田辺聖子のレビュー一覧

  • 老いてこそ上機嫌
    大阪生まれの大阪育ちの著者が、生家の写真師の技術ではなく、自分自身が磨いてきた「文」でもって悔いのない人生を送る方法を示したエッセー集です。
    内容
    古き手わざ――はじめに
    楽しく老いる
    老婦人のプライドと自立
    自立老人のススメ
    古老の生き方
    幸福を味わいつくす知恵
    仕事を仕上げていく、ということ
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  • 文車日記―私の古典散歩―
    古典の知識が教科書レベル、しかも遥か記憶の彼方にある程度なので、古典の引用を読んで想像するのはだいぶ一苦労しましたが、田辺さんの解釈が古典の作者や登場人物に対する愛情に溢れ出ていて、面白かったです。田辺さん自身のことをもっと知りたいと思いました。
    私自身は松尾芭蕉が好きだったことを思い出しました。「...続きを読む
  • 古川柳おちぼひろい
    初読は、高校生の頃のこと。
    今は絶版。何故絶版なのかなとずっと思っていたのだけれど、再読して何となく合点がいきました。何というか、時代の流れに押し流されてしまう表現がそこここにあるのです。
    でも、それ以上に田辺聖子さんによる川柳から想像されるあの時代の日常描写や会話が目の前で再現されている演目のよう...続きを読む
  • 人生は、だまし だまし
    サヨナラは、「ほな 」。
    夫婦仲は、「そやな」。
    人生うまく生きてゆくために。
    おせいさんの言葉は、
    軽やかだけど、ひとつひとつ 深い。
    「夫婦の間では、〈われにかえる〉ということは、見合わせたほうがよい。」なるほどーー。
    人生はだましだまし、流されるのも佳きものかな。
  • おちくぼ物語
     題材は古典文学だけど、読みやすくアレンジされている。ハッピーエンドなのは良かったけど、少女漫画的な展開でご都合主義ではある。遊び人の少将がこの後もずっとおちくぼに飽きずに愛し続けるかは甚だ疑問。
  • 姥ときめき
    相変わらずの歌子節。
    今回はえらく恋愛沙汰系が多かったけど、
    今の世の老人もこれ位はっちゃければいいのに。
    しかし、年金額のせいかもな。
    今はそれどころじゃない世知辛さ…
  • 姥ざかり
    姥ざかりとつく別の本を探してる時に寄り道。
    おもしろ‼︎
    プッとか吹き出して楽しんだ。
    歌子さん、かっけー。
    作者まだご存命にもびっくり\(^o^)/
  • 春情蛸の足
    主役の男達の気持ちがわかりたくなる。でも実際は、味のわからない妻やまわりのOLに近いと思うので、父や上司たちに「すいませんでした」と言いたくなる。
    「大阪の味」がいまいちわからなくても、グルメ特集のおいしさとは違う、懐かしくておいしい「この味」を求めて奔走する男たちが滑稽で、親しみが湧きます。その「...続きを読む
  • おちくぼ物語
    恥ずかしい装丁だが、非常にたのしく読んだ。うっとおしくならない程度に当時の生活や結婚事情の基礎知識の説明もおりこまれているし、ある程度現代の人にも共感を得やすい感情描写もあって、万人に読みやすい作品だと思う。もともとの物語が良いのだが、扱い方が良い。おちくぼというとなんといっても結婚後、北の方へのリ...続きを読む
  • うたかた
    切ない恋の短編集です。
    最初訳が分からなくなりましたが、だんだん慣れました。
    うたかたの恋はなかなかつらかったですが、こういう恋も
    ありかなと切に思いました。
  • 苺をつぶしながら
    35歳の乃里ちゃんは、仕事もバリバリこなして出来る女なのに、お酒でやらかしたり、感動するリアクションが本能のままに自然と表現出来たりして、とても羨ましいし、可愛い。今後、自分はどうな風に歳をとっていきたいのか、考えたくなる。
  • 私的生活
    乃里子は好きだけど、剛ちゃんと結婚するのはわからんな〜。男と女のことは当事者同士でないとわからないのか。
    生活の描写が素敵。
    乃里子が出来る中年男に魅かれてるのはすごいわかる!
  • おちくぼ物語
    読み始めたら思いのほか面白かったです。
    でも落窪の姫の継母である北の方がいじめエスカレートしていく過程が見ていられず途中で何度読むのをやめようかと思いました(笑)
    阿漕が献身的に姫君を支える姿には感動しました。
    そういう人になれたらいいなーって思います。

    でもあまりにも落窪の姫があまりにも聖人君子...続きを読む
  • 薄荷草の恋
    田辺聖子さんの小説は、女性として少し成長できるような、私にとっては教科書のようだ。
    理想だけを描くような恋愛小説ではなく、リアルなんだけどあたたかい。

    何より、タイトルがツボです。
  • 孤独な夜のココア
    女たちの様々な恋のかたちを描いた12編の短編集。
    歳の差恋愛、オフィス・ラブ、不倫、略奪、騙された恋、幼馴染etc
    その時は想い合う、純粋な恋であっても、やはり一筋縄ではいかず、過ぎ去って思い返してみた時にちくっと胸が痛むような。
    昭和53年刊行なので、感覚は今現在とは違うと思う。20代も半ばを過ぎ...続きを読む
  • 苺をつぶしながら
    まさに女の子!女の子による女の子のための生き方が詰まった小説。泣いて笑って生きることを楽しんでる乃里子は本当に素敵。いやはや、女の子はいくつになっても自分に素直が一番だなあ。
  • 薔薇の雨
    表題作が1番良い。おとことおんな(「男と女」ではないのだ)のしっとりとした恋模様、大人になったらもっと理解できるのだろうか。
  • 女は太もも エッセイベストセレクション 1
    あちら方面の話題を下品ではなく、あるある!と思わせるエッセイ集。男性が読むことの多い週刊誌に掲載されていたとは。男性はじっくり読んでみてほしい。
  • おちくぼ物語
    『舞え舞え蝸牛』の新装版。原作よりもソフトに、少女漫画チックに書かれているので、大変読みやすい。四の姫の件は田辺さんのアレンジで、ハッピーエンドの大団円を迎えられて良かったですね。『落窪物語』は、ついつい手が出てしまう大好きな作品です。
  • 【カラー版】 田辺聖子の小倉百人一首 上
    「田辺聖子の小倉百人一首」に岡田嘉夫さんのイラストがついたもの。紙も上質なものが使われ、カラーの絵が美しい。
    ただ、50首ずつ上下巻にわかれているので、歌を調べたりするのには向いてないかも。。。
    持っているだけで楽しくなる愛蔵書。