あらすじ
年下の男との恋に落ちて5年。新鮮さがいつか馴れ合いになり、ときめきは穏やかな親近感に変わった今、留禰は別れが近いと知る。もはや止めることができない恋の終わりを受け入れようとする女、その心に溢れくる甘やかな悲しみを描いた表題作ほか、恋愛に翻弄され人生に行き惑う男女のありさまを、抒情豊かな筆致で描き上げた5篇。芳醇な味わい、深い余韻。まさに恋愛小説の傑作。
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Posted by ブクログ
最近色気について考えている。
自分はまぁ、こんなもんだろうと思っていて、相手にも過度な期待はしない、でも、スレた諦めではなくって、ひょっとしたらという期待もあるにはあって、それを愉しんでいる、、そんな感じが色気を生み出すのかなぁ。
「君や来し」を読んでいてそう思った。
Posted by ブクログ
好きな本で、久しぶりに再読。田辺聖子さんの本は、なぜこんなに心にすっと入ってくるのでしょう。素敵で、知的で、細やかな心の機微、子供っぽくない大人の恋をさらりと書き。きっとまた読むと思います。
Posted by ブクログ
素晴らしい恋愛小説。
この中の「良妻の害」が面白い、笑ってしまうくらい面白い。
そして、最後はすかっとします。
なかなか見つからないぐらい素晴らしい本。
Posted by ブクログ
平成22年に発行された短編集で、これまでに読んだことの
ある作品もあった。新調されたカバー装画がいい。
聖子さんの小説はいずれも逸脱だといつも思うのだけど、
本書の中では「良妻の害について」が傑作!
日頃うっぷんの溜まった主婦の方にぜひおススメ。
読んだだけでもスカッとしますよ。それにとてもオモシロイし。
です、ます調の文体が効いてる。さすが!!
Posted by ブクログ
お聖さんの作品にはものすごくドラマティックな展開はない。ありふれた男女のありふれた関係。なのにこんなに妙味があって面白い。
作品中の男女の会話ににまぁっとする。コブつき再婚も、16も年下の男との別れる別れないのやりとりも、献身的な主婦の反乱も、そこに悲壮感はなくて適度な緩さと年季の入った掛け合いがある。
デコラージュ風の装丁も可愛いし、古い作品と食わず嫌いせず、うら若き乙女の皆さま(自称 可)にもぜひ読んでみてほしい一冊。