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75年の時を超えて発見された奇跡の日記文学――田辺聖子版「アンネの日記」
我が家の焼失、敗戦、早すぎる父の他界……。
すべてを失った彼女はそれでも、小説家への夢だけは諦めなかった。
2019年に惜しまれつつこの世を去った国民的作家・田辺聖子。
没後2年の今年、1945年から47年までの青春期を綴った日記が発見された。
記されていたのは、「大空襲」「敗戦」「父の死」「作家への夢」……。
戦時下、終戦後のままならない日々を、作家志望の18歳はいかに書き過ごしたのか。
月刊「文藝春秋」に掲載されるや、たちまち新聞・テレビ等で大反響となった、
田辺文学の源泉にして、一級の時代の証言。
雑誌未掲載原稿、中短篇4作を収録したほか、梯久美子氏の解説をはじめ、
注釈、年譜なども加えた完全版、ついに刊行。
Posted by ブクログ 2022年01月06日
2019年の6月6日に亡くなった田辺聖子さんのご遺族が、遺品を整理している時に発見したという、聖子さんの昭和20年4月1日から、昭和22年3月4日までの日記。
樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大学)在学中の満十七歳から、卒業までである。
学徒動員で工場にて飛行機の部品を作り、大阪大空襲では家を焼...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月18日
戦時中の女学生の日々を淡々と綴られている点がよい。
学校生活、家族の話、戦況について、ひとりの人間が見ていたものをそのまま書かれている。田辺聖子は自身の女学生時代を振り返り「軍国少女」だといっていたが、日記を読んでいると共感できる部分もおおいにあり、当時の人々に少し親近感を覚えた。
ミリタリズムと...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月28日
第二次世界大戦の渦中の中での日記であり、どのように戦争が市民の中に存在し、一般の人がどんな思いをしていたのかの一面がとらえられる貴重な本だと思う。今でこそヒトラーの行動が正当化されることはないが、この当時は日本との同盟国であったドイツの君主として好意的な捉え方が読み取れ、かえって当時はどれだけの真実...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月07日
当時18歳の少女が書いたとは思えない、とんでもない文章力!
クラスでも1番をめざし、小説家になるという情熱を感じることごできた。
日記で、生き生きとした学校生活をえがいており、自分も聖子さんの学友でその場にいるかのように感じた。
個性がある学友の描写も見事で、日記とは思えない。巻末にある、短編も当時...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月16日
戦中日記読み比べ5作目、最終回。高見順、大佛次郎、吉沢久子、ケストナーの日記を順番に読んだ後に、こちらを読んでください。敗戦濃厚で「死」を意識する7月、原爆投下情報と実際の報道との落差に落胆する8月初め、そしてポツダム宣言受諾の知らせをいち早く知ってしまう彼らと全く知らない18歳の田辺聖子との落差、...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月31日
田辺聖子の戦中日記が見つかったと発表されたのは、2021年6月のこと。遺族が田辺の家の片づけをしているときに発見された。日記は田辺が17歳になったばかりの1945年4月1日から始まり、樟蔭女子専門学校を卒業する47年3月10日までの日々を綴る。日記の一部は、その年、文藝春秋の7月号で公開された。日記...続きを読む
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