田辺聖子のレビュー一覧
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【本の内容】
生きていくために必要な二つの言葉、ほな、とそやね。
別れる時はほな、相づちには、そやねといえば、万事うまくいくという。
本書は田辺ことばと共に楽しめる究極の人生の哲学満載である。
[ 目次 ]
究極のあわれ
金属疲労
惚れる
寝首
いい男
家庭の運営
上品・下品
憎めない男
老いぬれば
男と犬〔ほか〕
[ POP ]
「人間のトシなんて、主観的なものである」。
「老眼鏡と杖さえあれば、老いもこわくなく、わるいものではない」。
「好色な人は男も女も、人生、たのしそうに生きている」。
1928年、大阪生まれの著者のお言葉が満載のエッセイ集。
ユーモラスな語り口から、人 -
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ネタバレ『あんたが大将』、『見さかいもなく』、『金魚のうろこ』、『達人大勝負』、『夢笛』の5編収録。
田辺聖子の原作を鴨居まさねが描く。
「女はフットワークが軽くなくなったら終わりやな」(見さかいもなく)や「笑えっ 笑わんかい いっぺんでも数多く笑(わろ)たほうが人生は勝ちやねん」(夢笛)のように、『金魚のうろこ』以外は関西弁が出てきて、そういう点でも楽しめました。
私は田辺聖子さんの小説を読んだことがない。
でも、映画『ジョゼと虎と魚たち』(大好きな作品)を観て、田辺さんの世界に少し触れたり、このコミックを読んで、またちょっと触らせてもらったりと、関わるチャンスは何度か得ている。
なーのーに、まだ -
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「枕草子」をもとに、清少納言の生涯を描いた伝記的小説。
臨場感に溢れ、喜怒哀楽がすなおに染み込んで来る内容です。
聡明で優しい中宮定子(一般にはていし、ですがこの作品では、さだこ)のもとに仕え、この上ない幸せをかみしめていた清少納言こと清原海松子。
995年、定子の父・道隆が亡くなり、その弟の道長が跡を継いだことで、定子たちの運命には翳りが見え始めます。
1年後、定子の兄・伊周と弟・隆家が花山院との間に起こした事件で、流罪に。
二人は都を離れるのを嫌がって隠れたりと、無様な態度をさらすことに。
二人の沙汰が決まるまでの皆が固唾を呑む様子。そして清少納言の元には交流のある男性たちから、しばらく -
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清少納言の生涯を描いた傑作。
なめらかで自然な文章で、すっかり引き込まれました。
歌人として評価されていた家系で、清原元輔の娘。
本名は不明だけど、この作品では海松子(みるこ)。
父親っ子で当時の女性としてはレベルの高い教育を受けていた。
橘則光と結婚。
この作品では、他の妻が産んだ子供を育てることになっています。
(当時は複数の女性との関係は普通で、正妻は一番身分の高い女性になる)
なさぬ仲の子を育てるのは史実ではなく、作者自身の経験に引き寄せたもののよう。
ただ当時のことは正確な資料が残っていないので、絶対になかったとも言いきれないですね。
10年則光に捧げたから、この後の10年は自 -
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主人公の歌子さんは76歳。天満の小商人の娘で、船場の古い服地問屋に嫁入りし、終戦後腑抜けのようになってしまった舅姑、頼りない夫・慶太郎に代わって、番頭の前沢と2人で店を切り回してきた。夫が死んで17年が経ち、歌子さんは東神戸の海が見えるマンションで気ままな一人暮らしをしている。
にも関わらず、3人の息子とその嫁たち、「おばあちゃん」となれなれしいヒヨコおまわりなど、彼女の周囲の人たちは、歌子さんを何が何でも「としより」の範疇に押し込めないと気がすまないらしい。歌子さんは、わび、さび、枯淡は大嫌い。油絵や英会話などの習い事に日々いそしみ、気の合う仲間や、以前部屋にコソ泥に入った大学生の泰くんと