あらすじ
足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。世間から身を隠すように暮らし、ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、管理人として同棲中の、大学をでたばかりの恒夫。どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作「ジョゼと虎と魚たち」のほか、仕事をもったオトナの女を主人公にさまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短篇、八篇を収録した珠玉の作品集。
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Posted by ブクログ
どの話も好きだったけれど、ジョゼと虎と魚たちはタイトルにもなっているとおり、他とは違う 心にずしんとくる余韻があった。田辺聖子さんの表現が好きだ。
山田詠美さんの解説「-そして、時には自分で意識していなかった真実を指摘されてぎくりとさせられる。思わぬところでさらけ出された自分の正直さに少しうろたえることもある。けれど、その感情は決して不快ではない。」にすごく共感した。
Posted by ブクログ
大人の雰囲気漂う恋愛短編小説集です。恋愛の一瞬の時を切り取ったような小説が多い印象を受けました。どの短編も会話文のほとんどが関西弁なのですが、聞く分には違和感なく聞ける関西弁が、文字にするとこんなにも違和感を感じるものなのかと思いました笑
Posted by ブクログ
表題が読みたくて買った。
他の話も面白かった。仕事を持った女と男との愛と別れを描いた話。
恋の棺がお気に入り。
ジョゼと虎と魚たちはアニメ化もされている話。これが元ネタなのかしらん。
Posted by ブクログ
アニメ映画から原作に辿り着き拝読。想像してた爽快さに反して、女性の心情描写を軸に男性との関係性を繊細に官能的に描いた短編集。表題作であるジョゼの「完全無欠な幸福は死そのものだった。」という言葉が鮮烈でした。男性よりは女性におすすめ。
Posted by ブクログ
お茶が熱くてのめません
昔は吉岡に振り回されていたあぐりが自身の脚本のヒットと吉岡の会社の倒産で立場が逆転して縋られる顛末をあぐりの心情を中心に描写
立場が変わるだけでこんなにも女性の態度が変わるのかと思うと少しゾッとした。
うすうす知ってた
なんかまったり生きてたら置いてかれるよね、まぁこの主人公も危機感忘れちゃったみたいだけどって話
恋の棺
好意と冷たい分析とは、宇禰のうちで抵抗なく両立している。
子を持つということは限りなくエゴを知ることだ。
性格の悪い1面と純粋な一面があるのが少し共感出来たかも。二重人格とは行かないけど自分の中でふたつの主軸があるみたいな
それだけのこと
不倫カスのお話ね、
荷造りはもうすませて
不機嫌というのは、男と女が共に棲んでいる場合、ひとつっきりしかない椅子
どっちか先にそこへ座ってしまったら、あとは立っていなければならない椅子取り遊び。自分が座っちゃいけない
旦那が子供に定期的に会いに行くけどそこに元妻もおるの黙ってたってなかなか嫌やなその家の支援しなきゃ行けないのも嫌だし
いけどられて
浮気されて元旦那に出ていかれるけど飄々としている女性の物語
人情味はあるけど心持ちの広い様子を描写し続けるから少し違和感を持ちながら読み進めるけど、その違和感の正体がいけどられる彼に対比される放たれた身にあることがわかる。たしかになぁ。
俺も浮気された時喜怒哀楽で言ったら楽だったかも。ずっと縛られてたような気がしてたからか。浮気別れだったから失望が勝ってとか考えてたけど、俺も放たれたことに安心してたんだな。
ジョゼと虎と魚たち
完全無欠な幸福は、死そのものだった。
アタイたちはお魚や。「死んだモン」になった
障がい者を巡る、少し遠い世界のような身近にある話。完全無欠な幸福が死か。そうか。
映画とは全く違う
映画の原作という事で購入しました。設定は同じところもありますが、別作品と言っていいくらい雰囲気は異なっていました。映画のような甘い感じを期待しない方が良いです。さらっと読む短編です。
他の短編も読みましたが、中年女性の色恋の話が多いです。個人的には、あまり心に響きませんでした。