あらすじ
不倫は人生の香水である。時々人生にふりかけて楽しむが、ぷんぷんと匂ってはいけない……そんな不倫哲学を持つ30代のOL、一度も浮気したことのない真面目夫、40歳で初めて不倫を成就させるかもしれない人妻、家庭円満のために浮気するという夫――7人の「視点」から不倫が語られる短編集。
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Posted by ブクログ
不倫って、肯定派ではないのだけど、この本は「読み物」としてすっごい面白い!!!!
短編がたくさん、あるように見せかけて全部つながってるのです。
全然暗くないので、すっきりさっくり読めます。
田辺さんの文のうまみがぎゅっと詰まってます。
Posted by ブクログ
女にとって不倫はあこがれ?!男にとって不倫は浮気と似て非なるものであり、結婚した男にとってはあくまで妻が第一であることに変わりない。男と女はこんなにも違うモノなんだと、実感したり、驚いたり。
「不倫」と聞くと、どろどろした感じを思い浮かべるけれど、この中に出てくる男女はなんとなく憎めない。くすっと笑えて、時々むかっとして、こんな妻にはならないようにしたいなと思ったり。気楽に読んで、我が身を振り返る一冊。
Posted by ブクログ
「他人の不幸は蜜の味」の典型なんでしょうね。Twitterの発言から火がついた目下流行りの不倫劇。誰も幸せになってなさげなこの恋愛の顛末を、世の中の人達がこれだけ注目してる(ようにメディアが仕向けてるのか)のも恐ろしいが、不倫なんて家庭の常備薬みたいにその辺に転がってるモン。
と宣う田辺聖子の言葉は深い。
「不倫は人生の香水である。時々ふりかけて楽しむが、しかしそれはいかにもぷんぷんと匂ってはいけない」
深い。人生の達人です。7つの短編を読み終える頃には、不倫の達人になった気分に...。
Posted by ブクログ
「不倫」をテーマにしててもドロドロせず、あっけらかんとしたおせいさん劇場。さすがです。
田辺聖子さんの本読んでると、男性と女性ってどこまで行ってもわかり合えないというかお互いに意味不明なんだなぁとつくづく思いますが、「しゃ〜ない」みたいにそれも何処となく愛おしく思えてくるので不思議。
敏感と自分のコトバ、ねぇ……これは不倫如何でなく備えていたらより良い気がするな。
おせいさんの“良い男”像、いつもこんな感じなのでほんと好みなんだろうな〜