田辺聖子のレビュー一覧
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ネタバレこの時代の女性は良いように周囲の環境を利用し、流されないと生きていけなかったのかなと感じた。
とはいえ、自分の意志も無くただ流されるだけでは女三の宮のように面白みも無い人物になってしまうのだろう。
その辺りの塩梅がとても難しい。
男と政治ありきで賢く動かないと女性が豊かに生活できないのは、あまりにも自主性が無く窮屈に感じた。
紫の上の死は何度読んでも悲しい。
光源氏にとって理想とする女性でも、女三の宮や世間の風評に悩んでいたのが辛く感じた。
光源氏も周囲に素晴らしい女性がいるのに、次々と別の女性に手を出してすごいなと感じた。
谷崎潤一郎や森絵都など他の作者訳での源氏物語を読んでみたいと強く思 -
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貴族のお姫さまなのに意地悪い継母に育てられ、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられている、おちくぼ姫と青年貴公子のラブ・ストーリー。千年も昔の日本で書かれた、王朝版シンデレラ物語。
実は読んだことがなかったのですが、田辺聖子さんの訳は結構アレンジが効いているのですね。読みやすかったし取っ掛かりとしてはとても良いと思う。原著で読むのはさすがに心折れそうなので。昔から、一般庶民(むしろ虐げられている不幸な身)が玉の輿でハッピーエンドというのは憧れの的だったんだなあ。今と違ってそうそう恋愛結婚もなかっただろうし。でも現代女性にこの形が理想と捉えられるかはまた微妙なところかもしれない、とも -
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ネタバレお茶が熱くてのめません
昔は吉岡に振り回されていたあぐりが自身の脚本のヒットと吉岡の会社の倒産で立場が逆転して縋られる顛末をあぐりの心情を中心に描写
立場が変わるだけでこんなにも女性の態度が変わるのかと思うと少しゾッとした。
うすうす知ってた
なんかまったり生きてたら置いてかれるよね、まぁこの主人公も危機感忘れちゃったみたいだけどって話
恋の棺
好意と冷たい分析とは、宇禰のうちで抵抗なく両立している。
子を持つということは限りなくエゴを知ることだ。
性格の悪い1面と純粋な一面があるのが少し共感出来たかも。二重人格とは行かないけど自分の中でふたつの主軸があるみたいな
それだけのこと
不倫カ -
Posted by ブクログ
作家や著名人の犬エッセイショートショート。
著名な作家を中心に、漫画家、イラストレーター、映画監督など、著名人が犬について書いたエッセイ集です。犬との出会い、犬との思い出、別れなど、テーマ別にまとまっていて読みやすかったです。が、それぞれが短いということもあってなかなか頭に残りませんでした。印象的なエピソードは、椎名誠のお母さんのトラウマ級の非道で、そんなことされたら僕も一生恨むだろうなあ、と思いました。あとは彫刻家の舟越保武さんの章や、寺山修司の話もよかったです。いせひでこさんのイラストエッセイはほんわかしました。うんうんそうだよね、犬ってそういうヤツだよね。
しかし全体的には昭和が中心の -
Posted by ブクログ
古い恋愛小説でした
昔ながらでありつつハイソサエティなノリを目指しているんですが、どうガンバっても古典に見えました
クドいほどの値踏みが広げられていて、でもそれが男の魅力的な紹介になっていました
駆け引きのテンポがサクサク進んで心地よく、3人の男性どれも男らしく魅力的でした
主人公以外の女はどこか頭が悪そうで、それは屈託のなさの裏返しで妬ましく映っていました
中盤での友人の妊娠にかけて、主人公が転落していく展開が好きでした
周囲のキャラの魅力が昇っていくに伴い、変化しない主人公は取り残されていって、そこからストーリーに引き込まれました
ラストの五郎と美々を受け入れるシーンにかけてマンション