田辺聖子のレビュー一覧

  • 歌がるた小倉百人一首

    Posted by ブクログ

    百人一首、全ての歌についての大意と、解説。
    ポプラ文庫から出たものの再版のようだ。
    それで、小学生も読めそうな表現と分量になっているのか。

    やはり詳細が不明な歌人や、あまりエピソードもない歌もあって、章によりけりというところはある。
    系図はやはり図として出して欲しいなあ、とも思うけれど・・・
    田辺聖子の、手錬れの語り、やわらかな表現によって、心地よく読める。

    0
    2013年02月24日
  • 私本・源氏物語

    Posted by ブクログ

    関西弁で従者の視点から語られる源氏物語。

    「光源氏すてき!すばらしい!」か
    「女性からみた恋の苦しみ」か
    「盛者必衰」
    のいずれかの価値観の
    源氏しか読んだことがなかったので、
    とても新鮮だった。

    源氏のことを愛しく思いながらも
    きちんと批判すべきところは言う、主人公が小気味いい。

    特に、
    「源氏が恵まれているのは神様に可愛がられているから。」
    「昇進したときにも『おめでとう』ではなく、
    『神様に可愛がられて良かったですね』というべき」
    という言葉には、はっとさせられた。

    自分が得てきたものは、すべて自分の努力によるものだ、
    と驕っていた自分に気づかせてくれた。

    0
    2013年01月20日
  • 女の長風呂 I

    Posted by ブクログ

    ちょっと自分の部屋にはうっちゃっては置けない
    エッセイですが、決して露骨なエロではないです。
    日常にあるエロスのエッセイです。

    男と女の違いというのは
    この二つの存在がある限り
    どうして~という観点ではくくれないような
    気がします。

    まあ本当に火星から来た、ですね。
    性という概念の違い、
    排泄方法の違いやら…
    とにかくいっぱいあります!!

    カモカのおっちゃんは
    やっぱりSUKEBEだな
    と思いましたが。

    0
    2012年12月20日
  • 楽老抄 ゆめのしずく

    Posted by ブクログ

     一話が2ページくらいのものもあり、すきま時間に読みやすい。
     老いを楽しんでいる様子や、人の弱い部分も肯定するような、著者の人を見る目が美しいです。老いも若きもみんなこれを読めば、もっと、生きるのが楽になるような気がするんじゃないかな。

    0
    2012年11月26日
  • ブス愚痴録

    Posted by ブクログ

    女というものはやはりしたたかで根っこが深いです。
    その女の人に立ち向かおうとする男が
    ちょっとかわいそうに思えてきました。

    男の人は確かに力はあるけれども
    やはり女の人にはかないません。
    私の家でも現実にそうですし。
    一見亭主関白に見える「あんたが大将」のような
    作品もあります。
    結局は女は強いのですぞ。

    男の人にはずきっと来る1冊かも。

    0
    2012年11月21日
  • 人生の甘美なしたたり

    Posted by ブクログ

    歯切れよく、潔いことばが目に飛び込んでくる。
    ここまで歯切れがいいと、したたりは、さっくり
    さらさら。
    と思いきや、軽い言葉に重い意味。
    強い言葉でお尻をたたかれ。
    人生の機微を味わえる良い本です。

    0
    2012年11月08日
  • 【カラー版】 田辺聖子の小倉百人一首 下

    Posted by ブクログ

    岡田嘉夫さんのイラスト入り「カラー版」。文章だけのものをずいぶん前に買ったのが行方不明中。たまたま本屋でこの絵入りを発見してまた読み出しました。
    前回は百人一首を暗記するために買ったのに、作者の解説に惹き込まれて覚えやしなかった。今度もだろうな…。

    0
    2012年11月02日
  • どんぐりのリボン

    Posted by ブクログ

    ちょと昔の、まじめ系な小説かな、と思いながら読んでみたら、
    なにがなにが、共感の嵐。
    しかも今現在の作家さんが書くより、田辺聖子が書いたと思うとますます深くうなずいてしまう不思議。
    田辺聖子、好きです!
    このお話は、ものすごく面白いというわけではなかったけれど、まさしく今読むにふさわしい一冊でした。
    田辺さんは当時何を思ってこんな展開を用意したんだろう。

    わたしが最も深くうなずいた文言。
    「女は遠くの景色なんか見えないのだ。子供より先に、恋愛結婚があるのだ。女は心情的近眼なのである。」
    これを相手の男とかナレーションが言うのではなく、主人公自身が言っちゃうところが好き。

    0
    2012年10月25日
  • 新源氏物語(中)

    Posted by ブクログ

    小学生の時、本屋に上巻がなかったため、中巻からこの本を読み出した私。すでに光源氏は権力者のおじさんだった。今になって思うと、波乱の多い上巻や下巻よりこの巻が一番平和で好きである。に

    0
    2012年09月01日
  • 甘い関係

    Posted by ブクログ

    若い女の子3人の群像劇。女の子たちもそれぞれ魅力的だが私は彼女らをとりまく男性陣のほうが好きだった。結構ダメ男ばっかりだけど。

    0
    2012年09月01日
  • 新源氏物語(下)

    Posted by ブクログ

    光源氏、晩年の日々。晩年なのにまだまだすったもんだが続きます。紫の上がかわいそうでたまらなかった小学生の私でした。

    0
    2012年09月01日
  • ブス愚痴録

    Posted by ブクログ

    皮肉たっぷりな男目線( ´艸`)
    てかワガママたっぷりな男目線て感じ(^◇^)
    それでも女は逞しい~~-y( ̄▽ ̄*)ウケケ♪

    ☆泣き上戸の天女
    ☆ブス愚痴録
    ☆開き直り
    ☆忠女ハチ公
    ☆波の上の自転車
    ☆日本常民パーティ事情
    ☆恋捨人
    ☆よごれ猫
    ☆あんたが大将-日本女性解放小史

    0
    2012年08月04日
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)

    Posted by ブクログ

    おもしろかったです。何気なく読んでいた田辺源氏でしたが、個人的にはこの巻が一番心に響きました。浮舟、最初は優柔不断でちょっとイラっとくるところがあったのですがだんだん共感出来るような気がしてきました。特に出家後の晴れやかな浮舟さんが好きです。宇治十帖やっぱり好きです。源氏物語の一部、二部と比べると登場人物が皆リアルな造形なんですよね。しかし田辺さんは薫びいきなんですね(私は匂宮派)。私からすると薫はけっこう陰険な男にも思えるのですが…。「窯変」のほうが浮舟に同情的で薫に辛辣な描写だったような。訳者の思い入れが解るのもおもしろいですね。

    0
    2012年08月03日
  • 田辺聖子の小倉百人一首

    Posted by ブクログ

    この本をきっかけに、一時、万葉集や百人一首にハマった。1000年以上の前の人たちの歌に共感できるってすごい。特にこの本の中で紹介されている和泉式部の歌は、現代に生きる私が読んでも共感度が高くて驚くばかり。人の営みって意外と変わらないものだなあと思った。

    0
    2020年05月07日
  • 蝶花嬉遊図

    Posted by ブクログ

    綱渡りの幸福に、はらはらしながら感情移入して、この作品も一気に読んでしまった。 切なくて胸がきゅんとなるんだけど、決して不幸せさは感じさせない、田辺聖子さんの作品が好きな理由かもしれない。

    0
    2012年07月06日
  • 愛の幻滅(下)

    Posted by ブクログ

    わ~。後半せつないわ~。
    ミィちゃん(稔)にプロポーズされるも、妻子持ちの東野を思い切れず。

    でも、始まりのように「目の前の草だけ抜いて」もいられない。

    やっぱりおせいさんは上手いなぁ。

    0
    2012年06月27日
  • 愛の幻滅(上)

    Posted by ブクログ

    主人公は28歳OL。一人旅のときに知り合った妻子持ちの東野と楽しい不倫中。

    この東野ってひとがまた憎めないと言うか、、、「目の前の草だけ抜いてたらいい」とか言っちゃうわけで。。

    魅力的に描かれてるので、主人公が惹かれちゃうのもわかるんだけど、いくら「笑い恋」でも不倫に明るい結末なんてないんじゃ・・?

    下巻でどういう展開になるのか気になるところ。

    0
    2012年06月27日
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)

    Posted by ブクログ

    「宇治十帖」の後半、浮舟が川に身を投げようと邸を抜け出すシーン。
    その後の浮舟の身の振り方。
    薫と匂宮、大君と中の君と浮舟、この5人の性格がよく描かれており面白い。
    光源氏の次の世代の恋愛物語であり、光源氏とはまた違った恋愛物語でもある。
    最後の章に浮舟が、
    「やっと心がきまったわ。・・いいえ、これから先もまだまだ、
     悩みや迷いが多いかもしれないけれど、でもやがてはみんな、
     なつかしくいとしいものに思えるような日がくるかもしれないわ・・」
    この言葉に薫はどう答えるのだろう。

    0
    2012年06月03日
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)

    Posted by ブクログ

    源氏物語の最後の章「宇治十帖」。
    青年・薫が「・・自分はどこから来たのだろう・・いったい、自分は誰の子なのだろう・・」
    この言葉から物語は始まる。
    「宇治十帖」の主人公薫は光源氏の実の子供ではない。
    こんな悩みを持った薫の物語。
    大君、中の君、浮舟をめぐり、薫と匂宮との関係、それぞれに思いが交錯し
    微に入り細に入りの描写が興味深い。
    時にはくどくなったり、時にはまったりしたり、また退屈したり・・と
    読んでいておもしろい。

    0
    2012年05月31日
  • 私本・源氏物語

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    光源氏とはいえ17~18歳の時はこうであっただろうと思う。
    「北山のすずめっ子」が「なぜなぜなーぜ」を読んでいる。
    「六条のオバハン」の前での禁句の連発。
    「色けの花は散り散りの里」の食い気。
    「夜あかし潮汲み」娘の健康的な色気。
    源氏物語には書かれていない平安の世の日常生活なども垣間見れてとにかく面白かった。

    0
    2012年05月23日