田辺聖子のレビュー一覧

  • 老いてこそ上機嫌

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    老眼で細かい字が読めない、自分が書いている字さえ見えない。コンビニの店員の話しが早くて聞き取れない。知らぬ間にTVのボリュームが大きくなった。指の関節が痛くてペットボトルのキャップが開けられない。昨日はアッチ、今日はコッチと身体の不調が現れる。
    今まで普通に出来ていた事が一つ一つ出来なくなっていく事で老いる自分を否応なしに認めざるを得ない。そして、自信を無くし、将来は不安に満ちたものに感じられる。あーあ、やんなちゃうな。全然楽しくない。

    そんな、老への気分を一蹴してくれる本です。これから老人になる人に元気を与えてくれます。老いるのは仕方がない、でもそれを嘆いている場合ではない。乗り換えるべき

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    2025年02月13日
  • 不機嫌な恋人

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    めちゃくちゃ面白かった。

    片思いが多すぎて切ない〜。
    相手を思う気持ちよりも自分を思う気持ちの方が大きくなりがちだから、本当に好きな人とは結ばれにくい。
    恋が終わったときに初めて本当に相手のことを想うことが出来るから、終わった恋を愛おしく感じるんだな〜って思う。
    恋をしているときはみんな利己的で、片思いの無い恋なんて無い。
    所在なさを恋で埋めることの寂しさ。
    論理で片付けられない恋愛を楽しんだり振り回されてイライラする登場人物たちの姿がおかしかった。

    身分の差によって、恋の報われなさにもしっかり差が出ているの苦しい。
    浅芽の決断痺れた。

    チャーミングな小侍従も、艶麗な七条夫人も素敵、登場

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    2025年02月12日
  • 言い寄る

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    池袋の喫茶 梟書房さんで出会った本。
    全体のまったりしたたおやかな、でも何とも言えない乃里子をとりまく情景が面白い…
    みんな大人びていい加減なようで そんなもんなんかない?
    装丁も素敵。

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    2025年01月08日
  • 苺をつぶしながら

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    乃里子3部作の3冊目。1作目の「言い寄る」では奔放すぎる乃里子の性格に、この尻軽女め!と呆れ果て、2作目の「私的生活」では剛の傲慢で嫉妬深い性格に、こんな男ムリ!とイライラしながら読んだけれど、3作目のこの本では乃里子も剛も可愛く思えるところが多々あって、ありがとう田辺先生!と思わずにはいられなかった!
    特に剛の難しい性格の中に垣間見れる、遠回しでストレートじゃない優しさに、何だ実は思いやりも持っていたのかと心から安堵したのは私だけではないはず。
    結婚と離婚を経て得られたライトな二人の関係を、乃里子の心情として
    「剛のいちばんいいものだけを抽出して、贅沢に費消するとすれば、彼の友情だけが欲しか

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    2024年12月06日
  • おちくぼ姫

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    平安時代に書かれた「落窪物語」を田辺聖子が現代風にアレンジして訳したもの。
    そんな昔ににシンデレラのような物語があったなんて。。。
    ある程度の脚色はあるにせよ、ステレオタイプの継母とおもしろキャラクターがいて、エンタメ性抜群でした。

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    2024年12月03日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    それぞれの本から抜き出したセリフがあって、あ、これは私のためにある一文だ。と思える。
    多分また違うステージにたった時読み返すと、違った見方が得られるんじゃないかと思う。

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    2024年11月22日
  • ジョゼと虎と魚たち

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     原著1985(昭和60)年単行本として刊行。
     1年以上前、連作歌曲集「やさしい恋愛小説集」という曲を書くに当たって、若い女性作家の手になる恋愛小説を読み漁った際に、本書も「おすすめ恋愛小説」と紹介されているのを見かけて購入したが、後回しにして読まずに放置してしまった。
     田辺聖子さんは1928(昭和3)年生まれ、長命91歳にして、2019(令和元)年に没。私より41歳も年上の世代で、芥川賞を受賞したのも1964年と古い。
     この人の名前は私が高校生の頃にも当然知っており、書店の棚にはこの人の文庫本もずらりと並んでいたはずだが、当時の私はいかにも恋愛小説っぽい女流作家の小説はどうも読む気にな

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    2024年11月14日
  • ジョゼと虎と魚たち

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    9篇の短編が収められているが、もちろん最高傑作は表題にもなっている「ジョゼと虎と魚たち」であろう。「おもろうて、やがて愛しき」とでも言いたくなるような珠玉の短編である。

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    2024年11月07日
  • ジョゼと虎と魚たち

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    お見それしまた田辺聖子さん。エロいです。タイトル作のジョゼと虎と魚たち。障害者の女性にセックスを「幸せは死と同じ」と言わしめる。「ここになあ、白いもんが見つかるようになってから、男と女は楽しおすねや」といつも初めてと交し合う「雪の降るまで」としっぽり生きている女のこころの襞を味合わせてくれる。すごいな!

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    2024年10月31日
  • 上機嫌な言葉 366日

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    折に触れて思いついたページを開いたりしていましたが、今回初めから最後まで通読しました。
    やはり時代の雰囲気は感じるものの、田辺聖子さんの各文章は優しく朗らかでちょっと沁みる。
    読んでいて心があったかくなります。

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    2024年10月29日
  • 田辺聖子の古典まんだら(上)

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    光源氏ものがたり から田辺さんの文章にはまっている。
    古典の授業で読んだなと思う文章が出てくるとなんだか嬉しい。読んだことのなかった有名な古典も、面白いところが知れて大変ためになる。

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    2024年10月26日
  • 言い寄る

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    ネタバレ

    共感しすぎてしんどくなった。

    そして美々みたいなちょっとだらしなくて言うことがころころ変わるような子ってたまにいて、憧れないし私が男なら絶対付き合わないって思うけど、こういう子はうまく生きる方法が生まれつき身についてるなと感じる。でも嫌味がないから皆に好かれるし、私も嫌いじゃない。でも自分の好きな人がそういう子を好きになったら見る目ない!とキレたくなると思う。そしてこういう子には絶対に勝てないから耐えられる自信がない…

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    2024年10月15日
  • 光源氏ものがたり 下

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    久しぶりに肌身離さず隙あらば読んだ。もともと講義のような形でお話したものだ とあとがきにあったのを見て、ぜひ聞いてみたかったなぁと思った。
    上巻と合わせて、何度でも読んで平安王朝の雰囲気に浸りたい

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    2024年10月13日
  • 光源氏ものがたり 上

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    とても読み応えがあり、読むのに時間はかかるけど面白い一冊だった。解説のようなかたちになっているので、本来は源氏物語を読みながらとか読んでからがいいのかな?と思った。わたしは源氏物語を読む前に手に取ったけど、自然と平安時代の世界に引き込まれ充実した読書時間を過ごした。

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    2024年10月08日
  • 孤独な夜のココア

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    “恋というものは、生まれる前がいちばんすばらしいのかもしれない”

    寝る前に1章ずつ読むのにぴったり

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    2024年08月25日
  • 姥ざかり(新潮文庫)

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    その地方の言葉(いわゆる方言)が
    そのまま使われている小説が
    無性に読みたくなった

    ある劇団の女優さんとお話していた時に
    石川啄木さんの話になって
    その女優さんが岩手を訪れたとき
    彼女の友達の演劇人が
    岩手の方言で かの「一握の砂」を
    読んでくれたそうな
    その時 あぁ 言葉は生き物だ
    と 強く感じ入ったそうです

    そんなお話を 伺ってから
    真っ先に 思い浮かんだのが
    おせいさん こと 田辺聖子さん
    これまで 性根を入れて
    田辺聖子さんを手にしていなかったので
    先ずは この一冊ということで
    この「姥ざかり」を

    いゃあ お見事

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    2024年08月15日
  • 孤独な夜のココア

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    可愛らしい恋愛小説かなと思ったら、ほろ苦さのある個性豊かな12篇でした__ 人間味のある登場人物たちと恋を綺麗に描きすぎずないとこが良くて、共感できるとこがたくさんありました。

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    2024年07月31日
  • 春のめざめは紫の巻 新・私本源氏

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    源氏の君のイメージがボロボロです。
    けど、原作では源氏に泣かされっぱなしの女君たちが強い。
    小気味よいですね。
    特に女三の宮。

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    2024年07月28日
  • 言い寄る

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    今回のタイトル「言い寄る」なかなか艶めかしい印象ではないか。
    収録されている物語は田辺さんが昭和に執筆されたものだ、、
    そうバブル経済に繋がる日本の成長期、男女の恋愛はこんな風に繰り広げられていたんだな、、と懐かしいやら、新鮮だったり。
    そんなだから物語の中にはスマホなんて道具、登場する訳がない。
    気持ちを伝える、相手の本当の心を知りたい、自分はこうしたいのに、、、そんな揺れ動きや上手く行かないじれったさを描くと田辺さんの物語はピカイチだ。
    SNSを使って知りたい情報だけを都合良く入手できる時代じゃない。
    近寄りたい人(本書の場合、言い寄りたい人)との心のすれ違いや、「そうじゃないんだってば~

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    2024年07月13日
  • 言い寄る

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    ネタバレ

    昭和48年に書かれたことが嘘みたいに思える作品。周りの男の人からモテてる乃里子なのに、自分が大好きな五郎には言い寄れないもどかしさ…、想像できるし切ないなあ…。続編が2つあるみたいだから、また読んでみたい。

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    2024年07月06日