田辺聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
田辺聖子さんが書く、高校生の女の子達のお話。
大人が主人公の恋愛小説はたくさん読んだけど、おせいさんの青春風味なこういうお話は初めて。
作風が氷室さんと似てる。氷室さんはかなりおせいさんに影響を受けたんだろうな、と思いました。
気の強い女の子、恋には少し不器用、いつもお友達に囲まれ、不思議なキャラの家族、うまくいきそうでいかないストーリー。
底抜けに明るく、楽しい雰囲気、目指すのはこれ!
秋のわかれ 岡山での一夏。秀兄さんへの恋 海、絵、お寺!
私の姉ちゃん 社会人の姉が恋をして結婚するまで
ぼくの心は風船玉 詩人を目指す気弱な男の子から心を寄せられる話
姉妹は他人のはじまり 貧乏くじな次 -
Posted by ブクログ
源氏が崩壊していく巻。
柏木と夕霧も恋に惑って憂き目を見る。
そして女三宮の降家・・・これが決定打。
紫の上を深い悲しみに突き落とした。
いい歳になっても女性への興味が失せない源氏と、
出家を望む紫の上。
二人のすれ違いが悲しかった。
紫の上の人柄のよさを源氏が讃えるのも束の間。
彼女は病に臥してしまう。
それからの痛々しいまでの源氏の献身的な看病ぶり。
かつてのキザなプライドはどこにいってしまったのかと思うほど。
どうして人は、失って初めて、愛の深さ重さに気づくのか・・・
読み終わって、しばし茫然とした。
長編を読み終わったというより、一人の長い人生を見届けたという感じ。
なんと華麗 -
Posted by ブクログ
この方の描く男女が好きです。
男はわがままで、浮気っぽくて、女もそれなりにわがままで、浮気っぽくて。
そのカップルにしかわからない秘密の暗号があったり、そのカップルにしかわからない
いちゃつき方があったり、そのカップルにしかわからない会話の応酬があったり。。。
あ〜これなんだな〜と思う。
現実、そうだもんなぁ。
私たちにしかわからない互いのよさや、やさしさや、秘密の言葉。。。
そこに至るまでの手順や、思いやりや、むつみあい。。。
田辺さんの本を読んでいると、自分と重なって共感してあこがれて。
あ〜〜〜┌┤´д`├┐脱力 そして、いい!!
最後の章”NEW YORK”で、稀と蜜子の終わりが -
Posted by ブクログ
主人公眉子と東野のやりとりが好き。この恋愛にどっぷりはまってる、少なくとも今ふたりで一緒にいるこの瞬間に幸せを感じてるのがすごく伝わってくる。でもね、やっぱりそれは長く続かないんだ。後半、眉子が東野との恋に覚め、「何々してあげる」ようになる、っていうのすごく分かる!ふたりの間に流れれる空気の心地よさは以前と変わらず、だから別れるまでもなく、彼と今までどおり接する。これからも、彼の癒し、心の支えになりたい、というか、なってあげようかと。う〜ん、すごく共感するんだけど、結局は都合のいい女なのか?これで、幸せなのか?でもね、そんな風に眉子をかわいそうな女って思わせないほど、眉子の気持ちには淡々とした
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Posted by ブクログ
家の近くのこじんまりした本屋さんで、お薦めとして平台に置いてあって手にとってみました。帯には、<私の好きな田辺さんの恋愛小説のベスト3>という山田詠美さんのコメントがあります。あの山田さんが!と思い、帯裏に引用されてた本文を拾い読みしてみて、俄然読んでみたくなって買いました。そんなことでもなかったら、なんだか仰々しいタイトルだし、恥ずかしながら田辺さんがどんな作家さんなのかも知らないし、きっと興味も持たなかったと思います。
が。
べらぼうにおもしろかったです。
簡単に言うと不倫のお話です。でもすごく達観していて、不倫をいいとも悪いとも評価はしないけど、ただ<こういうものである>という感じな