田辺聖子のレビュー一覧

  • 言い寄る

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    文章が好き、そして自分には同じ経験がなくても乃里子の気持ちはよく分かる
    皆んなそれぞれ好ましくて、けれどなにか違うと思うところがある。誰かの代わりは誰かではつとまらない。本当に恋焦がれてる相手には言い寄れない

    「水野を好きなのはまちがいないのだが、今はどうしてか、どんな男を持ってきても何かスキマがあって、風が通ること。その空洞の型はぴったり、五郎でないとうめられない型になっていた。」

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    2025年03月20日
  • 田辺聖子の 万葉散歩

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    女性作家ならではの細やかな言葉で語る万葉集愛。お気に入りの歌を自己流の解釈で語る。中途半端な解説本よりも共感しやすい。
    各集からまんべんなく選ばれているので、万葉集の入門書として最適。

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    2025年03月13日
  • 文車日記―私の古典散歩―

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    55年前の新聞連載だそうだがこれぞ元祖推し活。
    古典が好きで好きすぎる古典推しの著者が「わたしとしては、同じき愛好の人々をたくさん作って、あの作品が好き、あの人物を愛するとかたみに言いあいたいのです。人生を生きるのに、愛するもの、好きなことを一つでも多く増やすのは、たいへん、楽しい重要なことですから…(P294 )」と、少女のような心で古今東西、自分の好きな作品好きなタイプの男女についてキラキラした文章を連ねていて、読んでいてとても楽しい。
    長谷川青澄氏の挿絵、紅梅と錦の表紙絵も美しい。
    古文を学んでいる中高生女子がこれを読んだら勉強も少し楽しくなるかも。

    昭憲皇太后が好きすぎてこれでもかこれでもかと最上級の敬語を連ねて絶賛する「皇太后のおん靴」。皇太后の書いた日記を「まるで古いオルゴールの、ゆるゆるとした音をきくように典雅なご文章」とたたえる一流の表現力。超ヤバしか言えない推し活女子はみならってこのくらいのものを書くべし。


    P17 けれども私には、座興的に歌い交わしたらしく見える歌に、中年の男と女の、図太い、したたかな、恋の未練を感じます。片方が手なれて呼びかけると、片方が巧みに受け止めるその呼吸に、昔愛を交わし合った男と女のみの持つ、大っぴらな狎れ合いが出て、豪快な感じさえあります。たぶん、大海人と額田は、互いほほえんで見交わしたことでしょう。もう十何年の昔。あの目くるめく夏の光。(額田女王の恋)


    P74 (天に達するかと思われる孤独な巨木で作られた舟「枯野」)朽ちてもはや用いられなくなったとき、天皇は考えらえました。長らく官船として働いてくれた功績に報いるため、その名をのちにのこしたい。「枯野」を薪として、塩を焼くことになりました。すると五百籠もの塩が焼けました。それは諸国に下賜されました。しかしどうしても焼けない芯が残りました。天皇は不思議がられて、それで琴を作られましたら、さやさやと音は涼しくなりわたり、七つの里にまで響き渡りました。(舟と琴)

    P116 母になった女たちが持つ、子どもに対してとめどなくのめり汲んでゆくような相アイサ「これこそわが骨の骨、肉の肉なれ」という絡みつくような一体感の持つ妖気は、彼女の文章にはありません。「枕草子」は颯爽たる石女の文学だったのです。(うまずめ)

    P120 それは鉛ガラスの、重そうな、女の親指くらいの勾玉でした。煙のような色、というか、石油色というか(私は夢色、と呼びたい気がしました。古代の夢をそのまま、まどろみ続けているような色なのです。)灰色とも薄墨色ともつかぬ、不透明な玉のいろ(赤珠は)

    P276 日本の庶民の心の中には、大きなユーモア感覚の流れがあります。現実の生活が苦しい時にも、人々は一方で絶えず、不思議な距離感を持って、割れと我が身を嗤うおかしみを忘れませんでした。現代も一見、そういうものがありげですが、実際は単なる道化や、冷たい嘲笑や、才走った裁きの笑いに過ぎない気がします。(これ小判)

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    2025年02月24日
  • 言い寄る

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    ネタバレ

    50年前の作品で時代は感じるけれど、時代が違っても感情は色褪せないのものですね。
    脳みそぶち抜かれた。乃里子と一緒にハラハラドキドキして、一緒に失恋して絶望感に打ちひしがれてる。
    小説に飲み込まれた気分、田辺聖子すごい。

    乃里子、言い寄れなかったんじゃなくて、言い寄らせてもらえなかったよね。だってわりと直接的に迫ってたよね。五郎はのらりくらりと交わしている印象。そして美々には2回目で迫っていたと知ったときの絶望感たるや…ずっと感じつつ見ないふりしてたものの答え合わせされちゃって、読んでいて本当にショック受けたよ。田辺聖子すごい。
    でも乃里子は強い子、ちゃんと現実認めて前向いてる。剛は、うーん、想ってくれてるんだろうけど私はあまり好きじゃないんだよね。どうなるやら。
    続きが楽しみすぎる早く読みたい!!

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    2025年01月04日
  • おちくぼ姫

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    1000年前の物語を現代風にアレンジして、また読者に届けてくれる粋な作者に感無量。とっても素敵な作品でした。

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    2024年12月23日
  • おちくぼ姫

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    姫君が報われてよかった。頭に想像しやすい文章で読むのが楽しかった。現代とは違ったハプニングが面白かった。阿漕の姫君を思う気持ちが素敵。帯刀が右近の少将の手紙を落とした時はハラハラした。あと最後の方で、北の方が姫君を閉じ込めてそこに放り込んだおじさん(名前忘れた、典のすけ?)がなんかいいくらいに気持ちが悪くてゾワっとした。最後の方で右近の少将がとことん北の方にやり返しをしてくれて飲み終わりスッキリ!✨

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    2024年11月06日
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)

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    浮舟編
    この時代の常なんだろうけど、匂宮が不快だった。
    薫、匂宮と光源氏の異なる人物像が分かる。
    光源氏に劣るイメージ。
    実は若紫と浮舟も対照的な人物像になっている。
    最後まで出家を許されなかった若紫と出家した浮舟。

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    2024年09月25日
  • 光源氏ものがたり 上

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    角田光代訳『源氏物語』を読みながら併読すると、簡単におさらいができて大変役立った。角田さんの訳も小説を読んでいるようで分かりやすいが、合わせて読みことでさらに理解を深めることができる。

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    2024年09月24日
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)

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    ネタバレ

    光源氏亡き後の薫が主人公
    優柔不断な薫
    光源氏とは対照的な人物像
    悩みまくる点だけは共通している
    桐壺帝の八の宮(光源氏の異母弟)の二人の娘 大君と中の君。
    薫は大君に恋し、中の君は匂宮の妻になる。
    最後に登場するのが八の宮二人の姫の異母姉妹浮舟
    この時代、大抵の女性は諦めて流されるしかない。
    その中で大君は諦めず誇り高く流されない。妥協しない。
    周囲からは強情に映る。
    この時代では珍しい女性。

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    2024年09月23日
  • 新源氏物語(下)

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    ネタバレ

    32帖「梅枝」から41帖「雲隠れ」まで
    雲隠れは白紙なので幻まで
    源氏物語の後半の主人公である匂宮と薫が生まれます。
    若紫が亡くなり光る君こと源氏が出家=世を捨てることを暗示して終わります。
    この時代の女性はとにかく男性の庇護が無いと経済的にも生きられない儚く頼りない生き物だなぁ

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    2024年09月20日
  • 新源氏物語(中)

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    光る君こと源氏も中年になり栄華を極める
    中年になって分別や落ち着いた描写はあるものの恋の虫は相変わらず
    もうこの人は仕方ない
    息子の夕霧は真面目で気の毒だ
    夕顔の娘玉鬘がひたすら可哀想
    黒髭の対象は現代ならば完全にアウト
    スリーアウトチェンジ私嫌いだ。
    そして玉鬘と対比される近江の君は困った姫で玉鬘とは真逆

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    2024年09月19日
  • 新源氏物語(上)

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    大河ドラマ「光る君へ」をきっかけに手に取った。
    様々な現代語訳を読んだけど、個人的には1番好みかも。

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    2024年09月10日
  • 苺をつぶしながら

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    乃里子、35歳。
    財閥の御曹司剛との生活に終止符を打ち、イラストや画の仕事で玉木乃里子という名前もそこそこ知られるようになり、一人暮らしを楽しんでいる。

    画描きの男友達4,5人と、洋装店を経営する女友達、ピアノ講師をする一回り上の先輩などに囲まれて、ほんの二、三年前の結婚生活が人生の刑務所だったなんて言いたい放題。
    出所祝いと称して仲間たちとバーで飲み、軽井沢への旅行も楽しみ、少しづつ本来の自分を取り戻していく乃里子だったけれど、終盤女性友だちに悲しい出来事が起こります。

    一人暮らしの楽しさの裏にある、孤独という恐怖。
    それを救ってくれたのは…。

    なんかなんかすごくいい話じゃない。
    懐に温かいものが染みわたってきます。
    乃里子の明るさとか、賢さとか、優しさとか、もうぜんぶが羨ましく感じられ、とても元気の出る物語でした。

    乃里子三部作、読んでよかったです。

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    2024年08月28日
  • 私的生活

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    東神戸にある海の見える豪華なマンションで、剛と一緒に暮らしている乃里子、33歳。
    一緒に住むことをあれほど拒否していたのに、剛に素敵なマンションを見せられたとたん、「結婚する!」と叫んでしまったのである。

    乃里子は今の生活を金持ちごっこと呼んでいて、剛の親族が集まるパーティーにも馴染めないし、剛も乃里子のデザイナーという仕事に関心がなく、何の興味も示さない。

    剛との生活は贅沢だけど、本当の自分はどこにあるのかしら。
    たまに起こる剛の不機嫌が怖くて、仕方なく「はい」と言ってしまったり、夫婦って、お芝居っ気がないと上手くやっていけないのかしら。
    剛には剛の言い分があるし、いちいち逆らっていては溝が深まっていくばかりで切なくなってきます。

    男女が一緒に暮らすということは、本当に難しい。
    結婚して家におさまっている女性の気持ちを、こんなにも興味深く面白く描いてくださったことに感動し、共感するとともにものすごく勉強になりました。
    このような時代をこえた素晴らしい作品に出会えてほんとによかったです。
    前向きに生きる乃里子をずっと応援したくなります。

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    2024年08月25日
  • 田辺聖子の小倉百人一首

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    何度も読み返している大好きな本
    毎回、終わりに近づくと残念な気持ちになります そしてボロボロになったら買いかえています


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    2025年08月13日
  • 光源氏ものがたり 上

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    #光源氏ものがたり #田辺聖子 #源氏がたり#源氏物語 #光る君へ #紫式部

    綺麗な装丁と田辺聖子さんということで購入しました
    田辺聖子さんは文章が素直ですんなり頭に入ってくるのでとても心地いいです この本は3年間にわたって行われた企画 源氏がたりをまとめたものですが、翻訳でも小説化でもない別の切り口で源氏物語全体を案内してくれてとても良い企画です

    何年経っても何回読んでも新たな感情が呼び起こされる源氏物語は古典の名作ですよね

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    2024年04月20日
  • おちくぼ物語

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    学生の頃から好きな本で、もう10回以上は読み返していると思う。

    古典のシンデレラストーリーが面白いのはもちろんのこと、途中にある用語の解説が分かりやすい。
    例えば、三日夜の餠や几帳、お菓子等、聞いたことはあるけれど詳しくは知らないな、といった用語を作中で丁寧に分かりやすく記述してあるのでイメージがしやすい。
    このおかげで、受験の際に別の古典を読んでいても情景が思い浮かべやすかったこともある。

    落窪の君や阿漕等のキャラも好きだ。
    これからも何度も読み返すことだろう。

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    2024年03月28日
  • 新源氏物語(下)

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    光源氏の晩年の心理が細やかに描写され読み応えがあった。上巻序盤のエロ小説感は全く感じない。1000年読み継がれてきた理由がよくわかった。

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    2024年03月10日
  • アニメ映画 ジョゼと虎と魚たち

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    車椅子の少女が誰かに押され落ちてしまうその時、ある一人の青年が助けようとする(?そこから物語が始まる。

    少女は青年が助けてくれたにも関わらず、とてもきつく当たっていて酷いと思ったけど物語を読んでいくにつれてだんだん好きなっていけた。

    青年は少女にきつく当たられていたのに少女の願いを叶えてあげていて、とてもいい人だなぁ… と思った。

    青年が挫(くじ)けそうになっていた時に少女が取った行動にとても感動した。

    とても良い作品だった。

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    2024年02月18日
  • おちくぼ姫

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    初めての田辺聖子さん。
    よみやすかった。
    説得力があって、
    わかりやすい内容だったし
    現代語なのもよかった!
    何回か笑ってしまった笑

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    2024年01月25日