田辺聖子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
継母と義姉妹にいじめられている気立ても器量もよい姫ぎみが、なんでもそろっているイケメンに見初められ幸せになるシンデレラストーリー。というか、シンデレラより落窪物語の方が古いのだけども。
結婚後、少将と衛門の復讐がやたら詳しく書かれているのもおもしろかった。原作はもっとひどくて長いらしいが、田辺聖子さんがかいつまんだらしい。これくらいのボリュームでぴったりだと思う。姫ぎみと四の君が継母を許してあげているラストシーンがじんわりよかった。
それにしても、落窪物語やとりかえばやといいシンデレラといい、人間が好きな「物語」って千年以上前からたいして変わっていないのだなあと感心。予定調和な物語はバカにさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ平安版シンデレラ物語と帯びにあったので読んでみました。
主人公は才色兼備で血筋も高貴な姫君で、嫉妬した継母に虐げられた生活を送っています。
ある日のこと、姫の噂を聞き付けた少将がアプローチをしてきました。
姫と王子のラブストーリーですが、それだけではないのがこの作品。
シンデレラと違って、魔法使いは出てきません。
主人公には始めから、彼女の身を案じ、幸せを願い、彼女のためにと献身的に働く召使いがいます。
そんな彼女の働きが縁を結びます。
主人公はもちろん姫君なのですが、この召使いもまた主人公のように輝いていて、熱い友情の物語としても楽しめました。
もちろん、主人公の人柄が良いからこそ良い縁が -
Posted by ブクログ
【本の内容】
愛の反対は無関心である。
「死」の対極にあるのは「生」ではなく、「恋」である。
お聖さんのふかーい洞察力によって引き出された、恋人、夫婦、家族たちの本音と真実。
アフォリズムの名作!
恋愛の究極は手ェも握らんとこへ還る。
しょせん男は気立てと甲斐性。
人生エエとこどりでよい。
血は水よりも薄い―。
人間への深い愛と洞察力を持つ著者が行きついた、鋭くてユーモラスな人生の決めフレーズ集。
日々をより楽しくするための応援歌であり、ふとこぼれる本音であり、気持ちひとつで手に入る幸福のさまざまなかたちの提言ともいえるだろう。
[ 目次 ]
男と女
女とは
男とは
生と死 -
Posted by ブクログ
読む本が無くなると繰り返し読む田辺聖子さんの中の1冊。
1990年初版だけど全然古くなく、読むたびに二人の展開にドキドキする。
売れっ子作家になるにつれ、共棲みする秘書兼妻のような蜜子を世間から隠そうとして必死の形相(と感じさせる)男・稀。
少しずつ傷つけられるプライドが痛々しい。
私ならもっとコテンパンに言いたい事を言うのに、と憤るのは年のせいかな。
でも人と衝突する能力がないと自分で言う蜜子はため息が出るほど美しいクリスマスのニューヨークから戻れば何もかもを置いて出て行く覚悟を決める。
そこで物語は終わりだけど、蜜子が出て行った後、稀はどうするのか気になる。
半狂乱で探して、事あるごとに蜜 -
Posted by ブクログ
ネタバレお聖さんの対談相手が、時実新子、永六輔、伊集院静、山田太一、川上弘美、小島ゆかり、沢木耕太郎、という超大好きな人ばかりの奇跡の対談集だわ。(私にとって)
”言い寄る” ”私的生活” ”苺をつぶしながら”の三部作はお聖子さんの核みたいな小説で、男の気持ちを一生懸命書いたとあった。(剛ちゃんの)また是非再読してみよう。
人は、男も、女も、年寄りも可愛げが大事。
笑わせたり、心をやわらげたり、相手に届く言葉を多く持っているか。
人生に行き詰まった時”まぁそんなこともあるな”と笑えるかどうか。
人生を受け入れる柔軟性とでもいおうか。
かもかのおっっちゃんと出会えたことを大ヒット!
巡り合って一緒になっ -
Posted by ブクログ
因果応報ってやつですね。源氏の勢いとかを考えるとブチ切れてもいい事態ですが、昔の自分と同じことしてると思ったら責めれないですよねぇ。
源氏が落ち着いて大して面白みがない分、夕霧がやらかしてくれました。何かあると花散里のもとへと行く夕霧が可愛いです。花散里は癒し系女子ですね。あたしも好きな女キャラです。
紫の上に対しても散々後悔をぐちぐち言っているにもかかわらず、どこかラストは切なくホロリとさせられました。後悔するまでもなく紫の上を傷つけるって分かるじゃないの。これだけ女と接してて何言ってるんだと思いました。でも源氏の人生が終わったというわけではないのですが、一時代が終わったんだなぁという感じの