田辺聖子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
樋口一葉、与謝野晶子、杉田久女、吉屋信子、そして林芙美子、五人の女性文学者の作品や生涯を書いた作品。男尊女卑の時代に困難にぶつかり挫折を味わいながらも、最後まで諦めなかった彼女たちの強さに感服しました。
久女の師・高岡虚子への行き過ぎた尊敬の念から執着していく様を狂気の一言で片付けてしまわず、「恨み、拗ね、甘えといった女性の陥りやすい弊害と印象を受けました。だれも自分を理解してくれない。虚子先生だけが私を理解してくださる。私を愛して、私を認めて、私を理解してという叫びだったのではないでしょうか。」と述べられたりしているのに、著者の優しさや愛情を持って描かれているのがわかります。
名前や作品名などは知っているけれどという程度でしたが、もっと彼女たちのことを知りたいなと思わされた作品でした。 -
Posted by ブクログ
ふとした時に目を通したい本
家に置いておきたいから買おうかな
どうしてこんなに深い言葉を考えつくのだろう
心にずしっとささるフレーズが多々あった
人間は、自分がしてもらうだけでなしに、相手にしてあげる面白さ、喜びをおぼえた方が、愉快である。
いい友達を持ってる、いうのが、人間のいちばんのお手柄や、思うわ。
食べちゃいたいような、というコトバがあるけど、ほんとにバラの花を見てるとむしゃむしゃと食べたくなります。バラのつぼみを、お酒のおつまみにしたくなります。
もしかして、自分より、この人の方が大切、と思ったとき。それが、ほんとに人を愛したときかもしれない、と私は思ったりする。
-
Posted by ブクログ
2019年の6月6日に亡くなった田辺聖子さんのご遺族が、遺品を整理している時に発見したという、聖子さんの昭和20年4月1日から、昭和22年3月4日までの日記。
樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大学)在学中の満十七歳から、卒業までである。
学徒動員で工場にて飛行機の部品を作り、大阪大空襲では家を焼かれた。
終戦の年には父を病で亡くしている。
激動の青春時代だった。
勉学への熱情と、国に尽くしたい気持ちの間で揺れ、戦争の中で青春が費やされていくことに焦燥し。
かなりの軍国少女でもあった。
勇ましいことも書かれており、終戦の日には悲憤慷慨している。
価値観が180度、変わってしまった瞬間だったろう。
昭和21年の暮れにはもう、デパートが賑わっているという描写があり、復興の早さ、人々の気持ちの逞しさに驚く。
進路を決める年でもあった聖子さんは、作家になりたいという情熱を持って小説を書き続けつつも、本当は歴史学者になりたいのだ、と書いてみたり、女医になって立ちたい、と書いてみたり。
しかし、終戦の翌年の大晦日には、自分には作家の道しかない、と心に決めている。
未発表の日記だったが、解説によれば、戦時中のことを書く時には常に、原本として下敷きにしていただろうという事。
後からの脚色を加えず、当時の目で書かれた文章をほとんどそのまま使っている箇所がいくつもあるという事だ。
それだけ、生の記録であるということ。
そして、とても読みやすいのは、梯久美子さんの解説にある通り、十八歳にしてすでに「田辺聖子」という作家が出来上がっていた、という事だろう。 -
無料版購入済み
「ジョゼと虎と魚たち」で有名な田辺聖子さん原作のマンガなだけあって、関西弁のセリフがとっても心地いい。カラッとした絵柄なので登場人物たちの奔放な言動も不思議と受け入れてしまう。きっとマンガと小説では印象も異なるのだろうなぁ、小説の方も読んでみたくなった。