あらすじ
生真面目で好奇心旺盛な雑誌編集者の彩子、ボーイフレンドと長続きしない歌手志望の町子、金儲けが趣味のOL美紀。同居生活を送る3人が、それぞれの恋愛と仕事を通して、人生の面白さに目覚めていく。軽やかなユーモアをまとって描かれる、恋愛の喜びと哀しみ、自立と結婚、「女の真実」と「男の典型」──人生を謳歌する女たちの姿がさわやかな感動を呼ぶ傑作長篇。昭和42年に執筆されたこの作品には、今と変わらない女性の悩みと喜びが満載です。
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Posted by ブクログ
恋愛がうまくいかなかったとき「貴重な時間を無駄にした」と言う人がいるけれど、楽しかった時間は確かにあったはずなんだよね。なんでこんな男に……と思いながら惹かれることがあるんだよね。分かる、分かるよ、と3人に混ざって恋話をして、励まされたみたいな読後感。
物語にでてくる女性は3人とも、なんらかの悩みをもちながら恋をしていて、それがまた痛いくらいに共感できるのだけれど、最終的にはみんなポジティブに前を向いている。彼女たちみたいに生きたいなぁと思える。結局さ、気の持ちようなんだよね。そう思うだけでも心が軽くなる。
辛い恋をしてる人に、読んで欲しいな。わたしは今出会えてよかったなぁとも思うし、過去のもっと辛い時に読んでいたらもう少し立ち直りが早かったかもなぁとも思う。それくらい、寄り添う力が強い本。
女3人が一緒に暮らしていて、みんなバリバリ働いていて、って今では珍しくないけれど、これが昭和に書かれているのがすごい。あの頃の新鮮さが、今では違和感なく受けとめられているのと、本質的に変わらないものがあるからこそ、時が経っても楽しめるんだよね。ありがとう、田辺さん。
Posted by ブクログ
相変わらず美しくて可愛い恋する働く女性たち。食事なり金なり男なり、どん底に落ちた時の回復方法をそれぞれ心得てるのが頼もしい。その人しかいないって思う場面も、そこから冷めてしまった自分に気づく悲しい瞬間も、恋の全フェーズが詰まってる。惨めな時もユーモアの隠し味があって、最近は田辺節しか読めん。。
Posted by ブクログ
初田辺聖子さんでした。
読みやすくて面白く読めました。
最初は、妙に句読点多いな~って思ったけど、読み進めるうちにそんなの全然気にしてませんでした。
むしろ読みやすい文章に、あの関西弁が軽快ですらすら読めました。
内容もただの小説じゃ終わらない。人生の先輩から色々教わった気分になりました。
読むと、自分が女で良かったと思えます。
Posted by ブクログ
昔ながらの大阪弁が懐かしい。。。
ちょと情けない男の人と、しっかり?してる女の人の組み合わせていうのは、この時代からも定番なのか?と思ったりもした。
Posted by ブクログ
大人の女って、いいなぁ。。。なんて思いました。私も素敵な大人の女性になって、仕事も恋も思う存分楽しみたいですね。関西弁のリズムや温かみも心地よかったです♪
Posted by ブクログ
共同生活(今で言うルームシェア)を送っている彩子、美紀、町子の3人の女のお話。35年前の彩子23歳、美紀29歳、町子20歳という設定なので、現在なら+5歳くらいで考えるとしっくりくるかも。
等身大の女性の物語。恋に悩んだり仕事に追われたり、男を振り回したり振り回されたり。
Posted by ブクログ
1975年に出版されている本。35年も前のこととは思えないくらい、女性が考えていることには共通点がたくさんある。変わらないものの方が多いのか、変化はゆっくり進むだけか。。共感できるところがたくさん。年とるにつれ、こういふうに思うようにもなるんだろう、という点も見つけしゃんと・・未来のことを考えねば・・と反省。。
Posted by ブクログ
おせいさんのお話の女性は、恋愛していて振り回されているように見えていても、心の底は冷静というのが好きです。
トモ代と時枝みたいになりふり構わず、というのができない。それは彩子、町子、美紀がそれぞれバリバリ仕事していて、男にもたれかかる(というと言葉が上手くないけど…)女性ではない、というのが大きいんだろうな。
でもそれは、トモ代や静枝ほど、相手のことが本気じゃないことの裏返しかも。
しょうもな…みたいな男性が相手なのも面白い。しょうもな…とわかっていても離れがたいのが切ないです。
浜野悟が俗物になって退場したのは良かったけど、啓二はちょっと…まぁ、これまでのツケを払ったのかも。。。
それにしても、この時代にルームシェアはいいなぁ。さすがおせいさん!
世話を焼いたり、焼かれたり。お節介したり、心配したり。持ちつ持たれつです。
Posted by ブクログ
田辺聖子さんの本は学生のときぶりに読む。
彩子が悟に対して抱く感情はなんとなくわかる。
一緒にいないときは別に一人でも平気だと思うし、でも会うとこの人なしではいられないと思う。全く逆で、会ってる間に、この人がいなくても平気だと思うこともある。
Posted by ブクログ
神視点めずらしいのでは?場面がころころ変わるので読み辛かったが新鮮だった。
ラストは「またそのラスト!」と思わず声に出して突っ込んだ。
女性の嫉妬や情けが痒いところに手が届くように文になっていて頷いてしまう。
Posted by ブクログ
「女はそれぞれ爆弾を抱えている。」
中でも紅谷に捨てられた妻がひときわ心に残った。無償の愛、ということは簡単だけど、尽くしていることが自分の幸せだと勘違いしているうちは、それはほんまもんじゃないんじゃないかなぁと。自分を愛し、好きなことして、自分を構ってあげられてこそ、コップは溢れて愛せるんかなぁと思った。
この本読んで、田辺聖子の本が好きな理由がなんとなく分かった気がする。それは、登場人物の女の子に心があるからだ。人に感情がある小説は数あれど、なにかあたたかく座っている心を感じるからだ。そしてみんな腹の底では透明な流れをそれぞれ持っている。
Posted by ブクログ
今も昔も男と女は変わらんのだね、と妙に納得して、すっきりとした読後感でした。
ほんと30年前に書かれたとはねぇ。当時としては、刺激的な内容だったんじゃないかと思う。たまに読みたくなるかも。
男の人、たくさん出てくるけど、楠センセに一票!
Posted by ブクログ
最近はまっている田辺聖子。装丁がどれも可愛く再発行している。
3人の働く女性が「ワリカン同棲」している。
いまでいうシェアハウス!
OL(もそろそろいわないけど)のことを
BG(ビジネスガール)としていることも時代を感じて面白い。
考え方の根底や若い女性の気持ちでいえば現代とそう
変わらないのだと思うけれど、言葉がきれいというか
大阪弁なんだけど女性らしく語尾が可愛かったりするのが
最近なんか読んでいて気持ちいい理由なんだろうなぁ。