田辺聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2020年に公開されたアニメ映画とほぼ同じ内容のコミカライズ作品。
原作(1984年)と実写映画(2003年)は未履修のため、「何がどう違うのか?」については言及できないが、時代に合わせて社会背景やキャラクターの設定は現代風に脚色されているとのことなので、古臭さは全く感じなかった。それぞれのあらすじを軽く紐解いてみても、作品の根底にある”障害者と健常者の純愛”という本質は、変わっていないみたい。
社会的マイノリティに属する少女が、夢を追う青年と出会い、互いの世界を広げながら共に成長していく……現実的には難しいことだとしても、そんな美しい夢物語に優しく浸かりたい方におすすめかな。 -
Posted by ブクログ
『とりかへばや物語』本当に面白い。
左大臣の2人の妻が同時期に出産。美しい男の子と女の子が生まれ、母親が違うのにに顔がそっくり。
何年か経ち、蹴鞠や漢詩が得意でキリッとイケメンな男装の娘と、お琴が得意で恥ずかしがり屋の大変美しい女装の息子に成長した2人。
父である左大臣も屋敷から出ずに好きなように生きれば良いと思っていたのに、2人の美しさが評判となり帝から出仕や入内を求められてしまう。
娘の方は男性と偽り出仕し、息子の方は女東宮に尚侍(ないしのかみ)としてお仕えする事に。
2人とも今の役割を立派に担っていたけれど、とある事から今の生活を続けられなくなり身を隠す。。。
終わり方も面白いので読んでみて欲しい。
「女も優秀なのよ、チャンスが与えられないだけで」「女として育って女心が誰より分かってそうなのに、男として生きるようになった途端に不誠実なんだから」って気持ちが漏れてる気がします。
✨コバルト文庫『ざ・ちぇんじ』氷室冴子さん
✨花とゆめコミックス『ざ・ちぇんじ』
漫画家 山内直実さん
原作 氷室冴子さん
✨フラワーコミックス『とりかえ・ばや』
漫画家 さいとうちほさん
の原作です。
古典も『とりかへばや物語』『おちくぼ姫』あたりから楽しく入って、そこから文法学べば良いのにと思っちゃいます。
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Posted by ブクログ
9つの短編集
水色の涼しげな装丁に惹かれて購入したが、
内容は少し危険で甘美だった
いくつも男女間の話を読んできたけど、
作者によってこうも違うのかと
味わい深かった
( )内で心の内や説明を描き、
関西弁が飛び交う自然体の会話劇に
妙な親近感を覚える
時折、鋭利な心理描写で核心を突く表現や、
その後はどうぞご自由に想像してください
という話のスタイルが徹底されてて心地よい
表題作は映画化や漫画化もされてるようで、
確かに設定が面白い(といえば語弊かあるが)
ので凄く映像向きだと思う
話も良かった
他に「恋の棺」も特に気に入った
田辺聖子さんの作品は初めて読んだけど、
内に欲望をひた隠しながら生きる、
そんな「二面性」を抱えた女性の描き方が
抜群にうまいとおもった -
Posted by ブクログ
長い間探していたが、母の蔵書の中に紛れていた。67編のエッセイがある。見出しに丸がつけてあるのは気に入ったものだろう。
ざっと読んでみると、想い出すものとそうでないものがある。ジャンルも古典に限ったものでなく落語まである。さすがお聖さんだ、面白い!
二編ずつ読んで考えよう、「その一」と言うことで今日から始める。
額田女王の恋(万葉集)
奔放な歌と物語を残した万葉の星。少女の頃に中大兄皇子に従ってきた大海人皇子と恋に落ちた、厳しそうなお兄さんより優しい微笑と優雅な弟の方がいいわ。
おおらかな歌で斉明・女帝に愛され、有名な歌を読んだ。
熟田津に船乗りせむと月まてば潮もかないぬ今は漕ぎいでな
彼女は宮廷の華、周りの人々の心を惹きつけていた。
兄の中大兄皇子に求められた。斉明帝が崩御し天智天皇が即位し、その男らしい統率力を見て愛人になった。
ある初夏の一日、蒲生野で狩りがもようされ、大海人皇子をみかけて歌った歌。
あかねさす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖ふる
大海人皇子の返歌
紫の匂える妹を憎くあらば人妻ゆゑにわれ恋ひめやも
周りは大喝采。
座興とはいえ実におおらかな歌だった。
何十年の前の記憶が浮かび、恋の記憶も、馴れ合いの歌の中にはあったのかもしれない。
その後も天智天皇の愛人であり続けたが没年は定かではない。
君待つとわが恋居ればわがやどのすだれ動かし秋の風吹く
晩年の
いにしえに恋ふらむ鳥は時鳥けだしや鳴きしわが恋ふるごと
どちらの天皇を深く愛したのか、巫女の身分でお后になることはなかったが、聖子さんはどちらも同じウエイトで愛したのではないか、と締めている。
むかしはものを
百人一首の中で人気がある歌。
あひみてののちの心にくらぶればむかしはものを思はざりけり
あなたにあってから物思いが増えました、と私などは読み取ってきた。
だが聖子さんは「あひみての」に複雑で皮肉な響きがあるという。
あい見るとは、ただ出会ったのではなくて、既に一夜をともにした。その後男はひょっとして白けてしまったのかもしれない。
あぁ昔思っているだけの日々の方が良かった。恋は萎んだ。
――作者の藤原敦忠は男女の愛の微妙なながれのゆくすえを早逝者の直感で洞察していたに違いありません。――
こういう読み方は初めて知った。聖子さんの洞察も興味深いものだった。