田辺聖子のレビュー一覧
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ネタバレ最初「苺をつぶしながら」を読み始めてから3部作と知り、
古本屋で「言い寄る」と「私的生活」を買って読んだ後、本作品を読んだ。
独身時代は気にも留めない日常が、離婚して自由になるとキラキラした宝石のような日々に変わってしまう。特に友達と過ごす時間のありがたさ。これは私も痛いほどよくわかる。
また剛と乃里子が会ったときのお互いのぎこちなさ。糸が全く切れた訳ではなく、どこか細くつながっていて、お互いがそれをなんとなくわかっていて安心している。二人の会話は少しハラハラドキドキした。
そしてほっこりとふんわりと乃里子らしいラシトシーン。この先も乃里子は思い付きで結婚したり、あるいは子どもを産んだりするか -
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田辺源氏、再読です。
実は今、橋本治の窯変源氏を読み途中なのですが、解釈が独特過ぎて(!)原作が気になったのだけれどもちろん原文は読めないので、私の中で一番わかりやすいイメージの田辺源氏を読んでみることにしたのです。
窯変源氏で引っかかったのは、若菜上下と柏木の帖。
田辺源氏では、柏木は普通に恋してました。女三宮もそれなりに。
彼女が死に間際の柏木に宛てた返歌、
立ち添ひて 消えやしなまし憂きことを 思ひ乱れる煙くらべに
についての解釈はしみじみと嬉しい、とあったので意外でした。
窯変源氏では、女三宮が書いた時点では投げ遣りな歌でしかなかったのに、柏木の病床で読むと慕いあう -
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一茶は52歳で初めて妻(28歳)を娶り、つぎつぎと4人の子を成す。
「一晩に3回」などとメモに残しているらしい。
まさに「ぜつりん一茶」である。
だが、生まれた子はどれも早世し、そのうえ妻にも先立たれてしまう。
そういった背景を知ると、ただほのぼのとしているだけのように思っていた一茶の句が、実は哀切に満ちていることがわかる。
<雪とけて村一ぱいの子ども哉>
<親と子の三人連や帰る雁>
“いかな雑俳狂俳でも自分の心の声を五七五にまとめるにゃ、七転八倒の苦しみをする、だからこそ、雑俳狂俳でも人の心を打ち、人の頤(おとがい)を解くってもんだ、まして俳諧というのは人の心を清め、高めるもんだ、五 -
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文章が面白い。主人公のりこの心境が()で挿入されてるのとか、新鮮でおもしろい。
古本屋で買ってきて読み終わって、初版が1981年って分かってびっくり。男と女っていうテーマはいつの時代もあって、いつの時代もおんなじようなことを悩んでるんだなって。
のりこは奔放な女性のはずなのに、剛のご機嫌とりもするし、言いたいことも言わない。自分の意思で尽くしてるのに、相手のことを小馬鹿にする。やってることと思ってることはアンバランスだけど、その矛盾に現実味がある。
私は、自分の手で、自分の城に火をつけてきたことなんか、むろん、言わない。剛を喜ばせてあげようということばかり考えてる。/私の私的生活は、みんな剛 -
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田辺聖子の百人一首という本の中に同書の名前が出てきて気になったので読んでみた。小説かなと思って買ったけど小説ではない、、解説本みたいな感じ。
古典作品中の鬼にまつわる話。今昔物語からの引用が多い。
鬼に纏わり付かれる人の話や芸術に通じてる鬼、恋焦がれて鬼になる人…恐ろしさもあるが、それぞれ人間味もある。
昔(平安時代や鎌倉時代など)はあやかしや鬼がいると当たり前に信じられてきて、現代ではなかなか鬼がいる、とは信じられていない。
だが本当は、鬼というものは人間の心に潜むものであって、誰しも鬼になり得るし、現代でも自分でも起こり得るのだなと感じました。(シャーマンキングという漫画で、アンナが鬼 -
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中学生ごろに読んだ本で、断捨離の折に見つけて再読した。
対話形式で分かりやすく解説してある。登場人物の台詞にやや古びた表現が散見され、共感しづらくなっているが、読みづらいというほどでもない。
百人一首の入門書としてはとても読みやすい。
一気に何十ページも読むより、毎日少しずつ読んでいくのがちょうど良い本だった。
内容においては、著者の好みによって、解説の長さや濃さにかなりのばらつきがある。また、解説の長い句でもその句自体の説明でなく作者の経歴や当時の政情など、背景の紹介がほとんどのこともあった。
周辺知識がなくては読み解けない句も多いので、完全に脱線しているとは言えないが。日本史の知識が全く -
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田辺聖子さんの小説を読んでいると、この言葉をメモっておきたいと思うことがよくある。そんな名言を集めた一冊。やはり、小説などを読んでいる中で出会った方が、言葉だけがピックアップされて独立した形で紹介されるより、心に刺さる気はする。でも、明るく、柔らかいけれど芯が強く、温かく、深く、示唆に富んだ素敵な言葉達は、読んでいるだけでも気持ちがアップし、励まされる。
自分も、口にする言葉はこんなふうな感じのものを選びたいものだと思う。話す言葉によって、自分も周囲も気の持ちようが全然変わるだろう。
それにしても、田辺聖子さんが亡くなって、私を鼓舞し、支えてくれるような作品を書いてくれる作家さんがいなくなって -
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上下巻合わせてのレビュー
光源氏が他界し、その子供や孫たちの代の話。
夕霧は順調に出世し、たくさんの子供たちが成長しているが、
本書では『分別くさく面倒な大人』として描かれている。
本書の中心となるのは、女三の宮と柏木の子である薫と、
明石の姫君の息子である匂宮。
薫と匂宮の恋物語が本書の中核を占める。
それにしても薫の運命の辛さ。
匂宮のような軽薄さが薫にもあれば悩みも少しは軽減されたかもしれないが、几帳面が過ぎる部分で自己の懊悩を深めてしまう。
キーポイントになる女性たちは「八の宮の姫君たち」
いずれにしても、悩める薫が本書の主テーマであろう。 -
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中年男性が妻や、職場や酒場で出会った女性達についての所感を吐露する形式の短編集。ページをめくる度に大笑いで、たいへん楽しく読めました。このユーモア感覚は田辺聖子さん独特のものなんでしょうね。たとえば…派遣のやり手社員のことを、包丁一本さらしにまいて会社から会社へと渡り歩いていく助けっ人、あるいは西部の早や射ちガンマンに例えるあたりとか、うーんさすが!とうなってしまいました(笑)。単純に面白いだけでなく、人生の渋みも悲哀も感じられ、また昭和のノスタルジーを感じられるところも良かったです。中年男性の心理についていろいろと学ぶところがあり、中年男性(つまり夫)を見る目が少し変わりました。男達って、な
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ネタバレ売れっ子脚本家だったモリ。50代の妻子持ち、レオと出会って仕事を減らし、彼との生活に没頭する。
この生活がまったりとしていて楽しげでゆるやかで、思わず「かくありたい」と思わせるところがお見事。
自分の価値観、彼の価値観、それがぴったりと一致して、二人の暮らしは桃源郷のようだ。
けれどもそれが崩れ始める。
物書きとしてのモリの欲求、認められたいという思い。
レオとの仲は軋み、不穏な空気が漂い始めたところで物語は唐突に終わる。
実際に「カモカのおっちゃん」との暮らしを大切にしていた著者にとって、それ以上は書けなかったというのが本当のところかもしれない。書いたら現実になってしまう、つるかめつるか