田辺聖子のレビュー一覧

  • 愛の幻滅(上)

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    数ある田辺聖子さんの恋愛小説のうちで、
    もっとも共感度の高い、とても深い作品。
    大阪弁でポンポン冗談を言いあう、かつ
    愛しあう男女の仲だけど、どうしても埋められない
    溝があるよう。
    眉ちゃんの、「相手が返事に困るようなことは
    口にしない」という決意とそれを貫くのが立派。
    結末の寂しさを想うとそうそう読めないのだけど、
    傑作だと思う。

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    2013年02月20日
  • むかし・あけぼの 上 小説枕草子

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    久々に再読。やはり面白く、胸を打つ。
    細やかな感性を写しとると同時に、別れの物語でもある。実際の清少納言がどんな人物だったのか、そんなことは些細な問題で、作者の枕草子への愛が伝わってくる。
    (2013.2)

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    2013年02月07日
  • 田辺聖子の小倉百人一首

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    田辺聖子さんによる百人一首の解釈、そして何よりも現代語訳が大変美しく鳥肌ものです。
    この本を通して、より好きになる和歌がたくさん生まれてくるのではないかと思います。

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    2013年01月29日
  • 絵草紙源氏物語

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    源氏物語の「桐壷」から「雲隠」までを田辺さんの要約文と岡田さんのセクスィーな絵でまとめた1冊。
    つまり、光源氏くんが生まれてから亡くなるまでをコンパクトにまとめてありました。
    文章も絵もかなり良かったよ。
    源氏物語初心者もかなり読み込んでいる人も満足の1冊だと思います。

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    2013年01月16日
  • ここだけの女の話

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    男と女の作品が多いですが
    中には女の子の作品があります。
    いたいけな子どものちょっとほろ苦い感じの物語。
    その背景には複雑な環境もあるので
    よりいっそう彼女が引き立つのです。

    他には海外が舞台の作品が
    とても魅力的でありました。
    「金箔の町」が大人の香りがあふれて好きです。

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    2013年01月03日
  • ひねくれ一茶

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    小林一茶の壮年期から晩年を描いた田辺聖子の力作。
    壮年期との一茶と言えば、江戸俳壇で頭角を表し、上総・ 下総で
    支援者を集めたころだが、次の飛躍のためにも経済的な基盤を
    必要とした。彼には当てがあった。
    亡父の遺産の半分は彼のものという遺書もある。
    所が事は簡単には運ばない。
    やっと一茶が遺産を相続したとき、彼の江戸俳壇での場はなかった。
    信濃、我が故郷、信濃こそと根を下ろす決意し50婿として妻を迎える。
    <我が菊や なりにもふりにもかまわずに>
    伸びやかで飾り気のない妻・菊を得て、子宝にも恵まれた。
    やっと得た穏やかな幸せの時、それも長くは続かなかった。

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    2012年11月14日
  • どんぐりのリボン

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    最近活字がどうも読めなくなっていたのだが
    久々の田辺聖子はスグ読めた。
    やっぱり田辺聖子はすごいなあと思いながらの読書だった。

    個人的に結構「田辺節」はわかっていると思っており
    いつもの田辺さんとこの女の子やなあと思いながら佳境、
    ラストの展開(山の顛末)をもってきたのは意外性が強すぎて

    その衝撃?の反動から勢いの★5つ。

    この展開、なくても田辺なら最後までいけると思うのだけど
    まったく蛇足でないようにスっとスパイス(それも結構辛口)のを差し込んできたのはすごい。

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    2012年11月09日
  • 鏡をみてはいけません

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    読んでいるととにかくお腹が空く。そして私は、面倒な事は棚上げしちゃう律に性格が良く似てるので、とにかく共感しきりだ。

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    2012年10月06日
  • おかあさん疲れたよ(下)

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    この小説に出てくるいろいろな場所に行ってみたいと思いながらまだ行けていない。恋愛って夫婦間でも夫婦の間でなくてもあるんだなと思う。

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    2012年09月01日
  • 猫も杓子も

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    2012.7.23.mon

    【経路】
    田辺聖子さんの大阪弁がしっくりくると聞いて。

    【感想】
    •欲望に正直に生きる楽しさの底で、人生と孤独の関係も知っている30女の恋愛遍歴小説。
    •田辺さんの大阪弁好きがよく伝わる。「アレして」とか「ぼちぼち」でみなまで言わない美徳とか、恋人とのテンポのいい会話とか、色気を含むまろやかな京弁とか、舞台も梅田や本町でテレビ局がでてきたりで世界観に愛着。
    •「仕事も男もちゃらんぽらんに生きるのも全部すき!」と開けて堂々と言える年齢不詳キューピー顔の30歳、良いやん。
    •不倫は全部欲しくなったら身の破滅。側面をちらつかせてはならない。
    •恋心と芝居心は半々がいち

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    2012年07月23日
  • とりかえばや物語

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    氷室冴子の「ざ・ちぇんじ」を読んでから、ずっと原作が気になっていた。
    無理があるストーリーだけど、おもしろかった。
    夏雲の書かれ方がちょっとかわいそうだけど。

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    2012年07月06日
  • 日毎の美女

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    美女ぞろいの会社に、絶世の美女がやってきた!
    色めきたち、鼻の下を伸ばす男性社員たち。

    そんな男たちと美女たちのやりとりを観察し、面白がる「マメちゃん」(豆を転がしたような地味な顔立ちからそう呼ばれている)。

    男は美女が好き、という厳しい現実を見つめつつ、どこかに自分の言うに言えんいいところを見つけて好きになってくれる異性はいないものか。。。と願うマメちゃん。

    面白かった~。古い本なんやけど、古臭くない。

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    2012年06月27日
  • ひねくれ一茶

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    ネタバレ

    おもしろうて、やがてかなしき‥‥   -2005.07.20記

    これまでそれほど興味を示さなかったことに、ひょんなことからどうしても知りたくなったり、強い関心が惹き起こされる場合がときにあるものだ。
    ひとつきほど前か、「これがまあ終の栖か雪五尺」と詠んだごとく、五十路になってから、義母や義弟とさんざ遺産相続で争った挙句、江戸から故郷信濃の生家に移り住んだ一茶の晩年が、近在から若い妻女を娶り「おらが春」をめでたくもたのしく謳歌したものとばかり思っていたら、老いらくの身にせっかく授かった四人の子どもを次から次へとはかなくも早世させ、おまけに妻女にも先立たれ、さらに二度、三度と後添いとの暮しに執し

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    2012年06月26日
  • 女の長風呂 I

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    後ろの解説を読むと「たおやかなカマトト顔で、男性自身に迫りくる才女作家の、あっけらかんとしたお色気談義!」とある。

    あの長ったるい「源氏物語」さえ、この人が手を加えると斬新で面白いのだからすごい才能。

    林真理子さんなんかも、この人みたく凄味を増していきそう。

    37年も前に書かれた本だから、若干は事情も変わってきてるけど、それでも全然古臭くない。

    小悪魔系の恋愛セオリー本に飽きたら、これで。
    敵を知るべし。

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    2012年06月25日
  • 新源氏物語(上)

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     20年振りくらいなのかな、おせいさんの作品を、読み直してます。

    初めて読んだ時の、自分の感想は、どんなだったのか?もう、思いだせない。

    中年になって読むと、前に気づかなかったこと、共感できにくかったこと、多方面から、いろんな時間軸から、思いやることができて、よかった。

    自分は、なかなか大人になれないんじゃないか?と、気になっていたんだけど、ちょっとは成長しているみたいだ。

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    2012年04月18日
  • どんぐりのリボン

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    田辺さんの作品が大好きで、ちょっとずつ読破していこうとしている最中です。最初は、いつも通りの関西弁のリズミカルな文章。田辺さんの独特の雰囲気が一気にひろがって、ほっこりします。この本は復刊という形で今年の二月に出版されました。その意味は、読んだ人にならわかります。いつもの恋愛だけでなくて、胸に小さな灯りをともしてくれる一冊です。

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    2012年04月15日
  • ひねくれ一茶

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    1995年初版なのに、今風に入ってくるので、読みやすかったです。
    「お話句集」みたいな感じで、読み進められて、気がついたら、私も日々を五七五にして俳人気分でした。
    群馬もでてきたし、小林一茶が身近になりました。
    面白かったです。
    学生時代、もっとよく勉強したり、修学旅行も身をいれとけばよかったなぁ〜。

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    2012年06月14日
  • 人生は、だまし だまし

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    ネタバレ

    他人に不満が募って心が荒んだとき、読み返したい1冊。

    ナァナァの大切さ
    金属疲労の出た大人の良さ
    家内安全の秘訣

    御歳80幾つの田辺さんの言葉だからこそ、ずっしり来るものがある。

    大人を叱って、大人にしてくれる本。

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    2012年03月19日
  • 薔薇の雨

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    素晴らしい恋愛小説。

    この中の「良妻の害」が面白い、笑ってしまうくらい面白い。
    そして、最後はすかっとします。

    なかなか見つからないぐらい素晴らしい本。

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    2012年03月05日
  • 新源氏物語(上)

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    源氏物語やっぱりあんまり好きじゃない。
    とはいえ、他の訳よりも好き!さすがやな

    源氏の君はどーしょーもないけど、男の本音はこんな感じなのかなあ

    もっと小さい時にこの訳を読みたかった。
    女性のあり方について考えさせられる。

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    2011年12月31日