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人間はこの世のお客。だから、気随気儘は許されない(ヨソの家に上がり込んであれ下さい、これ使いますと言えないのと同じこと)。こういう窮屈な現世でほどほどに楽しく幸福な暮らしの煙をたてること、それが人間のプロだと著者は言う。家庭の運営、上品・下品、男と犬、恋と友情、嘘と欲、別れの処方…世の中の全科目について、「人間のプロ作家」が絶妙な言葉で解き明かした、ユーモラスで真に迫る、平成生き方読本。
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Posted by ブクログ
なかなかいい。ほどほどにいい 人生の指南書にしてみっか。 「多くの事を中途半端に知っているより、何も知らないほうがいい」サルトル
おせいさんの随筆を読んだのは初めてでした。ナアナアな中年、イチブン氏と理想高きOL、フィフティちゃん、おせいさん、ときどきカモカのおっちゃんを混じえて語られる「いい塩梅」の大人の随筆集。おせいさんの著作は小説もそうですが、カドがなくて心がまあるくなる感じ。合間合間に挟まれるアフォリズムが印象的でした...続きを読む。そっかー「可愛げのある男」に尽くしてる間にアッという間に人生は幕を下ろしてしまうから野心のある女性は気をつけないといけないのね。結婚ってなかなかふしぎなもんです。おせいさんのほかの随筆も読むつもりです。
読売新聞の広告で「この国は、本を読まない大人が増えた。だから子供みたいな国になってしまった」という内容を語ったのは、田辺聖子である。 本書は、エッセイ仕立てだが、飲み仲間の「フィフティちゃん」と「イチブン氏」との会話を通じ、人間の生態、特に男女のあれこれを通じて、著者がアフォリズムを導き出す示唆に...続きを読む富んだ1冊である。 私は田辺聖子をあまり読んだことがないため感じるのかもしれないが、 とにもかくにも、難しい熟語が夥しい数登場する。 辞書を引かずにこの本を読み通せる人は、相当博識な人だと思う。 先日作詞家の松本隆が出演したテレビ番組でこんなことを言っていた。 「作詞家を志す若い人がやっておくべきことは何かありますか」 「本を読んで語彙を増やすことです」と発言。 言葉を知らないと表現などできないという。 至極当たり前のことだが、意外と見過ごされがちな事実ではないだろうか。 絵の具の種類が多いほうが、より色彩豊かな絵画を創造することができるのと同じで、ボキャブラリーが多いほうが、人生の機微に気づき豊かな表現が可能になるだろう。 細かなこぼれ話ではあるが、辞書を引く楽しみも紹介されている。 目的の言葉だけではなく、周辺の言葉の意味も知ることもできると。 言語化できることは、物事を相対化して認識できるということ。 つまり、様々なことを客観視できるということだといえる。 とかく窮屈で他人に不寛容になってしまうことも多い世の中。 大先輩の言うことにじっくりと耳を傾けながら、語彙を増やしていくと一味違う人生が待っているかもしれない。
【本の内容】 生きていくために必要な二つの言葉、ほな、とそやね。 別れる時はほな、相づちには、そやねといえば、万事うまくいくという。 本書は田辺ことばと共に楽しめる究極の人生の哲学満載である。 [ 目次 ] 究極のあわれ 金属疲労 惚れる 寝首 いい男 家庭の運営 上品・下品 憎めない男 老い...続きを読むぬれば 男と犬〔ほか〕 [ POP ] 「人間のトシなんて、主観的なものである」。 「老眼鏡と杖さえあれば、老いもこわくなく、わるいものではない」。 「好色な人は男も女も、人生、たのしそうに生きている」。 1928年、大阪生まれの著者のお言葉が満載のエッセイ集。 ユーモラスな語り口から、人生を楽しむ秘訣を盗みたい。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
「人生はだましだまし」なんて言葉は嫌いだった。誤魔化しなんか一切なしで、そのときそのときを全力で楽しみたいと思ってた。 就職して初めてこの言葉が身に沁みた。 害毒のエーテルに溢れてしまいそう、そんなときこそだましだまし、なのかな。 若者をたきつけるばかりじゃなくて、「苦労は逃げえ」と言える田辺聖子...続きを読むはかっこいいと思う。 アフォリズムって楽しいね。
田辺聖子という人は賢くて、ユーモアがあって、チャーミング。それでいて決して鼻につかない。こんな女性になりたいと思う、共感できるエッセイ。
田辺聖子のエッセイ集。独特の、大阪のおばちゃんのアフォリズム、名言集である。 苦労は忘れてしまえば苦労でなくなる。 達観、というのは、心中、まあ、こんなトコやな、とつぶやくことである。 人生を楽に、楽しく生きていく知恵が詰まっている。それにしても、大阪弁とは、なんとも味わい深いものであろうか。
サヨナラは、「ほな 」。 夫婦仲は、「そやな」。 人生うまく生きてゆくために。 おせいさんの言葉は、 軽やかだけど、ひとつひとつ 深い。 「夫婦の間では、〈われにかえる〉ということは、見合わせたほうがよい。」なるほどーー。 人生はだましだまし、流されるのも佳きものかな。
ずっと積ん読になっていた本。 今一番心に残ったのは、恋愛は、はじまりではなく終わりが一番大事だということ。何も失恋する、とかそういう話ではなくて、歳をとり、どういう風に終わりに近づいていくんやろうなぁ、、と考えるのは、心がよく整理されるように思う。また、恋愛も含めて、人生というのは人との付き合い方...続きを読むを学んでいるんやなと思う。 私はまだまだ若造なわけで、何か穴を見つけるとすぐに埋めたがるところがあるけど、時間をかけながらあっちを直しこっちを繕うっていうのも「アリ」なやなぁと、気付かされる訳です。 人でも物事でも、そんなすぐに100%いい状態になれる訳がないやなと。そこを、ちょっとずつ自分を改めながら、自然と周りが変わっていくのをじっくり待つ。これも、人生の面白みやなぁと思う。 あれがアカン、これは気に食わん、そう思うのはようあるけど、そう思ったところで自分の人生に面白みが出てくるかというと、そうではないと思う。 うわわ、と思いながらも、あ、わたしはこういう所が嫌やなと思ってたんや、とか、自分の声に気付いていくというのも人生の味なんやろうなと思う。こういうのを嫌やなと思う自分がおったんやな、、という自分の発見、ていうのかな。 それを発見したら、自ずと問題やらしこりはほぐれていってくれるような気がしている。別に頑張って物事に立ち挑んでいかなくてまも、相手から勝手に変わってきてくれるというのかな。 とかまぁそんな事を考えさせてくれるエッセイでした。田辺さんのエッセイもなかなかに、よいです。
『ほな』『そやな』は標準語には変換できない多くの意味が含まれいるようで、ちょっと羨ましい。どうやらこれらの意味には、相手を受け入れる、許す、こんなもんだろうなと思える意味があるみたい。人間商売には大事なワードです。
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田辺聖子
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