田辺聖子のレビュー一覧

  • 夕ごはんたべた?

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    近くに阪神電車の踏切があって、一日中チンチンとなっているような、更に百メートルもゆけばドヤ街があって、競艇のある日は、人であふれる安い飲み屋が続いているような、そういう尼崎の下町。に開業して20年になる町医者三太郎。この三太郎博士の「生活語録」がユーモア溢れて何でもない生活がとても豊かに感じます。こういう力の抜け具合、しんどい出来事も一歩引いて諦めとは異なるユーモアで返せる人でありたい。

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    2015年09月19日
  • おちくぼ物語

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    主役は、この「おちくぼの君」というよりも、主人公のお付きの女房なのではないでしょうか(苦笑)

    どこかで見たような展開ということは、この後の作品は「源氏物語」も含め、多大なる影響を与えたということなのですね。

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    2015年09月14日
  • おちくぼ物語

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    継母と義姉妹にいじめられている気立ても器量もよい姫ぎみが、なんでもそろっているイケメンに見初められ幸せになるシンデレラストーリー。というか、シンデレラより落窪物語の方が古いのだけども。
    結婚後、少将と衛門の復讐がやたら詳しく書かれているのもおもしろかった。原作はもっとひどくて長いらしいが、田辺聖子さんがかいつまんだらしい。これくらいのボリュームでぴったりだと思う。姫ぎみと四の君が継母を許してあげているラストシーンがじんわりよかった。

    それにしても、落窪物語やとりかえばやといいシンデレラといい、人間が好きな「物語」って千年以上前からたいして変わっていないのだなあと感心。予定調和な物語はバカにさ

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    2015年09月03日
  • おちくぼ物語

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    とても読みやすかった。継母や義理の姉妹にいじめられる所や位の高い男性に見初められる所はシンデレラとしか思えなかった。

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    2015年05月30日
  • おちくぼ物語

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    ネタバレ

    平安版シンデレラ物語と帯びにあったので読んでみました。
    主人公は才色兼備で血筋も高貴な姫君で、嫉妬した継母に虐げられた生活を送っています。
    ある日のこと、姫の噂を聞き付けた少将がアプローチをしてきました。
    姫と王子のラブストーリーですが、それだけではないのがこの作品。

    シンデレラと違って、魔法使いは出てきません。
    主人公には始めから、彼女の身を案じ、幸せを願い、彼女のためにと献身的に働く召使いがいます。
    そんな彼女の働きが縁を結びます。
    主人公はもちろん姫君なのですが、この召使いもまた主人公のように輝いていて、熱い友情の物語としても楽しめました。
    もちろん、主人公の人柄が良いからこそ良い縁が

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    2015年05月27日
  • 三十すぎのぼたん雪

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    面白かった!
    とにかく古さを感じない。
    言葉などは時代を思わせるが、でもいつの時代も女性の恋愛については同じなのか…共感できた。

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    2015年05月06日
  • 苺をつぶしながら

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    ☆4 容
    35年以上前にこんな奔放で生命力あふれる働く女が小説化されていた事実だけでも胸熱、生を愉しむ心得満載だから女子という女子は読むといい。

    ☆3 水無瀬
    ↑同感。
    「乃里子三部作」第三作。結婚後。タイトルが秀逸だよね⋯⋯

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    2017年02月11日
  • 私的生活

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    ☆4 水無瀬
    「乃里子三部作」第二作。結婚中。『苺をつぶしながら』の評価が高いが私はこれがいっとう好き。自分らしく在ることを一切諦めないのだ、素敵だ。お金の使いっぷりも素敵。

    ☆4 容
    寄り添うことと侵食すること、分かち合うことと押し入ること、の、違いに心を配らなければ共に生きることは難しい。それでも男は我儘で可愛く女も奔放で愛らしい。結婚しよかなと思ったら一度読むべき。

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    2015年04月17日
  • 文車日記―私の古典散歩―

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    あまりにも古典の素地がないので、入門書にしてもハードルが、高すぎました。
    でもいくつも読んでみたいと思わせてくれる作品が出てきて、これからの人生の励みになりました。

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    2014年10月07日
  • 人生の甘美なしたたり

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    【本の内容】
    愛の反対は無関心である。

    「死」の対極にあるのは「生」ではなく、「恋」である。

    お聖さんのふかーい洞察力によって引き出された、恋人、夫婦、家族たちの本音と真実。

    アフォリズムの名作!

    恋愛の究極は手ェも握らんとこへ還る。

    しょせん男は気立てと甲斐性。

    人生エエとこどりでよい。

    血は水よりも薄い―。

    人間への深い愛と洞察力を持つ著者が行きついた、鋭くてユーモラスな人生の決めフレーズ集。

    日々をより楽しくするための応援歌であり、ふとこぼれる本音であり、気持ちひとつで手に入る幸福のさまざまなかたちの提言ともいえるだろう。

    [ 目次 ]
    男と女
    女とは
    男とは
    生と死

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    2014年09月04日
  • 猫も杓子も

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    のりこシリーズと話の構造は似ているのですが、ラストはほろ苦め。女が自由に生きようとすると、いろんな男を傷つけたり、傷ついたり。それでも人生は続く。アラサー小説。私は好きです。

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    2014年06月19日
  • 九時まで待って

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    読む本が無くなると繰り返し読む田辺聖子さんの中の1冊。
    1990年初版だけど全然古くなく、読むたびに二人の展開にドキドキする。
    売れっ子作家になるにつれ、共棲みする秘書兼妻のような蜜子を世間から隠そうとして必死の形相(と感じさせる)男・稀。
    少しずつ傷つけられるプライドが痛々しい。
    私ならもっとコテンパンに言いたい事を言うのに、と憤るのは年のせいかな。
    でも人と衝突する能力がないと自分で言う蜜子はため息が出るほど美しいクリスマスのニューヨークから戻れば何もかもを置いて出て行く覚悟を決める。
    そこで物語は終わりだけど、蜜子が出て行った後、稀はどうするのか気になる。
    半狂乱で探して、事あるごとに蜜

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    2014年03月31日
  • 男と女は、ぼちぼち

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    ネタバレ

    お聖さんの対談相手が、時実新子、永六輔、伊集院静、山田太一、川上弘美、小島ゆかり、沢木耕太郎、という超大好きな人ばかりの奇跡の対談集だわ。(私にとって)
    ”言い寄る” ”私的生活” ”苺をつぶしながら”の三部作はお聖子さんの核みたいな小説で、男の気持ちを一生懸命書いたとあった。(剛ちゃんの)また是非再読してみよう。
    人は、男も、女も、年寄りも可愛げが大事。
    笑わせたり、心をやわらげたり、相手に届く言葉を多く持っているか。
    人生に行き詰まった時”まぁそんなこともあるな”と笑えるかどうか。
    人生を受け入れる柔軟性とでもいおうか。
    かもかのおっっちゃんと出会えたことを大ヒット!
    巡り合って一緒になっ

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    2014年03月25日
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)

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    「宇治十帖」の後半の物語。薫と匂宮の間で思い乱れる浮舟の姿が描かれています。

    「あとがき」に当たる「理想を追い求める恋人たち」というエッセイの中で、著者が源氏が嫉妬を知らないことにもの足りなさを感じると書いているのが、とくに印象的です。円地文子も、須磨に行った源氏の留守に、紫の上にちょっかいを出す男を作らなかったことに飽き足りない思いを抱いていたということも紹介されていますが、確かに紫の上の主体性が見えて、源氏の彼女にかける想いがより生き生きとしたものになったのではないかという気がします。

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    2014年03月12日
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)

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    紫式部の『源氏物語』のストーリーを、現代の言葉で語りなおしたシリーズ「新源氏物語」の続編です。「宇治十帖」と呼ばれる巻が上下2巻に収められています。

    本編以上に、平安時代の恋愛譚が現代的なロマンとしてよみがえったという印象が強く感じます。とくに、恋にややおくての薫と情熱的な匂宮が対比されていて、つい「キャラが立っている」と言ってみたくなります。

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    2014年03月12日
  • 新源氏物語(下)

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    下巻は、「梅枝」から源氏の死までの巻が収められています。

    源氏が女三の宮を引き取る頃から、紫の上がしだいに仏道への思いを強くしていく心境の変化がやや辿りづらいようにも感じましたが、これは現代的な文章にそぐわないテーマであるせいかもしれません。

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    2014年03月12日
  • 新源氏物語(中)

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    中巻では、「蓬生」から「真木柱」の巻までを収めます。

    九州にいた頃の玉鬘に結婚を迫る大夫の監の言葉が博多弁だったり、昔の頭の中将の娘である近江の君がこてこての大阪弁をしゃべったりするのには、ここまでする必要があるのかなあという気がしないでもありません。

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    2014年03月12日
  • 新源氏物語(上)

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    紫式部の『源氏物語』のストーリーを、現代の言葉で語りなおした本です。

    上巻では、「桐壷」の巻は省かれ、「空蝉」から「澪標」の巻までが扱われています。現代のロマンとして読めるような著者の達意の文章にも、現代でも通用する原作のストーリーにも、感心させられることしきりです。

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    2014年03月12日
  • 姥ざかり(新潮文庫)

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    自分の生き方に納得できていたら、これくらい痛快な老後をブレなく送れるのかなーっと思います。周囲は本当に対辺だろうなと思いますが笑

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    2014年01月24日
  • 新源氏物語(下)

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    因果応報ってやつですね。源氏の勢いとかを考えるとブチ切れてもいい事態ですが、昔の自分と同じことしてると思ったら責めれないですよねぇ。
    源氏が落ち着いて大して面白みがない分、夕霧がやらかしてくれました。何かあると花散里のもとへと行く夕霧が可愛いです。花散里は癒し系女子ですね。あたしも好きな女キャラです。
    紫の上に対しても散々後悔をぐちぐち言っているにもかかわらず、どこかラストは切なくホロリとさせられました。後悔するまでもなく紫の上を傷つけるって分かるじゃないの。これだけ女と接してて何言ってるんだと思いました。でも源氏の人生が終わったというわけではないのですが、一時代が終わったんだなぁという感じの

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    2013年12月25日