田辺聖子のレビュー一覧

  • おちくぼ物語
    めちゃくちゃ面白かった!
    源氏より先に書かれて当時は大衆小説として見下されていたようですが。
    いっぱんの人々に愛される物語。

    おちくぼの姫の心根の美しいこと。
    継母の虐めの酷さ。
    はらはらどきどきしました。
  • 新源氏物語(中)
    源氏は出世していくが、その世の中の無常と儚さに怯えてもいる。相変わらず女性たちを魅了し困らせているが、中年になった源氏は政治を担うだけの風格と力をつけている。
    女性に対する執着というか自分の欲求に弱いところは彼を破滅させるほどの欠点でありながら、それは同時に人がついてくる理由かもしれない。
    これまで...続きを読む
  • 春情蛸の足
    恋と食事の絡み合う短編集。
    読んでいると、出てくる食べ物が食べたくなります。どれも美味しそうで、実際にその店に足を運んでみたくなります。
    ちょっぴりほろ苦く、たまにほわっとあたたかな気持ちになれるような短編が多いです。
    きつねうどんとてっちり、たこ焼きが食べたくなりました。
  • ジョゼと虎と魚たち(上)【電子特典付き】
    私は先に実写映画の方を見ていたので、どうなるのかなー?と思っていたのですが、これはこれで好きかも。
    登場人物もなんやかんやでみんな優しい人だったりで、なかなか現実ではそうは行かんやろなと思ったけど、ハッピーエンドで終わってくれて良かった(^^)
  • 乙女のための  源氏物語  下
    『乙女のための源氏物語(上)』より続く

    吉屋信子による源氏物語後半。老女、楓刀自が孫娘3人や実業家の中年女性を生徒役として、源氏物語を要約して語り聞かせる形式である。

    一時は政敵に虐げられていた源氏は政治の中枢に返り咲いた。
    須磨・明石下向の際に出会った明石の上との間には一女が生まれていた。逡巡...続きを読む
  • 光源氏ものがたり 下
    #光源氏ものがたり #田辺聖子 #源氏がたり#源氏物語 #光る君へ #紫式部

    後篇になるとコチラも疲れてきてチョット飛ばしながら読みました 宇治十帖は特に人間関係が混乱していつも息切れします

    今度は後半から読もうかなー
  • おちくぼ姫
    本のうらすじにも表現されている通り、王朝版(日本版とも言えそうです)シンデレラのような物語です。
    原作となっている落窪物語を分かりやすく要約されています。昔の物語だと表現などが現代と違い、分かりにくいものが多いです。しかしこの本ではロマンティック・コネ・ルートといった現在使われている言葉で表現されて...続きを読む
  • 上機嫌な言葉 366日
    とにかく、お聖さんの言葉には、
    深い愛情と、説得力がある。

    長く厳しい道もあたたかな笑顔で乗り越えて
    きたような。

    八月十二日の
    「タダやさしいばかりだと、怒ることを知らない無能凡庸の
    お人好しにすぎないが、夕美子のやさしさは、いろんなことを知って
    その上で結論が出たやさしさである気がする。
    ...続きを読む
  • 孤独な夜のココア
    「帰りみち、私は自分のために、赤に白い斑入りのチューリップを十本ばかり買った。やっぱり気持ちがふつうでなくて、浮き立っていたからかもしれない。華やぎ、というふうなのかもしれない。」
    12編の短編を集めたこの本の中で、「エイプリルフール」という短編のこの部分が一番好き。
    会社で、陽気で皆から愛されるが...続きを読む
  • 田辺聖子のエッセイ 女のイイ顔
    朗らかに、楽しく、機嫌よく
    生きていくコツ。

    ちょっとええなぁ、と思うことを
    上手に見つける方法。

    自分のことを大事にしつつ、
    周りも幸せにすること。

    そんな、人生の大切なことが
    ほんわかとした言葉で語られる。

    お聖さんの優しい声の聞こえてくるような一冊。
  • 言い寄る
    昭和に書かれた作品、それでいて現代においても多くの共感を集めそうな恋愛小説。
    恋や愛というものは、今も昔も変わらない……。
  • 新源氏物語(上)
    とても読みやすく、無駄のない美しい文章。
    貴族の生活が面白くて、平安時代が身近に感じられる。
    光源氏の桐壺に対する執着は、多感な青年の人格形成に大きく影響し、矛盾だらけなのに魅力的な人物を作り上げてしまう。それに翻弄される数多くの女性たちは切ないけれど幸せそうでもある。

    歌にこめる恋心がとても綺麗...続きを読む
  • うたかた
     娘が田辺聖子さん推しなので読んでみました。

    切ない恋のお話の短編集。
    恋の終わり方がどうなんだろうって憤っちゃうお話しがいくつかあったけど、昭和32年〜40年に書かれた作品だから、今ほど自由恋愛じゃないんだろうな。家柄の違いだったり、上司が勧める縁談だったりでうまくいかない。

    断る方にも事情が...続きを読む
  • おちくぼ姫
    都度解説が入っていて読みやすかった。
    内容に関してはある程度想像していた通り。
    個人的には阿漕が典薬の助に宛てた返事が好き。
    歌はどんな風にでも解釈できるから便利、私も面倒な相手には歌で返事したい。
  • 孤独な夜のココア
    田辺聖子の恋愛小説短編集。やっぱり執筆当時時代背景もあってすごくリッチ。
    なんだろうな、大金持ちがばんばん出てくるわけじゃないんだけど、独身の女性の生活ぶりや文化とかに対する感覚が、こう、豊か~!って感じ。
    たったの1行で展開が急転直下で「え、え、え…?」ってなるところがあって、明るい雰囲気のまま気...続きを読む
  • おちくぼ姫
    漫画で読んだ事があって再読したくて読みました。
    どん底にいながらも健気な主人公が幸せになるお話は、今も昔も変わらず人気のテーマなのかな?
    勉強にもなるし、とても面白かったです。
  • むかし・あけぼの 下 小説枕草子
    『枕草子』は大好きです。
    きらびやかな世界しか書いていないから。
    けど、実際はかなりの厳しい状態になっていたハズ。
    きらびやかな世界を描いている清少納言が何を思っていたのか知りたかったので、これがちょうど良かったのです。
    清少納言は苦労したことを知らせたくはなかっただろうけど。
  • むかし・あけぼの 上 小説枕草子
    懐かしいです。
    何年ぶりに読んだのやら。
    清少納言が生き生きしています。
    こんな世界、いいなぁ~と思わせてくれる。
  • 苺をつぶしながら
    結婚していた事を服役、結婚歴を前科、元夫を看守と呼びつつも、結婚生活全てを否定する訳ではなく女一人の生活を謳歌する乃里子の姿が瑞々しい。
    女の人生、男と女、女と女、誰かと生きる事、一人で死ぬ事について深く考えさせられた。
    私もいつか「散髪に行ってきます」と言って家を出てみたい。
  • 私的生活
    あまりにも生々しく、あとがきの筆者の言葉を借りれば苦瓜のような後味が残る小説。
    剛との生活の中で少しずつ自分を削り取られてすっかり空っぽになってしまった乃里子が自分を取り戻す為にした決断にエールを送りたい。