけど…以和子は夢中で惚れている。
京都の古いお宿でスロモーに出される食事。
艶かしく大人な情事、冬の静かな夜、あぁ、アダルトだわ。

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2026年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大人の雰囲気漂う恋愛短編小説集です。恋愛の一瞬の時を切り取ったような小説が多い印象を受けました。どの短編も会話文のほとんどが関西弁なのですが、聞く分には違和感なく聞ける関西弁が、文字にするとこんなにも違和感を感じるものなのかと思いました笑

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表題が読みたくて買った。
他の話も面白かった。仕事を持った女と男との愛と別れを描いた話。
恋の棺がお気に入り。

ジョゼと虎と魚たちはアニメ化もされている話。これが元ネタなのかしらん。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アニメ映画から原作に辿り着き拝読。想像してた爽快さに反して、女性の心情描写を軸に男性との関係性を繊細に官能的に描いた短編集。表題作であるジョゼの「完全無欠な幸福は死そのものだった。」という言葉が鮮烈でした。男性よりは女性におすすめ。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

不倫は文化とか言われていた時代を感じさせる作品(全然イヤな意味でなく)

不倫のお話って不愉快なものが多いけれど、なぜかちっともそう思わなかった。
歳を重ねて自分自身の受け皿が大きくなってきたのもあるのかもしれない。

「ジョゼと虎と魚たち」
好きな男の人が出来たときに...こういうジョゼの考えかたが好きだなと思った

「男たちはマフィンが嫌い」より
遭難救助者のようなセックス
これすごい表現のしかた!

あまり好みでなかったのは「恋の棺」
関係性が私には受けつけなかった

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

 初めて読む作家さん。どの短編も女性が主人公で、女性の様々な心情を解像度高く描き出す描写力の巧みさが魅力的だった。
 そして、大概においてどうしようもない男が登場するのだが、誰しもが憎もうにも憎めない造形が成されているのが面白い。
 関西弁の会話のテンポが再現された筆致も流石で、失われつつあるコテコテな言い回しが関西人の私にも新鮮で心地良かった。

 印象に残ったのは「うすうす知ってた」と表題作の「ジョゼと虎と魚たち」だ。
 前者は身につまされる話だった。主人公の心情を追いながら、これって私のことなのではないかと共感することしきりで、自分の胸の内を文章化されたようで気恥ずかしい。
 後者は、高飛車なジョゼが不思議と愛しくて仕方なくなる。恒夫との純愛が素敵だが、いつかの破綻を予感させる切ない余韻が堪らない。実写版やアニメ版が観たくなった。

 理解出来ない感情を咀嚼するのに苦労したりもしたけれど、男ながら女性の心理に共感出来たりもして、こういうのに性別は関係無いよなと、改めて感じた次第だ。
 もし田辺先生が生きておられたら、性が多様化した現代でどのような物語を紡がれるのだろうかと、とても気になった。きっと、素敵な作品を書かれたに違いない。

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

田辺さんの文章を初めて読みました。今回は、表題作の
『ジョゼと虎と魚たち』だけ読みました。
理由は、以前読んだ韓国エッセイで紹介されていて気になったからです。

高飛車でツンツンしているが、甘えたり素直になったりする面もあるジョゼがとてもかわいいなと思いました。
久しぶりにエロチックなものを読んだのも新鮮でした。

印象に残る作品だったので、他のお話も読んでみようと思います。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ってタイトルの映画あったよな…と手に取る。
単純な私には少しばかり(いやかなり)難しい大人の男女のあれこれ。解説の山田詠美もまた甘し。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

つりあいのよく取れている。
バランス感覚と説得力を持つ作品集だ。別れの寂しさと、それが過ぎ去った後の解放された様なきもち。
この説得力が、僕の気持ちをとてもざわざわさせる。
それにしても、西の言葉ってすてきだ。
表題作のジョゼと虎と魚たち、これはぼくの中の大事な、振り返ったあの日に近づけてくれる。

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2025年04月04日

Posted by ブクログ

特徴的な方言や言い回しが読んでいて気持ち良い。

時代もあるのだろうが、不倫や浮気が気軽に行われており、共感できないなー、救いようがないなー、と思うストーリーもあった。

その中でも苦手なカップリング(歳の差、未成年、叔母と甥っ子)であるはずの『恋の棺』が、なぜか個人的に一番好きな短編だった。美しい文章と、背徳感。。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

 二重人格だって他人から指摘されたら、私だったら笑ってしまう。ずいぶん平面的に人を捉えてるんだなと。
 相手によって態度が変わったとしても、そういう態度をとろうと選んで振る舞ってるのは私だから、全て私なのに。

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2025年03月09日

ネタバレ 購入済み

映画とは全く違う

映画の原作という事で購入しました。設定は同じところもありますが、別作品と言っていいくらい雰囲気は異なっていました。映画のような甘い感じを期待しない方が良いです。さらっと読む短編です。
他の短編も読みましたが、中年女性の色恋の話が多いです。個人的には、あまり心に響きませんでした。

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2022年07月17日

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