田辺聖子のレビュー一覧

  • とりかえばや物語

    Posted by ブクログ

    春風が懐妊したあたりからページをめくる手が
    止まりません。現代のように女性の社会進出が活
    発だったり多様な生き方が認められている風潮
    なら春風も女性としてもっと伸び伸堂々と生きて
    いけたのではと思いました。古典作品ですがジェンダーの不平等という現代的なテーマについて考えさ
    せられます。

    0
    2023年02月19日
  • 私的生活

    Posted by ブクログ

    だましだまし上手くやってきたつもりなのに、許せていたことが許せなくなって、笑い声よりも沈黙で息が苦しくなっていく。季節の移ろいを自分だけが感じているような、静かな物語だった。

    夫の機嫌を取り、食事の支度をし、夫を立てるように親戚付き合いをし、プライベートを詮索される。そんな生活を続けた乃里子は、「私」ではなく「夫の一部」となってしまった自分に気づく。男性から見たら「結婚したならば当たり前だ」と思うのかもしれない。けれど、結婚によって妻が強いられるあれこれは本当に当たり前なのだろうか。このシーンを読んだとき、「あなたは?」と自身にも問いかけられているようでぞっとした。私は? 私は結婚前と変わら

    0
    2023年01月18日
  • 田辺聖子の小倉百人一首

    Posted by ブクログ

    「田辺聖子の小倉百人一首」(田辺聖子)を読んだ。
印象深い文章に出会った。
『民族の心の暗渠を流れつづける愛着』(本文より)
蓋し名言である。
いろいろな意味で気になる歌を一首だけ引く。
ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ いまは恋しき(藤原清輔朝臣)
<生きながらえていたら   
またこの頃がなつかしくなるんだろうか   
辛いこと いやなことの多い   
この頃なのにさ    
──辛いこと多かった 昔の    
  あの時代が    
 いまは なつかしいんだものな>
今のこの先行き不透明で息が詰まるきな臭い世の中ですら、後になって振り返ればあの頃はまだま

    0
    2022年12月29日
  • 残花亭日暦

    購入済み

    なつかしい

    なんだか、懐かしさが込み上げてきた。
    昭和、平成のころは、今と大分違っているなと感慨深い。芋たこなんきんを見てから読んだので、ドラマの登場人物を思い浮かべたりしながら、今ではおっちゃんのそばに行った聖子先生を思った。
    源氏物語の講演を聞きたかったな、なども思った。

    0
    2022年12月28日
  • 言い寄る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古い本なのに古さを感じない。
    ゴロちゃんが大好きだったのにあっさり取られちゃう感じがリアル。で、結局馬が合うゴウと一緒にいるのも。
    女のリアルな感情がよく伝わる。
    美々みたいな人もいるよね…

    0
    2022年12月08日
  • 言い寄る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    テンポの良い会話に、関西弁で言い寄る男たちの色っぽさ。まさに音が耳に浮かぶような小説だった。
    自分が本気で望む人にはこれっぽちも言い寄れないのに、言い寄る気もない友達に取られてしまう。その切なさに唸りそうになった。

    「ただ…彼のことを知ろうとワクワクしている自分の、いまの状態が好きである。」

    0
    2022年10月03日
  • 田辺聖子の恋する文学―一葉、晶子、芙美子―

    Posted by ブクログ

    樋口一葉、与謝野晶子、杉田久女、吉屋信子、そして林芙美子、五人の女性文学者の作品や生涯を書いた作品。男尊女卑の時代に困難にぶつかり挫折を味わいながらも、最後まで諦めなかった彼女たちの強さに感服しました。
    久女の師・高岡虚子への行き過ぎた尊敬の念から執着していく様を狂気の一言で片付けてしまわず、「恨み、拗ね、甘えといった女性の陥りやすい弊害と印象を受けました。だれも自分を理解してくれない。虚子先生だけが私を理解してくださる。私を愛して、私を認めて、私を理解してという叫びだったのではないでしょうか。」と述べられたりしているのに、著者の優しさや愛情を持って描かれているのがわかります。
    名前や作品名な

    0
    2022年09月23日
  • 愛の幻滅(上)

    Posted by ブクログ

    あ゛あ゛~~痛い~~グサグサくる~~~
    不倫当事者は全員読んだほうが良い。
    不倫男への感情がリアルすぎて怖い。その幻滅の過程もめちゃくちゃリアル。
    昭和52年?!40年以上前か。。。コワイ。。。

    0
    2022年09月13日
  • 春情蛸の足

    Posted by ブクログ

    見たことのある、食べたことのある料理が
    これ以上なく、美味しそうに描かれている。

    語彙の豊かさ、的確にしてとびきりうまい
    言葉選びによって、現れる料理の
    艶っぽく、ほくほくで、滋味溢れ、
    味わい深いこと。
    視覚で与えられ、脳内で膨らみ、
    口の中に玄妙な味が広がる。

    料理だけでなく、
    男女の情愛、人としての気品、
    これもまた、さりげなく織り込まれて
    小説の味わいを深く、面白くして、
    心に滋味を与えてくれる。

    読後、とびきりの
    ごちそうさんでした。
    が、誰かに言いたくなる。

    0
    2022年07月20日
  • 上機嫌な言葉 366日

    Posted by ブクログ

    ふとした時に目を通したい本
    家に置いておきたいから買おうかな

    どうしてこんなに深い言葉を考えつくのだろう

    心にずしっとささるフレーズが多々あった

    人間は、自分がしてもらうだけでなしに、相手にしてあげる面白さ、喜びをおぼえた方が、愉快である。

    いい友達を持ってる、いうのが、人間のいちばんのお手柄や、思うわ。

    食べちゃいたいような、というコトバがあるけど、ほんとにバラの花を見てるとむしゃむしゃと食べたくなります。バラのつぼみを、お酒のおつまみにしたくなります。

    もしかして、自分より、この人の方が大切、と思ったとき。それが、ほんとに人を愛したときかもしれない、と私は思ったりする。

    0
    2022年06月12日
  • 女は太もも エッセイベストセレクション 1

    Posted by ブクログ

    長いこと時間をかけて読む羽目になってしまった。
    「この雰囲気をなんと言うべきか」と考えてみたが、女性が集まった時に、彼とのナニを詳細に語る程の下品さを備えているかと言われれば違うな、と。
    どこか、お笑い芸人の、どぶろっくさんの歌のような雰囲気か、とちょっとずれているように思ったが、頷けるような気がした。
    世の男性にお伝えしておきたい。
    本書にあるように、女性は案外下品なモノです。

    0
    2022年05月14日
  • 孤独な夜のココア

    Posted by ブクログ

    面白い。最後の1ページの端をよく折った。やっぱり知らない世界の男女の駆け引きがいい。「雨の降ってた残業の夜」と「ひなげしの家」がとくに好き。
    「人間のきもちは、さざ波の波紋のようなものだから」
    「可能性のギリギリまで自分を表現して、せい一ぱい人生を生きているように、自分で誇らしかったのである」

    0
    2022年04月25日
  • 苺をつぶしながら

    Posted by ブクログ

    田辺聖子さんの本を初めて読みました。
    主人公の乃里子さんはおしゃれで自立していてとても明るい性格。ポジティブで考えもしっかりしており憧れます。
    物語が良いのは言わずもがな、文体はキラキラした光の粒が弾けるようでとても素敵でした。
    40年の時を経ても色褪せない、はたらく女性のバイブル。読むことができて良かったです。

    0
    2022年04月05日
  • ジョゼと虎と魚たち(下)【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    アニメの映画から知り短編の原作も拝読しました。上巻の絵がアニメと変わらず美しく、映画では見逃してしまうシーンを何度も見ることが出来ました。ジョゼと管理人のひたむきな愛情が素敵です。

    0
    2022年03月12日
  • おちくぼ物語

    Posted by ブクログ

    長孫が読みたくて購入した本。孫のあとで読みました。孫はこの後どんどん古典小説にはまっています。私はまあまあ面白いとも思いましたが、
    昔昔、源氏物語に若い女性がはまり、みんな読んでいました。今は瀬戸内寂聴さんだけれど(孫の読の読むのは)私の時はやはり女流作家の…思い出せない

    田辺聖子さお訳は、わかりやすくてとてもおよかったです。

    0
    2022年03月09日
  • 人生は、だまし だまし

    Posted by ブクログ

    なかなかいい。ほどほどにいい 人生の指南書にしてみっか。
    「多くの事を中途半端に知っているより、何も知らないほうがいい」サルトル

    0
    2022年02月09日
  • 苺をつぶしながら

    Posted by ブクログ

    1982年に刊行された作品。今ではおひとりさまなんて、普通のことすぎて、わざわざ「おひとりさま」なんて言葉も使わないくらい当たり前なことになってるけれど、女性一人愉しく生きていくっていう感覚は、当時はかなり新しい視点だったんだろなぁと思わされる。
    「一人ぐらしの楽しさは、この孤独の恐怖と、うらおもてに貼り合せられていたのだ。」まぁ、相方がいたって、死ぬときは一人だしなぁ。

    0
    2022年01月22日
  • 田辺聖子 十八歳の日の記録

    Posted by ブクログ

    2019年の6月6日に亡くなった田辺聖子さんのご遺族が、遺品を整理している時に発見したという、聖子さんの昭和20年4月1日から、昭和22年3月4日までの日記。
    樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大学)在学中の満十七歳から、卒業までである。

    学徒動員で工場にて飛行機の部品を作り、大阪大空襲では家を焼かれた。
    終戦の年には父を病で亡くしている。
    激動の青春時代だった。

    勉学への熱情と、国に尽くしたい気持ちの間で揺れ、戦争の中で青春が費やされていくことに焦燥し。
    かなりの軍国少女でもあった。
    勇ましいことも書かれており、終戦の日には悲憤慷慨している。
    価値観が180度、変わってしまった瞬間だった

    0
    2022年01月06日
  • 孤独な夜のココア

    Posted by ブクログ

    小さな宝石箱に、ひとつずつ大事にしまっておきたいような恋の記憶。
    柔らかい関西弁で綴られた、甘くてほろ苦い12編の短編集。
    全部読んでしまうのがもったいないくらいだった。
    ここに出てくる男性に、私も同じように恋をしたような気持ちになって、こまやかな描写に心が震えてしまった。
    出てくる女性も、とても可愛らしくて、優しい。
    70年代の20代後半くらいの女性を主人公にしたものだけれど、どのお話も、今読んでも共感できるものばかりだった。
    振り返る余裕ができた今だからこそ、そう感じるのかなとも思う。

    0
    2022年01月03日
  • 言い寄る 1

    無料版購入済み

    リアルな恋愛模様

    思わず読み込んでしまいました。軽快な流れなのでパラパラと読めますが結構な濡れ場も入ります。大人の漫画という印象です。

    #ほのぼの #胸キュン #エモい

    0
    2021年12月17日