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「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現できないすきやき。そして離婚相手と一緒に味わうてっちり……。読むと幸せになれる、食と恋の短編集。笑って恋して腹がすく。
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Posted by ブクログ
見たことのある、食べたことのある料理が これ以上なく、美味しそうに描かれている。 語彙の豊かさ、的確にしてとびきりうまい 言葉選びによって、現れる料理の 艶っぽく、ほくほくで、滋味溢れ、 味わい深いこと。 視覚で与えられ、脳内で膨らみ、 口の中に玄妙な味が広がる。 料理だけでなく、 男女の情愛、...続きを読む人としての気品、 これもまた、さりげなく織り込まれて 小説の味わいを深く、面白くして、 心に滋味を与えてくれる。 読後、とびきりの ごちそうさんでした。 が、誰かに言いたくなる。
食と恋の短編集、ただし登場するのは出汁で食べさせる大阪の味とコテコテの関西人しかも中年。美味しそうな料理とユーモアと関西弁が満載です。
恋と食事の絡み合う短編集。 読んでいると、出てくる食べ物が食べたくなります。どれも美味しそうで、実際にその店に足を運んでみたくなります。 ちょっぴりほろ苦く、たまにほわっとあたたかな気持ちになれるような短編が多いです。 きつねうどんとてっちり、たこ焼きが食べたくなりました。
ゴッテゴテの関西弁がとても良かった。 さらに言えばこの本の中の食べ物はとても美味しそうで、読んでいるだけでヨダレが垂れそう! どれも凝った料理じゃないけど、フツーな食べ物が一番食べたいのは間違いない。 毎日が贅沢な品というより、ふつーを贅沢に味わいたい。
主役の男達の気持ちがわかりたくなる。でも実際は、味のわからない妻やまわりのOLに近いと思うので、父や上司たちに「すいませんでした」と言いたくなる。 「大阪の味」がいまいちわからなくても、グルメ特集のおいしさとは違う、懐かしくておいしい「この味」を求めて奔走する男たちが滑稽で、親しみが湧きます。その「...続きを読む味」がわかる店や女に恋したり。ああ、男の人って食べ物をこういうふうに食べるんだなあ。「孤高のグルメ」の大阪弁おしゃべりといったかんじで楽しいです。男の人はもっと共感するのか、逆に違和感があるのか。あったかい食べ物が多いので冬に読むのがいいかも。
大阪の食がおいしそう。たこ焼きもお好み焼きも大阪での市民権を得たの、わりに最近やったんや。 ちょっと前の時代が舞台なので大阪弁でも使わないの多い。
お好み焼き、たこ焼きが食べたくなる。 子どもの頃、父がわざわざ車まで出して買ってきていた、たこ焼きを思い出した。普通のたこ焼きよりも2、3倍は大きく、でも柔らかくてソースがしみしみでおいしかった。 あとは、その昔偏食でたこが苦手だった頃、おばあちゃんとおばさんと、神社のお祭りかなんかに行って、た...続きを読むこ焼きを買ってもらって食べた思い出。たこが入っているのに気づかなくて食べていたら、なんか誉められたなぁ。 そんな、食べもんの思い出が次から次へと出てくる。 それにしても、食べもんて不思議。元気のもとになることもあれば、病気のもとになることもある。ええ塩梅でお付き合いしていきたいもの。 この本に出てくる食べもんみたく、ふんわりやさしい気持ちになれる本。
大阪の街を舞台に食で繋がる男女の関係を描いた短編集。 20年以上前に書かれた作品ながら、まったく古さを感じない。 ただコテコテの関西弁が頻出するから、そのあたりが気になるとダメかも。 並々ならぬ食へのこだわりと、男女関係の難しさを両方味わえる一冊。 大阪(関西)の味とどれくらい親しいか、家族は...続きを読むいるのか、大阪が好きかなど、楽しむには複数のハードルがありそうだけれど。
田辺さんの小説は、そのパワーのある文章力でグイグイ読まされ、読み終わった後に心がスカッと明るくなるものが多くて大好き。 特に食べ物が出てくる小説は好き。食べ物が何せ美味しそうに描かれているし、登場人物たちの食べっぷりの良さが気持よく、食に対するこだわりにも可笑しみがあって、ニンゲンの幅の広さ、器の深...続きを読むさ等を感じさせてくれる。田辺さんの温かい目線で一緒に見ることによって、ヒトの可愛げや慕わしさを堪能できる。柔らかい関西弁も目に(耳に?)心地よい。
短編集。 おっさんと恋と料理と大阪。 よくもまあこんなに似た話を何話も書くなあというかんじ。 ぜんぶおなじでぜんぶおもしろい。 田辺さんの点(、)が多い独特なリズムの文章は心地よい。
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