田辺聖子のレビュー一覧

  • 田辺聖子の古典まんだら(上)

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    光源氏ものがたり から田辺さんの文章にはまっている。
    古典の授業で読んだなと思う文章が出てくるとなんだか嬉しい。読んだことのなかった有名な古典も、面白いところが知れて大変ためになる。

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    2024年10月26日
  • 言い寄る

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    ネタバレ

    共感しすぎてしんどくなった。

    そして美々みたいなちょっとだらしなくて言うことがころころ変わるような子ってたまにいて、憧れないし私が男なら絶対付き合わないって思うけど、こういう子はうまく生きる方法が生まれつき身についてるなと感じる。でも嫌味がないから皆に好かれるし、私も嫌いじゃない。でも自分の好きな人がそういう子を好きになったら見る目ない!とキレたくなると思う。そしてこういう子には絶対に勝てないから耐えられる自信がない…

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    2024年10月15日
  • 光源氏ものがたり 下

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    久しぶりに肌身離さず隙あらば読んだ。もともと講義のような形でお話したものだ とあとがきにあったのを見て、ぜひ聞いてみたかったなぁと思った。
    上巻と合わせて、何度でも読んで平安王朝の雰囲気に浸りたい

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    2024年10月13日
  • 光源氏ものがたり 上

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    とても読み応えがあり、読むのに時間はかかるけど面白い一冊だった。解説のようなかたちになっているので、本来は源氏物語を読みながらとか読んでからがいいのかな?と思った。わたしは源氏物語を読む前に手に取ったけど、自然と平安時代の世界に引き込まれ充実した読書時間を過ごした。

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    2024年10月08日
  • 孤独な夜のココア

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    “恋というものは、生まれる前がいちばんすばらしいのかもしれない”

    寝る前に1章ずつ読むのにぴったり

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    2024年08月25日
  • 姥ざかり(新潮文庫)

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    その地方の言葉(いわゆる方言)が
    そのまま使われている小説が
    無性に読みたくなった

    ある劇団の女優さんとお話していた時に
    石川啄木さんの話になって
    その女優さんが岩手を訪れたとき
    彼女の友達の演劇人が
    岩手の方言で かの「一握の砂」を
    読んでくれたそうな
    その時 あぁ 言葉は生き物だ
    と 強く感じ入ったそうです

    そんなお話を 伺ってから
    真っ先に 思い浮かんだのが
    おせいさん こと 田辺聖子さん
    これまで 性根を入れて
    田辺聖子さんを手にしていなかったので
    先ずは この一冊ということで
    この「姥ざかり」を

    いゃあ お見事

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    2024年08月15日
  • 孤独な夜のココア

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    可愛らしい恋愛小説かなと思ったら、ほろ苦さのある個性豊かな12篇でした__ 人間味のある登場人物たちと恋を綺麗に描きすぎずないとこが良くて、共感できるとこがたくさんありました。

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    2024年07月31日
  • 春のめざめは紫の巻 新・私本源氏

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    源氏の君のイメージがボロボロです。
    けど、原作では源氏に泣かされっぱなしの女君たちが強い。
    小気味よいですね。
    特に女三の宮。

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    2024年07月28日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    女性のための人生の教科書
    と思えるほど、共感と学びに溢れた本だった。

    ただ私はまだまだ若造、、、
    年齢を重ねるにつれて、
    「そうだよね」って思えることが増えたらいいなと思うし、
    人生で困った時にはこの本が支えてくれるんじゃないかなと期待もしている。

    大切にしようと思う。

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    2024年07月03日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    心の凝りをほぐしてくれる一冊。
    人は何のために生きるか?
    「私は人生を楽しむために生きるのだ。」
    「お金より好きなものを持ってる人って、現代では最高のロマンチスト」

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    2024年06月04日
  • 新源氏物語(上)

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    ▼はじめちょっと入るのに苦労しましたが、だんだん面白くなりました。特に「都落ち~須磨篇」あたりから、そそりますね。中巻以降が楽しみです。

    ▼「源氏物語」体験でいうと、10代の頃だったか、二十歳前後だったかに、「潤一郎訳(多分中公文庫だった)」を読んで。途中からけっこう苦行だったけど意地で読み切った記憶が(笑)。まあでも「こういう話かなるほど」と。
     その後多分30代~40代くらいにコミック「あさきゆめみし」と丸谷才一&大岡信の「光る源氏の物語」を読んで、これは相当に楽しみました。
     で、今回、50代に田辺聖子で読んでみようか、ということです。

    ▼田辺聖子さん、多分「省略」「カット」がうまいんだろうなあ。何しろ冒頭で「桐壺」の章が無い。度肝を抜かれました。でも、読みやすいし面白い。

    ▼これ、通読したらやっぱり「光る源氏の物語」を再読したいなあ。丸谷才一さん大岡信さん、やっぱりあの書はもっと名声を得てよい名著だと思うのだけれど。

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    2024年05月18日
  • おちくぼ物語

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ面白かった!
    源氏より先に書かれて当時は大衆小説として見下されていたようですが。
    いっぱんの人々に愛される物語。

    おちくぼの姫の心根の美しいこと。
    継母の虐めの酷さ。
    はらはらどきどきしました。

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    2024年05月16日
  • 春情蛸の足

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    恋と食事の絡み合う短編集。
    読んでいると、出てくる食べ物が食べたくなります。どれも美味しそうで、実際にその店に足を運んでみたくなります。
    ちょっぴりほろ苦く、たまにほわっとあたたかな気持ちになれるような短編が多いです。
    きつねうどんとてっちり、たこ焼きが食べたくなりました。

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    2024年04月30日
  • 新源氏物語(中)

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    源氏は出世していくが、その世の中の無常と儚さに怯えてもいる。相変わらず女性たちを魅了し困らせているが、中年になった源氏は政治を担うだけの風格と力をつけている。
    女性に対する執着というか自分の欲求に弱いところは彼を破滅させるほどの欠点でありながら、それは同時に人がついてくる理由かもしれない。
    これまで読んできたどんな恋愛小説より面白いと思うし、栄枯盛衰の物語としても面白いと思う。

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    2024年04月30日
  • ジョゼと虎と魚たち(上)【電子特典付き】

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    私は先に実写映画の方を見ていたので、どうなるのかなー?と思っていたのですが、これはこれで好きかも。
    登場人物もなんやかんやでみんな優しい人だったりで、なかなか現実ではそうは行かんやろなと思ったけど、ハッピーエンドで終わってくれて良かった(^^)

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    2024年04月25日
  • 乙女のための  源氏物語  下

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    『乙女のための源氏物語(上)』より続く

    吉屋信子による源氏物語後半。老女、楓刀自が孫娘3人や実業家の中年女性を生徒役として、源氏物語を要約して語り聞かせる形式である。

    一時は政敵に虐げられていた源氏は政治の中枢に返り咲いた。
    須磨・明石下向の際に出会った明石の上との間には一女が生まれていた。逡巡する明石の上を京に呼び寄せ、その娘を最愛の紫の上の養女として迎え、立派な貴婦人に育て上げる。そしてゆくゆくは入内させようという心づもり。
    その傍ら、いままで関係した女性たち、特に寄る辺のない人たちを邸に住まわせ、暮らし向きの面倒を見る。この辺りは懐の深いところである。

    後半の1つの大きなストーリーラインは「玉鬘」に関わるものだろう。
    玉鬘は、以前関係した夕顔の君の忘れ形見である。父親は源氏の友人のかつての頭中将(この時点では内大臣)。ふとしたことからその娘を見つけ出し、養女格とするのだが、何しろ色好みの源氏、玉鬘の中に、どことなくかつての恋人の面影を見てしまう。
    一方では玉鬘に求愛に来る貴公子たちを煽るような真似をし、もう一方では自ら玉鬘に密かに恋を仕掛けようとする。
    さて、困った玉鬘はどのようにこのややこしい境遇から抜け出るのだろうか。

    もう1つ、大きな出来事は女三の宮に関わるもの。
    女三の宮は源氏の兄君、朱雀院の愛娘である。院はことのほかこの宮を愛し、誰か頼りになる人と娶わせたいと考えている。源氏の息子、夕霧はどうかと考えていたが、折しも夕霧は長年の恋を実らせたばかり。ここで源氏は、自ら、降嫁を願い出てしまう。最愛の紫の上がどれほど傷つくか、思い至らないわけではないのに。
    結果的に、この降嫁は源氏の後半生に大きな影を落とすことになる。引き取った女三の宮は幼く頼りなく、むしろ紫の上の素晴らしさが引き立つばかり。とはいえ、立場上、女三の宮を大切にしないわけにはいかない。だが源氏は女三の宮を本当に愛することができなかった。その隙間に災厄が忍び込む。それは源氏のかつての秘めた過ちを彷彿とさせるものだった。
    かくして源氏の晩年は苦く重いものとなっていく。

    楓刀自の(そして吉屋の)語りは、比較的メインストーリーを追っている。それは、この長大な物語をわかりやすくするのに一役買っている。
    そうした中で浮き上がってくるのは、貴婦人たちの生きづらさである。
    本作中では、少しだけしか触れられていないが、好意的に評されているのが朝顔の君である。源氏が若いころからずっと思いをかけ続けていたものの、ついに身を許さなかった女性。その毅然とした姿は昭和の乙女たちにも美しく映る。
    だが、そうして生きられる貴婦人ばかりではない。
    源氏に降嫁した女三の宮しかり。その姉で、夫・柏木に先立たれ、夫の友人であった夕霧に言い寄られることになる女二の宮(落葉の宮)しかり。また、源氏の数ある思い人のうち、末摘花や花散里は、宮家の生まれであったり、姉が女御であったり、身分は高いのだが、だからといって安定した生活が約束されるわけではない。有力な男性親族がいなければ、生活は立ち行かないのだ。誰かしらの庇護なしには生きていけない。それはどれほど寄る辺なく、つらいものだっただろう。
    源氏はそうした貴婦人たちにも手を差し伸べる、ある意味、救世主的な役割も果たす。けれども現実には、没落し、ままならぬ思いを抱え、経済的にも困窮した女たちは数多くいたことだろう。彼女らもまた源氏物語に触れることはあっただろうか。そしてどのような感想を抱いたものか。

    吉屋の筆は後半は駆け足である。「松風」から「まぼろし」までの24帖は楓刀自の講義形式だが、1章に複数の帖を含むものも多い。源氏亡き後の世界を描く、「匂宮」以降の3帖と宇治十帖は孫娘・容子がまとめたノート形式となっている。
    高倉家の両親は無事、外地から帰還したものの、父母はほとんど顔を出さず、講義に参加するのはもっぱら3人の孫と実業家夫人である。女君たちもとりどりだが、生徒役の感想もさまざまで、読者それぞれにどこかしら共感のポイントがあるだろう。そのあたりも吉屋版の特長といえようか。

    下巻の解説は田辺聖子。田辺はこの国書刊行会版出版の際には亡くなっているので、過去のものの再録である。田辺が吉屋を高く評価していたことがわかり、なかなか興味深い。

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    2024年04月22日
  • 光源氏ものがたり 下

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    #光源氏ものがたり #田辺聖子 #源氏がたり#源氏物語 #光る君へ #紫式部

    後篇になるとコチラも疲れてきてチョット飛ばしながら読みました 宇治十帖は特に人間関係が混乱していつも息切れします

    今度は後半から読もうかなー

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    2024年04月20日
  • おちくぼ姫

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    本のうらすじにも表現されている通り、王朝版(日本版とも言えそうです)シンデレラのような物語です。
    原作となっている落窪物語を分かりやすく要約されています。昔の物語だと表現などが現代と違い、分かりにくいものが多いです。しかしこの本ではロマンティック・コネ・ルートといった現在使われている言葉で表現されています。また、登場人物の会話も今と大きな差異はなく、古典は苦手だけど物語を読んでみたいと思う方には読みやすいと思います。

    内容としては、「おちくぼの君」と呼ばれ両親や姉妹に虐められていた姫と高い身分である右近の少将の恋物語です。
    読んでいると阿漕と呼ばれる侍女の活躍が目立ちます。姫の事を思って行動を起こしていく阿漕が力強く思えました。誰かを思って行動に移せる姿が美しいとも思います。

    読み終わってから、原作の落窪物語にも興味が持てると思います。古典に触れるきっかけを持ちたい際には、読んでみるのもありだと思います。

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    2024年03月30日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    とにかく、お聖さんの言葉には、
    深い愛情と、説得力がある。

    長く厳しい道もあたたかな笑顔で乗り越えて
    きたような。

    八月十二日の
    「タダやさしいばかりだと、怒ることを知らない無能凡庸の
    お人好しにすぎないが、夕美子のやさしさは、いろんなことを知って
    その上で結論が出たやさしさである気がする。
    舟子は、夕美子の気持ちの思いやりに豊かな想像力と、強かな批判力を
    感じるのである。
    そういうものをいっぱい、かくし持って、それをいっぺん漉して、
    ナマぐさみを抜いてから出てきたやさしみである気がする」

    これが、お聖さんのアフォリズムの素晴らしさだ!
    と、膝をたたく思い。

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    2024年02月27日
  • 孤独な夜のココア

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    「帰りみち、私は自分のために、赤に白い斑入りのチューリップを十本ばかり買った。やっぱり気持ちがふつうでなくて、浮き立っていたからかもしれない。華やぎ、というふうなのかもしれない。」
    12編の短編を集めたこの本の中で、「エイプリルフール」という短編のこの部分が一番好き。
    会社で、陽気で皆から愛されるがおっとりしていて抜けたところのある四歳年下のキヨちゃんと付き合っている和田さん。
    男と女の付き合いで、男が払うのが当たり前なんて思っていない。お金を大切にするしっかりもので、結婚するかどうか分からなかったら、当たり前のように男に甘えるということの出来ない28歳の和田さん(女性)。だけどそんな和田さんといると「一番落ち着く」というキヨちゃん。キヨちゃんは旧家の後継で、和田さんはそんな旧家の甘ったれのボンボンと結婚しようとは思ってなかった。がある日、キヨちゃんの出張中に病院へいくと「おめでた」であることが分かった。冒頭の抜粋部分はそのときの和田さんの描写。
    この短編集に収められた女性達は20代後半で、その時代(昭和50年代前半)としては結婚適齢期を超え、会社で残っている女性としては年が上のほうになり「甘えて可愛い」と思われる年代をとうに超え、自立し、仕事を面白いと思いながらこなしている女性達が多い。
    だけど、女性から見たら一見可愛くないが、頼れる、人の気持ちが分かる年上の女性を「落ち着く」「可愛らしい」と思ってくれる男性がいるようで。しかもその男性たちは大抵、わりとイケメンで楽しくて、モテモテで。
    ちょっと、女性側の願望も入っているかもしれない。でも、全くウソでもないと信じたい。頑張っている女性には、自立している女性には、人生の中で一瞬でも「華やぎ」があると信じたい。それが、冒頭に抜粋した部分に現れている。
    頑張って、自立して、そして他者にも思いやりのある女性は、きっと報われる。…けれど、永遠ではない。「エイプリルフール」はハッピーエンドで終わったが、バッドエンドで終わった話も多かった。
    姉御肌で、有能で、結婚しても仕事を辞めなくていいと言われて結婚し、家事と仕事を頑張って両立していたのに、結局いつも帰りの遅い女性に愛想をつかして旦那が出て行ったという話もある。

    別の年代の恋愛の話もある。
    「叔母さんの家の庭には、初夏から夏にかけていっぱい、赤いひなげしが咲いた。わたしはひなげしが大好きで、その季節、遊びに行くと、いつもどっさり、もらって帰るのだった。」
    「目に見えぬ神サマの手がシワシワの花弁を開いてゆく。とても薄いのに破れもせず、みーんな静かに開ききると、風に身をゆだねるようにしてそよぐのだった。そういう花がいくつもいくつも重なり、そして白い金網の向こうには、青い海があった。」

    これは「ひなげしの家」という短編の語り手の梨絵子の叔母さんの家の描写。叔母さんはバーを経営している38歳の独身女性で、神戸の海の見える家で42歳の画家である既婚男性と住んでいる(不倫)。叔母さんは小さくても自分の店を持っていて、どちらかというと同棲しているおじさんのほうがお金にだらしなく、ヒモっぽい。そんなだらしなさと「38歳と42歳の恋なんかいやらしい」ということが親戚からは嫌われている。
    けれど二人は遅く知り合ったからこそ、二人の時間を大切にしていた。ひなげしの花のように鮮やかに柔らかく。そして、本当に二人の時間はひなげしの花の花びらのように薄くて、風に吹かれて散ってしまうものだと分かる。

    平凡に頑張っている人達の中にふと訪れる華やいだ温かな恋愛。永遠でもないし、両思いでも男女間で思いが異なる。でもそんな一瞬を優しく飾ってくれる田辺聖子さんの文章好きです。

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    2024年02月25日