田辺聖子のレビュー一覧

  • 田辺聖子の小倉百人一首

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    百人一首とはこんなに面白かったのか!と思わせてくれた衝撃的な一冊。
    和歌の現代語訳はもちろん、詠まれた背景と詠み手の人生、関連するこぼれ話、著者の解釈などが盛り込まれている。
    情報量は多いがわかりやすく丁寧に書かれており、初心者でも読みやすい。
    非常におすすめ。

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    2020年12月12日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    田辺さんの考え方、とっても素敵!!
    毎日を大切に楽しんで生きよう!嫌なことがあっても気を取り直して、毎日進んでいこう!
    と思える本。
    いつも読みたい。

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    2020年09月26日
  • 私的生活

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    ネタバレ

    「言い寄る」が春から初夏そして梅雨の季節だとすれば、
    「私的生活」は盛夏から秋そして冬の季節だと私は感じた。
    これは実体験ではないかと思うほど、登場人物のセリフ全てがリアルに描かれている。特に剛の俺様的な態度には、絶対にモデルがいるはずだと思わせる。私の夫もまさに剛タイプで自己中心で人を常に見下している。違うのは夫は一庶民に過ぎないのと容姿が残念なところだ。そして夫の本能的で傲慢な振舞いを見ていると私は心の中で軽蔑しているが、なぜか不器用な夫が不憫にも思える。だから乃里子の気持ちはよくわかる。
    やがて乃里子の妻の役を降りるカウントダウンが始まると、無性に泣きなくなった。その先にはあるがままに生

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    2020年06月21日
  • 文車日記―私の古典散歩―

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    日本の古典文学の面白さを理解しやすかった!
    小さなお話がたくさんあるので読みやすいし、田辺さんの解釈も共感できて、入り込みやすかった!
    もっと古典の歌系の話を読んでみたいなあと思った♡
    加増先生ありがとう

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    2020年04月05日
  • 残花亭日暦

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    ぶさいくな田辺聖子がなぜあんなにみんなに愛されていたかが漠然と理解できる一冊。
    彼女は休まない、働く、動く、笑う、飲む、
    そして善きものをみな愛する。
    根っからの物書きだから、だいたいが観察眼で
    ウェットにならない、女々しさがない
    冷静に物事を理解しようとして批判がない、
    そして悲しみすらも笑いで包もうとする。
    田辺聖子をもう一度よく読みたくなった

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    2020年02月29日
  • 田辺聖子の今昔物語

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    今は昔しで始まる今昔物語。約30の短いが不思議な優しいお話しだった。平安時代も、まだ、初めの頃の話しが多く。鬼が出てきたり、姫様を拉致して連れ去る人間が現れたり、やはり恋の話しが面白い。治安がことのほか悪いのもわかった。読んでいくうちに芥川の世界と重なっていくのもおもしろい。とても読みやすく、数が多いので1つ1つの印象は弱いが入門書としては最適なのかなと思う。語りが優しいのは、作者の人柄だろうか。少し説教臭いのは宗教色があるのかもと感じた。

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    2020年02月18日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    ネタバレ

    まさに珠玉の言葉たち。
    何度、お聖さんのアフォリズムに救われたか。
    お聖さんの最期はまさに「アア、楽しかった!」生き残る人にシッケイ!と手をあげて、「楽しかったね」と握手して逝ったんだろうな。
    天国でカモカのおっちゃんとおいしい料理をあてに飲みながらおしゃべりしているんだろうな。

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    2019年11月21日
  • 田辺聖子の小倉百人一首

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    いきなり和歌を詠みたくなって、でも和歌のことなんて全然知らないな…?と思いまずは百人一首勉強しよ!と軽い気持ちで本書を購入。

    よくありがちな歌の現代語訳だけではなく、時代背景や作者の人生など、多角的な方面から綴られていて、分かりやすく面白い。
    学校で学ぶ日本史と国語の古典は別個として捉えがちだけどそうではないということが身に染みました。
    万葉集や新古今和歌集などからもちょこちょこ引用されてるので、次は他の歌集も読もう!と早速購入しました(古語辞典も買いました)。

    聖子さんの語り口もらしさが出てて素敵だし、与太郎青年と熊八中年も味があって良いです笑

    後鳥羽院と順徳院で終わるという点、定家が

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    2019年10月20日
  • 文車日記―私の古典散歩―

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    もう四半世紀ほども昔の受験生時代、古典を頭に入れるのに効果的と予備校の教師に勧められて以来、田辺聖子さんの古典ものを愛読してきた。今回何度目かの再読中、田辺さんの訃報。少なからずショックを受け、途中で本を閉じてしまった。
    本書は、田辺さんが大好きな古典作品について綴ったエッセイ集。やさしく、たおやかな文体から、本当に彼女が古典とその登場人物たちを愛してやまないことが伝わってくる。彼女の視点で語られると、それまで教科書で読んだだけで、敷居の高かった古典の世界が、生き生きと鮮やかに蘇ってくるから不思議だ。登場人物の息吹まで感じられるようで、本を閉じてからも現実の世界に中々戻ってこられなくなってしま

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    2019年09月04日
  • 新源氏物語(下)

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    桜の花が「可憐から豪華へ、そして、散って行く」ような最終章。
    桜が散り際に、少し凶々しくなる事があるように、
    女三ノ宮が陰を落とす。
    紫の上の心理描写は秀逸。
    これで、紫の上は、
    世界で最も美しいヒロインの一人にして、
    誰からも好感を持たれるという地位を確立した気がする。

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    2019年08月13日
  • 新源氏物語(上)

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    円地文子さん、瀬戸内寂聴さん、大和和紀さんの漫画まで、読み漁り、それでも、時折、源氏物語読みたくなるのは何故だろう。同じ物語でも、作家さんによって、見える色も、感じる香りも、肌触りも、違ってくる。
    今回の田辺聖子さんは、登場人物が身近に感じられる。
    ただ、美しくない登場人物や年を経た女性への描写がきつく感じられてしまった。

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    2019年08月05日
  • 人生の甘美なしたたり

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    「人間は何のために生まれてきたと思う?おもしろいことを言って、みんなで笑うためよ」
    日本を代表する作家であり大阪を最も代表する作家であった田辺聖子さんが、先週6日に92歳で亡くなった。「カモカのおっちゃん」などエッセイの言葉や小説の中で出てくるセリフが好きだった。大阪の普通のおっさんやおばはんが使うような平易な言葉で、こんなにも人生の機微や人間の本性を突き刺すような深い言葉を紡いだ作家は彼女以外にない。彼女の言葉には何度も笑わされ教えられた。樹木希林さんにつづいて、人生の大先輩がまた一人いなくなった。私の本棚に残る4冊の彼女の本から、箴言集「人生の甘美なしたたり」を再読。10数年前に買った本だ

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    2019年06月20日
  • 苺をつぶしながら

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    今朝読み終わったばかりで、今日亡くなられるなんて。。
    すごく好きな作品でした。
    どんな方なのかお会いしてみたかった。

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    2019年06月10日
  • ほのかに白粉の匂い 新・女が愛に生きるとき

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    「知的腕力とは、その人にしかない自分の言葉を持つということ。」
    「人生の意義は、まあ、いろいろあろうけれど、自分が何回、笑顔になったか、ヒトの笑顔をどれ程見たかで、充実度がはかられる、そんなところがある。」

    「自分の言葉」…自分の気持ちや考えをぴったり言い表せないことが多い。もっと言葉を自由に扱えるようになりたいな。

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    2019年05月25日
  • 夜あけのさよなら

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    私の持ってる文庫本は昭和58年発行の19刷で、ページがすっかり茶色くなってしまった。単行本の刊行は昭和49年とある。うひゃー、すぐには何年前か計算しにくいくらい古い。でも読み返すたびにひきこまれて、前読んだときよりもっと良かった!と、その都度思っている気がする。田辺聖子先生の小説では一番好きかもしれない。

    全然古臭くなくて、四十年以上前の作品だという気がしない。そりゃあさすがに、時代を感じさせるところは多々あるわけだけど、描かれている青春の切なさは永遠だと思うのだ。OL(っていう言い方も今はしないのかな)のレイ子が、ほんとどこにでもいそうな、いや、どこにでもいた感じの女の子として生き生きと描

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    2018年07月30日
  • 人生は、だまし だまし

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    おせいさんの随筆を読んだのは初めてでした。ナアナアな中年、イチブン氏と理想高きOL、フィフティちゃん、おせいさん、ときどきカモカのおっちゃんを混じえて語られる「いい塩梅」の大人の随筆集。おせいさんの著作は小説もそうですが、カドがなくて心がまあるくなる感じ。合間合間に挟まれるアフォリズムが印象的でした。そっかー「可愛げのある男」に尽くしてる間にアッという間に人生は幕を下ろしてしまうから野心のある女性は気をつけないといけないのね。結婚ってなかなかふしぎなもんです。おせいさんのほかの随筆も読むつもりです。

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    2018年06月12日
  • 苺をつぶしながら

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    ネタバレ

    相変わらずこのシリーズは装丁が美しい。主人公が美術系の仕事だからだろうか。1部と2部は男女の恋愛だったが、3部は男女の友情とさらに今まで関心がなかった目上の女性との友情について深く描かれている。主人公の環境や登場人物はどんどん変わるが[1人を除いて)、主人公のコアは変わらず純粋なまま。最後は親友を見つけてハッピーエンド。

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    2018年04月26日
  • おくのほそ道を旅しよう

    購入済み

    おくのほそ道を旅しよう

    田辺さんの面白い、読み易いお進めます。解説で 芭蕉が好きになりました。
    皆さんもお読みになること進めます。

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    2018年03月31日
  • おちくぼ物語

    ネタバレ

    ハピエン厨に優しい

    落窪姫は勿論、原作では笑いものにされて終わりだった四の君と面白の駒こと兵部少がラブラブハッピーエンドになるのがいい。

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    2018年03月20日
  • 人生は、だまし だまし

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    読売新聞の広告で「この国は、本を読まない大人が増えた。だから子供みたいな国になってしまった」という内容を語ったのは、田辺聖子である。

    本書は、エッセイ仕立てだが、飲み仲間の「フィフティちゃん」と「イチブン氏」との会話を通じ、人間の生態、特に男女のあれこれを通じて、著者がアフォリズムを導き出す示唆に富んだ1冊である。

    私は田辺聖子をあまり読んだことがないため感じるのかもしれないが、
    とにもかくにも、難しい熟語が夥しい数登場する。

    辞書を引かずにこの本を読み通せる人は、相当博識な人だと思う。

    先日作詞家の松本隆が出演したテレビ番組でこんなことを言っていた。

    「作詞家を志す若い人がやってお

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    2017年12月31日